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タイトル:Daily Drama Express 2009/03/07 銭ゲバ (8)  2009/04/01


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2009/03/07 (Sat) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.土曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 土曜日の連続ドラマ
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タイトル 銭ゲバ
局  名 日本テレビ系
放映日時 土曜21時00分
キャスト 蒲郡風太郎(松山ケンイチ)
 三國 緑(ミムラ)
 萩野 聡(宮川大輔)
 三國 茜(木南晴夏)
 由香  (石橋杏奈)
 野々村保彦(光石 研)
 野々村洋子(りょう)
 蒲郡健蔵(椎名桔平)
原  作 ジョージ秋山『銭ゲバ』
脚  本 岡田恵和
主題歌   『』

あらすじ  第8話 悪は静かに死んでやるズラ

 妹・三國茜(木南晴夏)の身体に取りすがって号泣する三國緑(ミ
ムラ)に、「とっくに死んでますよ」と冷たく言う蒲郡風太郎(松山
ケンイチ)。

 緑は女中の桑田春子(志保)を呼ぶ。

 霊安室に寝かされている茜。
 緑は風太郎に、茜に何をしたのと問いただす。
 風太郎は、何もしてませんよ、と言う。
 緑は、そんなはずはないと言う。
 風太郎は、ただ茜に、生きていても死んでも、どうでも興味がない
といっただけだ、と言う。

 緑は、風太郎に、ひどい。茜は風太郎を愛していたのよ。風太郎が
何をしていても関係ない。それでも愛していたのだ、と言う。
 風太郎は、自分は人を愛さないのだ、と言う。

 ナイフを手に、風太郎に襲いかかろうとする緑。

 風太郎は、その緑を押さえ、そんなことをしてはいけない。自分が
殺されるのはいいが、そんなことをしたら、緑も自分と同じになって
しまう。地獄に行ったら、父・三國譲次(山本圭)や茜に会えない。
そんなことは緑さんには似合わない、と言う。
 それに緑さんは、ボクを見届けるって言ったでしょ、と止める。


 緑の遺影を前に、ゆっくりと紅茶を飲む緑。

 風太郎は、自分の寝室でもがき、苦しみ、獣のような咆哮をしてい
る。
 そのうなり声は、リビングにいる緑の耳にも届いた。

 風太郎は寝室を抜け出ると、よろよろとリビングへ行き、パジャマ
のまま、ハイヤーで会社へ行き、社長室へと入り、金庫を開ける。
 万札の束を目の前にすると、やっと落ち着く風太郎。

 そこに「忘れ物」と言って、風太郎のスーツ一式を持った緑がやっ
てくる。

 スーツに着替えた風太郎は、役員達を中に入れる。
 会社の提携話はなんとかなったが、株価が低下しているのが、心配
という。
 風太郎は、書類を見て、これなら大丈夫でしょ、と言う。

 彼らが出て行くと、緑は風太郎に、人を騙したり、殺したりしなく
ても、いつか立派なビジネスマンになっていたんじゃないの?と言う。

 それに対して風太郎は、こんな書類、自分に分かっていると思いま
すか?自分は小学校中退ですよ。
 まあ、緑さんには働いた経験が無いんですよね、と言う。
 緑は、おかげさまで、働いた経験も、人を殺した経験もありません
よ、と言う。
 そんなことを言っていると、殺されても知りませんよ、と風太郎。

 緑は、風太郎に一つだけ感謝していることがある。
 それは、茜が風太郎と結婚して、幸せだと言っていたこと。あんな
幸せそうな表情をした茜を見たことがなかった。きっとその幸せを失
いたくて、死んだんだと思う。茜に幸せを感じさせてくれてありがと
う、と緑。

 茜だけは、風太郎を理解できると言っていた。その唯一の理解者を
殺してしまって、残念ね。どう?少しは心が痛んだ?と問う緑。

 風太郎はそれには答えず、緑が車で来ているなら、連れて行って欲
しいところがある、と言う。


 伊豆屋に取り立て屋がやってきて、店内をメチャクチャにする。
 伊豆屋の主人・野々村保彦(光石研)は、取り立て屋が置いていっ
た、生命保険の申込書を前に、頭を抱えている。借金が返せなければ、
これには入れってこと?死ねってこと?と野々村祥子(りょう)。
 そういうことだろう、2,000万円なんて金、返せるわけないか
らな、と保彦。

 祥子は、野々村晴香(たくませいこ)に、さっさと片付けるよう言
う。野々村由香(石橋杏奈)が帰ってくる前に、きれいに片付けて、
と。そして何とかなるでしょ。今までもなんとかしてきた。
 店を開けるわよ。うちは定食屋なんだから、と涙声で言う祥子。

 でも、実は由香は、そっとその様子を見ていたのだ。


 荷物をまとめて警察署を出る元刑事の萩野聡(宮川大輔)。
 追ってきた元相棒の菅田純(鈴木裕樹)に、いいコンビになれると
思ったけど、警察辞めることになって済まん、と言う萩野。
 辞めることないんじゃないですかと言う菅田に、いろいろあるんだ
よ、と萩野。

 菅田は茜が死んだ。自殺と断定された、と言う。

 萩野は、自分にはもう関係ない、と言う。


 車中で、緑は、自分にはもう父も茜もいなくて、ひとりぼっちにな
ってしまった。風太郎のような悪魔でも、一緒にいた方がいいと言う。
 礼を言う風太郎。

 風太郎は、緑の見ている風景は、きれいですか?と聞く。
 自分は、この目の傷のせいで、視神経をやられてしまって、世界が
歪んで見える。まあ、医者に診せたわけではないですけどね、と言う。


 元住んでいた家にやってくる風太郎。
 そこにたたずみ、昔のことを思い出す。
 父・蒲郡健蔵(椎名桔平)は家に女を連れ込み、酒を飲んでいた。
そして桃子と風太郎に外に出ていろ。朝まで帰ってくるな、と言う。
 健蔵に物を投げつけられ、さしたる抵抗も出来ず、風太郎を連れて、
夜道を歩く。しりとり歌を歌いながら、眠くない?と風太郎を心配し
ながら。

 やがて掘っ立て小屋を見つけ、その中に入り、中にあった毛布にく
るまる桃子と風太郎。
 今度から、ここに来ようね、と風太郎。

 萩野の弟、新聞販売店主・萩野宏(近藤公園)を被殺してしまった
あとも、土砂降りの中、この小屋に逃げ込んだ。
 そして奪った財布を手に、お金が悪いんだと泣き叫び、柱に『金持
ちになって幸せになってやるズラ』と刻む。

 それを見た現在の風太郎は、「幸せになったか?」と自問する。


 健蔵は、女性を沢山侍られて、どんちゃん騒ぎ。
 最も品のない金の使い方だな。まあ、国際交流と思えばいいか、と
言う。
 女性達はただ、嬌声を上げる。


 家に帰って、茜の写真を見ている緑。

 そこに風太郎が入ってきて、緑に眠れないのか聞く。そして自分は
眠るのが怖い、と言う。

 こんな夜は、しりとり歌合戦をしましょう、と歌い出す。
 そして最後のフレーズを歌うと、続きを、と緑を促す。
 でも、相手にしない緑。

 風太郎は、緑が相手にするわけないかとつぶやく。
 すると緑は、ボソッと、一人で続けて、と言う。

 風太郎は、言われたとおり、一人でしりとりをする。
 緑は風太郎に、死ぬ気じゃないでしょうね?と聞く。そしてそれは
絶対許さないわよ、と言う。

 そっと二人の様子を見ていた春子は、「もうこの家もだめズラ。仕
事探すズラ」とつぶやく。


 朝、眠ってしまったことに気付く健蔵。
 ダブルベッドに一人きりだったので、金を盗まれたと思って、慌て
て隣の部屋に置いたままのトランクを開ける。

 すると札束は無事、沢山詰まっていた。
 健蔵は、フィリピンに寄付しちゃったかと思ったよとつぶやき、そ
の中から一枚万札を抜き出すと、口にくわえてみる。
 そして、「まずい」とつぶやく。


 風太郎を社長室に訪ねる萩野。警察は辞めました、と言う。
 敬語を使って礼を言う萩野に、敬語は止めましょう、と風太郎。だ
が、萩野はそんなことはできません、と言う。

 萩野は、警察は辞めたけれども、純粋に、なぜ宏が死ななければな
らなかったのかを知りたいと言う。納得したいだけだ、と。

 風太郎は、宏のことが好きだったと言い、あの夜あったことを語る。
 宏は風太郎に、人の物を盗んではいけないと言った。
 それで風太郎は、「なぜなんだよ!」と宏を殴った。

 萩野は、10年何年考え続けてきたことがそれで、宏は人に恨まれ
るようなことをして死んだのではなかった。それを聞けただけでも良
かったという。

 萩野は、宏は死ぬ前の日自分に電話してきて、風太郎を引き取ろう
と思っている。このままでは風太郎はまともに育たない。風太郎はい
い奴なのに、母親はお金が無いせいで神だと信じ込んでいる。なんと
かしてやりたい。ちゃんとした幸せを風太郎に教えてやりたい。
 事件の日、宏が風太郎を見つけなければ、殺されることはなかった
し、風太郎も人を殺さずに済んだ、と萩野。
 風太郎は、いずれ自分はそうしていただろう、と言う。
 萩野は、それは貧しかったからか?でも、貧しくてもそんなことを
せず生きている人もいる、と言う。
 それに対して風太郎は、ボクは違った。それだけの話ですよ、答え
る。
 そうですかという萩野は、失礼しますと、社長室を出ていく。


 風太郎は電話を受けて、ハイヤーで向かう。
 そこには、由香が一人で待っていた。

 二人はラブホテルに入る。

 由香はつっかえながらも、自分の身体でお金を下さい、と言う。
 風太郎は由香に、全部脱ぐよう言う。

 由香は躊躇しながらも脱ぐが、ブラウスのボタンに手を掛けたとき、
風太郎は由香をベッドに押し倒し、「なんでそんなことをするんだよ!
お前らだけは違うと思ったのに」と叫ぶ。
 「だって.....」としか言えない由香。

 風太郎は、由香に帰れ、と上着を投げると、そこを出て、伊豆屋へ
行く。

 風太郎は先日のことを謝り、どうしても食べたくなったと言って、
ベラの煮付け定食を食べる。

 その時、祥子が土下座して、風太郎に二千万円貸して欲しいと頼む。
風太郎しか頼める人がいない、と。

 風太郎は、どうして自分なのか。自分がお金持ちだから、返せない
金を借りても大丈夫だって?
 保彦は否定しようとするが、それより強く祥子が、そうですと肯定
してしまう。

 風太郎は、先日心が大切だと言ったじゃないですか。そういう計算
をするのもこころですか。お断りします、と言う。
 そして、笑顔で受け入れればいいじゃないですか、どんなことがあ
っても。
 ごちそうさま、と出て行こうとする。

 すると保彦が、待て!と怒鳴る。そして包丁を手に構えると、真一
にあんなことさせたのは風太郎だろう。警察には黙っていてやるから、
金寄越せ、と言う。

 そこまでやりますか、と風太郎。

 すると祥子まで包丁を手に構え、家族のためになるならやりますよ、
と言う。

 風太郎は、刺すならいいですよ。ボクを刺しても、たいした罪には
ならないだろうし。真一は金で動いた。真一の決断は早かった。
 風太郎は、みんなの出方で決めようと思っていた。でも、最悪の選
択でしたね、と言う。

 保彦は叫ぶと風太郎に襲いかかる。

 風太郎はもみ合ったが、保彦を倒し、倒れた保彦は身をよじって、
慟哭する。
 そして今度は風太郎が包丁を手にして、「さよなら。あんたのよう
なものがいるから、この世界は腐るんだよ」と言う。
 ニヤリとすると、手に持った包丁をうち捨てて、伊豆屋を出て行く
風太郎。


 リビングに向き合って座っている緑と風太郎。

 健蔵が、貰った10億円の残りが入ったトランクを押して、三國家
のリビングにやってくる。
 出て行こうとする緑に、そのままいて欲しいと言う。風太郎と二人
だけだと怖いから。そして10億って重いな、と言う。『重い』って、
二重の意味があるんだよ。価値と、本当に思いという意味だと、寒い
ことを言う。
 そして、自分は所詮貧乏人。ポケットに6万5000円ぐらい入っ
ているのが丁度いい。ちょっと飲んでも、まだ足りる程度。
 金って、ただの紙切れだろ。価値があるってことになっているから、
みんなありがたがるけれども、オレはフラフラしていたいだけなんだ。
そのためには多少の金は必要だが、金に囲まれていたいというわけで
はない。
 風太郎だって、そうだろう。大金持ちになっていいことあったか?
全然幸せに見えないけど、と言う。

 死にたくないだけでしょ。生きたいんでしょ、と風太郎。

 ああ、生きたいさ、人間だから。生命と引き替えに、この10億円
貰ったとき、華々しく死んでやろうとも思ったさ。息子に見せられる
ぐらいさ。そんなに息子に嫌われているかと思うと.....。
 まあ、そういう息子に育ちまったのは、自分だけどさ。でも、どん
なつまらない人生でも、金と心中するのは、と思った、と健蔵。

 風太郎がつぶやく。
 健蔵は悪い人ではなかった。家族のために、一生懸命働いていて。
 でも、会社に悪い人がいて、そのやった悪いことを全部健蔵のせい
にした。
 健蔵は、そのせいで会社をクビになり、働く意欲をなくした。
 母・桃子は、風太郎がこの目の傷を負ったときにさえも、お父さん
を恨まないでおいてあげてって、言っていた。
 風太郎は、その桃子との約束があったから、自分の手では健蔵を殺
さなかった。

 いい女だったな、桃子は、と健蔵。

 どうぞ、これからも健蔵は生きてください、お一人で、と風太郎。

 健蔵が風太郎に、一つこの世のルールを教えてやる、と言う。子供
は親より先に死んじゃいけないんだぞ、と。
 親によりますよ、と風太郎。

 健蔵は、風太郎もいい切り返しをするようになった。オレ達、案外
うまくやってけるんじゃない?と言う。

 風太郎は部屋を出て行く。
 一人残された健蔵は、「なわけないか」とつぶやく。

 手ぶらで三國家を出てきてしまった健蔵。少しぐらい貰っておけば
よかったなと思って、ポケットを探ると、入っていたのはたった
500円。


 翌朝、助手席に緑を乗せて緑の車を運転する風太郎。

 死ぬつもり?もう逃げられないってわかったから、つかまるより、
自分で死ぬことを選んだってこと?と緑。

 風太郎は、そうではなく、自分が正しいと分かったからだと言う。
そしてお嬢様に耐えられるかな、と言う。

 緑は、自分は見届けると言ったでしょ。この世からくだらない人が
一人死ぬだけでしょ、と言う。

 風太郎は、あの海岸縁の掘っ立て小屋に入ると、自分のお腹にダイ
ナマイトをぐるっと巻いて、導火線に火を付けた。

 その小屋を、小高くなったところから見下ろしている緑。


寸  評  あれれ?風太郎は自殺してしまうんですか?
 そんなことをするぐらいなら、なんで、殺人を重ね、あんなり無理
をしてきたのでしょう。まだ、若いのに。

 結局死んでしまうのならば、あんなに大勢の人を傷つけ、命を奪う
こともなかったのに、と思います。

 ここまでしぶとく生きてきて、遂に大会社の社長になって、10億
円を払える身分にまで到達したのなら、もっとしぶとく生き続けいて
欲しいです。
 じつは、あそこで風太郎は真一とすり替わっていて、爆死するのは
真一で、風太郎は、三國家あるいは三國造船の財産をこっそりと持っ
て別の場所で生きていくのでしょうか。

 ところで、三國造船、現金で10億円を払い出したら、資金ショー
トして黒字倒産してしまいませんか?
 それと、三國造船に対する背任横領罪は免れませんね。

執 筆 者 鈴木(drama_sumire@yahoo.co.jp)

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2. 編集後記
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 景気が悪いだけに更に忙しい年度末でした。
 ただ、今回のスペシャル放送は、各局ドラマが少なかったように感じます。
それだけに、見なければならない時間が少なくて済んで、今まで録画したまま
見られないでいたドラマを片付けつつあります。
 『HOROS』も、やっとシーズン1の再放送が終わったので、今まで録画
しておいたシーズン2を見始めています。
 『相棒』も、録画だけしてあった、最初の2時間ドラマの時のドラマを見ま
した。(鈴木)

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発行元:ドラマ研究会
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