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タイトル:Daily Drama Express 2009/10/25 JIN (2)  2009/11/02


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2009/10/25 (Sun) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.日曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 日曜日の連続ドラマ
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タイトル JIN ─仁─
局  名 TBS系
放映日時 日曜21時
キャスト 東都大学付属病院の脳外科医 南方 仁(大沢たかお)
 吉原の花魁         野風  (中谷美紀)
 南方の婚約者        友永未来(中谷美紀)
 貧乏旗本の娘        橘 咲 (綾瀬はるか)
 貧乏旗本の息子       橘 恭太郎(小出恵介)
 洪庵の弟子・医者      佐分利祐輔(桐谷健太)
 洪庵の弟子・医者      山田純庵(田口浩正)
 町娘            タエ(戸田菜穂)
 蘭学者・医者        緒方洪庵(武田鉄矢)
 町火消し「を」組      新門辰五郎(藤田まこと)
 吉原の花魁         夕霧  (高岡 早紀)
 吉原遊郭の主        鈴屋彦三郎(六平直政)
 貧乏旗本の妻        橘 栄 (麻生祐未)
 幕臣            勝 海舟(小日向文世)
 土佐藩士          坂本龍馬(内野聖陽)
原作   村上もとか『JIN−仁−』(集英社「スーパージャンプ」連載中)
脚  本 森下佳子
主題歌  

あらすじ 第3回

 東都大学付属病院の脳外科医、南方仁(大沢たかお)は、事故に巻
き込まれて江戸時代にタイムスリップしてしまう。
 幕末期の江戸時代で、南方は現代の医学知識を駆使して患者を治し
ていく。
 しかし、その時代にはあり得ない医術を使って、そこで死ぬはずの
命を助けてしまうことで、歴史が変わってしまう可能性に気がつく。
 南方は一度は治療を捨てるが、親しくなった長屋住まいのタエ(戸
田菜穂)・喜市親子らが、流行病のコレラで倒れてしまう。
 貧乏旗本の橘恭太郎(小出恵介)命を救ったことから、居候をする
ことになった橘家の娘・咲とともに、南方はコレラと対決することを
決意するのだった。

 蘭学者で医者の緒方洪庵(武田鉄矢)は、コレラにかかって倒れた
弟子の山田純庵(田口浩正)を救うために、弟子の蘭法医らとともに
南方に協力している。
 奮闘のかいあって、どうにかコレラの流行を押さえ込むことには成
功しているが、まだ、患者たちへの決定的な治療法がない。
 南方は悩んだ末に、「点滴」を思いつく。

 コレラは、コレラ菌が引き起こす猛烈な下痢と嘔吐によって、体内
の水分が失われ、体力を失って死に至る。対策として、水分を効率的
に身体に吸収すれば、とりあえずは持たせることができる。その間に、
菌をすべて排出してしまえば治る。
 南方はこれまで、水分を吸収しやすいスポーツ飲料水に近い液体を、
塩と砂糖を一定の分量で混ぜることでつくり、それを飲ませることで
水分の補給をしてきた。
 しかし、口から飲むのでは、弱った人間には足りない。ならば、点
滴で直接血管に水分を入れればいい。
 ゴム管と、持参していた救命キットに入っていた点滴針を洪庵に見
せ、「こんなものが作れませんか?」と依頼する。

 洪庵は、刀職人に注射針を、幕府内のつてをつかってゴム管をかき
集めてくる。
 これなら、どうにかなりそうだ……。
 蘭法医たちの手を得て、咲も懸命に手伝うことで、大々的に点滴に
よるコレラ治療が始まった。

 一方で、南方に興味を抱いた坂本龍馬(内野聖陽)は、コレラ患者
から出た下痢や嘔吐物を埋める穴をつくって欲しいと頼まれ、張り切
って事に当たっていた。
 龍馬は笑いながら南方に聞く。
「先生は怖くないのかい? わしはうつるってきいてから、内心もう
冷や冷やで、必死でかっこつけとったぜよ」
「予防していますし、それに自分は……医者ですから」
「ここで死んでも本望っちゅうがかい? かーっ、カッコエエの
う……。わしにはまだ見えんぜよ。真っ暗な中を手探りで歩いている
ようなかんじじゃ。これで死んだら本望だっちゅう、命をかけるべき
ものが見えんぜよ」
「……見つかりますよ、龍馬さん」
 龍馬がこの後、どれほどのことをなすのか知っている南方は、微笑
みながら応えるのだった。

 治療の成果を目の当たりにした洪庵は、幕府の西洋医学所取締の伊
東玄朴、頭取助の松本良順に頼み込み、南方の治療法を幕府を挙げて
取り組むべきだと説得した。
 他に効果的な治療法もなく、洪庵の人望もあって、働きかけは奏功
し将軍にまで上申された。
 そして、幕府をあげての援助が約束されるのだった。

 治療は成果を上げていく。
 喜市も回復し、一時期は、南方に反発して疑心暗鬼だった山田もど
うにか持ち直す。
 すべてが良い方向へ向かっていたそのとき、南方が倒れてしまう。
 ……コレラだ!

 動揺し、介抱しようとする恭太郎や龍馬を、南方は叱咤する。
 自分の治療は自分でやる。恭太郎は幕府のコレラ対策を指揮しなく
てはならない。ちくいち傍らで治療法を見てきた咲には、長屋の診療
所を任せたい。そして苦しい息の下で龍馬へ言う。
「まだコレラの治療法をしらないところへ、教えてあげてください。
早く行ってください。なすべき事をなしてください。国のため、道の
ために……」

 咲は必死に診療所と、南方の面倒をみていたが、状態はどんどん悪
化していった。
 痙攣をおこした南方は、意識が混濁する。
「もどるぜよ。あの時代によ……」
 タイムスリップする前に、奇妙な患者から言われた台詞が頭をめぐ
る。
 南方は気絶する。

 咲と駆けつけた洪庵による懸命の治療が続くなか、南方の意識は現
代の病院に戻っていた。
 病院内をふらふら歩く南方は、いつしか婚約者の友永未来(中谷美
紀)を捜していた。
 未来は屋上にいた。何をやっているのかと問う南方に、未来は笑っ
て言う。
「そこか……いいよ、仁先生。……仁先生とはきっとまた会えるから」
 意味深な言葉を残して消えた未来。
 すべては幻想のようで、南方は、また江戸時代へと戻っていた。

 咲の必死の看病によって南方は回復し、江戸を焼き尽くすかに見え
たコレラは、急速に収まっていった。
 もちろん、点滴による治療で全員を救えたわけではないが、江戸に
はまた活気が戻ってきた。

 南方は、洪庵の屋敷に招かれていた。
 洪庵は最初、南方の治療を疑っていた。しかし、結局は受け入れて
多大な働きをしてくれた。
 以前、天然痘の治療に種痘を広めたことのある洪庵は、最初にその
治療法を批判され、なかなか受け入れてもらえずに苦労したことを思
い出したのだ、と語る。
 そして、「江戸の蘭法医の性根をたたき直してもらえませんか」と
頼まれてしまう。しかし、南方は責任の重大さにとまどい、返事を保
留する。

 橘家へ戻ってきた南方の元へ、長屋の男がひとり慌てて駆け込んで
くる。
 タエが辻斬りにあって死んでしまったというのだ。
 長屋に駆けつけると、すでにタエは亡くなっていて、線香が焚かれ
ていた。
 その傍らに、ぽつんと座り込む喜市の姿。
「へっちゃらだよ……。人は、誰でも死ぬもんだし。でも……先生に
は悪いけど、おいら……助からなければよかったよ」
 涙をこらえて声を絞り出す喜市。
 南方は絶句してしまう。

 悄然と橘家に戻る道すがら、南方は咲に告白する。
 自分は未来からやってきた人間だ。だから、ここで治療をすること
で人間の未来を、運命を変えてしまうのではないかと思っていた。も
しかしたら、生まれて幸せになってしまう誰かの未来を奪ってしまう、
神をも恐れぬことなのかもしれないと。
 でも、それは違うのかもしれない。
 自分がコレラから助けた人間は、自分がやってこなければコレラに
かからなかったのかもしれない。
 自分が治療で助けたタエは、辻斬りで殺されてしまった。
 結局、自分がやることはすべて、歴史が帳消しにしてしまうのかも
しれない。
 決して何も変わらないようにと。
 だとしたら、自分はいったいなにをやっているのか……。

 南方は絶望にとらわれていた。
 懸命に治療したタエがあっけなく別の理由で死んでしまい、命がけ
で助けた喜市は悲しみに沈んでいる。
 しかし、明るく微笑みながら咲が言う。
「先生は、私を変えました。先生がやってきてから、咲は見るものが
すべて明るく感じます。脈打つ心を感じます。咲は……生きておりま
すよ」
 南方の瞳からは、自然と涙がこぼれ落ちるのだった。

 勝海舟(小日向文世)のところへ、龍馬がやってきていた。
 勝を暗殺しようとした龍馬だったが、ひょんなことから知己を得た
のだった。
 その勝から、現在の日本の情勢を聞いた龍馬は、感動にうちふるえ
て叫ぶ。
「先生の話には血があるぜよ! 肉があるぜよ! この国を思う誠に
満ちあふれているぜよ! ……どうかわしを……弟子にしとうせ!」
 やや意表を突かれた勝だが、すぐに「いいぜ」と引き受ける。
 が、それはかまわないが、それでは今までの仲間を裏切ることにな
るのでは?
 そう問う勝に、龍馬は言う。
 これまでは、仲間をつくらないと、何もできないと思っていた。し
かし、ずっとそれは違う気がしていた。でも、正しいことならば、仲
間はあとからついてくるはずだ。それを教えてくれた男がいるんだ。
 そういって、龍馬は激しい瞳を勝にぶつけた。

 南方は、橘家で筆を執り、洪庵への手紙を書いていた。
 この時代で医学を教えることに決めたのだ。
 自分がどれだけあがこうと、歴史は帳消しにしてしまうのかもしれ
ない。それでも、できるだけのことをしてやろう。
 そう心に決めた南方の頭には、ちいさい曲げが結われていた。

寸  評  江戸時代にあるもので現代医療をする。ゴム管を使って点滴、ノ
ミやカンナを使って手術……。その工夫が面白いですよね。まあ、こ
の時代、あんな貧乏長屋に塩とか砂糖が山のようにあったり、焼酎が
どんどこ出てきたりと、かなり無理はあるんですが……。
 コレラ編がおわって、仁が江戸時代に向き合おうとするシーン。な
かなか感動的でした。
 いよいよ次回、花魁姿の中谷美紀が登場です。ちょっと楽しみ。

執 筆 者 畑中ヒロ()

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2. 編集後記
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 原作者の方、相当、龍馬好きと見ました。
 私も若い頃あこがれて、『龍馬が行く』を何度も読んだクチなので、「ここ
はあの場面か!」なんて思うところがちょこちょこ出てきておもしろいです。
 これ、ちょっと変わった医者に巡り会った「坂本龍馬の話」であっても不思
議じゃないような気がします。
 無邪気なところとか、頑固なまでにやり遂げようとするところとか、どこか
浮世離れして飄々としてるところとか、実はすごい剣の達人だったりとか……。
 龍馬の魅力っていっぱいあるんですけど、女性にそういう話をすると、「?」
っていう顔をされるんですよね。
 ちょっと妻に話してみたら「はあ……そう……」って冷たく流されちゃいま
した。
 男……っていうか、男の子のロマンなんですかねぇ。(畑中ヒロ)

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