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タイトル:Daily Drama Express 2009/11/22 JIN (7)  2009/12/03


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2009/11/22 (Sun) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.日曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 日曜日の連続ドラマ
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タイトル JIN ─仁─
局  名 TBS系
放映日時 日曜21時
キャスト 東都大学付属病院の脳外科医 南方 仁(大沢たかお)
 吉原の花魁         野風  (中谷美紀)
 南方の婚約者        友永未来(中谷美紀)
 貧乏旗本の娘        橘 咲 (綾瀬はるか)
 貧乏旗本の息子       橘 恭太郎(小出恵介)
 洪庵の弟子・医者      佐分利祐輔(桐谷健太)
 洪庵の弟子・医者      山田純庵(田口浩正)
 町娘            タエ(戸田菜穂)
 蘭学者・医者        緒方洪庵(武田鉄矢)
 町火消し「を」組      新門辰五郎(藤田まこと)
 吉原の花魁         夕霧  (高岡 早紀)
 吉原遊郭の主        鈴屋彦三郎(六平直政)
 貧乏旗本の妻        橘 栄 (麻生祐未)
 幕臣            勝 海舟(小日向文世)
 土佐藩士          坂本龍馬(内野聖陽)
原作   村上もとか『JIN−仁−』(集英社「スーパージャンプ」連載中)
脚  本 森下佳子
主題歌  

あらすじ 第7回

 東都大学付属病院の脳外科医、南方仁(大沢たかお)は、階段から
転落する事故に遭い、なぜか幕末期の江戸にタイムスリップしてしま
う。
 そこで、現代医療の知識を駆使して治療にあたる。
 南方には、婚約者の友永未来(中谷美紀)の脳腫瘍を手術して失敗。
植物人間にしてしまったという過去がある。
 もし、江戸時代で医学を進歩させることができたら、元の現代の医
学もずっと進歩するはず。そうなれば、未来の手術も成功させること
ができるかもしれない……。そう考えて、医学に取り組んだのだった。

 コレラの治療、梅毒の特効薬であるペニシリンの精製と、次々に成
果をあげていく南方。
 しかし、南方の活躍を快く思わない者もいた。
 南方に協力してもらっている、「西洋医学研究所」の緒方洪庵(武
田鉄矢)と敵対する、同じ西洋医学研究所の元締である伊藤玄庵、さ
らに東洋医学、漢方医の総本山である「医学館」らだ。
 南方は刺客に命を狙われた上に、敵対者たちによって、西洋医学研
究所を追いやられてしまった。

 目的から一歩後退してしまった南方は、江戸が一望できる丘の上で
ぼんやりするが、座っているところに何かが落ちていた。取り上げて
みると、「平成二十二年」製の十円玉。
 ……南方が居たのは平成二十一年。二十二年の十円があるというこ
とはつまり、誰かが現代から来たと言うこと。
 いったい誰が?

 一方、勝海舟(小日向文世)の邸宅では、弟子入りしていた坂本龍
馬(内野聖陽)が、「南方が研究所を追い出された」と聞いて、南方
のところに駆けつけようとしていた。
 龍馬は、コレラ治療や梅毒治療でともに働き、南方の神がかった医
療技術と、何よりも患者を第一に考える覚悟に、心に打たれていた。
 龍馬は南方がまた刺客に狙われるかもしれないと心配したのだ。
 が、勝は龍馬の代わりに、同じ門下生の橘恭太郎(小出恵介)を行
かせる。海軍創立のための運動をしなくてはいけない。そこに龍馬が
必要だからだ。それでも自分を行かせて欲しいと言い張る龍馬に勝は
言う。
「命が危ないのは、南方先生だけじゃないんだぜ。日本もだ」

 南方なきあとの西洋医学研究所では、伊藤の締め付けが厳しくなっ
ていた。
 ペニシリンを自由に作ることも、自由に持ち出して治療することも
禁じられる。洪庵は弟子の山田純庵(田口浩正)らに不満を告げられ
るが、それをいさめる。
 そして、ひとり部屋に籠もってなにやら書き置きを残しはじめる。
 が、不気味な咳をした洪庵は、血を吐いてしまう。
「私には時間がない……」と、ひとりくらい顔でつぶやくのだった。

 南方は、居候をしている橘家でボンヤリとしていた。
 とりあえず、今できることはないし、これからどうすべきかを考え
なくてはいけないからだ。
 そこへ、橘家の娘で、これまで助手をつとめてきていた橘咲(綾瀬
はるか)が、やさしく微笑みながら言う。
「ご判断を急ぐ必要はないと思います。いつか天命も参りましょうし」
「天命?」
「人には、いかに生きるべきか、天命を授かるときがくるといいすか
ら」
 南方は、自分がこの時代でどうすればいいのか、自分の天命はどう
なっているか、さらに深く悩む。
 が、そこへ長屋に住んでいる知り合いの子ども・喜市が走ってくる。
 茶屋の娘・茜(橋本真実)が、油をかぶって大やけどを負ったとい
うのだ。

 患者を見に行った南方。首に大きなケロイドができてしまっている。
女性ゆえに「この傷は残ってしまうのでしょうか」と茜は心配してい
る。
 南方は、皮膚移植ができると判断。化粧でごまかせるくらいには直
せる、と請け合うのだった。
 しかし、その手術をするためには、移植後の感染予防のために大量
のペニシリンが必要なのだが……。

 南方は、西洋医学研究所に出向き、緒方にペニシリンの用立てを申
し込む。
 南方の活躍とその医療技術に信頼を寄せている緒方は、微笑みを浮
かべて快諾する。
 しかし、なぜかひとつ条件がある、と言い出す。
「知り合いの、濱口(石丸謙二郎)に手術の様子を見せたい」
 南方も了承し、手術は始まった。

 その一方で、西洋医学研究所では急ピッチでペニシリンの増産が進
められていた。
 担当になっている山田も、一生懸命。
 が、山田が急ぎの昼食を取っているところに、同じ弟子の佐分利祐
輔(桐谷健太)が駆け込んでくる。
 ペニシリンの精製所が火事だというのだ!
 急いで駆けつけた山田と佐分利だが、すでに火の手はどうにもなら
ないほど大きくなっている。
 とどめる佐分利を振り切って、山田は精製所に飛び込んでいく
が……。

 手術はどうにか終了した。
 が、精製所は全焼。ペニシリンは全て失われてしまっていた。再度
精製をしなおしたとしても、二週間はかかってしまうだろう……。
 雨の降りしきるなか、呆然と精製所の焼け跡で立ちすくむ緒方は、
激しく咳き込み倒れてしまう。

 西洋医学研究所に状況を見に来た南方だが、緒方は倒れており面会
謝絶。次の精製のめどもたっていないと知り、落ち込む。
 が、咲の励ましで、またペニシリンの元となる青カビ集めからはじ
めようと動き出すのだった。
 しかし、それもうまくいかない。
 患者の茜の容態もよくない。このままでは……。
 それならば、敵も味方もない、と、医学館へ薬をもらいにいって断
られ、落ち込んだ南方のところへ、山田から荷物が届く。
 そこにはペニシリンが入っていた!
 ……これで直せる……。南方は安堵の涙を流す。

 ペニシリンの効果もあって、茜は治る。
 笑顔でうなずき合う南方と咲だったが、ひとつ疑問がある。
 たった一週間しかなかったのに、なぜ、山田がペニシリンを送って
くれたのか。
 付き添ってくれた佐分利に問い詰めると、佐分利は緒方に口止めさ
れていたといいながら、町中のある一軒の店へ入っていった。
 そこは、元醤油の製造所。そこで醤油職人たちをつかって、ペニシ
リンの精製をやっていたのだ。
 菌の培養は醤油職人ならお手の物。それで、あの早さでペニシリン
ができたのだ。
 しかし、いったい誰がこんなことを……。
 実は、やけどの手術をしたときに立ち会った濱口儀兵衛という男は、
醤油屋の旦那。その力を緒方が借りたのだ。
「あなたの……あなたの医術を守りたい、という緒方先生のお心に打
たれたのでございます」
 濱口はそう、静かに南方に告げるのだった。
 緒方は何度も濱口に文を出し、なんども足を運んで頼み込んでいた
のだ。
 感動に言葉も出ない南方。が、浜口は告げる。
「緒方先生に一日も早くお礼を言いに行ってください。緒方先生はお
そらく……
 重い労咳(結核)……」
「え……」

 南方は全力で西洋医学研究所へ走る。
 研究所で緒方に面会した南方だが、緒方を目の前にして言葉が出な
い。ようやっと、ペニシリン精製所の件の礼を言った後で思い切って
言い出した。
「緒方先生……診察をさせてください」

 緒方は静かに南方の診察をうけながら、医学を志した自分の思いを
語る。そして、優しい微笑みを浮かべながら言う。
「先生……未来は平らな世でございますか。先生は、未来から来たお
人でしょう? そんなことはあり得ん。でも、なんべん考えても、そ
うとしか……思えんのですわ。冥途の土産にしますから、先生、教え
てください」
 真実を告げる南方に、緒方はこう願う。
「よりよき未来を、お作り下さい。みんなが笑い会える、平らな世を
お作り下さい」
 それから時を経ずに、緒方は亡くなった。

 ボンヤリと橘家の軒先で、緒方のことを思う南方の所に、龍馬から
の手紙が届く。
 龍馬は、志を得て、日本のなかの尊皇派や攘夷派をすべてまとめて、
日本を一つにする、と手紙で宣言した。
 南方は、「一つにする」という言葉を聞いて心を決める。
 南方は、ありとあらゆる医療を総合的にできる病院を作ろう、と決
心するのだった。



寸  評  龍馬がやっと「志」を見つけて、それに呼応するように仁も診療
所を旗揚げしました。どうも、ここがターニングポイントになるよう
な感じがしますね。
 今までは、ある意味、西洋医学研究所だとか、洪庵だとかに縛られ
てきた感がありましたので、ここから破天荒な働きをしていくんじゃ
ないでしょうか。って、もう十分破天荒かもしれませんが。
 次回も楽しみです。

執 筆 者 畑中ヒロ()

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2. 編集後記
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 医療ものっていうのは、ドラマのなかでも定番ですよね。今期も『ギネ』と
この『JIN』の二本。
 実は結構好きなんですけど、どうしても日本の連続ドラマって、海外のもの
に比べて……。
「ER」とかに始まって、最近見ているものだと「ドクター・ハウス」「グレ
イズ・アナトミー」、ちょっと違うけど「BONES」とか。本当に面白くっ
て、深夜にテレビにかじりついています。
 専門用語をガンガン使ってきて、リアリティがあるからなんだろうか? キ
ャラクターが面白いんだろうか? それとも台詞が面白いんだろうか?
 いろいろ思うんですけど、やはり丁寧につくっているか否かではないかと。
 人物ごとのストーリーが入れ替わり立ち替わりであって、複雑なんだけどわ
かりやすく作ってあって、なおかつ「次はどうなる」と展開を引っ張るのもウ
マい。やっぱり、海外物のシリーズで人気があるものって、すごく緻密で丁寧
です。
 その点、「JIN」もとても丁寧な造りで(ま、いろいろ「?」はあります
が)、それがヒットにつながっているんじゃないか、なんて考えます。
 そんなことを言っていたら、また海外ドラマシリーズが見たくなりました。
 そういえば、『24シーズン7』最終巻がそろそろレンタル開始になります
ね、ああ楽しみ。(畑中ヒロ)

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