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タイトル:Daily Drama Express 2009/06/19 スマイル (10)  2009/06/22


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2009/06/19 (Fri) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.金曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 金曜日の連続ドラマ
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タイトル スマイル
局  名 TBS系
放映日時 金曜22時
キャスト 早川ビト(松本 潤)
 三島 花(新垣結衣)
 町村しおり(小池栄子)
 金太 (河井金太)(徳山秀典)
 ブル (風間健児)(鈴之助)
 古瀬刑事(北見敏之)
 高柳刑事(池内博之)
 林 誠司(小栗 旬)
 柏木啓介(勝村政信)
 町村宗助(前田 吟)
 町村みどり(いしだあゆみ)
 伊東一馬(中井貴一)
脚  本 宅間孝行
主題歌  椎名林檎 『 ありあまる富 』

あらすじ 第10話「運命が動き出す!!−判決」

 倒れた花(新垣結衣)はしおり(小池栄子)とみどり(いしだあゆ
み)に介抱されて退廷し、ソファで休んだ。
「大丈夫?」
「……」
 花は答えようとして喉に手をあてた。声が出ない……。
「少し横になりなさい」
 みどりは花を落ち着かせようとしたが、花は「ダイジョウブ」とい
う表情を見せた。

 法廷では、林(小栗旬)の母親が検察側の質問に答えていた。母親
は後悔の念をにじませていた。林の生い立ちは不幸なもので、父親か
ら絶えず暴力を受けていた。母親はこの家庭生活に耐えられず離婚し
て家を出た。そんな母に林はクレヨンの絵を描いて送った。いつか僕
が迎えにくるというメッセージを込めて。そして殺される少し前に自
分に何かを言いたくて電話してきたが、それをむげに拒否してしまっ
たことも話した。
「ちゃんと聞いていてあげたら……あの子の代わりにあたしが殺され
たかった」
 涙声で話す母親の姿に、法廷は静まり返った。伊東(中井貴一)は
巻き返しを図ったものの、大勢は覆らなかった。

 ビトは林を殺したことに罪悪感を覚えた。林の境遇は自分にあまり
にも似ていた。不幸な家庭環境。母親の号泣する姿がビトはあまりに
もつらかった。

 論告と求刑。検察はビトが執行猶予中の再犯であり、反省の色がな
いことを挙げ、死刑を求刑した。対する伊東の最終弁論。伊東はビト
の人間性が偏見と差別によって歪められてしまっていると訴えた。彼
は自分の愛する人が目の前で暴行を受けていた。彼はその人を守るた
めにやむなく引き金をひいた正当防衛である。もちろん人が人を殺す
のは許されない。しかし被告は心から反省している。だから寛大な判
決を切に願うと。

 最終評議が始まった。まず有罪か否かについては全員一致で有罪と
なった。伊東の想定通り死刑か否かが争点になった。再犯を重く見て
死刑が妥当と主張する人がいれば、ビトの人間性に情状酌量の余地が
あるという意見も出た。最終的には多数決での判断になった。

 長い評議の後、判決が言い渡された。
「主文、被告人を死刑に処する」
 裁判官は淡々と述べた。伊東をはじめ、しおり、みどり、花たちは
みな肩を落とした。ビトはうつろな表情で聞いていた。だが、死刑が
宣告された後は耳に入ってないかのようだった。

 伊東はすぐさま控訴した。しおりや花はビトの無実を訴えるために
街頭でチラシを配った。伊東は再犯であることを重く見たことが死刑
につながったと分析した。だから前の有罪判決を覆すことが死刑取り
消しにつながる。伊東はその証言をしてくれる人を手当たり次第あた
った。いちばんいいのは林の父親に真相を話してもらうことだ。伊東
はなんとしても探し出さなくてはと思った。

 花はビトに面会しに行った。花はにっこりとほほ笑み、ビトに折り
紙の幸せのブタを贈って励ました。
「ごめんね、僕のせいで」
 ビトは元気がなかった。みんなが一生懸命になっている一方で、ビ
トは心の中で1人苦しんでいた。

 ビトは毎晩のように林を殺した瞬間の夢を見てはうなされていた。
林を殺した感触とかが生々しくよみがえる。
「僕は間違ったことをしているんじゃないかな……」
 ビトは伊東にそう漏らした。みんなの頑張りに合わせて行こうと思
っても気持ちがついていかない。
「お前があきらめたら、差別や偏見はなくならない」
 伊東はビトを励ました。だがビトは首を振った。
「そんな話じゃない。1人の人間として、間違ったことをしたんだ」
 林が母親に絵を描いて送ったように、ビトも絵を描いて絵を贈った
ことがあった。林も自分と同じようにもがいていた。そんな林を自分
が殺した……。
「僕が殺したんだ、僕が……」
 ビトは涙が止まらなかった。それを見て伊東はなんと声をかけてい
いのかわからなかくなってしまった。

 それでも伊東はビトの冤罪を晴らそうと動き、古瀬刑事(北見敏之)
を訪ねた。
「どうしてビトを目の敵にする」
「昔薬の売人を逮捕した。そいつは差別と偏見に苦しんでしかたなく
やったと言った。それで大目に見た。だが釈放後、奴は俺の娘を襲っ
た。娘は今も病院を行ったり来たりだ。だからこれは偏見や差別じゃ
ない」
「外国人にだっていい奴もいれば、そうでない奴がいる。一色に塗り
つぶすのは間違いだろう」
 伊東はそう言ったが、古瀬は取り合わなかった。

 その間もビトは1人苦しんでいた。伊東が花とともに面会に訪れる
とビトは言った。
「控訴を取り下げてもらえますか?僕は死刑を受け入れる……」
 ビトは憔悴しきった表情で、伊東に告げた。

寸  評  結局、死刑か否かをめぐる裁判であり、偏見と差別によって死刑
になってしまったということですね。伊東の戦いはそれを覆すための
ものであり、ビトもまたその現実と向き合い葛藤していると。整理す
ればそういうことになるのでしょう。けれど、ビトが言うように偏見
や差別以上に人として人を殺したことがどうなのかということの方が
重くなってしまっているように思います。偏見や差別を主題にするの
であれば、全くの無罪である前提の方がより鮮明になるのではないだ
ろうかと思いました。

執 筆 者 けん()

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2. 編集後記
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 このドラマでPRに使われている裁判員制度。自分のもしかしたら関わるか
もしれないので興味深く見ています。確かにたった3日の評議で死刑を決める
というのは無理なんじゃないかと思います。ビトが再犯であることが前提にな
り、ビトが警官に傷害を負わせたという話で死刑か否か決めてるのがちょっと
恐かったです。せめてすべての事実が明らかにされており、その上で死刑か否
かという議論でないと立ち会えないという気がしました。(けん)

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