メルマガ:日刊ドラマ速報
タイトル:Daily Drama Express 2008/11/17 イノセント・ラブ (5)  2008/11/25


===================================================== 発行部数   26 ==
                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2008/11/17 (Mon) ☆☆
======================================================================

== 目次 ==============================================================
  1.月曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
======================================================================

----------------------------------------------------------------------
1. 月曜日の連続ドラマ
----------------------------------------------------------------------
タイトル イノセント・ラブ
局  名 フジテレビ系
放映日時 月曜21時
キャスト 秋山佳音(堀北真希)
 長崎殉也(北川悠二)
 桜井美月(香椎由宇)
 秋山耀司(福士誠治)
 瀬川昴 (成宮寛貴)
 浅野聖花(内田有紀)
 義道神父(内藤剛志)
 池田次郎(豊原功補)
主題歌
脚  本 浅野妙子
主題歌   宇多田ヒカル『Eternally - Drama Mix -』

あらすじ 第5話「救いの手」

 耀司(福士誠治)はデータを消し終わると警備の目をかいくぐって
逃走した。

 佳音は殉也(北川悠仁)のピアノ喫茶に行けなかった。美月(香椎
由宇)の言葉が突き刺さる。彼の純粋できれいな世界をあなたに汚し
て欲しくない……。

 殉也は殉也で何も言わず姿を消した佳音に戸惑った。携帯にかけて
もつながらない。
「放っておいて欲しいんじゃない」
 昴(成宮寛貴)に相談したらそう言われた。昴はやけに他人事のよ
うな振りをしていて、殉也の言うことをそれ以上聞いてくれそうにな
かった。

 耀司が戻ってこないので、佳音は心配していた。そんなとき、いき
なり警察が耀司を訪ねてきた。
「兄が何かしたんですか?」
「雑誌記者の池田次郎さんを襲ったんですよ」
 警察の説明に佳音は驚いた。池田(豊原功補)はそれほど重傷でな
く、入院して加療中だという。

 耀司は工場の同僚のもとに逃げ込んだ。
「何やったの?」
「新聞見てないのか?」
 耀司は多くを語らなかった。同僚が新聞を見てみると、耀司が池田
を襲った記事が載っていた。

 佳音の元にはマスコミが押しかけ騒がしくなり、大家からは早く出
て行けと言われた。佳音は電話が鳴るたびに苦痛を覚え、耳を塞いで
怯えた。

 殉也がぼんやりしているのを見て、美月は佳音のことを気にしてい
ると察した。
「佳音ちゃんのことが気になるのね」
 美月は探りを入れた。
「うん、やっぱり警察に相談してみようかな」
 自分といるのに佳音のことばかり考えているのを知って美月は憎し
みを覚えた。
「そのうちわかるわよ。だってあの子のお兄さん犯罪者なんだもの。
新聞にも出てるでしょ」
 美月に言われて、殉也は新聞に目を通した。耀司の事件が載ってい
る。

 殉也は昴に佳音の住所を尋ねた。
「掃除の人なら他の人を探すよ」
 昴は取り合おうとしなかった。
「彼女、聖花の誕生日に来てくれたんだ」
 だから心配している?昴は思わず苦笑した。
「聖花のため、か」

 佳音は外に出られず、電話や戸を叩く音が恐くて耳を塞いでいた。
そこへまた戸を叩く音がした。佳音は殉也からもらったオルゴールで
かき消そうとした。
「佳音ちゃん、いるの?」
 殉也の声と知って、佳音は恐る恐る戸を開け、殉也を中に入れた。

「お兄さんのことどうして言ってくれなかったの?」
 殉也の口調は優しかった。それで佳音も拒むのをやめた。
「兄のことを言うとみんな離れていってしまうんです」
 佳音は殉也の顔を見ることができなかった。どんな顔をして聞いて
いるのだろう。彼もまた自分を見る目が変わってしまうのだろう
か……
「僕は、離れないよ」
 殉也は静かに言った。佳音は振り向いて殉也の顔を見た。殉也は穏
やかな表情をしていた。嘘を言っているような目ではなかった。
「僕にはわかるから。誰かを背負ってどんどん独りぼっちになる気持
ち。聖花のことを話したとき君は僕のために祈るって言ってくれた。
だから僕も君のために祈る」
 佳音の目から涙があふれてきた。こんな風に言ってくれる人は今ま
でにいなかった。

 佳音は池田に謝罪しようと病院へ行った。池田はちょうど退院しよ
うとしているところだった。
「兄を許してください」
 佳音は謝罪して、池田に耀司を助けて欲しいと頼んだ。
「何言ってんだ」
 池田はそっけなかった。
「助けてもらえるならなんでもします」
「そう、なら条件がある」
 池田は言った。長野でもう一度心療内科の治療を受けて欲しいと。
池田は佳音がPTSDの治療を受けていた6年前のことを調べたが、当時
のカルテは存在しなかったと言う。佳音も池田も知る由もないが、カ
ルテは耀司が先回りして焼き捨ててしまったのだ。そこで池田はもう
一度佳音にセラピーを受けてもらい6年前の記憶を掘り起こそうと考
えたのだ。

 佳音は殉也に池田とともに長野に行くという話をした。
「思い出せないことを無理に思い出す必要はないんじゃないかな」
 殉也は止めた。
「でも思い出さないと前に進めない気がするんです」
 佳音の決心は固かった。
「そう」
 殉也はそれ以上とめなかった。

 美月は昴のところに怒鳴り込んだ。殉也に佳音の住所を教えたのを
知ったのだ。
「どうしてそんなことするんです。気苦労が増えるだけじゃない!」
「その方がかえっていいのかなって思ったんだよ」
 聖花から少し気を離したほうがいいんだ、昴はそう言った。殉也は
この3年毎晩3時間ごとに起きて聖花の床ずれさせないように寝返りを
打たせていた。
「いずれ裏切られるのに」
 昴は思いつめたような表情で言った。どんなに尽くしたって聖花は
いずれ死ぬ。意味のないことなんだから。

 佳音は池田とともにかつて治療を受けた心療内科を訪れ、カウンセ
リングを受けた。
「佳音ちゃん、あなたは何歳ですか?」
「13歳です」
「家族は何人ですか?」
「お父さん、お母さん、お兄ちゃんと私です」
「どんなことを思い出しますか」
「クリスマスの日にみんなでお祝いをしました」
「それで」
「その後それぞれの部屋に戻って休みました。私はドキドキしながら
サンタを待ってます」
 佳音の脳裏に子どものころの記憶が徐々に浮かび上がってきた。階
段を上る音、そして誰かが自分の掛け布団をはがし……。佳音はまた
息苦しくなって、苦痛に表情をゆがめた。
「今日はこれまでにしましょう」
 医師は治療を打ち切った。
「先生、何か知っているんじゃないですか?」
 池田は医師に駆け寄った。だが、医師は何も話そうとはしなかった。

 帰りの車中、池田は佳音に尋ねた。
「12歳っていうと事件の1年前だろ。何で事件のときじゃないん
だ?」
「わかりません……」
 佳音は疲れきった表情をしていた。
「これ見てみてよ」
 池田は車を止めて1枚の写真を取り出した。運動会の家族写真だ。
佳音の知り合いを回ってなんとか入手したのだ。佳音はそれをじっと
見ていたが、突然車を降りて走り出した。
「お、おい待てっ!」
 池田は慌てて佳音を追いかけて捕まえようとした。
「や、止めて!」
 佳音は怯えたような顔つきで池田を払いのけた。
「何か、されたのか?親父か?兄貴か?」
 佳音は呼吸が乱れ答えられない。
「何もしやしない。さあ帰ろう」
 池田がそう言うと佳音はようやく落ち着き始めた。

 夜遅くになって佳音はアパートに戻った。アルバイトに来られなか
ったのを気にして殉也がやって来た。
「佳音ちゃん?」
 ぐったりとして座り込んでいる佳音を見て、殉也は驚いた。
「あたし、思い出したんです」
 佳音はゆっくりとしゃべり出した。佳音のそばには耀司のシャツが
あった。それに血のりがついていて、佳音の記憶を呼び起こしたのだ。
あのとき両親を殺したのは耀司だ。血塗られたナイフが床に落ちてい
て、血まみれて倒れている両親を呆然と見ている耀司が確かにいた。
「でもわからない。あんなに優しいお兄ちゃんがなんで……。仲のい
い家族だった、みんないつも笑っていた。お兄ちゃんを信じて頑張っ
てきたのに」
 佳音は嗚咽をもらした。そして激しく泣いた。そんな佳音を殉也は
黙って抱きしめた。佳音は堰を切ったように泣き続けた。そのとき人
の気配がした。佳音が見ると耀司が恐い目つきで立っていた。
「お兄ちゃん」
「そうだよ、俺が父さんと母さんを殺して火をつけたんだ。よく思い
出したな」
 耀司はどこかホッとしているような穏やかな表情をしていた。
「けど、それ以上は思い出すな」
 また恐い目つきに戻った耀司は外へ飛びだしていってしまった。

 殉也は佳音を自分の家に連れてきた。
「大丈夫、もう恐い思いさせないから」
 殉也はやさしく話しかけた。そして佳音を部屋に案内したり着るも
のを用意したりした。殉也はあまり意識してなかったが、聖花(内田
有紀)のことから気が離れていた。

 まさにそのとき、聖花の容態が急変した。心拍が弱まり、生命維持
装置は急変を告げるアラームを鳴らした。聖花はいつものように無表
情だった。だがその目から涙が一筋こぼれ、そして静かに瞼は閉じら
れた。


寸  評  ストーリーの枷となっている耀司と聖花があっさり退場しそうで
なんだかちょっと拍子抜けた感じでした。耀司は警察に出頭してまた
投獄されるのでしょうか。聖花はこのまま死んでしまうのでしょうか。
それではなんだかドラマにならないような気がします。
 ここのところ、PTSDとか過去の忌まわしい記憶の部分が強すぎ
る気がします。佳音の無償の愛にPTSDはあまり関連性がないよう
な気がして、ストーリーがわき道にそれているかなという気がするの
です。それで結局佳音は殉也と結ばれることを望んでいるのかどうか
が話の本筋でないように見えています。そもそもそういうテーマの話
ではないということでしょうか。

執 筆 者 けん()

----------------------------------------------------------------------
2. 編集後記
----------------------------------------------------------------------
 今年もそろそろ年賀状を買う時期になりました。以前から年賀状はメールに
に代わられるんじゃないかと思われてきましたけれど、そろそろそれが具現化
してきているような気がします。テキストベースのメールでなくてもネット上
で年賀状を作ってそれを送ることは可能ですし、ハガキの年賀状を使うのもそ
う長くはないのかなと思ったりします。(けん)

======================================================================
発行元:ドラマ研究会
e-mail:info@j-drama.tv/
url   :http://www.j-drama.tv/
ID  :MM3E195F16414CD 
このメールマガジンは、メールマガジン[MailuX]を利用して発行しています。
(http://www.mailux.com/)
======================================================================

ブラウザの閉じるボタンで閉じてください。