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タイトル:Daily Drama Express 2009/09/13 官僚たちの夏 (9)  2009/09/15


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2009/09/13 (Sun) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.日曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 日曜日の連続ドラマ
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タイトル 官僚たちの夏
局  名 TBS系
放映日時 日曜21時
キャスト 風越信吾(佐藤浩市)
 庭野貴久(堺 雅人)
 鮎川光太郎(高橋克実)
 西丸賢治(佐野史郎)
 丸尾 要(西村雅彦)
 牧 順三(杉本哲太)
 山本 真(吹石一恵)
 御影大樹(田中 圭)
 風越道子(床嶋佳子)
 風越貴子(村川絵梨)
 片山泰介(高橋克典)
 玉木博文(船越英一郎)
 池内信人(北大路欣也)
原作   『官僚たちの夏』城山三郎著(新潮文庫刊)
脚  本 橋本裕志
主題歌  コブクロ『STAY』(ワーナーミュージック・ジャパン)

あらすじ 第9話「炭鉱事故」

 昭和40年。次官に就任した風越(佐藤浩市)は弱者も一緒に豊か
に暮らせる国づくりを目指したいという所信表明を全職員に向けて発
した。急成長で先進国の仲間入りを果たした日本だったが、オリンピ
ック景気の反動から深刻な不景気が襲い、不況、物価高、倒産、失業
と大きなひずみが表面化してきていた。

 風越は人事を一新し、企業局長に鮎川(高橋克実)、重工業局長に
庭野(堺雅人)、通商局長に牧(杉本哲太)、繊維局長に片山(高橋
克典)を起用した。鮎川は石炭緊急対策を、庭野は鉄鋼不況対策を担
当することになった。一方で総理になった須藤(長塚京三)は小笠原
と沖縄返還に本腰を入れ始めていた。

 庭野に敗れる形になった片山はその屈辱に耐えられず辞表を出そう
としたが、牧に必ずチャンスが来ると止められた。牧は日米問題の進
展如何では状況が変わるとにらんでいた。

 庭野は過剰な投資と生産が鉄鋼の暴落につながったとして、全企業
一律減産の行政指導を出した。だが、業界5位の大日製鉄は副社長と
なった丸尾(西村雅彦)を立てて反発、増産を押し通そうとしてきた。

 そんな折、鮎川が体調不良で入院してしまった。その数日後北海道
の麻幌炭鉱で大きな炭鉱事故が起きた。これによって石炭株が暴落、
石炭産業の斜陽を印象付けた。責任感の強い鮎川は自分の仕事の遅れ
がこの事故を引き起こしたのだと思い、急きょ退院してきた。

 牧と片山は須藤を訪ね、小笠原、沖縄の返還に際し、アメリカが見
返りを要求してくるからその準備をすべきと主張した。すなわち貿易
自由化の一層の拡張だ。だが須藤は突っぱねた。そういうやり方は自
分が総理である間はないと。牧は返す言葉がなく退室したが、その直
後にアメリカがベトナム戦争へ本格介入したという知らせが入った。
戦局は泥沼化の様相を呈した。

 風越のもとに丸尾が大日銀行の坂崎頭取を伴ってやって来た。一律
減産の行政指導を撤回しないと大蔵省に圧力をかけると言う。坂崎頭
取は元大蔵大臣を務めその影響力は甚大だった。

 そこへ松池炭鉱で大規模な炭塵火災事故が発生した。死者は
200名を超え、行方不明者が100名にのぼった。鮎川は即座に現
地へ飛んだ。

 一方坂崎は予告通り大蔵省に圧力をかけてきたため、大蔵省は石炭
緊急対策の予算を見直すと言いだした。

 鮎川が到着したとき、現場は怒号が飛び交う壮絶な状態になってい
た。労使で今後の対応に食い違いが出ていたのだ。経営サイドは炭鉱
爆発を防ぎ、炭鉱の存続させるため炭鉱に注水を行おうと言った。し
かしそれは取り残された作業員の生存は絶望になり、遺体の搬出もで
きなくなるため、労働者側は受け入れられない話だった。

 そのころ風越は須藤に石炭緊急対策の予算見直しを撤回させるよう
頼んだ。だが、須藤はしばらく様子を見ようと言うだけで歯切れが悪
かった。須藤はアメリカとの外交問題を抱え、石炭どころではなかっ
た。

 鮎川は労使とも話し合い、今日明日は救助に全力を注ぎ、3日目に
注水を行うと説明した。労働者の家族は一斉に反発し、鮎川を人殺し
と叫んでつかみかかろうとした。

 3日後救助は難航し、全員の救助はできなかった。風越は電話で鮎
川に自分が鮎川の立場なら同じ決断をするだろうと言ったので、鮎川
は少し救われる思いだった。

 鮎川は労働者の家族の前で土下座して言った。もし2次爆発が起き
て炭鉱が崩壊したら町そのものが成り立たなくなる、注水を実行させ
てくださいと。こうして家族たちの泣き叫ぶ声がこだまする中、鮎川
は注水開始を指示した。

 後日石炭対策特別委員会で、風越は責任問題を追及された。風越は
石炭緊急対策が早期に実施されていれば事故は防げた可能性が高いと
反論した。だが弱者救済を掲げながら注水を行ったのは矛盾ではない
かと突いてきた。風越は激怒し、「鮎川は責任を感じて最もつらい役
目を引き受けたのだ。この中に鮎川を責められる人間など一人もいな
い!」と声を荒げた。

 疲れきった表情で戻ってきた鮎川を風越は慰労し、しばらく休養す
るようにと言った。鮎川は首をふり、後処理に取り組もうとした。だ
が激務がたたって倒れ、再び入院することになってしまった。鉄鋼不
況が落ち着いてきたところだったので、風越は庭野に鮎川の職務を代
行させることにした。

 ベトナム戦争の激化でB52の離陸地となっている沖縄はアメリカ
にとって重要な拠点と再認識された。そのうえ戦争の長期化はアメリ
カ財政をひっ迫させた。アメリカは日本に対し貿易不均衡の是正を求
めてきた。そうでなければ小笠原と沖縄の返還交渉に応じないと。

 その話を聞いた風越は須藤に真相を尋ねた。須藤は事実であること
を認め、アメリカの要求を受け入れるつもりと言った。一産業の保護
と領土返還を天秤にかければ領土返還を取ると。風越はそれでは日本
の先行きが不安になると訴えたが、須藤は色よい返事をしなかった。

 須藤は沖縄訪問後、牧と片山に会いたいと言って来た。牧はどうや
ら自分にチャンスが回って来たと思った。そして自分が事務次官にな
ればその後任は片山になると言った。

 風越は鮎川の見舞いに行った。先に行っていた庭野は沈痛な表情を
浮かべていた。庭野の口から鮎川の病気は治らないものだという言葉
が出た。風越は驚き絶句した。

寸  評  ここにきてずいぶんとドラマチックな雰囲気が出てきたなと思い
ました。石油自由化の流れの中で衰退していく石炭産業のあり様は事
故を通して実に見事に描かれていましたし、領土返還に対して産業を
犠牲にせざるを得ないという局面も二律背反で、領土も産業保護もど
ちらも取るわけにはいかない中での決断を迫られます。結論は分かっ
ているとは言うものの、その過程での葛藤はなかなか見ごたえがあり
ます。最終回はどんなしめくくりになるのでしょうか。

執 筆 者 けん()

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2. 編集後記
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 暑い暑いと思ってましたが、最近は日差しが強くても過ごしやすくなってき
ました。これからは一雨ごとに涼しさを増していくのでしょう。すでにラグビ
ーのリーグ戦が始まっていますが、これが始まると自分の中では秋がきたなあ
と感じます。(けん)

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