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タイトル:Daily Drama Express 2009/09/09 赤鼻のせんせい (最終回)  2009/10/09


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2009/09/09 (Wed) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.水曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 水曜日の連続ドラマ
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タイトル 赤鼻のせんせい
局  名 日本テレビ系
放映日時 土曜22時00分
キャスト 院内学級中学校教師       石原参太郎(大泉洋)
 小児科医            七瀬遥華(香椎由宇)
 難治性喘息患者・中学三年    八重樫守(神木隆之介)
 骨髄性急性白血病患者・中学二年 和田雅樹(須賀健太)
 慢性腎炎患者・中学二年     田中香(高良光莉)
 定食屋主人   横山一(尾美としのり)
 美術教師   権田俊郎(光石研)
 音楽教師   西森倫子(平岩紙)
 院内学級責任者・小学校教師   太川絹(小林聡美)
 小児科看護師   池川琴美(工藤里沙)
 小児科医師   遠野治雄(高橋努)
 桜山総合病院医院長       桜山真(上川隆也)
脚  本 土田英生 ほか
主題歌  『夢をアリガトウ』原由子

あらすじ 第十幕「笑う門には福来たる」

 桜山総合病院の院内学級、中学二年の和田雅樹(須賀健太)の骨髄
性急性白血病が悪化していた。すでに無菌のクリーンルームのなかに
入っているが、感染症をおこしてしまい、非常に危険な状態になって
いた。
 その隔離された窓の外からは、院内学級・中学校担任の石原参太郎
(大泉洋)が懸命の授業をしていた。
 参太郎は和田と約束していたのだ。
「明日必ず授業をして欲しい」
 それまで、病気の悪化で未来に、明日に絶望していた和田が言った、
未来への希望……。
 参太郎はその思いに答えようと、高熱にうなされ、理解も、返事も
できない和田に授業を続けるのだった。

 授業が終わり、教室に戻ってきた参太郎は「授業、ちゃんとやれて
いたかな」とつぶやく。
 その姿を見ていた中学クラスの三年生の八重樫守(神木隆之介)、
二年生の田中香(高良光莉)が、うなずく。小学校教師の太川絹(小
林聡美)もやさしく微笑む。
「石原先生にしか、できない授業でしたよ」

 和田は「今夜が峠だ」と言われる。
 和田の担当の七瀬遥華(香椎由宇)が、ベッドサイドに付き添い、
ひと月後に閉鎖が決まっている、院内学級のスタッフ達は静かに和田
の回復を祈るのだった。

 朝、和田は目を覚ます。
 どうにか、峠を越えることはできた。
 そして、難治性喘息患者の八重樫も退院が決定する。しかし、八重
樫は複雑な心境。ずっと同室で仲良くやっていた和田のこと、院内学
級が閉鎖されることを思うと、素直に喜ぶことができない。

 参太郎はそんな八重樫や和田、院内学級のためになにかできないか
と考える。
「卒業式をやりましょう」
 と参太郎は言い出す。
 病院からいなくなる八重樫のために、そして、院内学級がなくなっ
てクラスから出ていくみんなのために……。
 生徒たちも、太川も賛成してくれる。
 が、懸案は和田のこと。
 もちろん、これまで一緒にやってきた和田にも出席して欲しいが、
和田の病状はそんなところに出てくるのは不可能。
「それまでには治るさ」
 と強がる参太郎に、八重樫が言う。「先生さ、本当に信じてる? 
和田が治るって」
 参太郎は絶句してしまう。

 和田がいない卒業式には意味がない。
 しかし、和田はクリーンルームから出ることが出来ない。
 卒業式の計画は頓挫してしまう。
 しかし、「あなたが言い出しっぺなんだから、なんとかしなさい」
と太川は厳しい。
 太川にもアイデアがあるわけではない。が、今まで、やりたいこと
を無理にでも、無茶でもやってきたのが参太郎だ。参太郎のその、無
茶でもやってしまう力に太川は期待をしていたのだ。
 いつもの定食屋で、常連の医院長・桜山真(上川隆也)、小児科医
師の遠野治雄(高橋努)らに励まされ、参太郎は奮起する。

 再び張り切り始めた参太郎に乗せられ、院内学級のスタッフや小児
科の面々も準備に参加しはじめる。

 卒業式当日がやってきた。
 制服姿の八重樫、田中、そして小学クラスの生徒達。
 教室に入って、卒業式が始まる。
 院内学級の責任者である太川が、子ども達ひとりひとりに手作りの
「卒業証書」を渡していく。
 卒業証書を次々に渡され、笑顔で拍手をうける子ども達。
 次は田中の番だ。田中は太川の前に進み出る。
「田中香……おめでとう」
 参太郎が横から茶々を入れる。
「タナっち、はやく元気になって退院したら、またソフトボールで勝
負しよう!」
 そして、八重樫の番。
「八重樫守……おめでとう」
 参太郎がまた横から茶々を入れる。
「ヤエっち、高校受験頑張れよ。それと……おまえはもっと笑いのセ
ンスを磨けよ!」
 そして残るは和田……。
「和田雅樹……」
 マイクに話しかける太川。

 そのマイクは、クリーンルームに置かれた電話機につながっていた
のだ。
 スピーカー越しに、卒業式会場とやりとりが出来るように、参太郎
が延長コードを大量に買ってきて、電気工事を勝手にやったのだ。
 驚く一同。
「ワダっち、聞こえるか? 聞こえたら返事をしろ!」

 クリーンルームの和田も驚いている。
 が、ベッドサイドにいる七瀬に促されて返事をする。
「はい……」
「和田雅樹……卒業、おめでとう」
 太川の声に合わせて、七瀬があずかっていた卒業証書を和田に手渡
す。
「ありがとう……」
 参太郎がマイクに呼びかける。
「ワダっち、早くよくなって、また、勉強するぞ!」

 卒業式は続く。
 卒業生代表として、八重樫から卒業生の言葉。
 八重樫はマイクを受け取って、和田に呼びかける。
「和田、聞こえるか? 俺は退院することになったんだ。だから……
なにか言葉をくれよ。送辞ってやつだ」
「送辞……?」
「お前、部屋の掃除ばっかりしてるんじゃないだろうな? クリーン
ルームだけに……」
 一瞬、呆然とする一同。
 ややあって、スピーカーの向こうから和田の笑い声。
「石原のギャグ並にくだらなくって、腹が痛えよ……」
 八重樫は石原に向き直って言う。
「先生、和田が笑ってるって。笑ってるって……。先生、人は笑うた
めに生きているんだよね」
「そうだ……、そうだよ」
 うなずきあう八重樫と参太郎。
「以上、卒業生代表、八重樫守!」

 太川が気を利かせて、最後に参太郎にマイクを回す。
 参太郎はマイクを握り、静かに話し始めた。
 ……最初は失業を免れて良かった、くらいの思いだった。けれども、
みなが命に向き合って生きている、とんでもないところだった。生徒
達に逆に教えてもらうことばかりだった。でも、今はここに来て良か
ったと思っている。そして、確信した、「人は笑うために生きている」
と。ここに来て本当に良かった、ありがとう。
 深々と頭をさげる参太郎に、いつまでも拍手が送られた。

 八重樫の退院当日。
 和田のことが気がかりで、心残りで、悄然と片付けを進めていた。
 田中もそんな八重樫を見守りながら肩を落としている。
 そこへ、駆け込んできた参太郎。何も言わずに八重樫を抱きしめる。
 とまどう八重樫に、参太郎は満面の笑みで言うのだった。
「ヤエっち、お前に最高のプレゼントだ。……和田の骨髄移植のドナ
ーが見つかった!」

 クリーンルームの和田にも、そのニュースは伝わっていた。
 和田によく頑張った、本当によかったと、語りかける七瀬。が、和
田が笑いながら言う。
「本当によかった……七瀬先生を嘘つきにしないですんだ」
「え?」
「先生、言ったでしょ? 病気を必ず治してみせるって。その言葉が
あったから、俺は頑張れたんだよ。……七瀬先生が主治医で、本当に、
本当によかった……」
 七瀬は、思わず涙ぐむ。

 医院長室には、桜山家の面々が集まっていた。
 真が呼び集めたのだ。
 長男で次の医院長になる予定の桜山幸一(羽場裕一)、そして前医
院長(神山繁)。
 幸一が、追い出される真の次の就職先を、父親の前医院長に頼む。
が、真は「この病院がいい」と言い張る。子どもかよ、などとバカに
されながらも、「ここがいい」と言い張る真。
 前医院長が表情を改めて、真に理由を問う。

 夕暮れの教室に、太川が参太郎を呼びだしていた。
 たぶん、参太郎に話をすることも、これで最後になるかもしれない
ので、言いたいことを言っておく、というのだ。
「石原先生、あなたは教師としては三流です。笑いのセンスは超三流
です。ただ、人間としては悪くない。むしろ良くできている。家電に
たとえれば……」
「……無理、しなくていいですよ」
「あなた、立派な先生でした。大変良くできました。……ありがとう
ございました。石原先生」
 そういって、卒業証書を手渡す太川。参太郎は受け取って頭を下げ
る。
「ありがとうございました」
 と、そこへやってきた桜山真。拍手をしながら、横から卒業証書を
奪い取って逃げ出す。
 意味不明な行動に慌てて追いかける参太郎、太川。走り着いた先は
……医院長室。そして、そこは学校の形に改装されていたのだ。
 兄の幸一がまたアメリカに戻ることになったので、引き続き、真が
医院長をやることになった。そして、医院長室は広すぎる。だから、
医院長室をつぶして院内学級のクラスにする……。
 照れくさそうに言う真。
「だから、これは当分預かっておきますね」
 卒業証書を掲げてみせる真。
 信じられないという顔で、見合う太川と参太郎。

 八重樫は、新しい制服を着て、高校の門をくぐっていった。
 和田は、すっかり生えそろった髪の毛をいじりら、ほくそ笑んでい
る。
 田中は、山のような本を読みながら、七瀬に宣言する。
「私、高校受験する」

 そして、またいつものハイテンションで授業をする参太郎の姿。
「おまちかね!」
 といいながら、赤い鼻をつけてみせる参太郎。皆の笑顔が教室に広
がった。


寸  評 「赤鼻のセンセイ」の最終回。すべてが丸く収まりました。
 和田も回復し、八重樫も高校受験をし、さらに院内学級も存続され
るという、全部がハッピーエンドになりました。まあ、ちょっと強引
に終わらせた感がありますが、非常にさわやかです。
 しかし……、院内学級の閉鎖や桜山の更迭が、あっさりとひっくり
返ったのには驚きました。ちょっと時間が足りなかったんでしょうけ
ど、あれだけさんざん大もめしたのが、こんなにあっさりとだと、ち
ょっと白けますねぇ。
 なんか、参太郎もまっとうな先生になっちゃって、最後までもっと
突き抜けて欲しかったとも思いますが。
 終盤はちょっと失速感がありましたが、生きることと学ぶこととい
うテーマをきちんと描いたいい作品でした。

執 筆 者 畑中ヒロ(hero_hatanaka@yahoo.co.jp)

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2. 編集後記
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 最後までおつきあいいただきありがとうございました。
 遅れたり、未熟なまとめだったりで、いろいろとすみませんでした。
 この『赤鼻のセンセイ』は、小児科が舞台となるドラマで、病気に悩まされ
ながらも、これからいろいろと学んで未来を築いていく子ども達のお話です。
 ちょうどこのドラマの真っ最中に、私自身も親になりました。
 だから、子どものことを真剣に考える機会が多くて、それがすごくドラマの
内容と重なってきて、とても他人事には思えないことがたくさんありました。
 もし、自分の子どもが病気だったらどうだろう。死にそうになったら何をし
てやりたいと思うんだろう……。
 そういう意味でも、非常に印象に残るドラマでした。
 また、他のドラマの要約も続けて書いて参りますので、よろしくお願いしま
す。(畑中ヒロ)

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発行元:ドラマ研究会
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