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タイトル:Daily Drama Express 2009/04/18 ザ・クイズショウ (1)  2009/04/24


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2009/04/18 (Sat) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.土曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 土曜日の連続ドラマ
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タイトル ザ・クイズショウ
局  名 日本テレビ系
放映日時 土曜21時00分
キャスト MC     神山 悟(27) 桜井 翔
 ディレクター 本間俊雄(27) 横山 裕
 新人AD   高杉玲奈(22) 松浦亜弥
 案内人(?)         篠井英介
 スイッチャー 米倉信三(44) 田中哲司
 音効     竹内 昇(29) 和田正人
浦沢 瞳(27) 森脇英理子
 冴島の娘   冴島美野里(7) 大橋のぞみ
 謎の少女   新田美咲(17) 水沢エレナ
 照明技師   松坂源五郎(55) 泉谷しげる
 銀河テレビ編成局長 田所 治(49) 榎木孝明
 プロデューサー 冴島涼子(40) 真矢みき
原案 『THE QUIZ SHOW』森谷 雄/D.N.ドリームパートナーズ・VAP
脚  本 及川拓郎
主題歌   『』

あらすじ 第1話

 神山悟(櫻井翔)は、精神科の病室のような真っ白な部屋でうなさ
れて目を覚ます。そこへ扉から入ってきた本間俊雄(横山裕)。「時
間だ」と神山を起こし、一緒に部屋を出て行く。

 同じ頃、ロック歌手の安藤康介(哀川翔)も車の中でうなされてい
た。テレビ局に着いたところで、マネージャーの駒沢(東根作寿英)
に時間だと起こされる。
 テレビ番組の収録を終わらせた後、安藤は武道館のライブのスケジ
ュールを確認する。が、駒沢は渋い顔で言う。「武道館は厳しい、チ
ケットが売れていない」。安藤は激怒し、「チケットを売るのがてめ
ぇの仕事だろうが!」と、駒沢に詰め寄る。

 スタジオから出て、車に向かう途中、憤慨しながらテレビのロビー
を歩いていく安藤に、蝶ネクタイ姿の怪しげな男(篠井英介)が近づ
いてきた。男は安藤を呼び止めて、招待状を差し出しながらうやうや
しく言うのだった。
「安藤康介さん、あなたをザ・クイズショウにご招待いたします」
 男の顔を見返した安藤。「あなたの夢をかなえます『ザ・クイズシ
ョウ』」と書かれた、フロアの正面に掲げられた大段幕を見ながら思
わず聞き返す。
「マジかよ」──。

 銀河テレビのスタジオでは、「ザ・クイズショウ」の収録の準備に
スタッフ達が追われていた。新人ADの高杉玲奈(松浦亜弥)、照明
技師の松坂源五郎(泉谷しげる)、スイッチャーの米倉信三(田中哲
司)らがあわただしく準備をしている。プロデューサーの冴島涼子
(真矢みき)がスタッフ達に訓辞を言い渡して、いよいよ番組がスタ
ートした。

 ステージの中央にたっているのは神山。実は、神山は人気番組「ザ
・クイズショウ」のMCだったのだ。神山が派手な身振りで言う。
「人は誰でも、華やかな夢に憧れる。世界中を旅したいもの、大きな
家に住みたいもの、はたまた大金を手にしたいもの……。すべての夢
の終着点、それがこの……ザ・クイズショー!」
 派手な音楽とともに、安藤康介がコールされ、手を挙げながら安藤
がスタジオに入ってくる。同時に安藤のプロフィールが解説される。
 ……職業はミュージシャン、高校時代は暴走族のリーダーで、単身
アメリカに渡り大学に行ってジョンこと福山翼(池田成志)と「バン
ド・オブ・カラー」を結成し、ヒット曲を連発したが、二年前に解散
していた……。

 神山が安藤と掛け合いをする。
「まさか安藤さんに出演してもらえるとは思いませんでした。なんで
出演を決意していただけたんですか?」
「この番組は何でも夢をかなえてくれると聞いた。……俺にはかなえ
たい夢があるんだ」
 どよめく客席。
 大げさで、自己陶酔的な安藤の語りをかわしつつ、神山は「ザ・ク
イズショー」のルールを説明する。
 設問は7つ。ひとつ正解するごとに獲得金額が上がっていき、7問
正解したら獲得賞金は一千万円になる。その後、獲得した一千万円を
かけて「ドリームチャンス」に挑戦することが出来る。そのドリーム
チャンスをクリアできたら、銀河テレビが総力を挙げて夢を一つだけ
叶える、というルールだ。

「それではお伺いしましょう、安藤康介さん、あなたの夢はなんです
か」
「銀河テレビ主催、安藤康介世界ツアーを行う。バックコーラスは、
ビヨンセとマドンナ」
 スタジオは騒然となる。
「承知いたしました」
 大きくうなずいた神山が、クイズの開催を宣言する。

 一方、裏方ではプロデューサーの冴島が慌てていた「ビヨンセとマ
ドンナってどういうこと。聞いていないわよ……」。しかし、ディレ
クターの本間が笑う。
「大丈夫ですよ。安藤康介はドリームチャンスをクリアできないから」

 1問、2問、3問と安藤康介は順調に正解を続けていく。
 3問目が終わったところで、神山が安藤にぶしつけな質問をして挑
発しだす。
 ……最近は売れていないですね?
 ……大ヒット曲「ラブ・ホライズン」は本当にあなたが書いたんで
すか?
 安藤が不愉快な表情になったころ、神山は第4問を開始する。
 しかしそれは、もともと決まっていた問題ではなかった。
 慌てふためくスタッフ達。ところが、ディレクターの本間は平然と
している。
「答えは神山が知っている。みんな、神山に合わせてください」……。

 スタジオでは、第4問に安藤が悩んでいた。
 ──アメリカ留学時の在学していた大学の名物教師の口癖は? と
いう問題だ。
 教授のことはよく知っているんだが、口癖は忘れた、と頭をかく安
藤に、神山が助けを出す。「奥義」というルールを使って解答を出し
てはどうか、と。
「奥義」は1つの問題につき1度だけ使うことができ、「以心伝心」
「召喚」「導きの手」の奥儀のどれかがルーレットで選ばれるもの。
 選ばれたのは「以心伝心」。派手なコールとともに、スタジオに設
置されたモニターに問題の大学教授が現れる。神山は安藤に「彼に直
接口癖を聞いてみては?」と言う。安藤はたどたどしい英語で話しか
ける。が、教授は「お前は誰だ」と、ただ怒るばかり。実は、安藤の
経歴は真っ赤な嘘で、教授とは全く面識がなかったのだ。
 それでも、英語でのやりとりだから、誰もわからないだろうとごま
かす安藤。
 しかし、結局どうにもならなくなり「彼は体調が悪いから、もう切
った方がいい」と嘘をつく。
 が、それまで黙っていた神山が、「突然、日本のテレビ局のショー
に出ていただいて失礼いたしました、改めてご挨拶に伺います」と流
ちょうな英語で話すのだった。

 そして第5問。
 4本のギターが運ばれてくる。
 ──このうち、安藤のかつての相方、ジョンこと福山翼が使ってい
たギターはどれか?
 見事に解答した安藤だったが、神山が「ギターを弾いてみてくれま
せんか」というと、安藤は慌てる。「まさか、弾けないんですか?」
と安藤を問い詰める。
「弾けるよ」と言い張ってギターを弾く安藤。が、不器用な音が出る
ばかり。ざわめくスタジオ。安藤は懸命に言い逃れをするが、ギター
からはひどい音。その音を聞いて、あまりにひどい音だから頭がくら
くらした、と笑う神山。「こんな凶器はさっさと片付けましょう」と
ギターを取り上げる。そこで不思議な表情をした神山は、安藤を見つ
めて言うのだった。「ギターに傷がある、これ何の傷でしょうか
ねぇ」。

 そして第6問。
 ──二年前に殺害されたジョン、未だ犯人が逮捕されていない。そ
れではジョンが殺害された事件の凶器として、警察発表されているも
のは?
 安藤はいらだつ。もしかすると、安藤が殺したんじゃないのか、ギ
ターの傷はそのときのもじゃないのか、と神山。安藤は、相棒を殺さ
れて頭に来ているのは自分なんだ、と怒る。しかし、神山は執拗に答
えてください、と問い詰める。安藤が返答に窮しているとき、CMに
移った。
 スタッフは大混乱していた。プロデューサーの冴島は頭を抱え、
「問題を元に戻しなさい」と、本間をにらみつける。しかし、不敵な
本間は言う。「どうするんですか、初の生放送で放送事故起こします
よ」。冴島は苦渋の末にそのまま続けるように指示を出す。
 番組は再スタート。

「答えないと夢、パーですよ」という神山に、安藤は正解を答える。
「凶器を知っているってことは、ジョンを殺したんじゃないんでか」
と神山が問う。
 しかし、安藤は「自分はそのときアリバイがあるんだ」と言い張る。
安藤はジョンが渋谷で殺された時間、マネージャーの駒沢と神奈川の
スタジオにいたのだ。が、神山は取り合わず、「そんなにムキになる
なんて……」と安藤をおちょくる。

 これを正解すれば、ドリームチャンスに挑戦できる、第七問。
 ──ジョンが殺害された時刻、安藤はどこにいたのか?
 しかし、4つの選択肢の中に安藤がアリバイとして言っていた「神
奈川のスタジオ」はない。問題が間違っていると言う安藤。が、神山
は「私に隠し事は通用しませんよ。私はあなたのすべてを知っていま
す」と安藤を見据える。答えに窮した安藤は「帰る」とスタジオを出
て行ってしまう。

 控え室で荒れる安藤。ADの高杉、プロデューサーの冴島らが控え室
に呼びにくるが、安藤は出てこない。
 スタッフは大混乱。冴島は編成局長の田所治(榎木孝明)に呼び出
され、神山に謝罪させろと言われる。

 スタジオには安藤が居ない。神山は「安藤コール」を繰り返して観
客をあおる。

 控え室の安藤は憤慨していた。怒り狂ってマネージャーの駒沢に
「弁護士を呼んでこい、訴えてやる」と叫び、駒沢は出て行く。しば
らく立って、マネージャーの駒沢が戻ってきた。そして表情を改めて
安藤を問い詰めた。「ひとつだけ、本当のことを教えてください。…
…どうして、ジョンさんを殺したんですか」
 安藤は言う。「あいつ、いらねえだろう。あいつのせいで俺はどん
な思いをしたか、どんな目にあったかわかっているだろう」
 それを聞いた駒沢は、尊敬する安藤の代わりに自分が警察に自首し
ますと告げるのだった。

 安藤コールが鳴り響くスタジオのテロップに「マネージャーの駒沢
が自首して逮捕された」と流れる。
 その直後、安藤がスタジオに戻ってきて、解答する。「自分はその
時間、ジョンの自宅にいた。第一発見者だったからだ」と。
 ……正解。神山が告げると、安藤は自分を犯人扱いした神山に謝罪
しろと詰め寄る。が、神山は不敵に言い放つ。「ここは夢を叶える場
所です。あなたが手に入れたいにはのは私の謝罪ですか? それとも
夢ですか?」「かなえてやるよ、俺の夢を!」 安藤は神山をにらみ
つける。

 いよいよ最後の「ドリームチャンス」が出題される。
 ──ジョンさんが殺害される直前、発した最後の言葉は?
「ふざけるな! こんな問題、犯人じゃなきゃわかるわけがねえだろ
う」
 怒鳴りつける安藤。神山も怒鳴り返す「答えなさい、あなたの夢の
ためにっ」。
 返答に窮した安藤は、苦悩の中でジョンとの過去を思い出す。
 順調に成功していったときのこと、少しずつジョンが増長し始めた
こと、荒れたジョンがライブを放り出すようになったこと……。
 沈黙する安藤に神山は「奥義を使いますか?」とコールする。奥義
は「召喚」。そして、神山が指し示す場所に現れたのは、自首して逮
捕されたはずのマネージャー・駒沢だった。
 騒然とするスタジオの中で、駒沢は「僕たちあの日、ジョンの自宅
にいて一部始終を見た」と告白を始めた。

 その日、ジョンは新曲を書いていた。ジョンのマンションを訪れた
駒沢と安藤は、ジョンともめてしまう。ジョンは安藤を「才能がない」
と罵倒し、あげくにお前じゃなくてもいいんだ、解散しようと言い出
す。 憤慨した安藤はジョンをギターで殴ってしまう。ジョンは「お
前、才能ねぇよ」とつぶやいて死んでいった。

 すべてを告げた駒沢に詰め寄る安藤。「お前、何をしたのかわかっ
ているのか!」。しかし、駒沢は力なく言うのだった。「安藤さん、
チケットうれないんですよ……」。
 実は、安藤はもうとっくに過去の人になっていて、世界ツアーも、
武道館も、すべてが安藤一人の妄想。それについていけなくなった駒
沢の告白だったのだ。
 そのとき、控え室での駒沢とのやりとりの録音が、スタジオ中に流
れる。
「安藤さん、なんであのときジョンさんを殺したんですか」「お前わ
かってるだろう、あいつ、いらねぇよ」……

 呆然と立ちすくむ安藤に、神山は問い詰める。
「さあ安藤さん、答えをどうぞ! あなたの、夢のために!」
「……ギブアップだ」
 神山は挑戦者のギブアップを宣告し、クイズは終了する。

「なんでだよ、なんで俺を裏切った」
 安藤が駒沢を問い詰める。駒沢は苦しげに言うのだった。
「僕は安藤さんの歌は大好きです。でも、今の安藤さんは好きになれ
ません」

「人は誰しも、夢を見る権利を持っています。善人も悪人もその権利
は平等に与えられています。けれども、それを手に入れるためには、
それなりの代償を支払わなくてはなりません。それが……夢なんです」
 神山が安藤に告げ、次回の挑戦者はどうなるでしょうか、と言って
番組は終了する。

 収録が終わったスタッフルームで、「あなたは神にでもなったつも
りなのか」とディレクターの本間を問いただすプロデューサーの冴島。
本間は不敵に笑う。
「でも、面白かったでしょう」
「……私は絶対に認めません」
 冴島は強固に否定したが、スタッフたちは、面白かった、ひさしぶ
りにどきどきした、などと感想を漏らすのだった。

 すべてが終わって、ロビーにたたずむ本間にADの高杉が問いかけ
る。
「マネージャーは自首したはずなのにどうしてスタジオに召喚できた
んですか?」
「ああ、あれは局内だけのスーパーだから」
 実は、今回の問題は、マネージャーの駒沢が聞いた話を元に、本間
が作ったものだったのだ。
 安藤に弁護士を呼びに行けといわれ、楽屋から出てきた駒沢に本間
がICレコーダーを渡し、楽屋に戻った駒沢が安藤の告白を録音。さ
らに、局内だけに見えるように設定されたテロップに「マネージャー
の緊急逮捕」と流した。控え室でモニターしていた安藤は、それをみ
て安心してスタジオに戻ったのだった。

 すべてが終わった後、神山はまた、病室のような部屋に閉じこめら
れ、悪夢にうなされていた。
 昔、河原で安藤と会ったことの記憶を思い出したのだ。
 そこへ現れた本間は、神山を問い詰める。
「何か思い出したのか? 思い出せ、俺は八年も待ったんだ、思い出
せ!」
 しかし、首を振り泣きわめくだけの神山。その神山を抱きしめた本
間。
「大丈夫だ……俺が救ってやる。だから俺を信じろ、信じるんだ。…
…さあ、物語の始まりだ……」


寸  評  挑発的で挑戦的なスタートですねぇ。最初は、アイドルの櫻井翔
の仰々しい態度や言い回しに違和感があって、ドラマに入り込めるか
どうか不安でしたが……。
 MCの神山のキャラクター自体が「濃い」ので、同じく「濃い」俳
優がやるとあまりにもクドくなりすぎるのかもしれませんね(阿部寛
や竹中直人あたりが演じたら、それだけでお腹いっぱいになりそう…
…)。かえってはまっているような気もします。
 やや細部の荒さはあるものの(たとえば、安藤の殺人のアリバイな
んて、警察があっさり崩せそうです)、クイズの中で回答者の本性を
暴き出していくという展開。推理ドラマとサスペンス的な要素もあっ
て、面白いです。回答者も最初はロック歌手、次は恋愛小説家だそう
で、そのあたりの選択もなかなか楽しめそうです。

執 筆 者 畑中ヒロ(hero_hatanaka@yahoo.co.jp)

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2. 編集後記
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 このドラマを担当させていただきます、畑中ヒロともうします。頑張って書
いていきますので(なるべく遅れないように)、よろしくお願いいたします。
 つい先日、『スラムドック&ミリオネア』という、アカデミー8部門賞を取
った映画を見たのですが、これもまたテレビのクイズ番組が舞台のお話。解答
者がクイズを解いていくなかで、自分自身の過去や秘めた思いに気づいていく
……という展開が今回担当した『ザ・クイズショウ』と同じなんです。
 もちろん、ぜんぜん違うストーリーなんですけどね。『スラムドッグ〜』は
インドの「クイズ・ミリオネア」ですし。しかしまあ、あまりにタイミング良
くそれを見てしまったので……。一発逆転で大金を手にする、夢を叶えるって
いうお話、今時の世相を表しているのかもしれません。
 ちなみに、大舞台に立つと緊張のあまり魂をとばしてしまう私だったら、一
問目で修了、になるんでしょうねぇ。(畑中ヒロ)

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発行元:ドラマ研究会
e-mail:info@j-drama.tv
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