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タイトル:Daily Drama Express 2008/09/12 魔王 (最終回)  2008/11/21


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2008/09/12 (Fri) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.金曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 金曜日の連続ドラマ
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タイトル 魔王
局  名 TBS系
放映日時 金曜22時
キャスト 成瀬 領(大野 智)
 芹沢直人(生田斗真)
 咲田しおり(小林涼子)
 葛西 均(田中 圭)
 宗田 充(忍成修吾)
 高塚 薫(上原美佐)
  芹沢麻里(吉瀬美智子)
 芹沢典良(劇団ひとり)
 中西弘道(三宅裕司)
 芹沢栄作(石坂浩二)
脚  本 前川洋一
 西田征史
主題歌  「」

あらすじ  最終回 最後の対決 死が絆を引き裂く!!

 「成瀬領(大野智)は最後に、俺を殺すつもりです」と芹沢直人
(生田斗真)は係長の中西弘道(三宅裕司)に言う。

 そこに相棒の高塚薫(上原美佐)が駆けてきて、芹沢典良(劇団ひ
とり)が直人を呼んでくれと言っていると、伝える。

 取調室で、二人だけで相対する直人と典良。
 典良は、自分はダメな兄だ。昔から、父・芹沢栄作(石坂浩二)に、
言いたいことを言っていた直人が、うらやましかった。
 典良は、何も栄作に対して言えなかった。だから栄作はずっと直人
に跡を継いで欲しいと言っていたんだ、と言う。
 そんなことは無いと言う直人に、俺にはわかる、と典良。

 典良は、最後に一服したいので、タバコを買ってきて欲しいと頼む。
 出かけていく直人に、「済まない」と典良。

 直人が出て行くと、机の上に小さく折りたたんだ紙を置き、内ポケ
ットから、宗田充(忍成修吾)殺害に用いた、毒入りタバコを取り出
す。
 手が震えるが、そのタバコに火を付ける。

 タバコと灰皿を持って、取調室に入る直人。
 そこでは喉を苦しそうにかきむしり、床に伸びた典良の死体。そば
にタバコの吸い殻が落ちている。

 霊安室に駆けつけた栄作は、典良の手を握り、「どうしてこんなこ
とを」と嘆く。

 直人が、典良が残したメモを栄作に渡す。
 『お父さん、ご迷惑をおかけして済みません』と書かれていた。

 栄作は直人に、自分を許して欲しいと言う。この世のすべての人を
幸せにできるなんて、偽善だと思っている。誰かの幸せの陰には、必
ず誰かの不幸があるのが道理だと思っていた。息子達を守ろうと思っ
ていたのに、この年になって息子を死に追いやってしまった、とむせ
び泣く。

 「アニキを頼みます」と言って、霊安室を出ようとする直人に、
「何かあっては困る。お前達二人はわたしの息子だからな」と典良の
手を取り、嗚咽しながら言う、栄作。
 「はい」と返事をして、霊安室を出る直人。出ると、直人は泣く。

 係長の中西弘道(三宅裕司)は、通りかかった領に、先ほど典良が
自殺した。これも領の計画なのか?幼い頃の体験は、その人に濃い影
を落とす。真中友雄は、17の時に、この世の醜さを見てしまい、そ
れに人生をゆがめられた。
 でも、これだけはわかって欲しい。直人もまた、15の時から、
11年間苦しみに耐えてきた。もう直人のことを許して欲しい、と言
う。


 赤い部屋で考え込む領。
 そして顔を上げると、壁一面に貼られた様々な人の写真を引きちぎ
る。タロットカードも一緒に落ちる。


 自室で典良の結婚式の時、栄作、典良、直人と一緒に三人で写した
写真を見ている栄作。
 突然胸を押さえて苦しみ、スタンドを倒してしまう。


 歩いてくる領の前に立つ咲田しおり(小林涼子)。
 領はしおりの横を通る。
 「怖いんです。成瀬さんの身に、何か起こりそうで」と言うしおり。

 それでも行こうとする領の身体を、後ろから抱き留め、しおりは、
いつまでトンネルの中に住もうとしているのか。顔を上げてみて欲し
い。木々の木漏れ日を。春には花が咲き、秋には落ち葉の絨毯。さわ
やかな風が吹く。
 領が進む道に、そんな景色があるのか、と。

 それでも領は、しおりの手を外すと、歩いていく。


 直人は栄作に電話するが、でない。

 葛西均(田中圭)と面会する領。
 均は、宗田充(忍成修吾)を殺した犯人がわからないかと聞く。
 領は、それには答えず、均の保釈が決まった。保釈金は領が払った。
暴行教唆の罪に問われれば、外に出られるまで、何年かかるかわから
ない。今のうちに愛する人のそばにいてあげて下さい、と言う。


 直人は、倒れている栄作を見つける。手を握っても反応はない。
 「父さんとしたいことが沢山あったのに」と泣く直人。


 芹沢麻里(吉瀬美智子)に電話する均。
 麻里は芹沢家を出ることにしたという。
 自分のせいで、と謝る均に、自分で決めたことだから、と麻里。そ
して部屋で待っていてもいい?と聞く。
 うん、と頷くと、嬉しそうに部屋へ向かう均。

 その時、突然雷鳴がとどろく。


 山野は領に、なぜ均を釈放したのかと文句を言う。
 領は、均も充も充分苦しんだと言う。
 山野は、十分じゃない。均もボクを虐めた1人だ、と言う。

 領は、誰のためにやっているのかと問う。
 山野は、英雄のためだというと、もう領には頼らない。自分の手で
やる、とナイフを取り出す。

 領は、馬鹿なことはやめて下さい。それではあの時、英雄が山野を
止めた意味が無くなると言う。

 山野は思わず領を刺してしまう。
 領は苦しい息で、「もう止めてください」と言うが、山野は「うる
さい!」と走り去る。

 均は宝石店で指輪を買い、歩き出す。
 すると突然背中を刺され、倒れる。山野だった。

 その時麻里は、テーブルセッティングをし、二人分の料理を作って
いた。


 領はなんとか刺されたお腹を押さえ、ベンチに座る。


 しおりが暗い顔でカフェに戻ると、仁科江里(篠原真衣)が、さっ
き領がしおりにと置いていったと、黒いカバンを渡す。
 中には宝石箱が入っている。
 しおりは、領に電話する。
 領は、鳴った電話に苦しい声で出ると、「わかりました」と答える。

 しおりの電話は、留守番電話サービスにつながる。

 携帯が鳴り、しおりが出ると、中西で、今日、直人から連絡がなか
ったかと問う。
 無い、としおり。

 そこに刑事が、直人が無断で銃を持ち出した、と中西に報告。
 その会話が電話を通じて、しおりに伝わる。


 −− ボクはあの日からずっと一人きりで生きてきました。信頼と
か絆とか、そんなものは一切捨ててきたつもりだったんです。愛情や、
人を思う気持ちさえも。でも、そうではなかった。あなたはいつもボ
クをみていてくれた。あなたの温かい気持ちが、ボクの心の冷たいと
げを、優しく溶かしてくれたような気がした。一番大切なものを置き
去りにしようとしていたボクに、その醜さを教えてくれたのは、あな
たでした。今までの過ちを捨てて、新たな未来をあなたと一緒に生き
て行けたら。あなたを近くに感じる度、何度そう夢見たか知れません。
後1人、どうしても死ななくてはいけない人間がいます。しおりさん、
申し訳ありません。そして今までありがとう。


 ニュースで、今日澁谷の路上で会社員を刺した犯人が、刑事に射殺
される事件が起こったと報道される。
 殺されたのは会社員・山野圭太(26)。


 領は脂汗を浮かべながら歩く。背広の前ボタンを閉め、出血を隠す
と、「まだ死ぬわけにはいかない」と自分に言い聞かせる。

 領の前に、背を向けて立つ直人がいた。
 近づいてくる領の靴音に、振り返る直人。
 「結末にふさわしい場所ですね」と領。
 「最後の標的は俺か」と直人。
 拳銃を構えると、「あんたの復讐は未完成で終わる。あんたのせい
で沢山の人が死んだ。俺のオヤジやアニキまで。俺のせいで始まった
復讐は、俺の手で止めるしかないんだ」と言う。
 だが、拳銃を構える直人の手は震えている。

 「何を迷っているんです。悔しくないんですか。あなたはたった
1人の父親と、優しいお兄さんを奪われた。そしてかけがえのない親
友まで、殺されたんだ。殺しても飽き足らないほど、悔しいはずだ。
違うか?法律では、ボクをさばけない。復讐のチャンスは、今しかな
いんだ。早く殺せ」と領。

 でも、直人は拳銃を下げる。
 「あんたの目的はこれだったのか。俺に自分を殺させることなのか。
今度こそ、人を殺した裁きを受けさせるために、自分の命を犠牲にす
るのか」と直人。

 「あなたは、まだわからないんですか。ボクの人生に失うものなん
て、とっくに無かったんだ、英雄と母が死んでから。これで全部終わ
る。ようやくボクがボクに還るときが来たんだ。さあ、撃ってくださ
い。この真実から逃げたあなたの義務なんです。終わらせるんだ。ボ
クを撃て。それが義務なんだ。ボクを殺せ」と言うと、じりじりと直
人に迫り、直人の手を取る領。

 直人は拳銃を取り落とし、「できない」と言う。「今まで苦しんだ
あなたを殺すなんて、俺にはできない」と。

 二人とも、ぼうだの涙を流す。

 「殺せ。このまま生きていては、ボクは自分を許せない」と言うと
拳銃を拾い、自分のこめかみに当てる領。
 直人がその手を押さえ、拳銃を空を撃つ。

 なおも拳銃を手にする領を押さえようとして、2人の身体の間で、
拳銃が発射される。

 やがて直人の身体が倒れる。
 領は、「しっかりしろ」と言うと、直人の傷口にハンカチを当て、
震える手で、携帯を取り出す。
 その手を直人は押さえ、「これでいいんだ。最初から、こうしてい
ればよかったんだ。自分のために精一杯生きてください、友雄さん。
許してください、俺のことも、あなた自身も」と言った直人の身体か
ら、力が抜ける。
 直人に手をつかまれ、携帯がすべり落ちる。

 「目を開けてくれ」と直人の身体を抱きしめる領。「死ぬな」と叫
ぶ。

 直人の上体を起こし、コンテナにもたせかけると、領は自分も上体
をもたせかける。
 領の出血も増える。

 領は、今までの直人の言葉を思い出し、「許してくれ、ボクのこと
を、あなたのことを」と囁く。

 そこに駆けつけるしおり。
 しおりが見たものは、直人の肩に頭を預けて、動かない領の姿だっ
た。直人の手には、英雄の踏まれたハーモニカが握られていた。


 田舎の海岸を、中西と一緒に歩くしおり。
 しおりは素敵なところ、と言うが、中西は、女房に何もないところ
だと愚痴られているという。

 そして中西は、ここに来て良かった。女房にほめられ、顔つきが変
わった。いつの間にか忘れていたことに気付いた。「あいつらにも、
一度見せてやりたかった」と言う。

 そして中西は、自家製のトマトをごちそうするという。うちのトマ
トは、形は悪いが、味は抜群、と。

 二羽のカモメが、海の上を寄り添って飛ぶ。

 中西の家には、二体の位牌がまつられ、あのハーモニカも添えられ
ていた。
 そのハーモニカを触ってしまったしおりに.....


寸  評  結局、英雄死亡事件に関わった人は、しおりを除いて全員死んで
しまったのですね。
 全員死んでしまっては、捜査も打ち切りですね。

 誰が言い悪いと論じたくないということ?
 友雄は、最後死ぬつもりだったから、こんな破れかぶれの全員殺害
計画を立てられたのでしょうか。

 気になるのは、最後、ハーモニカにふれたしおりが、何を見たかっ
てことですね。

 このドラマ、しおりがサイコメトラーだったため、すごく安易に真
相が分かっていきましたよね。でも、そのことを全然生かせず、結局
友雄が死を願った全員を殺せるなんて。

 そして、栄作が守ろうとした芹沢家は、全滅ですね。
 麻里は典良と離婚することにしたし、二人には子供がいないし。
 麻里も、典良にも、恋人の均にも死なれてしまって、これからの人
生、どうするのでしょうか。

執 筆 者 鈴木(drama_sumire@yahoo.co.jp)

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2. 編集後記
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 最後、海の上を二羽のカモメが飛んでいく場面で思い出した曲は、サザンオ
ールスターズの「夢に消えたジュリア」。
 そういえば、日本テレビでやっていた33曲には入ってませんでしたね。わ
たしはこの曲、好きです。
 1曲選んで投票と言われると、メジャーな曲を選んでしまいますが、カラオ
ケで何曲か歌った後には、歌いたくなります。(鈴木)

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発行元:ドラマ研究会
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