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タイトル:Daily Drama Express 2009/07/22 赤鼻のせんせい (3)  2009/08/05


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2009/07/22 (Wed) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.水曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 水曜日の連続ドラマ
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タイトル 赤鼻のせんせい
局  名 日本テレビ系
放映日時 土曜22時00分
キャスト 院内学級中学校教師       石原参太郎(大泉洋)
 小児科医            七瀬遥華(香椎由宇)
 難治性喘息患者・中学三年    八重樫守(神木隆之介)
 骨髄性急性白血病患者・中学二年 和田雅樹(須賀健太)
 慢性腎炎患者・中学二年     田中香(高良光莉)
 横山一(尾美としのり)
 小児科医            権田俊郎(光石研)
 院内学級責任者・小学校教師   太川絹(小林聡美)
 桜山総合病院医院長       桜山真(上川隆也)
 森村千佳(大橋のぞみ)
脚  本 土田英生 ほか
主題歌  『夢をアリガトウ』原由子

あらすじ 第三幕「子の心 親知らず」

 ……「躾のため」とはいえ、親はいちいち小さなことにうるさい。
躾が大切なのはわかっているけれど、そこまで細かいことを言わなく
てもいい。子どもは子どもでいろいろな事を考えたり、思い悩んだり
しているのだ。けれど、子どものそんな思いは、親には伝わらない。
今回はそんなお話……。

「夏の目標を立てよう!」
 夏がやってきたことで、桜山総合病院医院内学級中学校担当の石原
参太郎(大泉洋)ははしゃいでいた。中学生の夏といえば、一番開放
的で一番楽しい季節のはず……。だから、病気を抱えて苦しむ、院内
学級の生徒たちにも想い出を作って楽しんで欲しい、と考えていたの
だ。
 盛り上げようとするが、中学生のクラスメイトたちは盛り上がらな
い。逆に静まりかえってしまう。

 桜山総合病院小児科に、森村千佳(大橋のぞみ)かが新たにやって
きた。しかし、殺気だった雰囲気や、慌てて走り回る医師たちの様子
を見て少し怯えている。
 千佳は小学生で、院内学級小学校担当の、太川絹(小林聡美)のク
ラスに入ることになっていた。千佳の病気は小児糖尿病。一生付き合
うことになる病気だ。
 千佳は、母子家庭で働いている母親を支え、自分のことは自分です
べてやってきたという、聞き分けのいい「よい子」。
 病院まで付き添ってきた母親を、笑って見送る。その姿に、小児科
医の七瀬遥華(香椎由宇)や医院長の桜山真(上川隆也)たちも、
「えらいね」などと感心していた。

 院内学級にやってきた千佳を、皆は歓迎する。
 お節介焼きで目立ちたがり屋の参太郎は、さっそくしゃしゃり出て
「あだ名をつけよう」などと言い出す。
 が、「千佳って呼んでください」と、千佳は冷静に取り合わない。
なおもしつこく話しかける参太郎だが、小さなアラームが鳴る。
 千佳のインシュリン注射の時間を知らせるアラーム。まだ小学生な
のに、自分ひとりで注射までこなしているのだ。
 大人たちはエライね、などと感心するが、表情はどこか暗い。

 参太郎はまた、千佳を勝手に「ちかッチ」などとあだ名で呼び、笑
わせようと必死になっていた。今度は、歓迎会を開こうなどと言い出
し、看護師や七瀬、太川らに邪険にされるもめげない。
 中学クラスでも、千佳の歓迎会を開こうと呼びかける。当然のよう
に、生徒たちの反応は冷たい。

 一方、小学校クラスでは、算数テストの真っ最中。
 そこへ、参太郎と、強引に参太郎に「生徒会長」に任命された中学
三年の八重樫守(神木隆之介)が飛び込んでくる。
「生徒会長に任命された八重樫が、千佳のことを心配している」
 などと勝手に言い出して、無理矢理千佳の面倒を押しつけた。
 素直に「よろしくお願いします」と頭を下げた千佳の面倒を、不平
をもらしながらも八重樫と中学クラスの和田雅樹(須賀健太)、田中
香(高良光莉)たちで見るようになった。

 ひとりになった参太郎は、歓迎会を開くべくあれやこれやと画策。
 隠し芸を仕込もうと太川の実家でもある、「タガワパフォーマンス
劇場」にまで出向く熱の入れよう。参太郎は、太川にライバル心を燃
やしていて、いつも冷静なのに子どもを笑わせ、心をつかんでしまう
太川を、一度は笑わせたいと思っていたのだ。
 劇団員たちは、「あのシルクちゃんに勝てるわけがない」とあきれ
るが、しつこく食い下がる参太郎に、いくつか芸を教えるのだった。

 翌朝、病院にやってきた参太郎を、七瀬が呼び止める。
 千佳の歓迎会を中止しろというのだ。
「ここは歓迎する場所じゃないんです。ここは、一刻も早く病気を治
して出ていってもらう場所なんです。どんな子でも歓迎はできません。
歓迎会は中止です」
 厳しく参太郎に告げる。
 太川にも、「中止は決定」と言われるも、参太郎はそれでもやると
言い張って聞かない。

 千佳はひとり、病室で学校の夏休みの宿題をしていた。他の子ども
たちのところに親がやってきて、楽しげに会話しているのを横目でみ
ながら……。
 太川がやってきて、授業のプリントを返す。算数が百点だ。太川が
ほめるが、千佳はあまり嬉しそうではない。千佳は家の家計簿をつけ
ることまでこなしていて、そのせいで計算が得意なのだ。
「お母さんはお仕事が忙しいから……」
 そういって、千佳は黙り込んだ。

 千佳はロビーで母親に電話をかけた。
 病室にいる子どもたちのところに、次々にお見舞いにやってくる母
親たちを見て、寂しくなったのだ。しかし、電話をしても母親は、今
忙しいからまたあとで、と言うばかり。
 千佳はボンヤリと売店にたたずみ、お菓子を手に取ってしまう。
 糖尿病の千佳は食事制限をされている。お菓子などは、食べるどこ
ろか、売店で買うことさえできない。
 そこへ現れた参太郎。千佳は慌てて「お母さんへのプレゼント」と
ウソをつくが、参太郎はその言葉にだまされて、「じゃあ、買ってあ
げる。プレゼントはサンタの得意技だからな」などとお節介をやいて
買ってしまう。

 ひとり、廊下の隅で隠れるように、千佳はお菓子をむさぼり食べる。
それを目にした八重樫。八重樫は千佳のその姿におどろいたが、何か
に納得したように、見て見ぬふりをして病室へ戻っていった。

 翌朝、千佳はご飯を食べていなかった。病室を見回りに来た看護師
がそれを見て不審に思う。と、ベッドの脇から、昨日参太郎が買い与
えたお菓子が出てくる。
 看護師が七瀬に報告すると、七瀬は血相を変えて「森村千佳にお菓
子を買い与えたのは誰だ」と、小児科を見回して詰問する。
 慌てる参太郎。
 まさか、千佳が自分が食べるためにウソをついたとは思っていなか
った。しかし、実際に買い与えてしまったのは参太郎だ……。
 七瀬は激怒する。
「あなたはあの子にどれだけ残酷なことをしたのか、わかっています
か?」
「残酷……?」
「あの子は今、食べたいものも食べず、飲みたいものも飲めず、必死
に頑張っているんですよ。あの子にとって一回の食事、一回の注射が
命に関わっているんですよ。それをあなたはわかっているんですか!」
 頭ごなしに怒鳴りつけられた参太郎も、カッとなって言い返してし
まう。太川がわって入り、強引に参太郎を外へ連れ出した。

 廊下に出た参太郎と太川。参太郎はうんざりした顔で言う。「また、
お説教授業ですか、聞き飽きました」。しかし、太川は表情を変えず
に、「こっちも言い飽きました。あなたには注射です」と言って、強
引にどこかへ連れて行ってしまう。

 一方、検査を終えて、検査室を出てきた千佳は廊下でよろけて倒れ
てしまう。
 千佳を心配した八重樫は、千佳を見張っていた。倒れかかる千佳を
つれて病室へ運ぶ。

 参太郎は診察台に寝かされて、桜山の注射を受けていた。大げさに
痛がる参太郎。しかし、太川は言う。千佳はこのインシュリン注射を
一日四回やらなくてはいけない。しかも毎日……。
 千佳の病室を見舞った太川と参太郎。千佳の食事を見ながら太川が
説明する。
 あの子が食べられるものは限られている。あの食事はたったの四百
二十キロカロリーしかない。黙りこくる参太郎。

 いつもの定食屋に、桜山とやってきた参太郎。四百二十キロカロリ
ーに減らした定食を頼んで愕然とする。ほんの少しの量しか食べられ
ない千佳を思い、落ち込む参太郎。
 普段通りの量の定食をうまそうに食べる桜山が、笑いながら言う。
「だったら、『最高のスパイス』をかければいいんじゃない?」
 誰かと一緒に食べる、それだけで楽しくてどんなご飯も美味しくな
る。桜山はそういう。
 参太郎は考え込んでしまう。

 翌日、参太郎は千佳の病室にやってきて一緒にご飯を食べようとす
る。千佳に頭を下げて、お菓子を買ってあげたこと、自分の無神経な
言い方をわびる。
「お母さんにも、俺が悪かった、千佳ちゃんは何にも悪くないって言
っておいたから」
 参太郎がそういうと、千佳は顔色を変える。
「お母さんに……言ったの? どうしてお母さんに言ったの?」
 とまどう参太郎を置いて、千佳はひとり出て行ってしまう。
 通りかかった七瀬が、千佳の様子を見ようと、入れ違いにやってく
る。が、千佳が注射をしていないことを見つけ、慌てて千佳を追いか
けて病室を飛び出していく。

 千佳はどこを探してもいない。中学生クラスの八重樫、和田、田中
たちにも千佳がいなくなったことを告げると、千佳の行動をよく知る
八重樫が千佳を見つけた。
 千佳はロビーの公衆電話のところで倒れていた。
 母親に電話をかけようとしていたのだ。
 参太郎が母親に、千佳がお菓子をたべたことついて話してしまった
のを、気にしての行動。

 千佳は救急治療室に運ばれていってしまう。
 参太郎は自分の軽率な振る舞いに落ち込む。

 病室で安静にしている千佳のところへ、母親がかけつける。
 しかし、母親は千佳をしかる。
 ──何でも自分できちんとやると約束しなさい。
 ──お母さんに迷惑をかけないと約束しなさい。
 見かねた太川が、千佳がつけていた絵日記を母親に見せる。
 そこには、千佳が母親と、遊園地や山や海に遊びに行く夢が書いて
あった。
 千佳は、ただ、母親と一緒にいたかったのだ。自分の具合が悪くな
れば、もっと母親が来てくれる、と思っての行動だったのだ。
 母親は、千佳はそんな子どもじゃない、二人で一緒に支え合ってき
たんだと言い張る。
 太川は母親を見据えて言う。
「お母さん、子どもにそんなに甘えないでください……。こんな小さ
な手で、お母さんを支えてあげられると思いますか?」

 しょぼくれた参太郎。あれほどムキになっていた、千佳の歓迎会も
取りやめにして、いつもの元気さも、くだらない冗談も言わなくなっ
てしまう。
 しかし、肩を落として小児科でうつむく参太郎に、中学生クラスの
三人が呼びかける。
「先生、千佳ちゃんの歓迎会、どうするんだよ」
「……あれは、やめだって言っただろう」
「俺たちはやること、もう決めたから」
「え?」
「歓迎会で、あの子の絵日記を実現するから!」
「!!」
 参太郎は元気を取り戻し、またむやみに張り切り始める。

 参太郎の呼びかけに応じて、院内学級の生徒たち、タガワパフォー
マンス劇場、そして太川たちがそろって、皆で千佳の歓迎会の準備を
始めた。

 母親との一件以来、ますます元気をなくした千佳が、病室でひとり
たたずんでいるところへ、参太郎と中学生クラスの皆がやってくる。
「ちかッチ始めるぞ」
「……? 何を?」
「決まってるだろう。お前の、歓迎会だ!」

 まずはロビーに千佳を連れてくる。
 ロビーは、海岸になっていた。
 大きなシーツに描いた波の絵。砂を入れたざるで出す波の音。椰子
の木を医療器具に飾り付け、小学生たちがカモメや魚たちを演じる。
 目を輝かせて見つめる千佳。

 次は教室。
 そこは遊園地になっていた。
 中央にメリーゴーランド。
 暗幕に囲まれた部屋の中央に、子供用の揺り木馬がゆっくりと回転
する台に据えられ、音楽が鳴り、派手な電飾に飾られている。
 千佳はメリーゴーランドに乗ってはしゃぐ。

 最後は屋上。
 そこは、山の頂上になっていた。
 遠くに山並みが望める屋上に、タガワパフォーマンス劇場で作って
もらった、風船細工の木々、花々。蒼い空に緑の風船が映えている。
 わあ……。
 屋上に足を踏み入れる千佳。あたりを嬉しそうに見回す。
「よし、締めは先生だ!」
 張り切って出ていく参太郎は、「山といえば山彦だ」といって、屋
上から「ヤッホー!」と叫ぶ。
 もちろん、本物の山ではないので、山彦など戻ってくるはずがない。
 何やってんだ……。
 中学クラスの三人があきれ顔で見ていると、遠くから「ヤッホー」
と山彦が帰って来た!
 どうだ、と言わんばかりに「ヤッホー」を繰り返す参太郎。
 実は、隣のビルの屋上に隠れた太川が山彦になりすまして声を返し
ていただけ。
 中学クラスの三人、そして千佳にも山彦に叫んでみろ、とすすめる。
 千佳は叫ぶ。
「早く退院したーい!」
 不思議な山彦が帰ってくる。
 ──「早く退院しろー」
「退院したら、いっぱいいろんな所へ行きたい」
 ──「退院したら、いっぱいいろんな所へ行てこーい」
「もっとお母さんと一緒にいたい!」
 ──「ずっとお母さんと一緒にいろー」
「もっとお母さんと一緒にいたい!」
 ──「ずっとお母さんと一緒にいろー」
 気がつくと、千佳のうしろに母親が立っていた。ずっと、千佳の山
彦を聞いていたのだ。
 抱き合う千佳と母親。


寸  評  今回は、「夏の目標」というところで、病気の女の子の「夢」を
叶えました。
 むちゃくちゃだけど、無理があるのはわかっているけど、その優し
さがよくにじみ出てくるような……。
 最後の山彦のところなんて、ちょっとグッときちゃいました。
 それにつけても、やっぱり大泉洋のバカっぷりが最高です。
 暑苦しくて、鬱陶しくて、良い意味のバカ……。
 これほどハマっている役もなかなかないなぁ、と感心してしまいま
す。
 ヘタに格好をつけないところがいいですよね。
 次回も楽しみです。


執 筆 者 畑中ヒロ(hero_hatanaka@yahoo.co.jp)

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2. 編集後記
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 今回は、小児糖尿病の女の子が出てきましたが、私の知っている人にも、糖
尿病の人が何人かいるんです。一生治らないとか、食事制限がきついとか、い
ろいろと聞きます。実際に、食事制限のせいで激やせしたり、本当に辛そうに
している姿を目の当たりにしてきたので、今回の話はなかなか考えさせられま
した。
 先天的な小児糖尿病はまだしも、多くの人は不摂生によるものだと言われま
すよね。実際、無茶な生活をしてきている人が、糖尿病になっているようです。
 若い頃は、「そんなのオヤジの病気」などと笑っていられたのですが、最近
では正直笑えません。ご多分に漏れず「メタボ」認定をいただいておりますか
ら、明日は我が身といったところ。
 夏ですから、ダイエットに励むとしましょう。(畑中ヒロ)

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発行元:ドラマ研究会
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