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タイトル:Daily Drama Express 2009/04/17 スマイル (1)  2009/04/27


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2009/04/17 (Fri) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.金曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 金曜日の連続ドラマ
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タイトル スマイル
局  名 TBS系
放映日時 金曜22時
キャスト 早川ビト(松本 潤)
 三島 花(新垣結衣)
 町村しおり(小池栄子)
 金太 (河井金太)(徳山秀典)
 ブル (風間健児)(鈴之助)
 古瀬刑事(北見敏之)
 高柳刑事(池内博之)
 林 誠司(小栗 旬)
 柏木啓介(勝村政信)
 町村宗助(前田 吟)
 町村みどり(いしだあゆみ)
 伊東一馬(中井貴一)
脚  本 宅間孝行
主題歌  椎名林檎 『 ありあまる富 』

あらすじ 第1話「未来を夢見た男の順愛と正義〜笑顔に秘めた真実

 I have a dream(僕には夢がある)……。
 早川ビト(松本潤)はいつも笑顔でそう思っている。ビトの夢は将
来多国籍料理のレストランを開くことだ。そこには国境を越えて楽し
く食事をする人たちが集う。ビト自身フィリピン人の父と日本人の母
の間に生まれたハーフだった。生まれは日本でフィリピンに行ったこ
とはないが。ビトというのは映画『ゴッドファーザー』の主役ビト・
コルレオーネがかっこいいので母親がつけた。

 2015年春。ビトは刑務所の中にいた。
「あいつはいつも陽気だな」
 看守の柏木(勝村政信)は半ばあきれるほど、ビトは陽気だった。
今日も接見に来た弁護士の伊東(中井貴一)を相手に大トロが食べた
いだのふざけ合っている。

 ビトの境遇は不幸のどん底を味わっていると言っても過言でない。
本人は無罪だと主張している。が、刑が確定して5年が経っている。
伊東はその間懸命に弁護してきたが、判決は覆らなかった。本人より
先に伊東の方が萎えてしまいそうになる。けれどビトはいつも笑って
いる。むろんそうなるまでには本人も周囲の人もひどく傷つき、それ
を乗り越えてきた長い道のりがあった。

 2009年春。ビトは悪友の金太(徳山秀典)とブル(鈴之助)と
ともに町村フーズで働いていた。社長の宗助(前田吟)、その奥さん
みどり(いしだあゆみ)は温かく、家族のように接してくれていた。
3人は昔刑事事件を起こし危うく実刑になりそうなところをなんとか
執行猶予付きで逃れた。執行猶予は今でも続いている。宗助とみどり
は3人がまた道を踏み外さないよう親代わりをしていたのだ。

 ビトはレストランを開くという夢を叶えるため、昼は町村フーズで
働き、夜は料理の勉強も兼ねてカフェで働いていた。

 ある日、ビトは本屋で立ち読みしていると、本棚の陰から高校生の
女の子(新垣結衣)が自分をじっと見ているので気になった。しかし
相手を見ると女の子はいなくなってしまった。ふと見ると女の子がい
たあたりに財布が落ちていた。拾ってみると生徒証があり、三島花と
書いてあった。

 とそのとき、店内に防犯ブザーが鳴り、花が店長に連れられて行く
のを見た。花が本を万引きしようとしたらしい。ビトはすぐさま追い
かけて財布を見せて彼女は払う意思があったと思うと弁護した。店長
は本当かなぁという顔つきだったが花を許してくれた。花と一緒に店
を出たビトは一言二言花に話かけたが、花はにこにこしているだけだ
った。お礼を言いたそうにしているのはわかるけど……。ビトは夜の
バイトに行かなくてはならないので、花と別れて店に向かった。

 店に着くとビトはいきなりぶん殴られた。昔ヤクザがらみの世界に
足を踏み入れていたときの先輩の近藤が最近新しく入って来たのだ。
近藤はビトからロッカーの鍵を取り上げると何やら不敵な笑みを浮か
べて店を出て行った。

 その日の帰り、ビトは警官に呼び止められた。不法就労者の取り締
まりに当たったのだ。カバンの中身をひっくり返され、財布の中まで
見られた。免許証に本籍が宮崎となっていたので、ビトはようやく解
放された。

 ビトはため息をついて散らばった荷物を片付けようとした。すると
突然花が現れた。
「えっ、どうして?」
 花は何も言わず、拾うのを手伝ってくれた。
「偶然だね」
 拾い終わったビトはそう言った。すると花はカバンから紙袋を取り
出しビトに差し出した。ビトは面食らった。花は口をゆっくりと動か
した。「ありがとう」と言っているように見えた。そして前見せたよ
うな笑顔を見せた。

 別れた後、紙袋の中身を見るとブタのストラップが入っていた。
「なんでブタ?」
 根がまじめなビトは深刻に意味を考えてみたが、わからなかった。

 数日後、ビトは街角のオーロラビジョンのニュースでユキというア
イドルが覚醒剤所持で逮捕されたというニュースを見た。
「……」
 ビトは驚いた。このアイドルに見覚えがあった。確かカフェに来て
いて、近藤から何かをこっそりと受け取っていた。あれは覚せい剤だ
ったのかもしれない……。だとすると近藤に関わっていると危ない。
ビトは不安に襲われた。

 そもそもビトは9年前、ブルや金太とともにヤクザの組織に身を置
いていた。近藤というのはそのとき関わっていた人物だった。他にも
甲斐、林誠司(小栗旬)といった人物がいた。彼らは自分たちの人生
を狂わした。だからもう関わりたくなかったし、思い出したくもなか
った。カフェのバイトも早く辞めたかったが、その店のデミグラスソ
ースがおいしくてその味をマスターしたらと思っていたのだ。けどそ
うも言ってられなくなった。

 ビトは近藤にロッカーの鍵を返してもらおうとした。近藤は無視し
ようとしたが、ビトは強気に出た。
「ユキ、ここに来てましたよね」
 近藤は顔色を変えた。そして鍵を出した。
「余計なことを言ったらただじゃおかないぞ」
 近藤は出て行った。ビトはすぐさまロッカーを調べた。とりあえず
覚せい剤は見当たらなかった。

 ある日、町村フーズに花がやって来た。ちょうど経理の仕事をして
くれる人を募集していて面接を受けにきたのだ。ものすごい偶然にビ
トは驚きを隠せなかった。宗助は花の人柄を気に入り採用することに
した。そしてビト達に引き合わせた。そして花が3,4年前から失声
症にかかっていることが話された。

 ビトはブタのストラップのお礼を言った。そして気になっていたの
で聞いてみた。
「なんでブタなの?」
 花は身振り手振りで一生懸命説明してくれた。
「ブタは願い事をかなえてくれるの?」
 どうやら花は願い事を叶えるブタをお守りとしてくれたらしい。そ
んなことを真剣に信じている花を見るとビトはなんだか微笑ましかっ
た。

 ビトはカフェへバイトに行った。すると警察が立ち入っていた。従
業員は全員拘束され、家宅捜索が始まった。すると古瀬(北見敏之)
という刑事が声をかけてきた。
「なんだビトじゃねえか。久しぶりだな」
 古瀬はイヤミったらしく言った。ビトは脅え縮こまった。
「なんだよ、何真面目ぶってんだ」
 古瀬は昔ヤクザ組織に関わっていた自分を知っていて、その当時の
自分を見るような目つきだった。

 古瀬はロッカーを調査し始めた。ビトは青ざめた。近藤が自分のロ
ッカーに何かを隠していたら……。
「あーん、見ーつけた」
 古瀬がハンガーの裏側から白い粉の入った薬物を取り出した。そし
てビトを見た。
「署でゆっくり話を聞こうか。ったくこれだからフィリピン野郎は
よ!」
 古瀬は吐き捨てた。ビトはワナワナと震えだした。
「行かない、行かないよ、僕は……」
「あん?」
「僕は警察には行かない!」
 ビトはそう言うと古瀬を突き飛ばして逃げ出した。

 外は大雨だった。ビトはずぶぬれになって逃げた。しかしパトカー
がサイレンを鳴らして追いかけてくる。捕まるのは時間の問題だ。物
陰に隠れながらビトは悔し涙を流した。
「僕は何もしていない」
 ビトは携帯を取り出し、宗助に電話をした。
「社長……」
 ビトはしゃくりあげた。
「どうしたビト。落ち着けよ。俺はお前の味方だぞ」
 宗助は温かく言った。
「僕は、僕は何もしてない、何もしていないんです」
「おう、そうだな、お前は何も悪いことをしてないよ」
 宗助の言葉に、ビトはただ泣き続けた。みどりの声も聞こえてきた。
「あなたが正しいなら、決して罰を受けないよ」
「でも……」
 涙が止まらない。

 警察が追い付いてきた。ビトは慌てて逃げた。
「おい無駄だぞ」
 古瀬の声が聞こえてきた。
 次から次へと警官が群がって来て、ビトは地べたに押さえつけられ
た。
「おい、ビト、この人殺しのフィリピン野郎」
 古瀬の冷淡な声が響く。違う、違う。ビトは気が狂いそうになった。
「や、やめろーっ!」
 ビトの声が夜雨の中に響いた。

寸  評  人種差別という社会問題をはらんだ重たいテーマです。最近では
周囲に外国人居住者も決して珍しいことではなく、偏見や差別という
のは結構身近な問題になりつつあります。ビトは数奇な運命に巻き込
まれていくことになりそうですが、その中で人の生き方、あり方とい
うのがどう描かれるのか興味をそそられます。

執 筆 者 けん()

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2. 編集後記
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 番組改編期で特番が続きました。映画ではナルニア王国物語、レッドクリフ
partI、木更津キャッツアイワールドシリーズなどがあり楽しめました。
特に木更津キャッツアイが面白くて、やはり宮藤官九郎の作品はテンポもいい
し、セリフも絶妙なものが多くておもしろかったです。(けん)

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