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タイトル:Daily Drama Express 2009/08/26 赤鼻のせんせい (8)  2009/09/11


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2009/08/26 (Wed) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.水曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 水曜日の連続ドラマ
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タイトル 赤鼻のせんせい
局  名 日本テレビ系
放映日時 土曜22時00分
キャスト 院内学級中学校教師       石原参太郎(大泉洋)
 小児科医            七瀬遥華(香椎由宇)
 難治性喘息患者・中学三年    八重樫守(神木隆之介)
 骨髄性急性白血病患者・中学二年 和田雅樹(須賀健太)
 慢性腎炎患者・中学二年     田中香(高良光莉)
 定食屋主人   横山一(尾美としのり)
 美術教師   権田俊郎(光石研)
 音楽教師   西森倫子(平岩紙)
 院内学級責任者・小学校教師   太川絹(小林聡美)
 小児科看護師   池川琴美(工藤里沙)
 小児科医師   遠野治雄(高橋努)
 桜山総合病院医院長       桜山真(上川隆也)
脚  本 土田英生 ほか
主題歌  『夢をアリガトウ』原由子

あらすじ 第八幕「一難去ってまた一難」

 ……勉強は先生しだいだ。教え方ももちろんだけれど、子どもが自
分から勉強をやりたくなるようなやり方をしてくれれば、もっともっ
と勉強もはかどるはず。勉強は知識や道具ではなく、子どもの気持ち
を動かすことが大切なのだ。今回はそんなお話。

 桜山総合病院の小児科にある院内学級。中学クラス担任の石原参太
郎(大泉洋)は、今日もギャグを取り混ぜて、ハイテンションの授業
をしていた。
 そこへ入ってきた不審な男。
 参太郎が注意するも、男は気にする様子もなく教室内を見て回ろう
とする。口論になり、参太郎は男を無理矢理外へ連れ出す。
 しかし、そこへ駆けつけてきた小児科医の七瀬遥華(香椎由宇)、
医院長の桜山真(上川隆也)、小学クラスの担任・太川絹(小林聡美)
たちは、慌てて参太郎を止める。
 不審な男は、桜山真の兄、桜山幸一(羽場裕一)だったのだ──。

 桜山幸一はやり手の医師で、経営に関しても一流。現在はアメリカ
で活躍しているのだが、今回、学会に出席するために一時帰国してい
た。
 あまり出来が良くない弟の真に桜山総合病院を任せてはいるが、将
来は幸一がアメリカから戻ってきて病院を掌握する予定だったのだ。

 小児科の面々も、幸一が戻ってきたことに動揺を隠せない。今まで、
万事にのんきな真の下で気楽にやってきたのだが、これからはそうも
いかないからだ。

 医院長室で幸一が誠に告げる。近々、帰国して病院を継ぐことにな
る。そうしたら、日本の最先端医療ができる病院にする。そのために
は、病院内の改革が必要で、その手始めに院内学級を閉鎖する。
 一方的に言われて、絶句する真。

 真はあちこちで院内学級の存続について聞かれる。
 参太郎も小児科の面々も、皆、院内学級を続けて欲しいと思ってい
るが、院内学級を不要と公言している幸一が帰ってきたことで、みな
不安を感じていたのだ。
 真は幸一の思惑を告げることが出来ず、言葉を濁す。

 中学クラス二年、和田雅樹(須賀健太)の骨髄性急性白血病はます
ます悪化していた。抗ガン剤も強いものになって副作用も厳しくなる。
ついに院内学級にも出席できなくなった。しかし、和田は生きること
も、普通の生活に戻ることもあきらめていない。ひとりで懸命に勉強
に取り組む。
 その姿勢を見た参太郎は、病室で和田にマンツーマンの授業を行う。
 ふたりの授業と嬉しそうな和田の顔を陰から見た真は、やはり院内
学級は必要だという思いを深める。

 医院長室に居座り、院内改革の構想を練る幸一に、真は院内学級の
存続を提言する。
「病は気から、というじゃない。オキシトシン、愛情ホルモン。抱き
しめられたりすると脳から分泌されるっていうあれ。実際の医療の現
場でも成果があったっていうデータが……」
 しかし、幸一は真の懸命の説明を遮って断定する。
 もし新しい施設や設備があれば、もっと救える命がある。今必要な
のは、院内学級ではない。
 実際に、新生児集中医療室(NICU)があれば救えたはずの命が、
昨晩、救えなかったということもあった。
 真はそれ以上、反論することができない。

 和田の病室で授業をしていた参太郎のところへ、看護師の池川琴美
(工藤里沙)が小児科に来るようにと呼びに来る。
 小児科に行くと、皆が深刻そうな顔で集まっていた。
 医院長の真から話があるというのだ。が、真は何かを言いよどむ。
隣にいた幸一が、立ち上がって真の代わりに言う。
「突然ですが、院内学級は近々閉鎖します。あの場所に新生児集中医
療室(NICU)を設立します」
 くってかかる参太郎。まったく納得できない。反対だ、と。
 しかし、幸一は穏やかに言う。
「納得しなくてもかまいません。ただ君は、明日から来なくて結構で
す」
 唖然とする参太郎に幸一は続ける。
 和田は重症で授業どころではない。中学三年の八重樫守(神木隆之
介)はもうそろそろ退院。残る中学二年の田中香(高良光莉)ひとり
なら、小学クラスの太川が掛け持ちで見ることができるだろう。だか
ら、参太郎は必要ない。
 それでも、あれほど授業を楽しみにしている生徒の気持ちを考える
と、参太郎は納得できない。
 しかし、幸一は言う。新生児を救うために必要なことなのだ。参太
郎の言っていることは、新生児の命を見捨てろと言っているのと同じ。
参太郎の方がよっぽど非情な人間だ、と。

 参太郎は迷う。
 院内学級を続けたいという思いと、幸一の言っていることにも理が
あるということ。
 そして、病院をクビになってしまったこと。
 迷い続けた参太郎は、それでもやっぱり隠れて病院に来てしまう。
もう、クビになってしまったはずなのに……。
 しかし、太川に見つかってしまう。慌てて「来ちゃいました」と頭
を下げる参太郎に、太川は言う。
「やっぱり……来ちゃいましたか。……それじゃあ、生徒をお願いし
ます」

 参太郎がクラスに行くと、そこは「立ち入り禁止」の札が貼られ、
閉鎖されていた。
 NICUを作るために、幸一が業者に指示してやったこと。
 が、それをみた生徒たちは激しく動揺する。
 めげない参太郎は、それならば、とロビーにホワイトボードを引き
ずっていき
、そこで授業をやろうと言い出す。
 八重樫が「こんなところじゃ、勉強なんかできない」と不平を漏ら
すと、参太郎は胸を張って言う。「勉強はどこだってできる。学びた
いという気持ちがあれば」
 ロビーも追い出された皆は、和田の病室に入り込み、楽しそうに勉
強を始めるのだった。
 そこへ現れた太川。授業を終わりにさせ、参太郎に口実をつけて立
ち去らせた後で、生徒たちに院内学級の閉鎖を言い渡す。
 静まりかえる生徒たち。すっかりしょげかえってしまう。

 病室に戻った中学クラスの三人、八重樫、和田、田中は落ち込んで
いた。
 一方的に閉鎖させられた院内学級を三人とも、楽しみにしていたか
らだ。病院のやり方に不満を持った三人は、「だったら、出ていこう」
と話し合う。

 閉鎖されたクラスを元通りに治した参太郎と太川の元へ、看護師が
やってくる。
 八重樫が「こんなクソ病院出ていく」と書き置きを残して居なくな
ったからだ。
 和田も、田中もいない。特に、和田は白血病が悪化している。慌て
て参太郎たちは探しに走る。
 駆けつけた七瀬、参太郎が、病院の前で三人を見つける。
 しかりつける参太郎に、和田は院内学級のない病院なんかに居たく
ない、と言い張る。
 参太郎は三人に向き直る。
「黙っていてすまなかった。実は……先生は病院をクビになった」
 え! と参太郎を見つめる三人。
「でも俺は、お前たちみたいに逃げ出したりはしない。勝手に見舞い
に来て、赤鼻のオジサンとして勝手に授業をし続けてやる。安心しろ。
絶対に院内学級を無くさせやしない。みんなの教室は俺が守る!」

 和田の病状が悪化して病室に戻った八重樫たちに、太川が話しかけ
る。
 「こんなクソ病院」と書かれた書き置きを見せながら言う。
「確かにね、こんな病院私も出ていきたいと思うこともあるよ。でも
ね、この病院の人たちは病気を治すために、毎日必死に働いている。
一生懸命、命を守ろうと働いている」
「命……」
「そういうことを一番わかっているの、あなたたちでしょう。だから
これは……撤回しなさい」

 翌日、医院長室に乗り込んでいく参太郎。
 幸一に直談判をしに来たのだ。一緒についてきた太川が院内学級を
閉鎖する理由について再度聞く。新生児のICUを作るために、スペ
ースが必要なのだと、再度告げる幸一。
 つまり、スペースがあればいい。……この医院長室、結構広いです
よね?
 目を見開く参太郎。それならば、どこだっていい、プレハブを造っ
たって、屋上でだっていい、ただ教室のスペースをくれれば院内学級
を続けられる……。
 しかし、院内学級が必要なのか、と太川が根本的な問いを出す。
 同席していた七瀬が「必要です」と強く言うのだった。
 入院中、子ども達は孤独で不安だ。医者は病気を治すことが出来て
も、その心までは癒せない。しかし、院内学級の担任達は、そんな子
どもの心に近づくことが出来る。授業を受けているとき、患者の子ど
もは病気を忘れて普通の子どもに戻れるのだ。

 それでも、幸一の考えは変わらない。
 勉強を教えたければ、学校で教えればいい。ここは学校ではない。
 そもそも、学校というのは勉強だけではなく、同級生と机を並べる
中で生活していく場。さまざまなことを体験していく場ではないか。
そういうことまでは、病院の中では出来ない。だから、院内学級に意
味はない──。
 参太郎は反論する。
 そんなことはない。勉強して、笑って、泣いて、怒って、ケンカし
て、院内学級の生徒たちは、この病院で病気を治すためだけにいるん
じゃないんです。この学校の中でただ勉強をしているんじゃないんで
す。ここで一生懸命生きているんです。
 僕がクビになるのはかまわない。でも、院内学級だけは続けてくだ
さい。
 頭を下げる参太郎に、耐えきれなくなった真も言う。
 最新設備もいいけれど、やっぱり院内学級をなくすの、やめないか?
 しかりつける幸一に、真は初めて強く言い張る。
「僕が決めることだ。僕は医院長なんだから! ……つなぎだけ
ど……」
 黙り込む幸一。

 そこへ、院内学級の生徒たちが入ってくる。
 先頭の八重樫が言う。
「僕たちは、院内学級がなくなることを我慢する」
 何を言っているんだ、と驚く参太郎たちに、小学生クラスの面々が
口々に言う。
「でも、赤ちゃん亡くなっちゃったんでしょ?」
「赤ちゃんが死んじゃうくらいなら、我慢する」
「僕も我慢する!」
「同じ事が起こる前に、早く手を打つべきだと思う」
 考え直すように言う参太郎。が、八重樫が言う。
「大丈夫だよ。アカハナ言ってたじゃん。勉強する気があれば、どこ
でだってできるって」
 口々に、ちゃんと勉強するよ、心配しないで、と言う子ども達。

 参太郎は廊下で涙する。
 子ども達にあんなことを言わせて、自分は何にもできない。そんな
自分が情けない──。


寸  評  ついについに、院内学級閉鎖!
 医院長の兄、幸一は冷酷非情、合理性の権化みたいな人だとおもっ
ていたんですけどね。それだとあまりにも「当たり前」。そういうド
ラマじゃないですから、実際に現れたのが柔和な人物というのが、さ
すがでした。
 子ども達が出てきて、最終的に院内学級閉鎖が撤回されるのかと思
ったんですが、ここで閉鎖の方向へ向かうというのも、なるほどと感
心しました。
 引っ張るところは引っ張ります。本当にうまいなぁ、と次回も楽し
みです。

執 筆 者 畑中ヒロ(hero_hatanaka@yahoo.co.jp)

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2. 編集後記
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 CMっていうのは、TVドラマを楽しみに見ている人にとってすごくジャマ
なものです。特に、この原稿を書くために録画をしていたりすると、いちいち
CMを飛ばすのが手間だったり、CMのせいでハードディスクのメモリを食っ
ていたりで、いちいち気に障る存在です。
 が、このCMをすごくうまく使われると、ドラマにのめり込むんですよねぇ。
 たとえば、ピンチのところで結末を教えずにCMに入る。
「うわー、どうなっちゃうんだろう」
 とCMの間、予想を立てたり、登場人物の心情を思ったり……。
 この「区切り」をうまくやっているドラマは、ハマりますよねぇ。
 海外のドラマ(「24」が大好きで……今「シーズン7」にハマってます)
なんかでも、この区切りをうまく使っています。
 「赤鼻のセンセイ」も、病気が悪化したり、誰かが倒れたり、衝撃的な一言
を言われたり、っていうところでうまくCMが入ります。今回もうまく盛り上
げられちゃったなぁ、なんて感心しながら見てしまいました。そういう演出を
楽しむのもいいんですが……、録画のCMカットがうまくいかないのは私だけ?
(畑中ヒロ)

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発行元:ドラマ研究会
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