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タイトル:Daily Drama Express 2009/11/29 JIN (8)  2009/12/10


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2009/11/29 (Sun) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.日曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 日曜日の連続ドラマ
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タイトル JIN ─仁─
局  名 TBS系
放映日時 日曜21時
キャスト 東都大学付属病院の脳外科医 南方 仁(大沢たかお)
 吉原の花魁         野風  (中谷美紀)
 南方の婚約者        友永未来(中谷美紀)
 貧乏旗本の娘        橘 咲 (綾瀬はるか)
 貧乏旗本の息子       橘 恭太郎(小出恵介)
 洪庵の弟子・医者      佐分利祐輔(桐谷健太)
 洪庵の弟子・医者      山田純庵(田口浩正)
 町娘            タエ(戸田菜穂)
 蘭学者・医者        緒方洪庵(武田鉄矢)
 町火消し「を」組      新門辰五郎(藤田まこと)
 吉原の花魁         夕霧  (高岡 早紀)
 吉原遊郭の主        鈴屋彦三郎(六平直政)
 貧乏旗本の妻        橘 栄 (麻生祐未)
 幕臣            勝 海舟(小日向文世)
 土佐藩士          坂本龍馬(内野聖陽)
原作   村上もとか『JIN−仁−』(集英社「スーパージャンプ」連載中)
脚  本 森下佳子
主題歌  

あらすじ 「JIN ─仁─」第8回

 東都大学付属病院脳外科医の南方仁(大沢たかお)は、病院の非常
階段からの転落事故をきっかけに、幕末期の江戸にタイムスリップし
てしまう。

 南方は、そこで現代医療を駆使して、さまざまな患者の治療に当た
る。
 貧乏旗本の息子の脳内出血、長屋の母親の大量出血、コレラの流行
の阻止、さまざまな医療器具の開発、梅毒の女郎の治療、この時代に
はなかった、抗生物質のペニシリンの精製……。
 南方の活躍は江戸中の評判になり、江戸で一番の医者、南方大明神
とまで称されるように。

 南方には、婚約者の友永未来(中谷美紀)の脳腫瘍の手術を強行し、
失敗して植物人間にしてしまった、という過去がある。もし、江戸時
代で医学を進歩させることができれば、現代の医学もまた飛躍的に進
歩するはず。医学が進歩すれば、未来の脳腫瘍を治すこともできるか
もしれない。
 その思いが南方の医学へのひたむきな取り組みの源だったのだ。

 一方で、南方の活躍をよく思わない人間もいた。
 南方に協力し、一緒にペニシリンの精製を行った「西洋医学研究所」
の緒方洪庵(武田鉄矢)を排除しようとしている、元締の伊藤玄庵、
さらには西洋医学の導入によって地位を奪われてきた漢方など東洋医
学の総本山「医学館」の面々などだ。
 その手先によって、ペニシリンの精製所は放火され、南方は西洋医
学研究所を放逐されてしまう。
 洪庵の尽力により、新しいペニシリン精製所の開設と、醤油問屋の
旦那・濱口儀兵衛らの助力を得ることができたが、重い結核を患って
いた洪庵は、南方にあとを託して亡くなってしまう。
 南方は、全力で医学を広めるため、独自の診療所「仁友館」を設立
するのだった。

 診療所を開設した南方は、新しいペニシリンの精製に取り組んでい
た。
 これまで作ってきたペニシリンは、薬効が弱く、重篤な患者をたす
けるためには、より強力なものが必要だったからだ。
 南方は、和紙を使った精製法で、今までの三十倍の効力をもったペ
ニシリンを作ることに成功。
 が、和紙を大量に使ったり、精製のための原材料がいろいろ入り用
だったりと、その精製には四百両の金が必要だった。
 南方は、資金援助をしてくれている、濱口に資金援助を申し込む。
 が、四百両という金額を聞いて、眉を曇らせた濱口。
「緒方先生の器を買って、前に三百両の援助をした。それによって、
何千人もの人を救うことが出来た。四百両というのはそれほどのこと
なのです。緒方先生が三百両を出すに足る器だったからです。金を出
さないというわけではないが、あなたさまの器がどれほどのものか見
せていただきたい」
 そういって、静かに南方を見つめるのだった。

 南方は考え込む。
 これは、体のいい断り文句なのだろうか。それとも、まずは自分で
やれることをやってから、ということなのだろうか。
 居候をしている橘家に戻ってきた南方は、護衛役の橘恭太郎(小出
恵介)、助手役の橘咲(綾瀬はるか)らと思案をめぐらせてると……。
恭太郎と咲の母親の橘栄(麻生祐未)が、「亡き父上の形見の備前の
器がない!」と慌てて飛び出してきた。
 実は、吉原の女郎に入れ込んだ恭太郎が、金を工面するために売っ
てしまっていたのだ。
 目の悪い者にメガネを買ってやるため、人助けのためだと、恭太郎
はごまかすが……。

 一方、勝海舟(小日向文世)の門下生になっている坂本龍馬(内野
聖陽)は、海軍を作るための資金として、五千両もの大金を大名から
借りてきていた。
 自慢げに語ってみせる龍馬の話を聞き、呆然とする南方と恭太郎。
ペニシリンを作るための四百両ですら手が出ないのに……。
 しかし、勝は笑って南方に言う。
「先生は金策なんかできなくたっていいんだよ。人にはそれぞれ天分
ってものがあるんだから」
 そして、龍馬に指示する。
「何とかして差し上げろよ。お前さんのご自慢の舌で、ちょろちょろ
っとよ」

 勝に言われて悩みこんでしまった龍馬だが、すぐに表情を改めると
「吉原の花魁、野風(中谷美紀)に会いに行こう」といきなり言い出
す。
 あきれ果てた恭太郎と南方だが、龍馬に引きずられてそのまま吉原
へ行くことに。

 真っ赤な提灯が並び、昼のような明るさの吉原。
 そこで南方たちは軽薄そうな男を怒鳴りつけている野風に出会う。
 男は薄ら笑いを浮かべて去っていく。龍馬が野風の前に進み出るが、
野風は南方にすがりつく。
「実は、急ぎ見ていただきたい病人が……。このままでは、命を落と
しかねない状況で。玉屋の初音(水沢エレナ)という女郎なんです
が……」
 いいですよ、と軽く請け負う南方の横で、恭太郎が顔色を変えた。

 急ぎ初音の容態を見る南方。
 初音は、客の子どもを身ごもってしまい、子を流した手術を「中条
流」という医師に頼んで行った。しかし、無理な治療のせいで敗血症
になってしまっていた。
 初音はうわごとで「田之助さま……」とつぶやく。
 田之助とは、咲に野風とやりあっていた軽薄な男。その正体は、当
代一の人気女形・澤村田之助(吉沢悠)。その田之助に初音は惚れ込
んでいた。けれど、遊び人の田之助はただ初音をもてあそんでいただ
け。そのことで、野風は田之助を怒鳴りつけていたのだ。

 ……ペニシリンを使えば、助けられるはず。
 南方は決断し、龍馬はペニシリンを取りにすっ飛んでいく。
 一方で、恭太郎は呆然としたまま……。南方に指示されて、咲に治
療用具を持ってくるようにといわれ、あたふたと去っていった。
 実は、恭太郎が入れ込んでいた女郎とは、初音のことだったのだ。

 咲が治療道具を、龍馬がペニシリンを運んできて、初音への治療が
開始する。
 しかし、従来のペニシリンでは成果が上がらない。新しい、薬効の
高いペニシリンが必要だ。
 それを作るには、四百両が必要……。
 おいそれと用意ができる金額ではない。皆、だまりこんでしまう。
 が、恭太郎が口を開く。
「田之助に頼んでみてはどうでしょうか。当代一の売れっ子で四百両
くらいどうということはないはず。それに、初音のことをにくからず
思っているはずだから……」
 それはいい! こうなったのも、田之助のせいかもしれないのだか
ら、と手を叩いて龍馬は南方を引きずって飛び出していってしまう。

 楽屋で支度をする田之助の前で頭を下げる南方。しかし、田之助は
うすら笑いを浮かべて取り合わない。
「この小判は田之助の汗、血、肉だ。一両たりともやることなんざ、
できやしないよ」
 恭太郎は憤慨して食い下がる。初音はうわごとで田之助を呼んでい
る。身を売る女郎が、本気で惚れているのだ。そのこころを哀れに思
わないのか。
 が、田之助も表情を改めてにらみ返しながら言う。
「こっちだって同じだ。身を売ってようやっと手にした金なんだ。
……どうしても初音を助けたいのなら、まずてめぇの身を切るのが筋
だろう。旗本株でも売って出直してきやがれっ」

 吉原に戻った南方らに、野風が自分の金、五十両を差し出す。少し
でも足しにしてください。そういうが、南方は断る。野風が身を売っ
て稼いだ金をおいそれと使うわけにはいかない。それに、濱口は他人
にお金を借りたからといって、認めてはくれないだろう。
 ……自分の手でなんとかしなくては……。
 焦る南方を、龍馬がしかりつける。
 このまま悩んでいて、初音が死んでしまっては元も子もない。田之
助の鼻を明かすこともできなければ、田之助にののしられた恭太郎の
顔も立たない。金は自分が何とかするから、南方はとにかくペニシリ
ンを作れ。
 龍馬に励まされ、南方はペニシリンを作りに精製所へ走り出す。

 ペニシリンの精製所では、急ピッチで新しいペニシリンを作ってい
た。
 だが、日雇いで給料もろくに払ってもらえないと、職人たちがボイ
コットを始めてしまう。
 精製所の中でもみ合いが始まる。
 そこへ駆けつけたのは、龍馬。肩に千両箱を担いでいる!
「龍馬さん、その金……」
 呆然とする南方に、龍馬は得意げに語る。
 初音の子を流した中条流に掛け合ってきたのだという。新しいペニ
シリンを担保にして、七年間無利息で四百両を借りてきたのだと。
 給金を配り、精製所は落ち着きを取り戻す。
 その姿をうしろから見ていた恭太郎がつぶやく。
「すごいですね、坂本龍馬という人は……。器が違う」

 そしてペニシリンの精製が始まり、南方は全力で取り組む。
 ペニシリンができると、吉原へ全力で走っていき、眠ることも忘れ
て懸命に。
 その姿を濱口はそっと見守っていた。

 吉原の一室で、初音の治療は続いていた。護衛役として待機してい
た恭太郎に、野風が教える。初音は恭太郎が買ってくれたメガネをた
いそう喜んでいたと。こんな心遣いをしてくれた人は初めてだと言っ
ていたと。
 夜が明けて、初音が意識を取り戻す。
 ひと目会っていけ、と進める龍馬だが、恭太郎は「初音の困る顔を
見たくない」といって去っていく。
 その声を聞いた初音は、無意識のうちに田之助の名を呼んでいたと
聞かされて、あんなにやさしくしてくれた人を傷つけてしまったと、
涙を流すのだった。

 七日が過ぎ、初音は順調に回復していった。
 すべてがうまく回っている様にみえたが……。
 玉屋に南方を訪ねて、中条流の当主がやってくる。
「あれから七日が過ぎたので、お約束のものをいただきにまいった」
 何を言っているのか、唖然とする皆に、中条は証文を取りだしてみ
せる。
「ここに書いてある。七日たって金が返せなかった場合は、新薬のす
べてを渡すと」 
「七日って……七年という話だったのでは?」
 が、中条は笑って証文を見せつける。そこにはたしかに「七日」と
書いてある。しかも、しっかりと龍馬の署名も……。
 七年と口で言って龍馬をだまして、署名をさせたのだ。
 しかし、証文は証文。
「さあ、四百両か、新薬か」
 中条は迫る。それを外で聞いていた恭太郎。南方や精製所の面々が
どれほどの労力と根気でペニシリンを作ったのか、はたで見ていた恭
太郎は心の底から知っていた。
 このままペニシリンをだまし取られていいはずがない!
 恭太郎は走り出す。

 恭太郎が駆け込んだのは、歌舞伎の楽屋。
 再び、田之助の前に頭を下げる恭太郎。同じ問答を繰り返すのか、
とあきれる田之助に、恭太郎は言う。
「ならば、私のこの身体をお前に売る。身を切った金を借りるのだ。
こちらも身を切ろう。煮るなり焼くなりどうとなりするがよい!」
 田之助はじっと恭太郎を見つめて言う。
「じゃあ、ひとつ、見せ物でもしてもらいましょうか」

 玉屋では、南方が中条に迫られていた。
 龍馬の機転で、金を借りたのは夕方。昼過ぎの今ではまだ、七日間
たっていないと時間を稼いだ。
 が、それ以上いい案もなく、そのまま夕方を迎えようとしていた。
 もう、ペニシリンを手放すしか手がない……。
「……わかりました……」
 南方がそう口を開きかけたとき、咲が玉屋の主に頭を下げる。自分
が玉屋で女郎になるから、四百両を貸してくれないか、と。
 慌てて引き留める南方。が、突然扉が開いて、千両箱を肩にかつい
だ田之助が現れる。
 小判を派手にばらまいてみせる田之助。
 ……いったいどうして?

 田之助は、恭太郎に大通りで「金を貸してください」と土下座をさ
せた。武士が役者に、大衆の面前で土下座をしてみせる。これ以上の
屈辱はない。
 だが、恭太郎は恥を忍んで、必死の形相で頭を下げて見せたのだ。
 その姿に打たれた田之助が、金を用立てたのだった。

 改めて恭太郎に礼を言う南方。だが、恭太郎の表情は冴えない。
「……それしか……それしか出来なかったのです。ボンクラの旗本に
はそれくらいしか」
「おまんの……おまんのどこがボンクラじゃ! ええかい、おまんは
ペニシリンを守ったがじゃ。こん薬を守ったちゅうことは、吉原の女
郎を守ったちゅうことじゃ。こん国の医術を守ったがじゃ。おまんは
……この国を守ったようなもんじゃ。おまんは、どだいすごいことを
やったがぜよ!」
 龍馬が真剣な顔で恭太郎を見つめた。
 恭太郎は言う。ずっと、龍馬をねたんでいた。どんどん活躍し、海
軍創設の仕事を任されている。自分は護衛ばかり。龍馬といると、自
分の器の小ささを思い知らされてしまう。
「なんでそんなことを言うんですか」
 南方も恭太郎を見つめながら言う。
 恭太郎のような護衛は誰もいない。南方を守って斬られたり、居候
をさせてくれたり、身を切ってペニシリンを守ってくれたり……。恭
太郎がいなかったら、何も出来なかった。
「だから、恭太郎さんは私にとって、最高の護衛なんです」
 男子たる者、人前で涙は流さない。しかし、今日は少しだけ……。
 そういって、恭太郎は涙を流すのだった。

 翌日、南方は濱口と面会する。
 南方は、濱口に援助を断られてから、ずっと考えていた。
 自分は本当にちっぽけな器の人間だ。多くの人に支えられ、助けら
れてやってこられた。しかし、だからこそ、援助をしてもらえないだ
ろうか。
 自分が受けた恩を返すには、医術しかないのだから……。
 畳に手をついて頭を下げる南方に、濱口はやさしくほほえみかける。
「正直で、己を大きく見せることはしない。けれど自分のなすべき事
には全力であたる。……あなたの器は、きっとそう大きくはない。し
かし、とても美しいんでしょうなぁ。それがゆえに、だれもが助けた
い、守りたいと思う。……それが、南方仁という器なのでしょう」
 はい! 笑顔で南方は答えた。

 援助が決まり、医学の進歩を進めたいという南方の思いはまた一歩
実現するように見えた。
 が、今度は龍馬を狙った刺客があたりに現れ始めた。
 気をつけるように注意する南方に、龍馬は真顔で向き直って言う。
「けんど……先生がおるがじゃろ。わしが斬られても助かるがじゃろ?
 南方仁がおれば、坂本龍馬は……死なん。ほうじゃろ?」
「助けますよ。俺が、この手で」
 強くうなずく南方。

 が、またしても歴史は変わっていき……。


寸  評  少しずつ、未来への出来事がいろいろ動き出してきたような感じ
がします。
 しかし、次々に濃いキャラクターが出てきます。今回は田之助。今
後もなんらかの形でからんでくるんでしょうかね。こういうキャラク
ターをぽんぽん出してくるのも、このドラマの面白いところだと思い
ます。
 さて、龍馬の身の回りが怪しくなってきましたね。
 まだ、薩長同盟もやっていないし、舟中八策も……。こんなところ
で、死んじゃったら、それこそえらいことのはずですが……。
 次回も楽しみです。


執 筆 者 畑中ヒロ()

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2. 編集後記
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 またしても私ごとですが、妹が子どもを産みました。
 それが……妻の誕生日と一緒。
 珍しいこともあるもんだと、笑いあっていたのですが、その数日後に会った
人が誕生日を祝ってもらっているシーンに遭遇したんですね。
 聞けば、その人もまたまた同じ誕生日。
 何かあるんでしょうか……。
 なにかドラマでも起こりそうな偶然ですよね。(畑中ヒロ)

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発行元:ドラマ研究会
e-mail:info@j-drama.tv
url   :http://www.j-drama.tv/
ID  :MM3E195F16414CD 
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