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タイトル:Daily Drama Express 2009/03/20 ラブシャッフル (最終回)  2009/03/23


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2009/03/20 (Fri) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.金曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 金曜日の連続ドラマ
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タイトル ラブシャッフル
局  名 TBS系
放映日時 金曜22時
キャスト 宇佐美啓(玉木 宏)
 逢沢愛瑠(香里奈)
 世良旺次郎(松田翔太)
 大石諭吉(DAIGO)
 早川海里(吉高由里子)
 上条玲子(小島 聖)
  香川芽衣(貫地谷しほり)
 菊田正人(谷原章介)
脚  本 野島伸司
主題歌  アース・ウインド&ファイアー「FANTASY」

あらすじ 第10話「運命の人とめぐり逢うために」

 海里(吉高由里子)が旺次郎(松田翔太)の前に姿を現わせない気
持ちを諭吉(DAIGO)から聞いて、啓(玉木宏)は菊田(谷原章
介)と愛瑠(香里奈)とともにどう引き合わせるかを相談した。だが、
どう引き合わせてもただでは済まないだろう。いっそのこと楽しく明
るく引き合わせてしまえばその場のノリでなんとかなると考えた。

 パジャマパーティで「藁のなかの七面鳥」という陽気なフォークダ
ンスを踊る。途中から諭吉に案内された海里が加わって、旺次郎とペ
アを組む。そして対面。すると旺次郎の表情が青ざめた。
「出た、幽霊だ!」
 旺次郎は逃げようとして、啓と愛瑠に取り押さえられた。
「旺ちゃん、幽霊じゃない、俺たちにも見えるんだ」
 啓が言った
「生きていたんだ」
 菊田も言った。そして海里に自分が死んだあとの世界を見せるため
のやむをえない行為だったことを説明し、謝罪した。すると旺次郎は
顔色を変えた。
「ふざけんじゃねえ!俺がぶっ殺してやる」
 そのまま海里に詰め寄り、首を締め始めた。
「悪いのは僕だ、怒るなら僕を!」
 菊田が必死に止めに入った。すると旺次郎は泣きそうな顔を浮かべ
て自室に駆け込んでしまった。

 啓と芽衣(貫地谷しほり)の結婚式の日になった。海里の件で後味
が悪い状況になっていて、海里は式場に現れなかった。
「そういえばユッキーの姿がないぜ」
 旺次郎は諭吉がいないことに気づいた。この2,3日連絡が取れな
いと愛瑠も消息がわからなかった。

 オルガンの音色が響き、芽衣が入場してきた。そして出迎えた新郎
は……。旺次郎と愛瑠は唖然となった。壇上にいたのは諭吉だった。
「説明するわ」
と玲子(小島聖)が言った。なぜならば、玲子が啓に選挙に立候補し
てみてはと言い、啓はそれを受け入れたからという。そして啓は芽衣
と別れた。啓は正義感が強く、弱いものを助けたいという気持ちを持
っている。政治家は何よりもキラキラした仕事だ。もちろんそんなに
うまくいく話ではないけれど……。

 啓は自分の決心を芽衣に伝えた。そして式を延期してほしいと。だ
が芽衣は言った。
「別れようって言いたいんでしょ。そんな中途半端じゃできないって」
 芽衣には分かっていた。啓は本気だということを。そしてもし自分
がそばにいたら、啓は自分に迷惑をかけまいと、夢をあきらめてしま
うだろうということも。
 だから関係をスッパリと清算しなくてはならないと思ったのだ。啓
はキラキラしてなくちゃだめだからと。

「しかしこんな土壇場で……。親が許すはずがない」
 旺次郎は不審に思った。
「有無を言わせなかったの」
 水面下で諭吉はM&Aを仕掛け、芽衣の会社の株を買収して経営権
を握り、役員全員総入れ替えの脅しをかけた。しかしもし芽衣との結
婚を認めてくれたら現状維持を約束すると。
 むろんそんな政略結婚じみた真似に芽衣は怒った。
「あたしの結婚で遊ばないで。最低よ、あなたたちは!」
 だが、諭吉は言った。芽衣には指一本触れるつもりはないし、望む
ならしばらくして離婚してもいいのだという。芽衣は諭吉をまじまじ
と見た。諭吉は嘘を言っているわけではないとはっきりわかった。そ
のとたん涙があふれてきた。
「本当は心細かったの……」
「私はあなたのことを愛しています」
 諭吉は改めて言った。

 旺次郎は啓の選挙用のポスター写真を撮影した。
「これが俺の国内での最後の仕事だ」
 旺次郎は再び戦場に行って写真を撮ることにしたのだという。

 旺次郎との関係を修復できないまま、海里は本当の20歳の誕生日
を迎えた。海里はうつろな眼差しで入った文具店でカッターナイフを
購入して店を出た。すると旺次郎がいた。海里は逃げだした。だが旺
次郎は追いかけて捕まえた。菊田から聞いて今日が誕生日と知ったの
だ。
「タナトゥスはいつから見えたんだ?」
「信じるの?」
「ああ、俺だって見える。なにしろおまえは死んだことになってるか
らな。俺とおまえは同じだ。だから俺が一生お前を守ってやる」
 そう言うと旺次郎は海里をおぶって歩き出した。

 愛瑠は啓のことが気が気でなくて、啓の選挙事務所にやって来た。
啓の事務所はいつかの暴走族たちがボランティアとして啓を支えてい
た。しかし、愛瑠にとっては勝算のない馬鹿なことをしているように
しか見えなくて、イライラするばかりだった。それでも時間を作って
は啓の街頭演説を遠巻きに見ていた。

 旺次郎の送別会が行われ、啓、愛瑠、菊田、旺次郎は久しぶりに顔
を合わせた。
「なんか言い残すことはないのかよ」
 旺次郎は菊田を見た。
「別に……」
 菊田はそう言ったが、旺次郎はわかっていた。
「俺はゲイだろうが気持ち悪いとは思わないぜ」
 旺次郎に言われて、菊田は言った。
「なら、僕を許すと言ってほしい」
 菊田は静かに言った。
「僕は……ていうか、そんなことどうでもいいぜ。なぜなら僕はあな
たを愛していたから」
 旺次郎の言葉に菊田は思わず我を忘れ、声をあげて泣いた。

 啓は日々選挙運動に没頭し、文字通り寝食を忘れて社会状況の勉強
や演説に励んだ。当てのない戦いだけれども毎日は充実していた。

 菊田は玲子に付き添って病院へ行った。玲子は言った。
「この子はあなたの子なの」
 啓は酔って眠ってしまい、旺次郎とは日にちが合わず、諭吉は敏感
すぎてうまくいかず……。つまり菊田の子と断定できるのだ。
「もちろん認知してとは言わないわよ。だけどこれであなたは1人ぼ
っちじゃないわね」
「……ありがとう」
 菊田は自分の心の中の闇が少し晴れる気がした。

 旺次郎は海里を連れていく気はなかったが、啓に旺次郎の出発日を
知らされていた海里は空港前やって来て、旺次郎に付いていくことを
伝えた。
「あたしは自殺でしか死ねない。だからあたしがいればあなたも死な
ない」
 旺次郎はフッと笑い、トランクを寝かすとその上に海里を立たせ、
そのままキスをした。一緒に行こう、旺次郎はそう決めた。

 愛瑠は悩み、考え、そして自分のことを整理した。そしてわかった
のは、自分は出る幕が欲しいということ。啓みたいな馬鹿なことをし
ている男をフォローしたい。そういうのが自分が安心できる一番の在
り方なんだというのが今の嘘のない気持ちだった。

 愛瑠は再び啓の街頭演説の場にやって来て、驚いた。見ると啓の演
説に通行人が立ち止まって聞き始めている。
「何これ……」
 すると諭吉と芽衣が現れて声をかけた。
「これが啓なの。本気になるとすごいの。二流の屑なんかじゃない」
 芽衣は嬉しそうに言った。何かをしてくれそうな男、そうキラキラ
している啓だ。啓の演説に人々は大きな拍手を送った。

 愛瑠はそのまま啓と一緒に選挙事務所に帰った。
「菊りん情報。例の後輩と別れたんだって?」
 にやにやしている啓を見て、愛瑠は「帰る」と言って出て行った。
「ねえ、明日は?」
 啓は追いかけて聞いた。
「また来るわ」
 愛瑠は言った。それを聞いて啓は言った。
「忘れ物」
 そしてそのまま愛瑠にキスをした。愛瑠はむっとした表情で啓に一
発平手打ちを喰らわした。だがそのまま啓の首筋に腕を回してキスを
した。

 ラブシャッフル……。空には満月が煌々としていた。(完)


寸  評  啓と愛瑠、旺次郎と海里、諭吉と芽衣、玲子と菊田。絵に描いた
ようなラブシャッフルの完成で幕を閉じました。ストーリーの随所に
伏線を置き、飽きさせないような工夫。最後のまとめ方、いずれもプ
ロらしい熟達した展開で卓越した技術を感じました。一方で驚嘆すべ
きほどのストーリー展開に比して内容は薄かったという感がありまし
た。結局何を訴えたかったのだろう?というのはよく見えなかったで
す。ラブシャッフルすることで真実の愛や本当のパートナーが見える
と言うことでしょうか?それはちょっと乱暴な話で、そう言うケース
もありますが、逆に元鞘が一番しっくりくるということもあると思い
ます。だから全員シャッフルされて大団円というのはちょっと強引だ
し、真実味はないかなと思えてしまうのです。そのあたりがちょっと
残念な気がしました。

執 筆 者 けん()

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2. 編集後記
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 冬ドラマで1番見ごたえがあったのは「銭ゲバ」でした。しかし最後に幸せ
を絵に描いたような平凡な日常で示して見せたのはちょっと興ざめでした。風
太郎の人生を決定的に狂わせたのは母の死です。母が死ななければ、風太郎は
幸福でしたし、人を殺すこともなかったでしょう。ですから「たら、れば話」
はあのとき母が死ななかったら、たとえ貧しくても風太郎は違っていたという
観点で見たかったです。(けん)

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