メルマガ:日刊ドラマ速報
タイトル:Daily Drama Express 2009/01/28 キイナ (2)  2009/02/09


===================================================== 発行部数   26 ==
                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2008/01/28 (Wed) ☆☆
======================================================================

== 目次 ==============================================================
  1.水曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
======================================================================

----------------------------------------------------------------------
1. 水曜日の連続ドラマ
----------------------------------------------------------------------
タイトル キイナ〜不可能犯罪捜査官〜
局  名 日本テレビ系
放映日時 水曜22時
キャスト 春瀬キイナ(菅野美穂)
 山崎尊 (平岡祐太)
 工藤真一郎(塚地武雅)
 遠藤桜 (小池栄子)
 御手洗修司(草刈正雄)
 雅一馬 (沢村一樹)
脚  本 吉田智子
主題歌  『』

あらすじ  第二話 憑依された少女

 このドラマは真実から生まれた。

 中学生の深田雪乃(川島海荷)は自分の部屋で眠っていたが、何者
かに襲われて負傷する事件が発生。警察が捜査に入っている。
 雪乃の部屋の壁に、被害者・雪乃と両親の家族3人とは全く別の筆
跡で、『死ね』との文字が見つかった。

 そこに春瀬キイナ(菅野美穂)と山崎尊(平岡祐太)の別班も呼ば
れる。雪乃の母親・晃子(かとうかず子)が、おかしなことを言い出
したからだ。

 晃子は、雪乃を襲ったのは、人間ではないと言う。
 この家に越してから、ラップ音や皿やカップが棚から飛び出すなど、
ポルターガイストのような現象が起きていて、それに悩まされている
と言う。

 雪乃は、襲われたときのことを覚えていない。

 キイナは、雪乃の話を聞くために、尊と共に雪乃の部屋でお茶を飲
む。

 硬い表情の雪乃に、キイナがカップのハート模様、可愛いね。
88個ある。『8』が二つで、末広がりが二つだからとてもおめでた
い、と言う。
 脱線するキイナを止める尊。

 すると突然、テーブルの上の、ソーサーとその上のカップが小刻み
に揺れ始める。

 やがてソーサーとカップは動きだし、テーブルの端に達すると、落
ちて割れる。


 捜査本部では、現場検証の結果、外部から人が侵入した痕跡はない。
父親か母親が襲ったか、自傷行為だろうと議論する。
 だが、自傷行為にしては、ためらい傷が無い。それに、男の力で押
さえつけられたような痕がある。

 キイナは、物が音を立てて動くのは、ポルターガイストではないか、
と言う。
 『お騒がせな幽霊』と言う意味、と尊が訳す。

 主任の津田明彦(金田明夫)が雪乃に護衛が必要ではないかと言い
出す。津田にも雪乃と同じくらいの年の娘がいるので、余計気になる
のだ。
 張り込みには、別班が適任と言うことになる。

 キイナはビデオカメラを用意し、就寝中の雪乃を撮影することにす
る。

 キイナは借りたビデオカメラの解説書を読み、撮影してみようとす
るが、何も映らない。
 尊が、レンズカバーを外す。
 キイナは、写った!と喜ぶ。

 桜があの時刻、地震は観測されていないと報告。


 寝ている雪子を映しているビデオ。
 モニターをチェックするキイナと尊。
 尊は、若い娘が、よく撮影を許可しましたねと言う。
 キイナは、それだけ怖いのだろう、と言う。

 キイナは、深田家の家族写真を見て、自分もこんな家庭を気付きた
いと言う。

 尊は、そのためには、まず、警視庁科学捜査研究所の工藤真一郎
(塚地武雅)の件を解決しないと、と言う。

 その時、突然部屋の中のものがガタガタと音を立てて揺れ始める。
 そして、モニターに映っていた雪乃が、ムックリと起き上がる。
 そして壁の『死ね』という文字を隠してある布を引きはがし、本棚
を倒し、部屋をメチャクチャにして、暴れ始める。

 キイナと尊が駆けつけ、ためるが雪乃を止めようとするが、投げ飛
ばされる。

 雪乃の両親もやってくる。

 雪乃は突然、自分の名は『サトシ』と男のような声で言い出す。

 サトシというのは、8年前に水死した雪乃の3歳年上の兄。

 雪乃は、『オレは殺された』と赤い文字で書かれたスケッチブック
を持っている。

 当時、桟橋で雪乃と遊んでいたサトシは、誤って湖に転落。晃子が
駆けつけたが、サトシは心肺停止状態になっていたらしい。
 晃子が警察に通報したが、怪しいところはなかった。ただ、当時か
ら不自然だと思われる点はあった。

 でも、なぜサトシは晃子に、殺されたと訴えようとしていたのか。

 キイナは、あの家にはサトシのものが何もない。サトシが写った写
真さえも飾られていないのはなぜか、と言う。


 一課長の雅一馬(沢村一樹)は、サトシの水死事件を津田に調べさ
せる。キイナと尊には、雪乃の晋平警護を命じる。


 雪乃と一緒に深田家にいるキイナと尊。
 ポルターガイストが起こる。今度のは大きい。
 そのうち、廊下の天井板まで外れる。
 廊下の天井の上に現れた空間は、屋根裏の物置。

 その物置に上がると、そこはサトシのもので一杯。
 あの日、桟橋の上で、雪乃とサトシが並んだところを写した写真も
あった。

 それを見た雪乃は、突然、サトシを殺したのは自分だと言い出し、
狂ったようになる。


 津田が、サトシの『事故死』について調べてきたことを話す。
 晃子は、このことについて、多くのことを語らない。だが、雪乃が
犯行を認めたと知ると、本当のことを語る。

 あの日、桟橋で、雪乃は湖に帽子を落とし、サトシはそれを拾おう
として、湖に落ち、溺死したる
 それ以来、雪乃の心を乱すことがないように、サトシのものはすべ
て片付けた、と言う。

 では、なぜあの時、サトシが憑依した雪乃は、晃子を指さしたのか?
−−いや、本当に指さしたのは、鏡に映った、雪乃自身だったのだ。
 サトシが亡くなったのは事故なのに、なぜあの家では、ポルターガ
イストが起こり、サトシは雪乃に憑依するのか。
 謎はまだ何も解明されていない。

 雪乃はキイナたちに、自分は寝ている間、暴れたのか、聞く。
 キイナは、何もなかったよ、と優しい嘘をつく。

 気がつくと、雪乃が行方不明になっていた。


 警視庁に戻ってきたとき、キイナの服に、『ゆ』というひらがなが
書かれたシールが貼り付いていた。
 あの物置で貼り付いたのだ。

 自席で、家が揺れるとはどういうことかを考え込むキイナ。

 1996年 神戸の区民センターで、毎週同じ時間帯に、地震のよ
うに揺れるという騒ぎがあったが、その原因は、近くのエアロビ教室
だった、と遠藤桜(小池栄子)。

 鉄筋のビルが揺れるなんて、と驚く尊。


 振動や低周波による共振現象。物体はそれぞれ固有の振動周期を持
っていて、離れた物体同士が共振する。
 真一郎は、コンロの上にヤカンを載せ、水を沸騰させる。すると机
の上の離れた場所に置かれたビーカーの中の水面が、独りでに揺れ始
める。
 特に低周波は我々の耳には聞こえないけれども、身の回りの至る所
で発生している、と真一郎。


 キイナは、尊に手伝って貰って、図書室で大量の本を集めると、す
ごい早さで読み始める。

 そして、「わかった」と言って、パタンと本を閉じると、机に突っ
伏して寝てしまう。
 「また寝ちゃったよ」とつぶやく尊。


 キイナが捜査一課の課員達を前に、講義をする。

 ポルターガイストは15世紀には、世界中で知られていた。
 日本でも、1976年 立川のアパート。
 2000年 岐阜のマンションでも。
 その多くが共振現象であり、原因が解明されている。

 深田家で物が動いたり、地震のように揺れたりするのは、深田家か
ら100メートルの所にあるパルプ工場が原因。パルプ工場で発生す
る低周波と、深田邸の建材が共振現象を起こしたのだ。共振現象は、
物を動かしたり、窓枠をガタガタと鳴らすほどの力がある。

 ラップ音。
 冷暖房のために建材が伸び縮みする時に立てた音。特に深田邸は新
築のため、頻繁に音がしたのだ。
 管理官・御手洗修司(草刈正雄)が、自分の家も新築だから、音が
すごくて、とわざとらしい自慢をする。

 カンカンと音がする件については、『ウォーター・ハンマー』とし
て、よく知られている。
 急激に水圧を変化させる器具が増えたことにより、水道管が立てて
いた音だった。

 憑依。
 頭部に受けた損傷や、薬物中毒などで起こることも多い。
 でも、雪乃の場合は、人格後退。母親が幽霊の話をしているのを聞
いてしまった雪乃は、サトシが死んだのは自分のせいだという自責の
念と相まって、別の人格を生み出してしまったのだ。

 では、尊を突き飛ばしたあの力は?
 人間は、通常100%の力は出していない。100%の力を出した
ら筋肉が断絶してしまうから、脳がブレーキを掛けているのだ。
 だが、女性でも全力を出せば、片腕で50キロのものを持ち上げら
れる。
 「俗に言う、火事場の馬鹿力だな」と合いの手を入れる御手洗。
 雪乃はサトシの人格になったとき、脳のストッパーが無くなったた
め、全力を出したのだ。

 これで全部解明できた。あの家に、幽霊はいない。雪乃も憑依され
ていない。
 尊は、これで雪乃を救えたと喜ぶ。

 だが、そこで雅の冷たい声が聞こえる。雪乃がサトシから恨まれて
いるという気持ちは消えない、という。

 みんな、憑き物が落ちたように部屋を出て行く。
 最後に残った御手洗は、「すばらしい講義だった」とキイナに言う。

 キイナは、どうやったら雪乃を助けられるかと考える。
 尊は、自分たちは教師でも、カウンセラーでもない。ただの警察だ。
雪乃を助けられなくても仕方ない、と言う。

 キイナは、雪乃に助けると約束した。だから絶対助けなければなら
ないという。

 尊は、棚にぶつかって、さいころ型の木を置いて日付を現す置物に
ぶつかり、さいころを落としてしまう。
 それを慌てて直している尊を見ていたキイナは、「シール!」と思
い出す。

 走り出すキイナ。
 慌ててついていく尊。


 深田家に着いたキイナは、晃子にもう一度、屋根裏の物置を見せて
欲しいと頼み、見せて貰う。

 物置に集められた雪乃と両親。

 キイナはこの家で起きたことはすべて解明できた。でも、雪乃は今
でもサトシが自分を恨んでいると思っているのだろう、と言う。
 頷く雪乃。

 キイナは、サトシの本当の気持ちはわからない。でも、それは本の
ページの端に描かれたパラパラ漫画を見ればわかるかもしれない、と
言う。

 キイナは、自分の服に『ゆ』というシールが着いていたのに気付い
た。
 キイナは、物置に同じようなシールの付いた本が、全部で14冊あ
ることを思い出した。
 それを並べると、次の文ができる。
 『ゆきのとさとしのだいぼうけん』

 その順に本をパラパラとめくっていくと、晃子のお腹の中で雪乃が
大きくなり、やがて雪乃が生まれ、誕生日を祝っている雪乃とサトシ。
誕生日を祝い、2人で手をつないでいろいろ遊ぶ。

 こうやって絵を描いて、サトシは雪乃の成長を祝っていた。
 最後のページには、『ゆきのだいすき』と書かれている。

 こんなサトシが、雪乃を恨んでいるはずが無い。雪乃もまた、サト
シが好きだったのだろう。今もサトシは雪乃を愛している。それがた
だ一つの真実だという。

 「ありがとう、お兄ちゃん」と言うと、本を抱きしめて涙ぐむ雪乃。


 雪乃からのお礼の手紙が、キイナに届く。
 「これも、一つの事件解決ですよね」と、少し嬉しそうに言う尊。

 お弁当を買いに行こうとしたキイナは、雅とすれ違うと、お礼を言
う。

 訳の分からない雅。


寸  評  共振現象って、『ガリレオ』でもやってましたよね。ストーリー
の完成度としては、『ガリレオ』の方が高かったと思います。
 それは怪異現象を詰め込みすぎたこととともに、事件を解決するナ
ビゲーターのキイナが、湯川に比べて、説得力が足らない造形だから
だと思います。
 キイナの能力は、本の速読のようです。でも、それは桜の解説によ
ると、字や絵をスキャンしていくこと。
 だけれども、スキャンすることと、理解して事件を解決することは
別だと思うのです。
 確かに、湯川には得意分野が物理現象という限界があり、それに対
してキイナは、前回の生物学、医学などでも、文献に当たれれば解決
可能という強みがあるかもしれませんが、その造形が生かし切れてい
ません。

 あと、キイナのポーズと表情、『働きマン』のポーズを片手にした
だけのように感じます。もっと別の決めポーズを作れなかったのでし
ょうか。

執 筆 者 鈴木(drama_sumire@yahoo.co.jp)

----------------------------------------------------------------------
2. 編集後記
----------------------------------------------------------------------
 ガリレオシリーズの最新刊、『聖女の救済』と『ガリレオの苦悩』を友達か
ら借りて、読みました。
 ドラマが始まる前の『ガリレオ』と『予知夢』、『容疑者Xの献身』などと
比べて、明らかにドラマの影響が見られました。
 ドラマより草なぎ刑事の出番は多いですが、刑事としてのメインが内海に移
っていました。
 それと、湯川のモデルは、作者によると、元々は佐野史郎だったそうなので
すが、新作では、福山雅治に変わっていますね。台詞についても、福山のガリ
レオに影響されているように思えました。
 こんなことも、あるんですね。(鈴木)

======================================================================
発行元:ドラマ研究会
e-mail:info@j-drama.tv
url   :http://www.j-drama.tv/
ID  :MM3E195F16414CD 
このメールマガジンは、メールマガジン[MailuX]を利用して発行しています。
(http://www.mailux.com/)
======================================================================

ブラウザの閉じるボタンで閉じてください。