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タイトル:Daily Drama Express 2008/09/04 コード・ブルー (10)  2008/09/10


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2008/09/04 (Thu) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.木曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 木曜日の連続ドラマ
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タイトル コード・ブルー
局  名 フジテレビ系
放映日時 木曜22時
キャスト 藍沢耕作(山下智久)
 白石 恵(新垣結衣)
 緋山美帆子(戸田恵梨香)
 冴島はるか(比嘉愛未)
 藤川一男(浅利陽介)
 田所良昭(児玉 清)
 森本忠士(勝村政信)
 梶 寿志(寺島進)
 西条 章(杉本哲太)
 三井環奈(りょう)
 黒田脩二(柳葉敏郎)
脚  本 林宏司
主題歌  Mr.Children「HANABI」

あらすじ 第10話「揺れる心」

 耕作(山下智久)は森本(勝村政信)、はるか(比嘉愛未)ととも
にドクターヘリで出動、電気配線工事中に転落し、全身を強打してシ
ョック状態に陥った患者を運んできた。だが、処置に当たった耕作は
いつもの手際のよさが見られず、一男(浅利陽介)に「切開して気道
を確保しては?」と指摘されてしまった。黒田(柳葉敏郎)の手を切
断して以来、耕作は何が最善の処置か、迷いを覚えていた。

 脳腫瘍が見つかった健一(今井悠貴)はすぐさま西条(杉本哲太)
のオペを受けた。だが、思ったより浸潤が進んでいて、腫瘍と言語中
枢の境界がわからず、手術は困難を極めた。

 恵(新垣結衣)は田所所長(児玉清)に辞表を提出した。黒田の事
故の責任を取りたいという恵に田所所長は言った。
「これは預かっておきます。今ここで逃げ出したら、後戻りはできま
せんから」
 恵は無言で退出した。

 耕作はリハビリセンターを訪れ、絹江(島かおり)のリハビリの補
助をした。だが、絹江はリハビリを嫌がり、耕作を困らせた。
「疲れたよ。もう家に帰しておくれ。待ってるんだよぉ、耕作が」
 泣きそうな顔で懇願する絹江に耕作は深いため息をつくしかなかっ
た。
 病室に戻ると絹江は少し落ち着いた。
「お孫さんと一緒に暮らしているんですよね」
「ええ、お医者さん目指して頑張っているの」
「今どこに」
「ええと、どこだったからしら……」
 困ったような顔をした絹江に耕作は思わず言った。
「ここだよ。耕作だよ。医者になったんだ」
「耕作……」
「そうだよ、耕作だよ、ばあちゃん」
 耕作は枕元で、絹江をしっかり見つめた。
「あなた……工事の方?あたしは電気のことはてんで」
「……」
 いくら話しても、何も思い出さない絹江に耕作は肩を落とした。


「麻酔を覚まそう」
 西条が言った。そして黒田を呼んだ。腫瘍と言語中枢の境界をさぐ
るため健一としゃべるように黒田に頼んだ。その間に電気で刺激を与
える。うまくしゃべれなくなったところが境界だ。
 黒田は戸惑った。
「早く、何でもいいから話せ!」
 西条が言った。西条なりの気遣いだった。黒田は健一に話しかけた。
年は?学校は?スポーツは?11歳で、9月からアメリカの学校へ行
く、スポーツはバスケをしています、とか。黒田は自分が父親である
ことを伝えていなかった。
「勉強は好きか?」
「好きな子どもなんている?」
「好きな料理は?」
「作る方?」
「作れるのか?」
「お母さん、あまりうまくないから」
「英語、話せるのか?」
「お母さんに習わされた」
 どんな学校に行くんだ、こっちに戻ってくるのか?2人で大丈夫な
のか?黒田は次々と質問を発した。だが、健一をうまくしゃべれなく
なってしまった。
「ここが境界だ」
「健一!」
 黒田は動転した。
「大丈夫、俺が必ずしゃべらせてやるから」
 西条はじっと黒田を見つめ、黒田は西条にすべて託して、その場を
離れた。

 美帆子(戸田恵梨香)は恵を見るとカルテの整理をすべて押し付け
た。
「言っとくけど辞めさせないよ」
 仕事して余計なことを考えるなという美帆子なりの気遣いだった。
はるかもカルテの整理をと大量のファイルを押し付けた。
「辞めさせませんよ。いじめでストレス発散できる相手がいないと困
りますので」
「……」
 恵は何もいえなかったが、2人の気遣いが嬉しい反面、余計な心配
をかけさせることが重荷だった。

 黒田はICUに送られた健一を見舞った。健一はちょうど目を覚ま
したところだった。
「のど、渇いた。お水」
 たどたどしくもはっきりとしゃべった。
「君はどうしてここにいるのか?」
という黒田の問いにも
「脳に腫瘍ができて手術したから」
と答えた。
「私は誰だ?」
「お医者さん?」
 アウェーク手術のことは覚えてないようだが、黒田は頷いた。
「問題なくしゃべれている。大丈夫だ。よくがんばったな」
 それだけ言って、黒田はいったん病室を出た。

 恵は耕作に辞表を出したことを話した。
「いいな、辞められるやつは。俺にはこれしかない……」
 耕作はそれ以上何も言わなかった。

 恵は黒田を探して辞めることを伝えようとした。察知した黒田は言
った。
「俺に言う必要はない。部長に言え。挨拶もいらん」
「失礼します」
 恵は一礼して去ろうとした。
「おい、あの患者」
 黒田が言った。見るとベッドで苦しそうにうめいている。

 ちょうど同じころ自宅で本棚の下敷きになった妊婦の受け入れ要請
が入った。すでに9件断られ、何とかしてほしいという話に、環奈
(りょう)は真壁のときのことを思い出して躊躇したが、受け入れる
ことにした。

 黒田は患者が大動脈瘤破裂を起こしていると察知した。恵と一男が
立ち会った。
「とにかくオペ室へ運びますか?」
 一男が言った。
「そんなことしてたら、死んでしまう。ここでオペだ」
 黒田は片手でどんどん準備をしていくが、恵と一男はどうしていい
のかわからず立ち尽くすだけだった。
 環奈に連絡して応援を要請したが、森本が不在で、耕作と美帆子は
妊婦の治療で手が離せない。

 妊婦は骨盤骨折だった。
「どうする?」
 環奈が耕作を見た。
「胎児を取り出してからでは遅い。母体を優先させましょう」
「わかったわ」
 環奈は耕作の判断を受け入れた。すぐに夫が呼ばれ、母体優先が告
げられる。だが、母親は涙をこぼしていた。それを見ていた耕作にま
た迷いが浮かんだ。
「三井先生、やはり母子ともに助けましょう」
 環奈は驚いて耕作を見た。
「カイザー(帝王切開)のあと、タオルパッキングします」

 黒田は作業を続けたが、片手ではどうにもならない。それを見て、
ようやく恵が動いた。
「やります。私が切ります。指示お願いします」
「俺もやります」
 一男も動いた。
 恵は手際よく処置したが、思った以上に状態が悪く、動脈瘤を乖離
できない。
「開胸してクランプ」
 黒田が指示した。
「ここでですか?」
 恵は躊躇した。
「一番近くで見てたんだろ。わかるはずだ」
 以前耕作が処置したのを補助したのだから、と黒田は言った。恵は
意を決して開胸に踏み切った。

 どれくらい時間がたっただろう……。集中力を切らさず、懸命な処
置に当たったことで、恵の患者は危機を乗り越えた。
「よくやった」
 黒田は厳しい表情を崩さなかったが、そう言ってねぎらった。
 恵は何と言っていいかわからず、頭を深々と下げた。
「やるじゃん、おじさん、すごいね!」
 そばで見ていた健一が無邪気に黒田のことを誉めた。
「あ、ああ」
 黒田はこみ上げてくる感情を抑えてICUを出て行った。

 同じころ、耕作の処置も無事に終わり、妊婦の夫から深く感謝され
た。
「さすがだったわ」
 環奈は耕作を誉めた。
「間違ってたと思います。母子ともに救おうとしたのは間違ってまし
た」
 だが、耕作は冷静になって、自分が危険度の高いことをしていたこ
とに気づいた。
「でも緋山先生もいたからできると判断したんでしょう?」
 環奈はそう言ったが、耕作は何も答えなかった。

 次の日、耕作は黒田を訪ねた。
「判断に迷いました」
 耕作はそう切り出した。今までなら迷うことなくそうしていたはず
だった。だが、昨日は両方救おうとした。
「両方救えたんだ、いいじゃないか」
「結果論です。両方死んでいたかもしれません」
「何が言いたい」
「この病院に来るまで迷うことはなかった。でも今は迷いだらけです」
 黒田の腕を切断したことは、耕作の心に痛みを伴って残った。
「先生、名医ってなんですか?」
 耕作は黒田に尋ねた。
「その答えは、現場にしかない」
 黒田は静かに答えた。

 経験を積めば積むほどわからないことが増えていく。しかしそれを
ゆっくりと考える暇もなく、またドクターヘリ出動要請が入り、担当
の耕作は環奈、はるかとともに出動するのだった。

 事故現場はトンネル内の大規模火災だった。すぐさま増員要請が入
る。とても人手が足りない。そう思ったとき、黒田が入ってきた。
「森本先生と藤川は受け入れに回ってください。白石と緋山は行け!」

 今日もまた救援を求めて待っている人たちがいる。


寸  評  今まで冷静沈着だった耕作の心境に変化が見えてきて、それとと
もにドラマの主題が見えてきました。「本当の名医とは何か?」。瞬
時に判断を下し、手際よくやり遂げればそれでいいのか?最善の処置
とは何なのか?果たして最終回でその答えが出てくるのか、期待した
いと思います。

執 筆 者 けん()

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2. 編集後記
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 オリンピックが終わり、9月に入り、気がつけばラグビーシーズンです。今
週からまずトップリーグが開幕、大学のリーグ戦も続きます。ラグビーは冬の
スポーツのイメージが強いですが、開幕は残暑の厳しい9月、ここから厳寒の
2月末までシーズンが続きます。今シーズンはどんな熱戦が繰り広げられるか
楽しみです。(けん)

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