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タイトル:Daily Drama Express 2009/11/15 JIN (6)  2009/11/24


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2009/11/15 (Sun) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.日曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 日曜日の連続ドラマ
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タイトル JIN ─仁─
局  名 TBS系
放映日時 日曜21時
キャスト 東都大学付属病院の脳外科医 南方 仁(大沢たかお)
 吉原の花魁         野風  (中谷美紀)
 南方の婚約者        友永未来(中谷美紀)
 貧乏旗本の娘        橘 咲 (綾瀬はるか)
 貧乏旗本の息子       橘 恭太郎(小出恵介)
 洪庵の弟子・医者      佐分利祐輔(桐谷健太)
 洪庵の弟子・医者      山田純庵(田口浩正)
 町娘            タエ(戸田菜穂)
 蘭学者・医者        緒方洪庵(武田鉄矢)
 町火消し「を」組      新門辰五郎(藤田まこと)
 吉原の花魁         夕霧  (高岡 早紀)
 吉原遊郭の主        鈴屋彦三郎(六平直政)
 貧乏旗本の妻        橘 栄 (麻生祐未)
 幕臣            勝 海舟(小日向文世)
 土佐藩士          坂本龍馬(内野聖陽)
原作   村上もとか『JIN−仁−』(集英社「スーパージャンプ」連載中)
脚  本 森下佳子
主題歌  

あらすじ 第6回

 東都大学付属病院の脳外科医、南方仁(大沢たかお)は、階段から
転落する事故に遭い、なぜか幕末期の江戸にタイムスリップしてしま
う。
 そこで、現代医療の知識を駆使して治療にあたることに。

 南方は、コレラ治療で知己を得た蘭方医の緒方洪庵(武田鉄矢)の
「西洋医学所」で腕をふるう。
 少し前には吉原の花魁・野風(中谷美紀)の先輩、夕霧(高岡早紀)
の治療をした。
 夕霧は末期の梅毒に冒されていて、それを救うために、まだこの時
代には発見されていない「ペニシリン」の精製までやったのだ。
 その時代にはあり得ない医療技術と成果に、南方は評判となり、江
戸で一番の医師と呼ばれるようにまでなった。

 南方にはそこまでする理由があった。
 タイムスリップする前の現代で、婚約者の友永未来(中谷美紀)の
手術をし、失敗して植物状態にしてしまったのだ。もし、江戸時代で
南方が医学を進歩させたら、医学は飛躍的に進歩して、現代で不治と
なっていた未来の治療もかなうのかも知れない、と考えたからだ。

 しかし、南方の、そして南方を迎えた洪庵の活躍を、苦々しく思っ
ているものたちもいた。
 それまで、公儀の奥医師として取り立てられていた、漢方医の総本
山「医学館」がそうだ。

 その医学館から使者がやってきて、医学館の館長の督事・多紀元?
「医学館」に出向いて欲しいというのだ。
 医学館にわざわざ呼びつけられたことを、警戒し、憤慨する洪庵ら。
 が、自分が新参者であり、自分のせいで洪庵や医学所に迷惑がかか
ると考えた南方は、自ら「医学館に行きます」と進み出るのだった。
 しぶしぶ認めた洪庵だったが、同席した勝海舟(小日向文世)が南
方の身を案じて提案する。勝の門下生となっていた橘恭太郎(小出恵
介)、坂本龍馬(内野聖陽)を護衛につけてはどうかと。
 護衛などいらないという南方は、皆からの申し出に納得して、医学
館へ向かった。

 一方、西洋医学研究所の奥間では、洪庵と同じく研究所の松本順庵
が、医学館に南方が呼び出された件について話していた。
 医学館は、旧来の東洋医学よりもより効果を上げている蘭法医の出
現で、勢力を弱めてきている。少し前には、西洋医学研究所の元締で
ある伊藤玄朴が奥医師より任免されていた。
 それもこれも、みな医学館の策動によるものだろう、そう主張する
松本に、洪庵は問いかける。
「伊藤先生の失脚は、松本先生が企てたという噂がございますか……」
 松本は否定し、むしろ伊藤より妨害を受けていたのは自分で、それ
を訴えたところ、伊藤の失脚につながったのだと反論する。洪庵はた
だ黙ってうつむくだけだった。

 吉原の遊郭「鈴屋」では、南方の指導によって始まった、梅毒の感
染検査が行われていた。
 そこには、橘咲(綾瀬はるか)の姿もある。
 南方に師事し、これまでいろいろ南方を助けてきた咲は、南方から
治療や医療についていろいろと教わっていた。その実績を買われて、
咲も医療に従事するようになったのだった。
 そこへ、花魁・野風(中谷美紀)が現れる。野風も検査を受けに来
たのだ。そこで、咲は野風がうらやましい、と言う。咲は貧乏とはい
え、旗本の娘。女郎になにをうらやむことがある、と野風は笑う。
「その……顔が」
 つぶやくように言う咲。咲は、南方に思いを寄せていた。しかし、
南方の思いは現代に残してきた婚約者の未来にある。そして、未来の
顔は、野風にうり二つだったのだ。
 事情を知らない野風は、けげんな顔で咲を見つめる。

 南方は医学館に到着し、医学館の督事・多紀元?の前にいた。
 多紀は南方に「素性をお教えください」と言う。
 奥医師を排出している西洋医学研究所に素性不明な人間が居るのは
けしからん。奥医師の筆頭である多紀としては、それを看過すること
は出来ないというのだ。
 ……まさか、未来から来た、とは言えない。
 口ごもる南方に、随伴の恭太郎が「記憶を失われているのです」と
助け船をだす。が、「記憶が曖昧な者から医学を学んでいるのか」と
反論される。さらに龍馬が「それは公儀の秘密ちゅうもんぜよ」と誤
魔化す。憤慨して多紀はさらに問い詰めるが……。
 同席していた福田が、腹痛を訴えて突如倒れてしまう。
 すぐに調べてみた南方は、「胃潰瘍穿孔」だと見立てる。胃に穴が
開いているのだ。いますぐ手術して穴をふさがないと、腹膜炎になっ
て死んでしまう。
 南方の勢いと剣幕に負けて、多紀と福田は治療を認める。
 腹を開くと言われて怖じ気づく福田に「もし、福田が死んだら私も
腹を切る」と宣言する。
 手術は開始された。

 やがて手術は無事に終わる。
 ひといきついた南方、そして福田の無事を確認して喜ぶ医学館の
面々。
 だが、多紀はひとり、南方の顔を暗い瞳でにらんだまま動かな
い……。

「あんな状況で、よく冷静に手術なんぞできるもんやね」
 あきれたような口調の龍馬、恭太郎、咲、洪庵の弟子の佐分利祐輔
(桐谷健太)たちは、西洋医学研究所へもどってきたところだった。
そこへ、同じ医学所の男が慌ててかけだしてくる。
 佐分利のメスが、めった裂きにされた女郎の部屋より見つかったと
いうのだ。
 佐分利は眉をしかめる。

 医学所の一室で、洪庵、佐分利、南方、そして伊藤が佐分利の一件
について詮議をはじめた。
 このメスは、間違いなく佐分利のものなのか、と問われて、佐分利
は両手をついて頭を下げる。
「腑分けをしておりました!」
 腑分けとは、現代で言う解剖実験のこと。病に冒された女郎を、個
人的に佐分利は看ていた。そのお礼として、自分が死んだら腑分けを
してもいい、と佐分利に許したのだ。同じ長屋の住人たちからも、裏
付ける証言が出て、みな佐分利が殺しをしたのではないと納得する。
 が、この時代にそんな勝手は許されない。お上に申し出て、許可が
でないとできないことになっているのだ。伊藤は「無許可で腑分けを
行ったとなると、誰かが責任を取らなくてはいけない」と顔をしかめ
る。しかし、市井の医者は、腑分けを隠れて勝手にやっているのは周
知の事実。また、それが発覚したとしても、大きな罰には問われない
のが通例だ。
 お上が許す腑分けは、一年に二例か三例。それでは、いつまでたっ
ても医学の進歩はない。佐分利は必死の形相で主張する。
「そんなことでは……いつまでたっても、南方先生の神がかった医術
に追いつけやしまへんで! それでええんでっか!」
 しかし、洪庵はしずかに顔を伏せて言う。
「弟子の不明は師匠の不明。佐分利の不明は私が責任を取って職を辞
します」
 絶叫する佐分利。自分は医学のために、道を開くためにやったこと
なんだ。
 しかし、洪庵は厳しい表情でしかりつける。
「お前の言う道は、自分のためだけの道や。道を開くというのなら、
お前は『腑分けはすべし』と叫ぶべきだったのではないか。道を開く
と言うことはな、自分だけの逃げ道を造ることやない!」
 松本と伊藤に、手をついて頭を下げる洪庵。残った弟子、そして南
方をよろしく頼む、と。

 その夜、居候している橘家の一室で、南方は一枚だけ手元に残って
いた未来の写真を見つめていた。
 ……今回の出来事は、自分が医学の進歩を無理矢理進めてしまった
ことが原因だ。たしかにこの時代にあって、できることをしようと志
したけれど、だからといってこの時代に生きている人の生活を乱して
いいということではないはず。
 南方はひとり、決意をするのだった。

 翌日、南方は西洋医学所へ出向き、自分が医学所を辞めることで、
今回の一件を納めてもらえないか、という。
 南方は、佐分利に「医学を学ぶなら、身体を知れ」とけしかけた。
そのせいで、佐分利がどうしても腑分けをしたい、と思うようになっ
たからだ。得体の知れない自分が扇動したからだといえば、いいわけ
は立つはず……。
 洪庵は必死になって止める。南方の医療技術を、もっともっと広め
れば医学はもっと進歩するのだ。
 が、南方は首を振る。
「医学の技術は、放っておいても進歩します。人は利益になことには
飛びつくものですから。それは簡単なことです。ですが石を投げられ、
私財をなげうってでも人を助けたいと思う、洪庵や伊藤の持っている
医の心はとても難しいものです」
 南方は医学所を出ていく。

 辞す前に身の回りの物を片づけていた南方に、龍馬が絶叫する。
「先生には欲っちゅうもんが、まったく見えんぜよ!」
 人間は欲深い生き物で、そのためなら何だってするものだ。けれど、
その欲があるから人は何かをやろうとするし、進んでいけるもの。つ
まり、欲は「生きる源」なのだ。しかし……南方にはそれがまったく
見えない。
「先生のやっていることは、まるで仏じゃ。もし人であるならば……
死人じゃ」
 南方の欲のなさは、命さえ軽々と捨ててしまいそうで、心配なの
だ……。

 龍馬の言葉に南方は衝撃を受ける。
 南方は、タイムスリップをしてきたが故に、この時代にたいする執
着心というものがないのだ。
 だから、仏のような態度だって取れる。ここにいる自分は夢の中、
本当の自分ではない。そんな思いがあるから、実感がまったくないの
だ。
 ……俺はもう、本当は死んでいるのかもしれない……。

 吉原の野風のところに、ひとりの女郎がやってくる。
 昨晩やってきた医者たちが、南方の噂をしていたというのだ。野風
が問い質すと、女郎は震えながら言った
「……南方は化け物だ……。医学館で斬るしかない……と」
 飛び出していこうとする野風だが、女郎は吉原から出られないのが
この時代の決まり。
 野風は、手紙をしたためる。

 野風の手紙は、咲宛だった。
 検査をしたときに知り合った咲に、心を止めていたのだった。
 咲は手紙を一読すると、慌てて南方を捜しに飛び出していく……。

 南方は、研究所からの帰り道、竹やぶを暢気にあるいていた。
 そこへ、刀を抜いた男が詰め寄って、南方に一撃を振るった!
 が、その瞬間、袖を引かれてよろめいた南方は難を逃れる。
 駆けつけた咲が、袖を引いたのだ。
 おののく南方を引きずって、咲は神社に駆け込み身を隠して刺客を
やり過ごす。

 南方は呆然としながら、咲に言う。
「自分は夢の中にいて、斬られても平気なんじゃないかと思っていた
のに……。おかしいな……震えています」
 咲は南方をしかりつける。
 ここで生きているのは南方だ。死んでもいいなんて言うな、と。
 南方はやっと理解する。南方はいま、この時代に確かに生きている
のだと。

 ことの顛末を聞いた龍馬は憤慨し、医学館に殴り込む。
 多紀の部屋にずかずか乗り込んでいくと、南方に刺客を放ったのは
多紀かと詰問する。
 たしかに、南方は邪魔な存在。南方の医術には自分たちのものは全
く及ばない。しかし、医術を志した身として、人を殺すなどというこ
とは決してしない。
 真剣な表情でそう言い放つ多紀にウソはない。龍馬はそう思うが、
ではいったい誰が……?
 多紀が龍馬を見つめながら指摘する。
「むしろ……同じ蘭法医のほうが、よほど恐ろしいのではないか?」

 そのころ、医学所では、洪庵たちが激しく荒らされた研究所をみて
呆然としていた。
 佐分利は言う。あのときはいわなかったけれども、佐分利のメスは、
誰かがわかるように置いたのではないかと。
 ……何者かが、医学所にたいして妨害をしようとしている。
 みな、血の気の引いた顔で、ただ呆然とするのだった。



寸  評  少しずつ、暗い部分というか、どろどろした部分が出て参りまし
た。まあ、考えてみれば、仁の存在自体が「反則」なわけですから、
それに抵抗したり反対したりする人がいるのは当然。龍馬が「先生は
光り輝いている。でも、光があるからできる闇の中でうめいている人
もいる」と言っていたのが、とても印象的でした。
 こういう何気なく言った台詞が、あとで効いてくるのが、すごくう
まいですよね。
 次回も楽しみです。

執 筆 者 畑中ヒロ()

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2. 編集後記
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 このところすごく冷え込んでいますね。もう、十一月も終わりに近づいてい
るから、当たり前といえば当たり前なんですが。
 昔は、自分が寒さに強いタイプだと思っていたんですね。ところが、ある日、
会社の中が妙に寒くてたまらなかったんです。風邪を引いたのか、はたまた年
を取って寒さに弱くなったのか。
 おかしいと思って調べてみると、なんと空調が冷房……。そりゃあ寒い。
(畑中ヒロ)

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発行元:ドラマ研究会
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