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タイトル:Daily Drama Express 2009/03/02 ヴォイス (8)  2009/03/23


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2009/03/02 (Mon) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.月曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 月曜日の連続ドラマ
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タイトル ヴォイス〜命なき者の声〜
局  名 フジテレビ系
放映日時 月曜21時
キャスト 加地大己(瑛太)
 石末亮介(生田斗真)
 久保秋佳奈子(石原さとみ)
 桐原哲平(遠藤雄弥)
 羽井彰 (佐藤智仁)
 蕪木誠 (泉谷しげる)
 佐川文彦(時任三郎)
脚  本 金子茂樹
主題歌  『』

あらすじ  第8回 決して消せない炎

 住宅火災。
 その家の中で倒れている男性。そばに鍵。
 絨毯に包まれている死体。


 桐原哲平(遠藤雄弥)は、『CSI』のDVDを2セットずつ持っ
ている。1セットは見る用で、もう1セットは保存用。

 加地大己(瑛太)は、じゃあ保存用は中身が空でもいいじゃないか、
と言う。微妙にみんな納得する。


 その頃久保秋佳奈子(石原さとみ)は、アメリカでの一ヶ月の実地
研修の最終選考に残っていた。
 桐原も申し込んでいた。CSIの本場へ行きたかったからなのだが、
一次選考ですぐ落ちてしまった。桐原は、CSIに出会っていなかっ
たら、法医学なんて目指していなかっただろうから、不思議だ、と言
う。


 朝、大学で桐原とすれ違った加奈子は、今日解剖が入ったら、代わ
って、と頼む。
 桐原は、加奈子は今日、最終面接なんだからいいよ、と言う。


 ご遺体が運び込まれ、刑事の大和田敏(山崎樹範)が説明する。
 60代の警備員・今成卓見(平田満)。
 その名前を聞いた石末亮介(生田斗真)が、子供の遺体と苗字が違
うと質問する。
 大和田が、焼死体は家族じゃなきゃなせないって言うきまりでもあ
るのか?と反論する。

 大和田の説明が続く。
 今成は子供を抱くような姿勢で亡くなっていた。
 だが、今成は子供の家族と親しかったわけではない。最近、近所に
越してきたと言うぐらいの関係。死体のそばに鍵が落ちていたが、キ
ーホルダーは溶けかけていた。
 子供が絨毯でくるまれていたことを考えると、誘拐の可能性もある、
と。


 法医学教授・佐川文彦(時任三郎)が、ご遺体に敬意を表すると、
解剖を始める。

 血液は鮮紅色で、典型的な一酸化中毒。

 肝炎にかかっていることが判明する。
 佐川が、肝炎のご遺体の解剖には、充分注意するよう言う。


 最終面接で、海外研修に参加したい理由を問われる加奈子。
 加奈子は、日本は医療先進国だが、解剖では遅れている。だからア
メリカの解剖を学びたい、と答える。


 佐川が取り出した肝臓をシャーレに入れ、桐原に検査に持って行く
よう言う。

 廊下では、女性が「会わせて!」と叫んでいて、止められていた。
 その騒ぎを見ながら歩いていた桐原は、台にぶつかり、手に持って
いたシャーレを落としてしまう。
 シャーレは割れ、中の検体がこぼれ出てしまう。
 桐原は慌てて素手でかき集めようとして、割れたガラス片で指先を
切ってしまう。

 そこにやってきた佐川は、拾わなくていいと、桐原を止め、指先の
怪我に気付くと、急いで解剖室へ連れて行き、そこの水道水で傷口を
洗う。

 桐原は注射をして貰う。
 佐川が、今日は入院して、一週間自宅待機、と言う。

 桐原が感染したのか?との問いに、まだ分からないと助手の夏井川
玲子(矢田亜希子)。

 今成の血液を分析した蕪木誠(泉谷しげる)は、今成はB型肝炎だ
という。

 加奈子も駆けつける。

 羽井彰(佐藤智仁)の実家の沖縄料理店で、羽井の母親・羽井鳳子
(濱田マリ)に、肝炎について説明する亮介。
 肝炎には、急性と慢性がある。慢性の場合は、数年掛けて、肝硬変
や肝臓癌に移行することもある。
 また、まれに劇症型もあり、数時間で死に至ることもある、と。


 玲子が学生達に、解剖してみないとわからない病気もある。解剖後
も充分気をつけるように。知り合いの法医学者も結核にかかっていた
ご遺体を解剖して、自分も結核に罹患してしまった人もある、と言う。


 佐川は学長に、事故調査書を提出する。
 学長は、今までの佐川の、学生の自主性に任せるというやり方が、
間違っていたのではないか、と言う。
 佐川はそれに正面からは答えず、今回の件については、すべての責
任を負う覚悟がある、と言う。


 亮介が新聞を読んでいて、今回の家事はストーブの消し忘れが原因
だったんだ。今成が放火したように言われていたけれども違うんだと
いう。

 でも、なんで子供がカーペットに包まれていたのだろう?大己は火
の粉から子供を守ろうとしたのか。でも、もっと適切なものもあった
のではないか、と悩む。

 羽井は、今はそんなことを考えている時じゃないだろう。もっと桐
原のことを心配しろ、と言う。

 加奈子はいたたまれなくなり、桐原の所へ行くと出て行く。


 桐原は、CSIのDVDボックスを段ボール箱に詰めていた。加奈
子に、今回、感染していてもいなくても、法医学を辞めようと思って
いるという。

 謝る加奈子に、これは加奈子のせいではない。自分は結局表面だけ
を見て、憧れていただけなのだ。解剖台の上に載っているご遺体は自
分とは無関係で、自分が台の上に載るかもしれないなんてことを考え
たことがなかった、と言う。


 大己と亮介は、今成の勤め先の警備室へ行き、警備員仲間に、話を
聞く。
 今成はこの職場に勤めて、まだ間もない。
 若い方の警備員は、今成とは付き合いにくかったという。なぜなら、
見回りの時、例えそれが10分ぐらいだったとしても、こたつのコン
セントを抜くから、やってられない、と。しかも、今成自身は入らな
い。いつも向こう机に座って、新聞に何か書き込んでいた。

 大己は、古新聞の束をほどいて、見る。そして今成が取り組んでい
たのは、詰め将棋。しかも、全部合っている。


 大己や亮介が研究室に戻ると、大和田がやってきて、今成の追加情
報を伝える。
 今成は、最近まで科捜研に勤めていて、火事を専門にしていた。
 あの時、煙が上がると、コンビニで新聞を買っていたところだった
のに、新聞は置いたまま、お釣りの70円を握りしめて、飛んでいっ
た。
 目撃者が見つかったという。

 あの熱で溶けたキーホルダーは、あの火事で溶けたのではなく、今
成はもともと黒こげになったあのキーホルダーを使っていたのだ。
 火事の専門家が、火事で亡くなるなんて、と言う。

 亮介は、今回は調べるのをやめよう、と言う。

 加奈子が、桐原は法医学をやめると言っている、と言う。

 羽井は、今回は桐原のことを考えるのが先じゃないか、という。


 大己は、科捜研に、今成について聞きに行く。
 応対した研究員・佐野は、今成が定年退職して、もう2年になる。
上司としては、怒ることもなく、ほめることもなかった。
 詰め将棋もやっていて、一局指しましょうかと誘っても、断られた。
 今成についてなら、今成の上司だった三島に聞いた方が、詳しくわ
かるだろう、と言う。

 そして、研究室にあった『CSI』のDVDボックスは、今成がく
れた。今では形見となってしまったが、今成がこういうものを見てい
るって、意外だった、と言う。

 大己は、今成がB型肝炎だったことを知っているか聞く。


 研究室で沈みこんでいる加奈子に、佐川が中国茶を入れる。気持ち
をリラックスさせる効果があるらしいから、と。
 君たちを見ていると、自分の若い頃のことを思い出す。ああすれば
よかった。こうすればよかったと思うこともあるが、前へ進むしかな
いのだ。前へ進むことによって、見えてくるものがある、と佐川。


 亮介は父・石末貴之(名高達男)の病院の看護師に、友達がB型肝
炎にかかったかもしれない。明日検査して、明後日結果がわかる、と
言う。

 そばを通りかかった貴之は、もしその友達が陽性だったら、すぐ知
らせるよう、言う。感染症内科の権威への紹介状を書いてやるから、
と。


 羽井は玲子に、その肺結核に感染した知り合いの法医学者は、今ど
うしているのか聞く。
 玲子は、今でも現役で解剖しているという。
 その人は自分の父親で、監察医をやっている。玲子が法医学者にな
ろうとしたとき、反対したのは、そういう危険性があったから。この
仕事には、少なからず、感染の危険があるものなのだ、と言う。


 大己は、将棋会館で、三島に、今成のことを聞く。
 三島は、今成の詰め将棋は強かった。二、三度手合わせをしたこと
があるが、今成は人と指すのは嫌いなようだった。将棋を指すとその
人の考え、背負っているものなど、いろいろなものが見えてしまうも
のなのだ、と言う。

 大己は、今成が付けていた黒こげのキーホルダーについて聞く。
 三島は、それは今成が初めて実際の火災現場へ出向いたときに、現
場で拾ったもの。その火災は、子供を残してガスをつけたまま両親が
出かけてしまい、その間に火災になって、その子は亡くなった。その
子のサッカーボール型のキーホルダーだった。
 今成は、誰よりも火事に詳しかったはずなのに、火事で亡くなると
は、と嘆息する。


 加奈子が、蕪木を手伝うという。いつもは桐原が手伝っていたのに、
自分のせいであんなことになってしまったから、と。
 蕪木は、じゃあ、桐原から借りているCD、返さなければならない
な、と言う。

 今調べている検体は、今成の爪の間から採取した絨毯の繊維。

 加奈子が、研究室のみんなのところへ来て、あの絨毯は、難燃性の
絨毯だった。30センチ四方で約200グラム。
 あの絨毯は、畳2畳分だな、と羽井。
 では、全部で約7キロ。持ち上げるには、重すぎる。

 今までのことを考えていた大己は、フイに、今成は子供を運びだそ
うとしていたのではないのではないか、と言う。


 大己は、焼死した子供の両親に話を聞こうとする。だが母親が、今
はそんな気持ちになれない。死んだ息子はもう戻ってこないのだと泣
き崩れ、父親はそんな妻を支え、今日は引き取ってくれ、と言う。


 大己は、桐原の検査を待つ亮介達に、今成の最後の声を伝えられな
かった、と言う。

 研究室に戻った一同。
 検査に付き合ってくれたみんなに礼を言う桐原に、辞めるなんて言
ったら、許さない、と羽井。
 桐原は、もう法医学と向き合っていく自信が無くなった。今回の件
で、自分の弱さが分かったから、と言う。佐川には、検査結果が出る
前に、やめることを言うつもりだ、と言う。

 大己が、たんたんと話し始める。
 今成は、海外旅行に一度しか行ったことがなかった。アメリが巡っ
たのは、ラスベガス、マイアミ、そしてニューヨーク。それが何か分
かるだろう、と言う。
 CSIの舞台だ、と桐原。
 大己は、今成の方が、桐原よりももっと熱が入っていた。DVDボ
ックスを3セット持っていたのだ。1セットは観賞用、1セットは保
存用、そしてもう1セットはプレゼント用。佐野に贈っていたという。

 今成が肝炎になったのは、昔佐野が配属されて間もない頃、誤って
肝炎のウィルスを撒いてしまい、それが今成の傷口から体内に入った。
 佐野はそれを悔いて、家に引きこもってしまった。その佐野に、
CSIのDVDボックスを贈った。家にいても、やることが無くて、
暇だろう、と。

 出勤してきた佐野に、今成は、ここなに病原菌や猛毒など、あらゆ
る危険なものがある。感染するかも知れないことも、覚悟の上だ。も
し、自分に悪いと思うなら、研究を続けろ、と言ったという。

 大己は、子供を包んでいたカーペットには、机が置いてあった跡も
ある。それをどかし、7キロもの絨毯を巻く。
 今成が駆けつけた時、すでに子供は息を引き取っていたのだろう。
今成は、焼死体の悲惨さを知っていた。少年の両親の心の痛みを考え、
なるべくそのままの菅田で残そうとしたのだろう。
 誰でも、自分の生命の危険が迫っていたら、自分が逃げることを考
えるだろう。でも、そうしなかった今成は、最後までプロフェッショ
ナルだったんだ、と言う。

 桐原の頬を涙が伝う。

 桐原は佐川に、結果の如何に関わらず、法医学を続けたい、と言う。
 受け入れる佐川。
 桐原は、佐川に促され、検査結果を聞きに行く。

 その頃、ほかの4人は、神社にいた。健康祈願のお守りを10個も
買う羽井。ほかの三人も、1個ずつ買う。

 お祈りをした後、桐原から電話が掛かってくる。検査結果は陰性だ
った、と。

 みんな喜ぶ。羽井は賽銭箱に千円札を入れていた。加奈子は安堵の
ため、しゃがみ込んでしまう。


 今成の墓参りにやってくる佐野。
 大己たち5人もやってきた。


寸  評  今回、解剖をするときにつきまとう危険性を明らかにする、とい
う点では、新しい視点の導入でした。
 でも、あまりに幼稚すぎるのでは?と思います。他人の臓器を運ぶ
のに、手袋もせず、素手!?
 そんなの、内科の診療だって、外科の手術だって、同じことでしょ。
肝炎の患者の手術だったらどうするの。だから、最近は、ゴーグルを
はめるようになったわけじゃないですか。
 また、医学部であれば、専攻に関係なく、全員解剖をします。献体
されたご遺体ですから、病死した人も多いでしょう。

 また、今成のことをプロフェッショナルと言っていますが、
『252』の映画などでもありましたが、生きて帰ってきてこそのプ
ロフェッショナル。自分が死んでは、プロフェッショナルとは呼べな
いはずです。

執 筆 者 鈴木(drama_sumire@yahoo.co.jp)

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2. 編集後記
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 『イノセントゲリラの祝祭』を借りられたので、読んでいるところです。
 これによると、日本の解剖率は、司法解剖でも9%。病理、行政などを含め
て、死亡に対する解剖率にすると2.8%。解剖医は全国にわずか100人程
度とのことです。
 そして、解剖費用は病院持ちとのこと。前回のように、頼んで解剖させて貰
うというケースはあるんでしょうかねぇ。珍しい症例ならば、論文のために、
解剖したいということはあるかもしれませんが。
 この5人の内、いったい何人が将来も法医学者になるかですね。

 加奈子の言うように、日本の解剖率は先進諸外国に比べて、圧倒的に低いた
め、確かに後進国です。また、解剖率の低さが、医療に対するフィードバック
のなさにもつながり、悪循環になっているとのこと。
 力士のリンチ殺人も確か、父親が解剖を依頼して、やっと本当の死因がわか
ったわけです。解剖率の低さが、犯罪を見過ごす温床にもなっているとのこと。

 解剖にお金を出すかどうかは、これからの日本人の生き方に繋がっていくわ
けですね。どうか今後の国家経営を間違わない方向に導いて欲しいと思います。
(鈴木)

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発行元:ドラマ研究会
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