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タイトル:Daily Drama Express 2009/03/06 ラブシャッフル (9)  2009/03/16


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2009/03/13 (Fri) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.金曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 金曜日の連続ドラマ
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タイトル ラブシャッフル
局  名 TBS系
放映日時 金曜22時
キャスト 宇佐美啓(玉木 宏)
 逢沢愛瑠(香里奈)
 世良旺次郎(松田翔太)
 大石諭吉(DAIGO)
 早川海里(吉高由里子)
 上条玲子(小島 聖)
  香川芽衣(貫地谷しほり)
 菊田正人(谷原章介)
脚  本 野島伸司
主題歌  アース・ウインド&ファイアー「FANTASY」

あらすじ 第9話「愛の裏返しは孤独だった」

 諭吉(DAIGO)の突然のキスを芽衣(貫地谷しほり)は反射的
に押しとどめた。
 諭吉は我に返り「ごめんなさい、ごめんなさい」と頭を下げて逃げ
去った。
 菊田(谷原章介)は旺次郎(松田翔太)にキスしようとして思いと
どまった。そして啓(玉木宏)は愛瑠(香里奈)に思い切りひっぱた
かれた。
「なんでだよ、おまえだって、満月だからとか言って」
 啓はあたふたした。
「バカ、女はいいのよ!」
 愛瑠は呆然となる啓を放ってさっさと行ってしまった。

 旺次郎は精神的に不安定になった。夢遊病者のように海里(吉高由
里子)を探しまわったりした。菊田は旺次郎にまた安定剤を処方して
落ち着かせた。
「これで大丈夫、僕がついているよ」
「ねえ菊りん、なんか嬉しそうな顔してるね」
 愛瑠が疑わしげな眼を向けた。菊田の死んだ恋人は旺次郎に似てい
る。だから旺次郎が海里に入れ込んだところでどん底に突き落とし、
自分のものにしようとしたと愛瑠は思ったのだ。
「おい、菊りんに限って」
 啓は言いすぎだと止めにかかった。しかし菊田は悪びれずに言った。
「君たちに僕の気持はわからない。僕は唯一の恋人を理由もわからず
失った。それを理解できるわけがないだろう」
「本気か、菊りん」
 啓は信じられない表情を浮かべた。しかし菊田は侮蔑的な笑みを浮
かべていた。

 啓は諭吉に海里のことを話した。諭吉は自分のつてを頼って探偵に
依頼して海里を探させましょうと言った。が、その代りにお願いがあ
ると言う。
「僕に芽衣さんを譲ってください!」
「えっ?」
 諭吉は芽衣の気になる人が自分であることを打ち明けた。
「うそつけ」
 啓は相手にしなかったが、内心芽衣に対する不信感がまったくない
わけではなかった。

 その夜、啓は芽衣と一緒に過ごした。結婚式も間近に迫っていて芽
衣はもう迷いはない様子だったが、啓は思い切って聞いた。
「芽衣の心の中にいるのは俺だけだよね?」
「心の中……。諭吉さんから何か?」
「いや……」
 啓はそれ以上何も言おうとはしなかった。

 啓は旺次郎を散歩に連れ出した。しかし旺次郎はもぬけのから状態
で啓の声も聞こえてないかのようにうつろな眼差しで、一言も発しな
かった。心の中は海里のことしかないようで、啓はいたたまれない思
いにとらわれるだけだった。

 愛瑠は海里のことで玲子(小島聖)を訪ねた。癪だが、玲子なら何
かいいアイディアを持っていると思えた。玲子の予想では、菊田は海
里を殺しているのではということだった。

 ショックを受けた愛瑠は涙ながらに菊田に詰め寄った。それを見て、
菊田は観念したように言った。
「海里は生きている」
 菊田は海里をネットカフェに住まわせていると言う。そして旺次郎
を観察するように言っているという。
「僕にはこうするしかなかった」
 菊田は一度海里を死なせた状態にしてみたと言う。自分がいなくな
った後の世界を見せる。旺次郎の苦しむ姿を見たとしたら自殺を思い
とどまるのではないかと思った。
「旺ちゃんにはいくら謝っても足りないが、医者として海里を死なせ
るわけにはいかなかった」

 芽衣は諭吉を呼び出した。
「僕はあなたを愛しています」
 諭吉はすまなそうに、しかしはっきりと言った。
「ずいぶん身勝手ね」
 芽衣は非難の目を向けた。愛するということをはき違えている。
「僕は愛することにプライドはありません」
 身勝手だろうが、ストーカーチックだろうが、かまいやしない諭吉
は自分の思いをぶつけた。
「あなたのこと、勘違いしていたみたい。もう会うこともないわ」
 芽衣は心底軽蔑した眼差しを向けた。

 事情をすべて理解した啓と愛瑠が旺次郎を励まし続けた甲斐があり、
旺次郎は少しずつ気力を取り戻していき、写真を撮るようになってい
った。

 ある日玲子が菊田の診察室を訪れた。玲子は離婚を考えていて、そ
の相談に来たのだ。夫には若い愛人がいたのだ。玲子が離婚を切り出
すと、選挙が終わってからにしてくれと言いだしてきた。調停に持ち
込むのは結構だが、玲子が夫以外の男の子を妊娠している以上不利に
働くだろうと強気に出てきた。
「知り合いの医者を紹介してほしいのよ、この子を手術してくれる医
者を」
 玲子は涙を浮かべて言った。菊田は悟った。この人は夫のことを愛
しているのだろうと。

 啓は芽衣と食事に行き、芽衣に菊田の考えを話した。
「俺、菊りんの言ってたことをじっと考えててさ、人は一度消えるべ
きなのかもしれない」
 啓の心の中でひっかかっていることがあった。悲しみと孤独に苦し
む旺次郎の姿を見るにつけ、自分が生きてきたことが間違いでなけれ
ば、自分が消えたら悲しんでくれる人がいるだろうと。
「思い出に残らないと意味がない?」
「ああ、それも強烈にね。心にぽっかり穴があいて、壊れてしまうく
らいにね」
「うん」
「今の俺にそんな風に思ってくれる人がいるのかな?」
 啓は何気なくそう言った。
「啓何言っているの?私がいるじゃない。私たち結婚するのよ」
 芽衣は驚いた。
「あ、ああそうだった、俺には芽衣がいてくれる」
 啓はそう言いなおしたものの、芽衣はぞっとするような思いにとら
われた。

 帰り道、芽衣は不安に襲われた。
「ねえ、諭吉さんのこと気にしている?あたしのこと嫌いになってな
い?ちゃんと結婚してくれる?」
「それ、ちょっと前まで俺の言ってたことだね」
「……形勢逆転だね」
 芽衣はうつむいた。
「芽衣、これからは思ったことを口に出してほしい。その方が楽だか
ら。そうだな、たとえば満月の夜にわけのわからないこと言ってわー
キャー騒いでくれていい。そういう馬鹿な女、嫌いじゃないんだ」
 啓は嬉しそうに言った。

 そのころ愛瑠もまた菊田の後輩に言っていた。
「あたしはね、無理に自分をかまってくれなくていいの。そうね、た
とえばそばにいることを忘れてしまうくらい何かに熱中していてほし
い、ビリヤードでもUFOキャッチャーでも」
 愛瑠もまたうれしそうに言った。

 諭吉は帰り道偶然海里を見かけて驚き声をかけた。話を聞くと海里
は今更旺次郎に顔向けできないと言って辛そうにドリンクの氷をボリ
ボリ噛み砕いた。
「僕も愛する人と親友を失ったんです」
 諭吉も大泣きした。

 芽衣は啓の気持ちが自分から離れていると知り、ショックだった。
あてもなく夜空を眺めていると、玲子の車が通りかかった。玲子は芽
衣を乗せた。
「冬空を1人で眺めるものではないわ」
 寂しすぎると玲子は言った。
「さっきまで啓と一緒にいたんです。でももうどうにかなっていくし
かないんじゃないかって……」
「2人でいるのに寂しいなんてね」
 玲子は静かに言った。

 啓は思った。消えてしまうと心にぽっかり穴があいてしまうほど、
誰か僕を思っていてほしい。誰でもいい、たった1人でもいいから、
そう思ってほしい。それが生きていることの証だから。

 そう、だから……ラブシャッフル、ゲームオーバー。

寸  評  すごくいい話だったというのですが、なぜか心にグッと迫るよう
なインパクトがなくて、ただ流し見してしまいました。愛の裏返しが
孤独というのは興味深い命題なのですが、なにぶん唐突に出てきた感
じで違和感を覚えるのです。終盤にきてこういうシリアスな展開にす
るのであれば、序盤からシリアスなストーリーにしておいた方が良か
ったのではないかと思います。今更ながらにコメディーにした意図は
どこにあるのだろうかと思いました。

執 筆 者 けん()

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2. 編集後記
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 野島伸司や北川悦吏子といった90年代のメインストリームだった脚本家の
ドラマがどうもピントがずれているというか、全盛期のころの面白さが色褪せ
たような気がしてなりません。野島伸司にコメディというのは相性の問題もあ
ると思いますが、無理もあると思います。前クールの『流星の絆』でクドカン
がシリアスなドラマにうまくコメディを融合させたのを見たせいか、いっそう
そんな感じを受けます。(けん)

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