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タイトル:Daily Drama Express 2009/01/30 ラブシャッフル (3)  2009/02/04


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2009/01/30 (Fri) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.金曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 金曜日の連続ドラマ
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タイトル ラブシャッフル
局  名 TBS系
放映日時 金曜22時
キャスト 宇佐美啓(玉木 宏)
 逢沢愛瑠(香里奈)
 世良旺次郎(松田翔太)
 大石諭吉(DAIGO)
 早川海里(吉高由里子)
 上条玲子(小島 聖)
  香川芽衣(貫地谷しほり)
 菊田正人(谷原章介)
脚  本 野島伸司
主題歌  アース・ウインド&ファイアー「FANTASY」

あらすじ 第3話「愛情なのか友情なのか」

 恋人同士を交換する奇妙な恋愛ゲーム、ラブシャッフルが始まって
1週間が経ち、パートナーを交代して2週目が始まろうとしていた。

 啓(玉木宏)は愛瑠(香里奈)に玲子(小島聖)とのことは記憶に
なくて一晩の過ちみたいなものだから芽衣(貫地谷しほり)には絶対
黙っていてほしいと哀れっぽく言った。が、愛瑠は軽蔑しきった視線
を送るだけで相手にしてくれない。菊田(谷原章介)も旺次郎(松田
翔太)も同じだ。
「別に情報交換は自由だよ」
 菊田は他人事のように言った。啓は途方に暮れた。

 2週目の組み合わせはこうなった。

 啓と海里(吉高由里子)、菊田と愛瑠、旺次郎と芽衣、そして諭吉
(DAIGO)と玲子。

 啓は海里のアトリエに行った。
「君専用のアトリエか。英才教育だね、うらやましい」
 啓は絵を見ながらそう言った。俺のような二流とは違う環境がある。
「絵を描くこと以外は禁止よ、それでもうらやましい?」
 海里はいつものように生気のない声だった。
「禁止?だったらラブシャッフルなんて……」
 こんなゲームしていていいのかと啓は思った。
「殺されちゃう……」
 海里がボソッと言った。
「きみは誰だね?」
 啓が驚いて振り向くと父親が立っていた。海里は絵のモデルだと父
親に説明した。

 諭吉が玲子に連れてこられたのは、蕎麦屋だったので、肩透かしを
食らった心地だった。
「あの、焼き肉とか、すっぽんとかじゃ……」
 諭吉は恐る恐る聞いた。
「なんで?カロリー高いでしょ」
 どうやら玲子は自分に興味がないらしい。諭吉はしょげてしまった。
「あ、あの、僕、マッサージ得意ですけど」
と言ってみたが、玲子は「それが?」という冷たい反応しか返さない。

「なんかあたし安くあげられちゃってるわねー」
 菊田に連れてこられたのは焼き鳥を扱う居酒屋だった。
「君はこういうところが好きかと思ったんだけど」
「まあね」
 確かに愛瑠は1人で焼肉を食べに行くのも平気だし、男っぽい性格
だと自覚していた。愛瑠はビールジョッキを持ち上げるとぐいっと飲
みほした。
「ここはインターン時代によく来た店なんだ」
「当時の彼女と?」
「うん、よくあれこれ議論したなあ」
「相手も医大生だったの?なんか難しそうね」
「エロスとタナトゥス」
 不意に菊田が言った。なんのこと?と愛瑠は首をかしげた。菊田に
よれば人間の本性にはエロスとタナトゥスの2タイプがあるという。
エロスは人間の生への本能、一方タナトゥスは死への欲求だと。
「そんな欲求があるの?」
「ああ。無機質なものへと戻りたいと思う欲求。永遠の静寂を求める。
大多数の人間はエロスに導かれている。だからタナトゥスに魅かれる
人間の心を理解できない」
「なるほど。それであの子を入れたのね」
 愛瑠はすぐぴんときた。
「ばれた?」
 菊田はちょっと意外そうに愛瑠を見た。

 旺次郎は愛瑠同様、芽衣をスタジオに連れて来た。
「すごい、あたしじゃないみたい」
 鏡に映し出された芽衣は信じられない表情をしていた。
「小悪魔メイクってやつ」
 目元を黒っぽくしてインパクトを持たせている。
「実際君は彼を振り回している」
 旺次郎は芽衣の耳元で囁いた。
「そうね……」
 芽衣は否定しなかった。

 旺次郎はさっそく写真を撮り始めた。
「初恋はいつ?」
「えーっと、いつだろう?」
「ほら、即答」
「じゃあ高2」
「相手は宇佐美啓?」
「イエス」
「彼のどこが好き?」
「キラキラしているところ」
「いまはしてない?」
「……」
 芽衣から笑顔が消えた。
「だから婚約を解消する」
「……」
「笑顔で答えて」
 芽衣はつらそうに下を向いた。
「ごめんごめん、質問を変えよう」
 さすがに旺次郎もやりすぎたと思った。芽衣は顔をあげた。
「続けて」
 旺次郎はおやっと思った。
「じゃあ、君の親に会って彼は変った?」
「ええ」
「欲が出たんだ」
「それは仕方ないことだと思う。啓のせいじゃない」
「彼は今の暮らしに執着し、君を見てくれてない」
「そうじゃない。啓はあたしのことを大事にしてくれている」
「じゃあ問題は何?もとのキラキラを取り戻せ?」
「……」
「会社を辞めてほしい」
「……違う」
 旺次郎は核心をついたとみて、芽衣に近寄って行った。
「違わない!君は会社を辞めてほしい。ありのままの君を見てほしい」
「そうじゃない!」
「何がそうじゃないんだ」
「もしそう言ったら、啓はやめてくれる」
「それはどうかな?今更2流には戻れない」
「ううん、わかる。啓はそうしてくれる」
「ならなぜ話さない」
「啓が苦しむから」
「そうだろう。貧乏暮らしはしたくない」
「違うの。啓はあたしが貧乏な暮らしをするのを苦しむ」
「実際君は貧乏に耐えられない」
「耐えられる。だけど啓はそう思ってない」
 芽衣は必死になって答えていた。
「それが君にとって耐えられない」
 そう言われると、芽衣はひざから崩れ落ちてしまった。
「あたし、啓が苦しんでいるのを見ているのがつらい。だからあたし
もきっと苦しむ。啓はキラキラしてないとだめなの。いっぱい我慢し
ているのは似合わない。そしてあたしはキラキラしている啓を見てい
るのが幸せだから」
「それならどのみち2人に未来はない」
「そうでしょう……」
「なのに君はシャッフルに参加している。まだ彼の近くにいようとし
ている」
「だって、だって大好きなんだもの」
「笑顔でもう一度」
「啓が大好きなの」
 芽衣は笑顔を作った。無理やりだった。芽衣の目からは涙があふれ
ていた。

 翌日、啓は披露宴の招待客リストを芽衣の兄である会社の常務から
見せられた。経団連の会長や現職の大臣の名がずらりと並ぶ。場所は
ホテルニューオータニの鳳凰の間だという。

「こんなお偉い人ばかり。俺なんか会ったこともない」
 啓は思わず弱音を吐いた。向き合う先には芽衣がいる。披露宴のこ
とを知って芽衣に話そうと喫茶店に呼び出したのだ。
「らしくないな、啓はプレッシャーに強かったのに」
 芽衣は静かに答えた。
「そうだけど……。それよりそれどうしたの?」
 啓は芽衣の小悪魔メイクが気になった。
「嫌い?」
「いや、なんか芽衣っぽくないっていうか」
 正直芽衣には似合ってないと啓は思った。
「こういうのが本当のあたしなの。今までいい子していただけなのよ。
それがわかったの。ううんわからせてもらったの、世良さんに」
「旺次郎?」
「なんかどきどきしちゃった。自分が解放されるっていうか、ふわふ
わしてるっていうか」
 おれと一緒のときはそうじゃないのか、啓はショックだった。だが
芽衣はにっこりして言った。
「あたし、世良さんと寝たの」
「えっ?ウ、ウソだろ」
 芽衣は首を振った。
「それほど自己嫌悪がないの。内緒にもできたけど、あたしたちいい
人間のふりでいたのかも。いいきっかけじゃないかしら」
「う、うそだ!」
 啓は信じられなかった。
「うそじゃないのよ、ジョー。使い方違うかしら」
 芽衣はにこにこしているばかりだった。啓はたまらなくなって店を
飛び出した。

 その晩、啓は、いつものように菊田や愛瑠とエレベーター前の広間
でパジャマパーティをしていた。そこへ旺次郎が帰って来た。
「なあ、旺次郎」
 啓はそう言って、やめた。芽衣の言ったことは気になるが、旺次郎
はそんな奴じゃないと思いたかった。
「なに、どうしたのよ」
「いや、その芽衣が言うんだよ。旺次郎と寝たって。でもあいつ天然
なところがあるから」
「まさか、いやねえ」
 愛瑠や菊田も笑って取り合わなかった。
「まいったねえ、もうばれたのか」
「えっ?」
「一晩の過ちだって」
「旺次郎うそでしょ、やめてよ」
 愛瑠が言った。
「いや、相手が言っているのに失礼だろ」
 その瞬間、啓は旺次郎を殴りつけた。
「なんだよ」
 旺次郎はにらみ返した。
「会って間もないけど、俺は、俺はお前がそんな奴じゃないって思お
うとしてたんだ」
「なんだよ、動揺しやがって。それだから嫌気がさされるんじゃねえ
のかよ」
「なんだと!」
 啓はまた旺次郎を殴りつけようとして、菊田に押さえつけられた。
「もうひとつ言っといてやるよ。彼女、俺とのベッドの方がいいって
さ」
「やめなよ!」
 いいかがんしろとばかりに愛瑠がどなった。
「あんた、あたしが出会った中でも最低ランキング1位だよ」
 菊田も旺次郎をかばおうとはしなかった。
「なんだよ、みんなそっちかよ」
 旺次郎は吐き捨てるように言って自分の部屋に入ってしまった。

 次の日愛瑠は名を呼び出した。芽衣は嘘だとすぐ認めた。
「ごめんなさい。でもこんなことになるなんて」
 芽衣は旺次郎が否定して終わると思っていたのだ。
「そうとも言い切れないわよ。疑いの根とか残るものだし。でも旺次
郎、なんでうそついたんだろ」
とはいえ、ウソと分かって愛瑠はほっとした。
「じゃ、帰る。早く教えてやらないと」
「待って」
 芽衣はそれを止めようとした。
「あのね、嫌われようとして言ったのかもしれないけど、今の彼には
きつすぎる。それに芽衣にはそのメイク似合ってないよ」
 芽衣の小悪魔メイクを見て愛瑠はそう言い、帰って行った。愛瑠に
言われたことは正しかった。芽衣は自分が間違っていたと思い、近く
の水道場でメイクを洗い流した。

 啓は海里を遊園地へ連れて行った。ジェットコースター、メリーゴ
ーランド、ゴーカート、啓は楽しそうにふるまってみせた。海里は嫌
とは言わず一緒に付き合ってくれてはいたが、相変わらず無気力な表
情をしていて、何もしゃべろうとしなかった。

 菊田と愛瑠は墓地にやって来た。菊田が自分の彼女に会いに行くと
言ったが、愛瑠についてきてもいいと言ったので、愛瑠は同行した。
だがそれが墓地なんて。
「菊りん?」
 菊田の真意がわからない。
「今日は彼女の命日なんだ」
 日が暮れかかっていた。菊田は先方の両親に会わないように遅い時
間に来ているのだという。
「彼女、患者の一人なのに気にかけているのはこういうこと?」
 菊田がなぜ海里の世話を焼くのか、愛瑠はわかった気がした。
「ばれた?」
「菊りんの彼女、自殺したのね……」
 菊田は静かにうなづいた。
「理由がわからなかった。なぜ彼女が死を選んだのか。理由が知りた
い。それができれば少しは納得できると思う。でも全然わからないん
だ」
「すごく愛し合っていたのね」
「彼女は僕より死神を選んだ」
「殺してやりたいね、死神が殺せるなら」
 菊田はため息交じりに答えた。だが、愛瑠はそういう意味で言って
はなかった。
「そうじゃないよ。彼女は菊りんをずっと縛り付けている。忘れなよ。
自分の幸せ見つけようよ」
 菊田はさびしそうに笑った。
「そういうのやめて!」
 愛瑠は泣きそうになった。
「あたしじゃ、だめ?」
「アイアイ……君はいつもそうやって同情して恋愛を始めてたのだろ
う。愛情と同情は同じように温かいが赤と青のように違うんだ」
「……」
「ちゃんと見つけるんだ。ピースがパチリと合う相手を」
「いないわよ」
「死んだお兄さんを言い訳にするのはやめなさい」
 菊田はやさしく拒んだ。

 諭吉と玲子はしゃぶしゃぶの店に入った。
「これだと脂が落ちるから精が……」
 諭吉はおどおどと言ってみた。
「まだそんなこと言っているの?」
 冷たく返されて、諭吉はシュンとなった。
「会ってもらえるだけでもありがたいのに」
 ふと諭吉は曇った眼鏡を拭こうとした。すると玲子が言った。
「あなた、コンタクトの方が絶対いいわ」
「は、はぁ」
「料理を下げましょう。すき焼きに変更よ。生卵たっぷりかけてね」
「は、はい!」
 諭吉のテンションが上がった。

 そのころ、啓はUFOキャッチャーと格闘していた。海里が目のと
ころがほつれた不良品の垂れパンダをほしがったのだ。
「こういうのは得意だ、任せとけ」
とは言ったものの、アームがゆるくてなかなか取れない。
「取れないの、つまらない……」
 海里がつぶやいた。
 これはまずいと啓は思い、次から次へとお金を投入していいたが、
うまくいかない。現金が尽きて、愛瑠に電話して呼び出した。
「こんなことのためにあたしを呼んだの?」
 愛瑠はカッとなった。啓は10万円つぎ込んだという。
「でも彼女が欲しいっていうから」
 海里はじっとパンダを見つめている。
 そう言われて、愛瑠も納得した。そこへ見かねた店員が来て、もう
差し上げますからとショーケースからパンダを取り出した。だが愛瑠
は言った。
「戻して。自分で取らなくてどうするのよ!」
「……」
「パンダを芽衣だと思ってやりなさい!」
「あ、ああ!」
 啓の闘志に火がついた。こうなってくると啓の集中力はすさまじい。
取れなくても取れなくてもあきらめない。そしてさらに6万円あまり
つぎ込んだとき、ようやくパンダがアームにかかった。
「おーっ!」
 いつの間にか集まったギャラリーから大声援が沸き起こった。啓は
パンダを取ると海里に渡した。海里はそれを大事そうにギュッと抱き
しめた。

 旺次郎は芽衣に写真を渡した。
「メイク落としたね。その方が似合っているね」
「アイアイにも似合ってないって」
「正直俺も」
「ヒドイ」
「まあ思い出の1枚ということで」
 芽衣は旺次郎の顎のけがを見た。啓に殴られた跡だ。
「顎まだ痛い?」
「ん?あぁ、あの優男結構いいパンチしてたな」
「どうしてうそついたの?」
「うーん、君が謙虚に見えたから。金持ちなのにわがままじゃない。
そんな子が振り絞ってついたうそなら乗ってやろうってね」
「でもあたしはずるいのよ」
「心は痛んだでしょ」
「えっ?」
「宇佐タンにうそついたとき、死にたいくらい痛んだでしょ。迷って
いても後悔はしないようにな」
「……ひどい女じゃないかな」
「ぜんぜん、宇佐タンは幸せだよ。そんなに好かれて」
「何もしてないのに打たれて災難だったね」
「まあいいよ」
 旺次郎は気にしてなかった。が、そのとき芽衣はすっと近寄るとそ
っと旺次郎に口づけして、走り去った。
「……ラブレターを押しつけてパタパタパタと去っていく女の子、か」
 旺次郎はそんな風に思った。

 帰り道、芽衣が言ったことが嘘だと知って、啓は上機嫌だった。マ
ンションに戻ると旺次郎に対して謝った。
「イタタタ」
 旺次郎はいたずらっぽく笑った。がすぐ付け加えた。
「でも今日キスはしたぜ」
「うそだろ?」
「まあまあいいじゃない、キスぐらい」
 啓は納得しているわけではなかったが、愛瑠に押されて渋々受け入
れた。

 こうして2週目が終わった。来週は1巡目最後。啓の相手は愛瑠だ。


寸  評  芽衣の気持ちや、菊田の意図が徐々に明らかになって来てますし、
話としてもなかなか面白いと思います。ただ、なんというか、核心部
分に触れそうで触れられないというようなもどかしさみたいなものが
個人的に残っています。シリアスなことを言っている中で、コメディ
部分混じるとがそういうのを曇らせてしまっているというか、茶化し
てごまかしているというかそんな気がします。コメディ部分は諭吉の
シーンだけでも十分じゃないかなと思ったりします。

執 筆 者 けん()

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2. 編集後記
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 近年は情報漏えいに対する意識の高まりがあるので、ID、パスワードの数
が増える一方です。ネットバンキングなどは、1つのIDでも2,3種類のパ
スワードを持っていたりして、面倒になっています。またあまり使わないID
はパスワードを忘れてしまってこれまた大変です。他区の図書館に借りたい本
があってインターネットで予約しようとしたのですが、パスワードがまったく
一致せず、結局直接借りに行ったりもしました。ちゃんと管理しないといけな
いと思うこのごろです。(けん)

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発行元:ドラマ研究会
e-mail:info@j-drama.tv
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