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タイトル:Daily Drama Express 2008/12/01 イノセント・ラブ (7)  2008/12/25


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2008/12/01 (Mon) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.月曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 月曜日の連続ドラマ
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タイトル イノセント・ラブ
局  名 フジテレビ系
放映日時 月曜21時
キャスト 秋山佳音(堀北真希)
 長崎殉也(北川悠二)
 桜井美月(香椎由宇)
 秋山耀司(福士誠治)
 瀬川昴 (成宮寛貴)
 浅野聖花(内田有紀)
 義道神父(内藤剛志)
 池田次郎(豊原功補)
主題歌
脚  本 浅野妙子
主題歌   宇多田ヒカル『Eternally - Drama Mix -』

あらすじ 第7話「動き出す」

 意識が回復した聖花(きよか)(内田有紀)を殉也(北川悠仁)は
主治医のところへと連れて行った。
「いやあ、医学的に説明不能なことがおきています」
 主治医は驚きを隠さなかった。
「ただ、3年間ずっと意識がなかったのですから、多少脳に障害があ
ることは考えられます」
「はい。でもリハビリがんばります」
 殉也は力強く言った。
「希望を持ってがんばりましょう」
 主治医の言葉は殉也の心境そのものだった。
「何でも言ってくださいね。私精一杯お手伝いしますから」
 佳音(かのん)(堀北真希)は笑顔で言った。

 意識が回復したとはいえ、聖花は言葉を話すことはできず、表情も
依然として無表情だった。
「聖花、佳音ちゃんが持ってきてくれたカサブランカだよ」
 殉也が花瓶に生けたカサブランカを聖花の前に置いた。車椅子の聖
花はそれをじっと見ていたが、やがて手を伸ばした。殉也も佳音も自
分たちの思っていることが通じていると思って笑顔になった。
 だが聖花は花びらを1枚1枚ちぎりとり始めた。
「き、聖花、あっち行こうか」
 こわばった佳音の表情を見て、殉也は奥へと車椅子を移動させた。
それでも「聖花はこれからどんどんよくなるよ」と昴(すばる)(成
宮寛貴)に電話する殉也の言葉は明るかった。

 聖花の意識回復は昴や美月(香椎由宇)、そして佳音にも変化を起
こした。殉也の話を聞いて昴は戸惑いを隠さなかった。殉也が会いに
来いよと言ってもあいまいな返事しかできなかった。美月は「おめで
とう」と言ったものの内心喜べなかった。佳音と言えば、殉也に協力
しようとするものの、殉也は聖花しか目に入らない状態で、寂しさを
覚えずにいられなかった。

 居辛くなった佳音は自分のアパートに戻ったが、大家さんは勝手に
次の入居者と契約してしまい、佳音の荷物はすべてゴミ捨て場に置か
れていた。

 佳音は必要最低限の荷物だけ取り出したものの、行くあてもなく途
方にくれてしまい、結局殉也のところへ戻ることになった。殉也がそ
うしてほしいと言ったのだ。
「聖花さんが目覚めたし、あたしがいる必要ないと思います」
「なに言ってんの、佳音ちゃんがいてくれて本当に助かってるんだか
ら。佳音ちゃんが祈ってくれたからだよ。さ、帰ろう」
 殉也は半ば強引な言いように、佳音は困惑を隠せなかった。

 殉也は聖花に昔2人で撮った写真を見せて聞かせた。しかし聖花は
関心を示さなかった。しかし昴と3人で写った写真を見せたとき、聖
花は指で昴を指した。殉也が聖花を見ると、聖花は微笑んでいた。
「そ、そうだよ、昴だよ」
 殉也はうれしそうに言ったが、そばでアイロンをかけていた佳音は
何か不自然な気がした。

 次の日佳音は聖花が指差した3人の写真が半分にちぎられているの
を見つけた。昴の部分だけが切り取られているのだ。

 それからと言うものの聖花の様子が変わった。殉也がスープを飲ま
せようとするとそれを叩いて拒んだ。そして窓の外をじっと見つめた。
殉也がその様子に心を痛めているのが佳音にはよくわかった。

 次の日、佳音は偶然昴と会った。
「昴さんは聖花さんに会わないんですか。言葉はでないけどすっごく
よくなっているんです」
「そうか、それは残念だったね」
「そんな、あたしは」
「無理するなよ」
 昴は佳音を制した。佳音の本心はわかっている。それと同じような
感情を自分も持っていることを昴は自覚している。
「実を言うと俺はそんなにうれしくない」
 佳音は昴がなぜそう言うのかわからず戸惑った。

 佳音は昴と一緒に殉也が勤めるピアノバーへ行った。すると中から
殉也の声がする。昴は足を止めたが、佳音が後ろにいるので、中に入
った。

 なにには予想通り殉也と聖花がいた。殉也はにこにこ顔で店長に聖
花を紹介していたところだった。
「聖花、昴だよ」
 殉也が語りかけた。すると聖花は急に目を潤ませた。
「す……ばる」
 かすれた声で聖花は言葉を発した。
 殉也は驚いた。しかも聖花は自分の力で立ち上がり、よろよろと昴
に近寄ったかと思うと抱きついた。
「よかったじゃないか。ずいぶん回復して」
 昴は努めて冷静だった。ぽんぽんと聖花の肩を叩くと車椅子に戻そ
うとした。けれど聖花は昴から離れようとしない。やっとのことで昴
が離すと、まるで捨てられた猫のような目で昴を見つめた。その間殉
也は驚きで何一つ言葉が出なかった。

 自宅に帰って聖花の着替えをさせようと殉也はしたが、聖花は頑な
に拒んだ。
「だめだよ、この服は汚れているから」
 と殉也が言っても聞かない。おびえた様な目つきで殉也を見るだけ
だった。
「聖花に怒鳴っちゃった。自分で自分がいやになる」
 ちょうど入ってきた佳音に殉也は力なく言った。ショックがありあ
りだった。
「後は私がやりますから」
 佳音が言った。
「じゃ、僕はあっちに行ってるから」
 殉也は肩を落として出て行った。

 佳音は聖花の着替えをさせた。すると写真の切れ端が落ちた。昴の
部分だった。驚いた佳音は慌ててそれを自分のポケットにしまった。

 その夜、リビングでがさがさと物音がした。驚いた殉也と佳音がお
きてくると、聖花が昴の写真の切れ端をじっと眺めていた。聖花は写
真がないことに気づいてパニックになり、リビングを探し回っていた
のだ。
「ど、どうしちゃったんだろうな」
 殉也は動揺を隠そうと、散らかったリビングを掃除し始めた。
「それ、あたしなんです。笑っている写真が好きで思わず取っちゃっ
たんです」
 佳音はそうとでも言うしかなかった。
「そうか」
 殉也は屈託のない笑顔を浮かべた。

 だが、事件は続いた。今度は聖花が失踪したのだ。殉也は事故にで
もあったらとひどく心配した。聖花はすぐに見つかった。連絡してき
たのは昴だった。今自分のところにいると。聖花は昴のアパートにや
ってきて、ずっとドアを叩いていたという。昴が帰ってきてそれを見
つけたのだ。無事なのはよかったけれど、昴の家までの道を思い出し
たのか、それとも覚えていたのか……殉也はある疑念が確信に変わる
のを感じた。

 佳音と殉也は聖花を迎えに行った。
「聖花、うちに帰ろう」
 殉也は聖花の手をとったが、聖花はやはり拒んだ。
「お前が一生懸命リハビリするから、ちょっと逃げ出したくなったん
だよ」
 打ちひしがれた表情の殉也に昴はそうフォローした。
「そうなのかな?もしかしたら聖花はずっと俺から逃げたかったんじ
ゃないかな?」
「何言ってんだよ」
「やっぱりあれは自殺だったんじゃ」
「そんなことない!」
 昴はいちいち否定した。だが殉也は言った。
「昴、友達なら正直に言ってくれ。今の聖花は子供と同じだから、気
持ちを隠すことができない。聖花はお前が好きなんじゃないか?そう
考えるとすべてが腑に落ちるんだ」
「思い違いだ。それならプロポーズ受けないだろ」
「それは思いを断ち切るため」
 それを聞いて昴は一瞬言葉に詰まった。
「今日は帰れよ。タクシー呼んでやるから」
 昴はそう言った。殉也もそうしようとまた聖花の手を取った。だが、
聖花はやはり拒んだ。

 結局その晩は昴のアパートに泊まることにした。佳音は聖花との出
会いについて殉也に聞いた。殉也はもう隠そうとはしなかった。殉也
と昴、聖花は同じ大学だった。聖花は昴の友達で、その縁で知り合っ
た。きっかけは一目ぼれだった。殉也は初めて会った聖花に惹かれ、
その年のクリスマスイブに告白し付き合い始めた。

 昴はその話を聞いて喜んでいた。すると聖花が言った。
「今は、お試し期間中よ」
 付き合い始めていると思っていた殉也はいきなりそう言われて、シ
ョックだった。そのとき3人はとあるホテルのプールサイドにいた。
聖花は席を立つといきなり服を着たままプールに飛び込んで言った。
「パンツが脱げちゃった。このままじゃ上がれない。取ってくれた人
と、結婚してあげる」
 聖花は笑いながら言っていたが、一転真剣な表情に変わった。まじ
めな性格の殉也は即座に飛び込んで聖花に駆け寄り、抱き寄せた。

 またあるとき、殉也は聖花とデート中、聖花に風船が欲しいと言わ
れてもらってきた。
「風船がすきなの?」
「子供のころね、けどすぐ手を離してなくしちゃうの」
「大丈夫、僕が持ってるから」
 殉也は自分の思いを100%伝えたつもりだった。けれど今思うと、
聖花の視線は常に昴に向けられてたのだろう。すべては昴の気持ちを
引くために……。

 次の日、殉也は昴を探していて、部屋の中で昴宛の聖花の手紙を見
つけた。悪いと思いつつ、殉也は中身を読んだ。それは驚くべき内容
だったが、同時に今までの疑問がすべてはっきりするものだった。

 殉也は昴に別れを告げて帰った。車が出るまで聖花は寂しそうにず
っと昴のことを見つめていた
「昴、明日聖花の快気祝いやるから来てくれよ」
「考えとく」
 昴はうんとは言わなかった。
「絶対来いよ」
 殉也は屈託のない笑顔を見せた。
「わかった」
 昴は断ることができなくなってそう答えた。

 翌日夕方、昴は快気祝いへやってきた。貸切のクルーザーに乗り込
んだが、誰も来ていない。ふらっと甲板にのぼり景色を見ていると、
背後に気配が感じられた。振り返ると聖花がいた。聖花は恐る恐る近
づくと昴に抱きついた。昴は拒まなかった。やさしく聖花を抱きかか
え、頭をなでた。

「今頃聖花は喜んでるだろうな。聖花の喜ぶことを考えてきたのに、
ぜんぜん気づかなかった。ばかだよな」
 殉也は力なく笑った。佳音は黙ったままだった。
 殉也は昴に宛てた聖花の手紙の話をした。それは遺書だった。あの
とき聖花は昴に「抱いて」と言ったと言う。昴は聖花を抱いた。そし
て「さよなら」と言った。
「ばかだよな、そこまでしたならなんで一緒に逃げなかったんだよ」
 殉也は声を上げて泣いた。こらえようとしてもとまらない。佳音は
いたたまれなくなって殉也の背中に寄り添い、一緒に泣いた。

 そのころ池田は再び心療内科の医師のもとに現れた。
「先生は何も言わなくてもいいです。私は先生の反応が見れればいい
ですから」
 池田は一呼吸置いて言った。
「秋山佳音、彼女、父親から性的虐待を受けてましたね?」
 医師は何も言わなかった。だが池田はそれが事実であるとはっきり
と感じた。


寸  評  3年間献身的に看病してきた聖花の真意の前に絶望の淵に落とさ
れた殉也。それを分かち合おうとする佳音。感動的なシチュエーショ
ンですが、そういうのが伝わってきませんでした。殉也はこういう目
にあっても仕方ないんじゃないかなあと思えてしまいます。献身的と
いうより、独りよがりな看病生活に見えてしまうのです。看病生活の
中で、昴、美月、佳音などいろんな人を苦しめ、傷つけているのに、
本人はあまりにも無頓着で、昴や佳音の協力を受け入れ、美月の好意
も拒むところなくですから。殉也のキャラクター作りが失敗している
気がしました。
 また佳音の過去が明らかになってきましたが、長々と引っ張ってき
て性的虐待というのは、ちょっと物足りないです。逆に話の興を殺い
だ感がしました。

執 筆 者 けん()

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2. 編集後記
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 歯のクリーニングを受けてきました。歯科衛生士さんが歯を磨くのかと思っ
ていたら、クリーニングは痛みを伴いますと言われて驚きました。要は、磨く
のではなくて、歯垢を削り取るような作業で、ガリガリと歯を引っ掻き回され
た感じでした。おかげで口の中は血だらけになり、なおかつ、緩んでいたらし
い歯の詰め物が取れてしまうなどハプニングが多かったです。しかし歯槽膿漏
の予防のためですから、今後も年1回は受けたいと思っています。(けん)

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発行元:ドラマ研究会
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