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タイトル:Daily Drama Express 2009/07/12 官僚たちの夏 (2)  2009/07/13


===================================================== 発行部数   26 ==
                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2009/05/23 (Sat) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.土曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 土曜日の連続ドラマ
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タイトル Mr.Brain
局  名 TBS系
放映日時 土曜20時
キャスト 九十九龍介(木村拓哉)
 由里和音(綾瀬はるか)
 丹原朋実(香川照之)
 林田虎之助(水嶋ヒロ)
 佐々未春(大地真央)
 船木淳平(平泉成)
 神田純一(設楽統)
 難波丈太郎(トータス松本)
 大内浩一(山崎樹範)
 夏目光男(田中裕二)
 岩淵潔(林泰文)
 浪越克己(井坂俊哉)
 マリコ(SHIHO)
 掃除のおねえさん(木下優樹菜)
脚  本 蒔田光治

あらすじ  Episode 1 史上空前の脳科学ミステリー始動!!

 人間の脳。重さ約1200グラム。容積わずか1400ccの中に、
50億の脳細胞が詰め込まれ、1秒間に2兆回の電子パルスが行き交
っている。

 ほとんどの人間は、その脳のわずか5%しか使っていないという。
まだまだ未知の器官である。


 ホストの大斗(木村拓哉)は、女性客(戸田恵子)を引き止めるの
に必死だが、彼女はタクシーで帰ってしまう。

 大斗がプラプラと夜の街を歩いていると、片方の靴が脱げたまま、
悲しそうな顔で立っている女性(広末涼子)を見かける。
 「なんですか?」と女性。
 泣いているようだから.....と大斗。

 見ていただけと女性。女性の視線の先には、ショーウィンドーに飾
れていた靴。
 靴が欲しくて泣いているの?と大斗。
 彼女は、そんな子供じゃない。ふられたの。あの靴のように、ほと
んど同じような女で、一歳だけ若いと言うだけで、と。

 大斗は、女性が脱いでいた靴を渡す。
 捨てたに決まっているでしょ、と女性。ヒールの取れたその靴には、
ヒールの代わりに、シャンパンのコルクが貼り付けてある。
 大斗はひざまずき、その女性にその靴を履かせる。
 でも、女性が一歩踏み出すと、すぐにコルクは取れてしまう。
 大斗は、その女性に、少し痩せなきゃね、と言う。

 彼女は、両足とも靴を脱いで手に持って歩き去る。

 その後ろ姿を見送った大斗は、反対方向に歩いていく。
 すると、建設中のビルの囲いが突然崩れ、大斗は下敷きになる。

 大斗のオペが行われる。


 2009年
 5年後

 由里和音(綾瀬はるか)は、指紋認証して、中に入る。


 とある車の下に、時限爆弾が仕掛けられていて、それが爆発する。
 そこに走ってきた車が何台も突っ込む。


 警視庁。
 林田虎之助(水嶋ヒロ)が鳴っていた電話を取ると、変声器を通し
た声が、五反田に、15分後爆発する爆弾を5つ付けたと告げる。


 指定された地域を囲む機動隊員たち。
 そこに駆けつけた丹原朋実(香川照之)は、機動隊員たちの盾の前
に出る。
 危ない、と止める林田に、怖いなら帰れ、と丹原。


 テロの恐れあり。『警戒レベル3』ということで、科捜研の全職員
は持ち場での待機命令が出る。


 交通科学研究室では、法科学部長・佐々未春(大地真央)が岩淵潔
(林泰文)に、全交通情報をこっちへ回すよう命じる。
 そこに化学研究室・夏目光男(田中裕二)が来て、この爆弾は素人
が作ったものだな、と言う。


 その頃、爆発現場を捜索していた機動隊員の船田勉(ユースケ・サ
ンタマリア)は、カフェのオープンテラス席に、1人悠然と座り、時
限爆弾を前にしている男(木村拓哉)を見つける。
 船田は男に向けて拳銃を構えると、手を頭の後ろに組み、ゆっくり
立ち上がり、こちらを向くよう命じる。

 その男は逮捕され、護送車に入れられる。
 男が護送車の窓から外を見ていると、違法カジノ経営のヤクザたち
が次々と捕まっていた。

 護送車に林田と丹原が入ってくる。
 林田が男にお茶を勧める。
 男はカップを受け取り、カップに口を付けて飲む。
 するとすぐ林田が、ハンカチでそのカップを奪い取る。

 男は、カップについた自分の指紋と、唇から貼り付いたDNAが欲
しかったんですね、と冷静に言う。


 科捜研では、爆弾事件がテロではないと判明したため、待機命令が
解除されている。

 和音は、今日から脳科学研究室に配属となった。でも、自分に脳科
学なんてわからないから、すぐ他へ異動させて、と夏目に訴える。
 夏目はこの時限爆弾を解除できたら、と渡す。タイムリミットは
80時間。
 頭を抱える和音。

 掃除のおねえさん(木下優樹菜)がやってきて、脳科学研究室の前
に落ちてるプレートを拾い、『九足す九?』とつぶやく。


 警視庁の階段で、丹原は警視庁・組織対策四課の武井公平 (市川海
老蔵)とすれ違う。
 竹井は、暴力団なら、うちにまわさなければならないじゃないか、
と文句を言う。


 取調室で丹原は男に、時限爆弾から沢山の男の指紋が検出された、
と言う。
 男は当然だという。その爆弾を調べるために、散々触ったのだから、
と。

 男は、あの近くで違法カジノが開かれていたんですよね。というこ
とは、沢山のお金があったということだ。
 爆弾が近くで爆発するというときに、それを持って逃げるほどの時
間的余裕はなかっただろう。
 では、その場に隠して逃げたか。
 でも、爆発したら紙くずになってしまう。
 それだけのお金っていうと、どれくらいの量と重さだろう。

 男がブツブツ考えている間に、林田と丹原は、男の逮捕状を取りに
行く。

 取調室に残される男と船田。
 男は、あの爆破予告地域の中を一般人がうろうろしていたらすぐに
不審に思われる。
 でも、不審に思われない人物もいる。それは警官。
 爆破予告をして、付近を無人の状態にしたのだ。

 船田が怪しいとわかったのは、最初に自分に会ったときの対応。あ
と二分もすれば、爆発すると分かっている爆弾を前に、人間は、とに
かく逃げようとする本能に突き動かされるはず。
 それが船田はしきりと男に対して、「ゆっくり」、「ゆっくり」と
言った。
 すなわち、船田は本当に爆発する爆弾は最初の二つだけで、あとの
三つはフェイクだと知っていたのだろう。
 船田はそうしておいて、カジノのお金を盗もうとしたのだ。船谷は
莫大な借金があった。

 そこに、林田と船田が逮捕状が取れたとやってくる。

 男は、犯人を捕まえました、と船田を指す。

 そして船田に、「左脳でばかり考えて、失敗しましたね」と言う。

 それから時計を見ると、林田と丹原に、パトカーで科捜研に送って
くれませんか?と頼む。自分は漢字で『99』と書いて『つくも』と
読む。今日から科捜研の脳科学研究室に配属になったのだという。


 科捜研を未春に案内してもらう九十九。
 初日から遅刻し、かつ犯人と間違われるなんて、と文句を言う未春。
 九十九は、だから警官に説明したのに聞いてもらえなくて、と言う。

 九十九の助手が和音。
 和音は、九十九がかっこいいと期待を持つ。

 未春は、ここは警察庁に属し、全国の科捜研などから依頼された分
析も行うと説明する。
 犯人逮捕とか、しなくていいんですか?と聞く九十九に、犯人を逮
捕するのは刑事の役割と未春。

 画像解析研究室を案内する未春。
 船木淳平(平泉成)主任に、研究室内では、飲食をしない!と怒る
未春。

 船木は、その時、コンビニ強盗の映っている防犯ビデオの解像度を
上げ、指紋を採取する処理をしていて、九十九の前でやってみせる。

 その時、九十九が「万引き犯」と言う。
 なんと、店内の鏡に写っていた画像を拡大すると、証人が万引きし
ているところが映っていたのだ。


 音声研究室。
 神田純一(設楽統)は、ヘッドホンを付けて研究していた。
 声を分析して、その声の主の年齢、性別、出身地などがわかるよう
にするのが目標だという。


 科学研究室。
 夏目が研究を行っていて、和音は昨日まで、夏目の元で研究してい
たという。

 夏目が混ぜた試薬が爆発を起こし、その研究室は早々に退出する。


 生物科学研究室。
 難波丈太郎(トータス松本)と大内浩一(山崎樹範)、二人の研究
員がいる。
 ここでは、指紋やDNAなどを調べている。

 九十九は自分の指紋を照合する。すでに九十九の指紋は登録されて
いて、適合率は90%弱と出る。
 今度は九十九は、綿棒で自分の頬の内側の細胞を採取する。
 いい加減遊んでいないでくださいと、未春に止められる。


 脳科学研究室。
 ここは今開設されたばかりの未知の領域。
 九十九に、3週間以内に研究課題を何にするのか提出してください、
と指示する。

 和音は、自分は科学を専攻していて、この間まで夏目の所にいた。
今は脳のことを考えるだけで、脳が爆発しそうな状態、と言う。

 ホヤを水槽に入れる九十九。
 ホヤは、一番脳の構造が単純なのだ、と説明する。

 次に九十九のポケットからネズミが身体を乗り出す。
 九十九はネズミ用の小屋へ入れる。

 九十九は、未春の説明は理路整然としていて、無駄がないが、あれ
では未春が使っているのは左脳ばかり。右脳を使わないと、迷子にな
りやすくなる、と言う。

 九十九が持ち込んだ箱からは、いろいろなものが出てくる。
 グラビアアイドルの写真集を見つけた和音は九十九に、こんなのが
趣味なんだ、とからかう。
 九十九は、昔は好きだったけれども、今は興味がない。人の興味は
変わるのだ、と言うことのためにとってあると言う。
 和音は、本当に変わるんですかねぇ、と半信半疑。

 次に、2人のよく似た人物が写っている写真が出てくる。九十九は、
どちらが男で、どちらが女かと、和音に問う。
 和音が答える。
 すると九十九は、この写真はよく似た人物AB2人の顔をそれぞれ
縦半分に切り、それぞれ反対側と組み合わせた。従って、どちらが男
で、どちらが女ということはない。
 でも、人間は直感で考えるときは、右脳を働かせるので、左側から
入ったものを判断材料としやすい。従って、左側が女性の写真を全体
として女性として認識し、反対に、左側が男性の写真なら、全体を男
性としてみる。
 脳科学は恋愛にも役立つ。相手に女らしいと思って欲しければ、彼
から向かって左側に立つことと言う。

 さっそく椅子をズラして九十九の左側に座る和音。
 九十九は、化粧も左側の顔をきれいにした方がいいと言う。


 その頃、事件が起きていて、現場に赴く林田と丹原。

 中野周蔵・産業開発庁の全事務次官が殺される。
 宅配業者が見つけた。
 その現場では、部屋の正面の壁に、被害者の血で、十字架が書かれ
ていた。横の壁にも小さな記号が書かれていた。


 喫茶室で、マリコ(SHIHO)に声を掛けられる九十九。
 朝から、沢山食べるんですね、と声を掛けられ、人間は夜寝ている
間に、メチャクチャ血糖値が下がる。よって朝は、沢山食べないとな
らないと説明する。
 マリコは、沢山食べる男の人って、好き、と言う。


 朝、電車の操車場で死体が発見された。産業開発庁の本間英介氏。
 しかも、操車場のシャッターを下ろすと、また血で描いた十字架が
あった。


 捜査会議の映像は、科警研のモニターにも映されていた。

 本間と中野は、談合を無くすために、動いていた。そのために、今
まで談合でもうけてきた建設会社から恨まれ、中には、死活問題の会
社もあった。

 現場から指紋が見つかり、データベースで照合すると、土田建設社
長・土田吾一(志賀廣太郎)のものだった。
 でも、ここで問題が生じた。
 土田は先週、暴行事件を起こし、逮捕されていた。犯行時刻には、
東京拘置所の中だった。

 今回は異例であるが、早期解決のために、全捜査資料を、科警研に
送ったという。

 未春は、さっそく皮膚片その他生物的な調査と、血で描かれた十文
字の意味について分析するよう指示する。
 作業指示の無かった九十九が未春に、瞬間移動に関する資料がある
か聞く。
 未春は、九十九をバカにしたように一瞥すると、あとは無視する。


 警視庁では、霞ヶ関近辺を警護する必要があるということで、大勢
の機動隊員が詰めかける。

 彼らを冷ややかに見ている武井。


 解剖された2人の遺体の傷口。そこから微細皮膚片を採取する難波
と大内。

 科警研での分析結果を聞くために、林田と丹原がやってくる。
 被害者の爪の間から発見された皮膚片のDNAの分析結果は、土田
と一致した。

 林田たちは、そんなことはあり得ない、と言う。
 だが、難波たちは、人間は嘘をついても、DNAは嘘をつかない。
この皮膚片が、土田ではない確率は1千兆分の1だと言う。

 画像解析研究室では、船木たちが、マークの意味を探している。
 未春もその場にいる。

 脳科学研究所内では、バナナを食べる九十九の横顔を、和音がボー
ッと見て、一挙手、一投足すべてに憧れていた。

 林田は、丹原に内緒で、九十九の所へ寄る。
 林田は、先日は済みませんと謝り、ポケットから携帯を取りだして、
机の端に置き、その下の名刺入れを取りだし、名刺を九十九に渡す。

 林田は、和音が気になる。
 和音は、脱走した九十九のネズミを追っていた。

 林田は、拘留中の土田から聞いた話をする。
 土田は、自分は拘置所の壁を自由にすり抜けられると言っていたと
いうのだ。

 九十九は、土田と面会してみたいと言う。脳のどの部分を使ったら、
壁をすり抜けられるのか、調べたいという。

 林田が和音に見とれている間に、机の上に置き忘れた林田の携帯が
鳴る。
 それに九十九が出てしまう。
 慌てて携帯を取り返す林田。
 丹原は林田に、なんで九十九のところなんて行ってるんだ、と怒る。

 電話を切った林田は九十九に、九十九の所に来ていることは内緒だ
って言ったでしょ、と文句を言う。

 林田が九十九と一緒に、丹原の待つ警視庁に来る。

 その様子をじっと見ている武井。

 土田は、誰が来ようと同じだという。
 九十九は、土田の壁抜けを見せて欲しいと言って、一室に土田を閉
じこめ、ドアの前に椅子を並べ、10分間待つ。

 10分後、椅子をどけて室内に入ると、土田の姿が無い。
 慌てる丹原と林田。
 だが九十九が、土田はここにいたという。土田は、部屋の内側に開
くドアの開いたドアの陰に隠れていた。

 土田は、「今日は体調が悪くて」と言い訳する。

 引き上げる丹原、林田、九十九。
 丹原は、科警研はデータ分析さえしていればいいんだと嫌みを言う。

 九十九は、今ので、少なくとも土田が壁をすり抜けていないと言う
ことだけは明らかになったじゃないですか、と言う。

 それはそうと、なんでこの金庫は、現場でこじ開けられているんで
しょう?と九十九。
 現場で時間を使っていたら、捕まる危険が増す。そんなことをする
より、金庫ごと盗み出してしまえば、手っ取り早い。犯人達にとって、
現場で金庫をこじ開けることに意味があったのだろう。その金庫に土
田の指紋が残っていたのだから。

 科学は、そこにあるものを分析することはできる。でも、なぜそこ
にあるのかの説明はできないと言い出す九十九。
 たとえば、あらかじめ土田に同型の金庫をこじ開けさせる。そして
わざと喧嘩騒ぎを起こし、警察に捕まる。
 そして、共犯者が本当の金庫はそのまま盗みだし、そこにあらかじ
め土田にこじ開けさせ、指紋を付けさせた禁固を置いてくる。
 皮膚片なんて、あらかじめ土田の顔や指から採取しておけばいい。
そして死体の爪に埋め込む。

 九十九は、自分をずっと見ている武井に気付く。


 脳科学研究所では、九十九の留守中、夏目の課題の事件爆弾を、和
音が必死に解除しようとしていた。

 九十九が帰ってくるのを見て、慌てて時限爆弾を隠し、脳科学の本
を読み始める和音。

 和音は、提出するよう言われている課題、脳波で分かる嘘発見器な
んてどうですか?と言う。
 九十九は、もうそんなものはある。それに、そもそもそんなもの、
機械を使わなくても、分かると言う。
 人間は嘘をつくとき、話に整合性を持たせるため、論理的に考える。
すると左脳を使うことになる。左脳が司るのは右目。だから、嘘をつ
いているときは、思わず右側を見てしまう、と言う。

 そんなことはないでしょ、と信じない和音。

 九十九は、自分がいない間、別のことをやっていたでしょ、と和音
に言う。
 右を向く和音。
 右を向いたと指摘された和音は、慌てて左をむき直す。

 九十九は、人間は一度見たものは覚えている。だから見たことがあ
るものをもう一度見ると、海馬のあたりが活性化する、と説明する。

 丹原と林田は、土田を取り調べる。

 土田は、知らない者たちに拉致され、目覚めたとき、前に五千万円
が積まれていた。
 目の前に用意されていた金庫をこじ開け、喧嘩して、警察に捕まれ
ば、この五千万円を振り込んでやると言われた。
 談合が禁止され、土田の会社も倒産寸前だろうと言われ、引き受け
た。

 九十九は林田たちに、土田が左脳を使い始めたら、要注意だとアド
バイスする。


 産業開発省・土木開発局長の土井健三 (高嶋政伸)に話しを聞く、
丹原と林田。
 2人は、土井に24時間の警護を付けると言う。
 2人は家族の警護も頼む。

 土井は、2人が殺された頃、秘書の小峰と、津軽の三条川原の再開
発の抜き打ち視察に行っていたという。


 武井が林田を呼んで、そっと話をする。


 林田が脳科学研究所へやってきて、武井が暴力団絡みの事件の可能
性があると言っていた、と言う。暴力団なら、談合にも絡んでいる、
と。

 九十九が、武井の話を聞いてみたいという。九十九が興味を持った
のは、武井の話ではなく、武井自身についてだった。

 4人は茶店で落ち合う。
 何を食べようかな?という話をしていると、武井は甘いものは苦手、
と断る。
 九十九は、でも脳は栄養分として、糖分しか受け付けない。大量に
摂った方が、いいですよと、勝手にクリームあんみつ、クリームたっ
ぷりでと、注文する。

 それが運ばれてくると、甘いものを食べないと言っていた武井が、
たっぷりの黒蜜をかけて、ガツガツ食べている。

 九十九は、五反田の爆発現場の近くでも、違法カジノを開いていた
暴力団員、取り逃がしたんですよね、と言う。
 武井は、最初から自分が捜査していれば、こんな失態なんてなかっ
たと文句を言う。
 九十九は、今、武井は猛烈に左脳を使っているから、糖分が必要な
んですね。九十九の質問に対して、どう論理的に反論するか、考えて
いるからでしょう、と言う。

 武井は怒って、席を立っていってしまう。

 武井を怒らせてしまったと青くなる林田に九十九は、大丈夫ですよ、
と言う。もし本当に武井が怒っていれば、今頃林田をボコボコにして
いる、と言う。
 そして、犯人からしてみたら、警察の動きは知りたいはず。話を聞
くなら、一番下っ端の奴から話を聞くだろうと九十九。


 土井は、小峰に、どうしても綱島の現場に来て欲しいとの依頼があ
ったと言う。
 土井は小峰は同行せず、家内の様子を見てくれ、と頼む。自分には、
護衛が付いているから、心配要らないし、家では家内が一人心細い思
いをしているから、と。


 脳科学研究室に戻った九十九は、黒いサングラスを掛けている。
 和音が、何をしているのかと聞くと、右脳を鍛えていると九十九。
 こんなもので右脳を鍛えられるんですか?と和音が九十九からサン
グラスを取り上げて掛けてみると、左目だけが見えるようになってい
る。
 九十九は、左目は右脳に支配されているって言ったでしょ、と言う。

 和音が急に慌てる。もう残り時間が無い、と、夏目の宿題の時限爆
弾を取り出す。

 九十九は、どんな爆弾でも、必ず解除できる方法があると言う。
 目を輝かせる和音に、それは制限時間1分前に、爆弾を作った人に
返すこと、と九十九。
 和音は、本当に爆発するわけではないので、それでは意味がないと
いう。

 その時限爆弾をひっくり返した九十九は、裏のくぼみに、スイッチ
があるという。
 和音は喜んで、そのスイッチを入れる。
 すると、次のカウントダウンが始まる。
 「二重とラップだ」と九十九。


 遂にタイムオーバーとなり、時限爆弾の装置から、プロジェクター
の投影機が出てきて、映像を映し出す。

 そこには酔った和音が映っていて、夏目に、脳科学がやりたいんじ
ゃない。早く戻してくださいよ、と訴えている場面が映し出される。
 それを見て、九十九がひらめく。


 その頃、林田と丹原は、武井の車を追っていた。


 九十九と和音は、あの十字架の記号が残されている現場へ行き、紫
外線を当てて、結婚を調べ、あることに気付く。
 和音に、林田に電話させるが、林田は運転中だったため、出ない。

 九十九は、科警研の声通貨額研究所に電話させ、武井の車の位置を
聞く。
 武井は、川崎方面へ向かっている。


 土井家で、土井の妻と話をする小峰。
 土井の妻は、こちらにも警護はついているのに、と言うが、小峰は
土井が心配しているますので、と言う。
 その時、土井の妻が、台所で、音がしたと言い出す。

 小峰が、台所にある裏口のドアを開けてみる。
 すると、うっすらと煙が入ってくる。
 慌ててドアを閉めるが、爆発が起こる。

 丹原達は、武井の車を見つけ、追いかける。

 武井の車は、神田明神の門前を通り過ぎて止まる。そこには暴力団
・川島組の事務所がある。

 九十九は和音に、交通科学研究所・岩淵に、林田の車の位置を探し
てくれるよう指示する。岩淵は、簡単に使わないでくれと言いながら
も、教えてくれる。

 丹原と、遂に電話が繋がり、九十九は勘違いをしていた。武井では
ないと言うが、丹原はこれから武井を逮捕するので、と電話を切って
しまう。

 和音の運転で、九十九は現場へ行く。
 そこでは丹原達が武井を逮捕しようとしていた。
 武井は、自分ではない、と言う。
 九十九も武井ではないと言うが、聞いてもらえない。


 その頃土田は、何葉かの写真を見せられ、この中に誘拐事件の時、
見かけた人がいるかと聞かれていた。
 土田は、武井を指さす。


 警察に間違えた情報を与えたいときはどうするか?と丹原達に語り
かける九十九。
 のこのこと警察へ行って、話したって、誰も信じない。でも、それ
を謎にして、警察に解かせる。刑事は、自分で解いた情報は信じる。
二重にトラップが仕掛けられた爆弾のようなもの。最初に仕掛けを解
いたことによって、次の仕掛けのスイッチが入ってしまった。
 すなわち、土田の金庫の指紋や、壁抜けの話は、捜査を混乱させる
ために言い、我々に解かせた。すべてのヒントは、第一の現場にある。

 九十九は丹原に、「かえる」と10回言うように言う。
 文句を言いながらも、「かえる」と言う丹原。
 九十九が、「大きなおたまじゃくしは?」と問う。
 「かえる」と丹原。
 「おたまじゃくしですよね」と林田。
 「正解」と九十九。
 人間の脳には、今までのことに縛られる性質がある、と言う。

 その部屋に入ると、みんなまず正面の壁の大きな血の十字架を見る。
それから横の壁の小さな血の模様を見る。そしてその記号の意味を考
える。
 被害者が、この横の壁の所の低いロッカーの上に追いつめられて、
刺されて殺されたことは明らか。
 犯人達は、金庫の入れ替えを行っていた。まだ虫の息が残っていた
被害者は、目の前の壁に、血で書いた。
 そこには、三角形のペナントが貼ってあった。壁に画鋲のあとと、
日焼けしていない壁紙の箇所が残っている。

 犯人は、その壁の文字が消せないと知り、ペナントを外すと、棚に
残った血の痕をできるだけ拭き取った。そして正面に目立つ十字架を
書いた。
 被害者が書いたのは、記号ではなく、文字だった。

 なんと書いてあったのかわからないと言う丹原と林田。
 九十九は、人間は隠された部分を推測する能力を持っている。樹上
生活をしていた頃、木の葉の間からのぞく動物が、危険な動物かどう
か、一瞬で判断しなければならなかったからだというと、そばの観葉
植物から葉を一枚取って、ペナントのあとに置く。
 すると記号の線はつながり、字が浮かび上がる。
 それは『土井』。

 でも、土井はその日、小峰と津軽へ出張だったはず。だから無理だ、
と丹原と林田。それに土井は犯人に襲われている、と。

 九十九は、土井の自宅は爆破されたが、土井自身は無傷。しかも土
井が犯人でもないのに、丹原たちは土井のアリバイを調べたのか?と
聞く。
 土井のアリバイは、土井自身がいいだしたことを思い出す丹原たち。
 九十九は、土井の脳に、犯人を聞いてみましょう、と言う。


 fMRIの設置されたところに来た九十九は、和音に、もう君はい
いよ、と言う。
 和音は、これ一台借りるの、大変だったんですよ、と言う。

 丹原と林田に連れられて入ってくる土井。
 どうして妻を殺されているのに、犯人扱いされなければならないの
ですか、と文句を言う。

 九十九は、人は言葉では嘘をつけるが、脳では嘘をつけない、と言
う。
 それはまだ実験段階じゃないですか、と和音。

 土井は、じゃあ、やってみましょう。でも、あくまで実験段階であ
ることをお忘れなく、と言ってから、実験に協力する土井。
 機械を左目に当てる土井。

 中野の事件に対して、土井の海馬は赤くなる。
 土井は、付き合いで何度が行ったことがあるので、知っていて当然、
と土井。

 次に、本間が殺されていた場所。
 見たことのない場所、と土井。海馬も、記憶にないという反応。

 土井は、これで自分が犯人ではないと言うことが、脳科学的に証明
されたと言うことですね、とホッとする。

 すると九十九は、間違えました。今の駅は、本間が殺されていた駅
ではなく、土井が出張していたと言っていた、津軽の三条河原駅。出
張に行っていたというのは、ウソだったのですね、と言う。

 わたしをはめたのか!?と土井。
 最初に、自分たちをはめたのは土井の方。現場からは土井の痕跡は
発見されなかった。相当、科学捜査を勉強されたんですね。でも、脳
は嘘をつけなかった、と九十九。

 検査室から出てきた土井は、オレのいた世界は、白でも黒でもなく、
灰色の世界だった。どこまでいっても割り切れない。


 林田が、土井が全部白状したという。
 土井は、表では談合に反対しているふりをしながら、裏では入札業
者にデータを流して賄賂を貰っていた。
 中野と本間は、土井のその行為に気付き、土井は2人を消そうとし
た。
 小峰は、土井から、妻が浮気をしているようだから、出張をしてい
ると言って調べたいと言われた。小峰は、その程度なら、と口裏を合
わせた。


 その小峰と、おそらくは土井がやっていることに気付いていたであ
ろう妻を一緒に殺した。

 武井は、土井の事件とは無関係で、独自に川島組を怪しいと睨んで
捜査をしていただけだった。

 でも、九十九は、武井は絶対何かを抱えている。是非一度、武井の
脳を見てみたい、と言う。


 その頃武井は、チンピラ風の若い男とすれ違い、懐に分厚い封筒を
入れていた。
 チンピラからその封筒を渡されたかどうかは、前を電車が通り過ぎ
ていったため、わからない。


 事件を解決した九十九は、グラビア・アイドルの写真集を見ている。
 難波は和音に、上司に言っておけ。自分たちは目の前の犯人を捕ま
えるのではなく、科学を使って、将来の百人の犯罪者を捕まえること
だという。

 未春は、確かに九十九の働きはめざましいし、脳科学はこれからも
っと活性化する分野だろう。
 でも、九十九はこの研究所の枠に収まる人物だろうか、と言う。
 科警研・所長の瀬田逸平(小林克也)は、九十九は面白い人物だ。
これからも様子を見ようという。

 九十九は、あの事故の後、前頭葉を失うという怪我をした。
 でも他の脳の分野が活性化し、前頭前野の代わりの働きをするよう
になった。その結果、九十九のIQは飛躍的に向上し、大学に入り、
脳科学の研究を行った。在学中の四年間に、めざましい量の研究を行
った。

 九十九は自分の主治医・小島秀樹(杉本哲太)に、怪我をする前の
自分は、グラビア・アイドルの写真集が好きだったらしいのだが、で
も今は全然興味が持てない。それでも同じ人間だと言えるのだろうか、
と言う。
 小島は、同じ人間だよ、と言った。
 九十九が研究して一番知りたいのは、実は九十九自身なのではない
か、と言う。


 九十九は、引っ越しそば代わりに、みんなにバナナを差し入れる。
頭を使うには、糖分が必要だから、と。

 九十九はみんなにグラビア・アイドルの写真集を見せて、昔の自分
はこんなものを好きだったらしいのだが、今は何でこんなのがいいの
かわからない。
 なぜ人を殺したいと思うようになるのかわからない。人が何に興味
を持つのか知りたいと思う。人の感情を知りたいと思う。そのために
は、犯人に直接会ってみる必要がある、と言う。

 みんな九十九が何を力説しているのかわからず、ポカンとしている。


寸  評  ちょうど『脳』についての本を2冊読んだところですが、前頭葉
を傷つけてしまったら、他の部位でだいたいということはないと思う
んですよね。
 それに、確かに前頭葉が無いと、感情のコントロールが効かなくな
ると言われていますが、九十九は、人の感情が分からないと言ってい
ますが、自身はキレなくて、常に平板ですよね。
 脳を科学的に扱うなら、もっと現実感を持って欲しいと思います。

 あと、ストーリーの焦点は、九十九の特殊能力についてなのでしょ
うか?科学捜査なのでしょうか。
 現場に出て行く九十九と、『科捜研の女』のマリコと同じに見えて
しまうのはいかがなものでしょうか。

執 筆 者 鈴木(drama_sumire@yahoo.co.jp)

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2. 編集後記
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 春ドラマと夏ドラマの間に、わずかですが、空きができましたし、それなり
に話題のドラマのようでしたので、あらすじを配信してみようと思いました。
 開始時期がずれているので、なんとかなるかなと思っていたのですが、ちょ
っと見込みが甘すぎました。
 これを配信できるときには、もう、最終回の放送が終わってしまっています
ね。
 見逃した方、是非、これをお読み頂き、見た気分になっていただければ、と
思います。(鈴木)

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