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タイトル:Daily Drama Express 2009/06/12 名探偵の掟 (9)  2009/06/19


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2009/06/12 (Fri) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.金曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 金曜日の連続ドラマ
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タイトル 名探偵の掟
局  名 テレビ朝日系
放映日時 土曜23時15分
キャスト 天下一大五郎(松田翔太)
 藤井茉奈(香椎由宇)
 森山瑞希(ちすん)
 植松慶太(入江甚儀)
 大河原番三(木村祐一)
原  作 東野圭吾『名探偵の掟』
脚  本 大石哲也ほか
主題歌  馬場俊英『ファイティングポーズの詩(うた)』

あらすじ  第9回 さらば大河原

 一緒に焼き肉を食べる名探偵・天下一大五郎(松田翔太)と脇役の
刑事・大河原番三(木村祐一)と新人刑事・藤井茉奈(香椎由宇)。
大河原のおごりだ。でも、その理由は言わない。

 メニューが『アンフェアの見本』と読める。

 天下一は、『来年消えそうな探偵』部門で、堂々の一位。

 大河原は、トリックも一通りやり尽くしてしまい、ここでてこ入れ
しないと、いつか誰かに主役を乗っ取られるぞ、と言う。

 実はスピンオフドラマとして、『大河原番三の事件簿』の企画が進
んでいることが、明るみに出る。
 今日、焼き肉をおごったのもこのため。

 天下一は、「スピンオフ、勝手にやってください。その代わり、今
日限り、コンビ解消」と言う。

 大河原は茉奈に、脇役をやれ、と言う。天下一が一人で事件解決で
きるわけがない。茉奈が脇役をできないなら、天下一シリーズも終了
や、と言う。

 そのまま大河原は店を出て行ってしまい、代金すべてを茉奈が払う
ことになる。


 『黒田』という表札の掛かっている洋館が舞台。
 そこに、「また洋館かい」と言って、やってくる茉奈。

 婦警の森山瑞希(ちすん)は、茉奈が一人でやってきても役に立た
ない。大河原警部はどうしたのか聞く。

 そこに警部が現れる。自転車に乗り、眉毛を太くして、23万円も
するスーツ(値札が付いたままだったので判明)を着て、『モテ肌』
などと書かれたファンデーションを塗っている。

 茉奈が天下一を待たなくてもいいんですか?と聞いても、警部はド
ンドン進めてしまう。

 殺されたのはこの家の主・黒部一朗(一世司)。大黒製薬の社長。
第一発見者はお手伝いの紺野ミドリ(平田敦子)。

 すると煉瓦塀の向こうから顔を出す天下一。そして自転車で煉瓦塀
を突き破って登場。
 でもその煉瓦塀の煉瓦は、発泡スチロールで、植松慶太(入江甚儀)
が準備したのだ。

 警部は、「素人探偵はすっこんでいろ」と言い、フォローも無い。

 茉奈は、大河原が、天下一をフォローしないと、シリーズが終わっ
てしまうと言っていた言葉を思い出す。

 一朗が死んだときの状況は、みたらし団子を食べて亡くなった。
 一朗が好きなみたらし団子を貰い、食べようとしたので、ミドリは
お茶を淹れ、一朗のところへ持ってくると、一朗が死んでいた。ミド
リは叫び声を上げた。

 警部は、第一発見者が怪しい。ミドリを逮捕だという。

 それを止める天下一。
 まずは食べかけの団子を探すことに。

 警部が見つけ出す。
 ライバル心を覚えた天下一は、その団子は都内の有名店で、店舗は
数店しかない。ここ2、3日に買った人なら覚えているだろう、と言
う。

 団子が郵送されてきたときの包み紙が見つかる。
 そこには、宛名が緑色のペンで書かれている。

 警部は、ミドリが犯人だ。逮捕しろ、と言う。
 天下一はそれを止め、緑で書かれた宛先の意味を知っているか、と
問う。
 天下一は得意そうに、『絶交』を意味すると言う。
 豆知識の披露かい、と茉奈。

 消印を見ると、黒田邸のある町内で差し出されていた。
 警部は、屋敷の人間が出したのだという。

 天下一は、そんな簡単に疑われるようなことはしないだろうと反論
する。

 警部は、これから屋敷の人間の事情聴取をする、と言う。

 天下一は、自分なんか関係ない。もう帰る、とすねる。

 天下一は、茉奈と2人、舞台裏に。
 天下一は、茉奈は、やはり空気が読めないのか。もし、『あれ』だ
ったらどうするのだ、と言う。
 作者は、時として面白くしようとする余り、禁じ手を使ってしまう
ことがある。SF落ちとか、夢落ちだ。
 今回、まさかボクや大河原警部や茉奈が犯人ということはないだろ
うから、犯人なんて、簡単に分かってしまう、とふて寝しようとする。

 茉奈は、なんとか天下一をなだめすかして、事情聴取が行われてい
る部屋へ連れていく。

 大黒ノブコ(山下容莉枝)は一朗の妻で、息子・大黒次郎(村田充)
を溺愛しており、次郎もマザコン。
 次郎の妻・大黒タカコ(濱田万葉)はノブコと犬猿の仲。天下一を
頼んだのは家に入っていたチラシを見たタカコ。マザコンの夫・次郎
をバカにしている。

 ノブコは一朗に、一千万円の保険金を掛けていた。
 警部は、ノブコが保険金目当てに一朗を殺したのだという。

 天下一が割ってはいる。確かに一千万円は大金だが、今までの安定
した生活を捨ててまで手に入れたいと思うだろうか、と言う。

 そこに一朗の弟・大黒和夫(川崎麻世)が帰ってくる。
 一朗が殺されたと聞いて、会社を早引きしてきたという。
 和夫は、一朗が死ねば社長になれる、という同機がある。
 でも、和夫は先週アメリカ出張へ行っていたと言うアリバイがある。


 関係者について整理する天下一と警部。
 警部は、天下一の見せ場を作るために、頑張っているんだという。
 天下一は感激し、2人で一緒に緑色のペンを探しましょう、と抱き
合う。

 そこに入ってきた瑞希は、その2人に驚く。

 警部は、犯人はこの屋敷の中にいる、と屋敷のドアを閉める。

 天下一が屋敷の中を見回っていると、地下から上がってくる警部と
会う。
 団子の残りをつまみ食いしていたんじゃないですか?と天下一。

 そこにノブコが来て、さっきまで添い寝していた次郎がいないと騒
いでいる。
 タカコも起きてきて、ノブコにこのメスブタと言う。

 地下への階段を下りていく一同。
 ノブコは、地下にシェルターがあると言う。一朗の趣味で作らせた
のだが、この家の人以外知らない、と言う。
 天下一は、いよいよ本格っぽくなってきた、と言う。

 でも、その部屋の入り口に『しぇるた〜』と書かれているのを見て、
イメージと違う、と文句を言う。

 ノブコがその部屋のドアを開け、中へ入ると、次郎が死んでいる。

 警部は、一朗が亡くなり、次郎も亡くなった今、会社を自由にでき
るのは和夫だけ。
 和夫が犯人だと連行する。

 天下一は、最近、大黒製薬は傾いていて、負債も多い。そんな会社
を殺人を犯してまで継ぎたいと思うか、と言う。

 警部は、これだけ警察関係者を集めたのだ。和夫が犯人というのが、
絵的においしいんじゃ、と言う。

 舞台裏の、天下一と茉奈。
 天下一は、さまかここまできて、アンフェアじゃないだろうな、と
やる気を失っている。まさか、大河原、茉奈、天下一が犯人というほ
どひどいことはしないだろう、と。

 茉奈が、「いいもの見せてあげる」と言って、ポケットから緑色の
ペンを取り出す。

 それをどこで!?と聞く天下一に、一朗の書斎のゴミ箱から拾った
と答える。


 和夫を取り調べる警部。
 瑞希が、その緑色のペンからは、一つも和夫の指紋が付いていなか
ったという。
 警部は、そんなこと関係ない、と、和夫にそのペンを渡す。そして、
これで和夫の指紋が付いたという。
 それって、証拠ねつ造じゃないですか、と抗議する瑞希を、無視す
る警部。


 喫茶店でグダグダしている天下一。
 茉奈が、自分を助けてくれるのは、茉奈もスピンオフドラマの主役
になりたいと思っているからだろう、と天下一。
 茉奈は、自分は主役になりたいと思っているわけではない。天下一
が望むなら、天下一に思いを寄せる役をしてあげてもいいという。
 天下一は断る。2人の関係は、友達以上恋人未満じゃないか、と。

 天下一が動かないのは、まだ動機がわからないから。でも、名探偵
の自分に解けない謎はない、と茉奈相手に格好を付けることは忘れな
い。

 茉奈と入れ違いにやってきた慶太に、『あの件』はまだわからない
のかと聞く天下一。
 まだです、と謝る慶太。


 誰かの写真を持って、団子屋を回る天下一。

 その一軒で、店主が娘に、『復習』するよう言っているのを聞いて、
ひらめく天下一。


 黒田邸の座敷に登場する天下一。天下一がみんなを集めたのだ。

 警部は、次郎が一朗を殺して自殺して、解決じゃないか、と言う。
 天下一は、警部は今回主役なのだから、ドンと構えていてください、
と落ち着かせる。

 今回の事件が難しかったのは、犯人役が全く描かれていなかったか
ら。
 犯人となりうる人物の条件は、『しぇるた〜』の存在を知り得たこ
と。次郎が殺された夜、この屋敷にいたこと。緑のボールペンを一朗
の書斎に捨てられた人物。
 みんなは、自分たちは違うという。刑事に見張られていたので無理
だ、と。

 天下一は、第一と第二の条件はみんなに当てはまるが、第三の条件
だけは、当てはまる人が一人しかいない。
 あの朝、一朗は人に見られたくないゴミがあったのだろう。自分で
ゴミ箱のゴミを家の外へ捨てた。
 その後で一朗の部屋へ入り、ゴミ箱に緑色のペンを捨てられたのは、
捜査と称して一朗の部屋にも出入りできた警部だけだ。
 天下一が警部の顔写真を持って団子屋を回ったところ、この大仏様
が買ってくれた言った。ついでに天下一がその上司だと名乗ったら、
天下一まで拝まれてしまったという。

 あの夜、天下一が、地下から上がってきた警部に、団子でも盗み食
いしたのかと聞いたのは、警部のワイシャツにシミが付いていたから。
 でも、それは団子のタレではなく、次郎を刺したときに浴びた返り
血。
 顔色が濃くなったのも、血が付いた顔を隠すために、ファンデーシ
ョンを塗り直したから。

 警部は自分が犯人だという。それは、この屋敷の人々がひどいこと
をしたから。警部の娘・花子の復讐だという。

 花子は、次郎と付き合っていて、結婚するはずだった。
 でも次郎は、取引先の娘・タカコと結婚させられ、花子はショック
のあまり自殺してしまった。
 一朗の団子好きや、地下のシェルタ〜のことは、花子から聞いて、
知っていた、と言う。

 そこに慶太が、大河原に肩を貸して、やってくる。
 監禁されていた大河原を救出したのだ。
 大河原はお寺のお堂に座らされていたため、今まで発見されていな
かったのだ。

 今まで捜査していた警部は、金田(木村祐一・二役)。

 なぜ、大河原を監禁してまで、大河原になりたかったのかと言えば、
大河原は腐っても天下一という名探偵の相棒として有名。自分も有名
になりたかった。有名になれば、天国の花子に見て貰えると思って。
花子に恨みを晴らしたと伝えたかった。

 金田は大河原の幼なじみだった。小さいときから顔はそっくり。違
いは、金田の眉の方が、大河原より太いことだけ。
 2人は高校時代、野球部でバッテリーを組んでいた。今から28年
前、2人が17歳の時だった。大河原がピッチャーで、金田がキャッ
チャー。
 2人とも、野球部のマネージャーで新体操部所属の南を好きで、南
は2人の両方に優しくしてくれた。

 ある日、金田は、耐えられず、こっそり南のロッカーから南のレオ
タードを取りだし、匂いをかいだ。

 翌日、南が自分のレオタードが盗まれたと言った。
 金田は、自分が犯人だと名乗り出る勇気がなかった。

 すると大河原が、金田を助けるために、自分がやったと名乗り出た。
 南は、そんなに自分のことを愛してくれていたのかと感激し、大河
原と付き合うことにした。
 それ以来、金田はずっと脇役人生だったという。

 天下一がそんなことはないと、どういう方法でか入手した花子の絵
を見せる。花子にとっては、金田はたった一人のヒーローだ、と。

 なぜか一同、歩いて崖にやってくる。
 大河原は金田に、ここで思い切り、あの時言えなかった台詞を言え
と促す。

 金田は大声で、「オレが犯人やー!!」と叫ぶ。


 警視庁に戻り、茉奈は大河原のスピンオフドラマの企画書をパラパ
ラとめくる。
 テーマが、『グルメ探偵』となっていて、コレじゃ、流行りそうに
ない、と真矢。
 しかも最後には、犯人は大河原となっている。

 茉奈が、天下一や大河原や茉奈が犯人ということは無いって言って
いたじゃないですか、と言う。

 大河原は、今回は誘拐されたおかげで、それは免れたが、次回はな、
と含むところがある視線で目を見合わせる天下一と大河原。
 その雰囲気にいたたまれなくなる茉奈。


寸  評  今回のストーリーは、原作は文字だけなので、ウソは書いていな
いのですが、騙されるんですよね。
 でも、それを映像化しようとすると、今回のような一人二役のよう
な強引な手法を使わないとならなくなるんですね。

 このあらすじでは、原作同様、金田警部のことをただ『警部』と表
してみました。
 でも、結構不自然だったかな?−−いつも、大河原と苗字の方を書
いていましたからね。鋭い人には、金田警部登場の所からばれちゃう
かしら?

 次回はいよいよ、天下一まで犯人かもしれないという、最終章です。

 バラバラ死体とか、クビ無し死体はドラマ化しなかったのは、映像
化してしまうと、CSIじゃないですけど、映像がグロテスクになる
からでしょうか。
 CSIは死体がバンバン出てきて焼死体とかいろいろな状態ですけ
ど、たとえば『科捜研の女』は、グロテスクな死体でないですし、
『ヴォイス』も、解剖と言いながら、解剖されている遺体はほとんど
出てこなかったですよね。

執 筆 者 鈴木(drama_sumire@yahoo.co.jp)

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2. 編集後記
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 夏ドラマ、整理していて思ったのですが、原作ものが、本当に少なくなりま
したね。
 春ドラマの時に作った原稿を書き換えていたら、原作のある枠、無い枠が、
だいたい重なります。
 いろいろ作り方の方針が、枠毎に決まっているのでしょうか。

 そういえば、『トライアングル』の原作本が図書館で順番が回ってきて読ん
でいます。
 ドラマは原作とだいぶ違うと書かれていましたが、確かに、ドラマでは、ち
ょっとだけ出てくる元担任の先生が、主役というか、主役の一人なんですね。
(亮二も主役なので、こう書きました)(鈴木)

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発行元:ドラマ研究会
e-mail:info@j-drama.tv
url   :http://www.j-drama.tv/
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