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タイトル:Daily Drama Express 2008/07/17 コード・ブルー (3)  2008/07/22


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2008/07/17 (Thu) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.木曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 木曜日の連続ドラマ
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タイトル コード・ブルー
局  名 フジテレビ系
放映日時 木曜22時
キャスト 藍沢耕作(山下智久)
 白石 恵(新垣結衣)
 緋山美帆子(戸田恵梨香)
 冴島はるか(比嘉愛未)
 藤川一男(浅利陽介)
 田所良昭(児玉 清)
 森本忠士(勝村政信)
 梶 寿志(寺島進)
 西条 章(杉本哲太)
 三井環奈(りょう)
 黒田脩二(柳葉敏郎)
脚  本 林宏司
主題歌  Mr.Children「HANABI」

あらすじ 第3話「」

 フェローの4人は翔北病院での仕事にも慣れてきた。だが、ここの
ところストーカーがらみの相談を持ちかけられてきたり、容赦なく毒
舌を浴びせる女弁護士などお騒がせ患者ばかりで、肝心の緊急救命の
出番が回ってこないからあまり面白くない。おまけにこなす書類が多
くてうんざりもする。

 そんなとき、田所所長から今晩の当直をフェローだけに任せてみて
は?という話が舞い込んできた。森本(勝村政信)に緊急救命の講演
の依頼がきたのだ。環奈(りょう)も昨晩当直で無理させるわけにい
かない。黒田(柳葉敏郎)は翌日午前に休暇予定だった。黒田は離婚
しており、翌朝会いに行く予定だった。そんなわけで田所としてはフ
ェローに試してみてはと考えたのだ。3人は考え込んだが、
「まあ、何かあったら呼んでもらいましょう」
 森本がそう答えたので、結局任せることにした。ちなみにその日の
当直フェローは恵(新垣結衣)と一男(浅利陽介)だった。
「何もないことを祈りましょう」
 森本がつぶやいた。

 美帆子(戸田恵梨香)の担当した毒舌女弁護士は足に怪我を負って
いたが、腹痛もあるというのでCTも取ってみた。すると卵巣脳腫か
径捻転の疑いが出てきた。
「ひょっとしたらオペになるかも」
 今日はついている!美帆子はつい笑いがこみ上げてきてしまった。

 耕作(山下智久)も今晩は泊り込もうとしていた。はるか(比嘉愛
未)と担当した男の学生があれこれクレームをつけてきてうるさかっ
たのだ。
「シニアドクターがいないから、もし急患が入ればチャンスだって思
っているんですか?」
 耕作の内心を見透かしたはるかは意地悪い笑みを浮かべたので、耕
作は憮然とした。

 恵の担当した中年女性は階段から転倒して脳震盪と左手首を骨折し
ていたが、手のひらにつめが食い込むほどの傷跡が見られた。西条
(杉本哲太)にチェックしてもらうと前頭葉に腫瘍が発見された。お
そらく相当の激痛があるはず、と西条は言った。なんで頭痛のことを
言ってくれなかったのだろうと恵は思い、その女性のベッドへ足を運
んだが、思わず息をのんだ。その女性は自分の息子に話しかけていた。
むろん息子がいるわけでなく、壁に向かって話しかけているのだ。前
頭葉の腫瘍は幻覚に襲われることがあるけれど……。それにしても異
様だった。

 恵は西条とともにその女性に手術の必要性を話し、同意書にサイン
をもらおうとしたが、その女性は拒否してきた。恵は女性の夫を呼び、
話をした。夫は迷惑をかけたことを詫びたが、なぜ手術を受けようと
しないのかは理解できない様子だった。ただ一つ気になったのは、女
性が話しかけていた息子というのはすでに亡くなっているということ
だった。

 結局その晩は恵と一男に加え、耕作、美帆子も残っていた。そこへ
緊急コールが鳴った。緊張の面持ちで出た恵だが、搬送されてきたの
は酔っ払って転んだという中年男性だった。酔っ払って騒ぎ立ててい
て、重傷とも思えない。
「これじゃ出番なしだわ」
 美帆子はあからさまにがっかりした。耕作は無表情だったが美帆子
と同じ思いにちがいなかった。
 時計は1時を回っていた。
「あ〜あ、今日は急患なしか」
 暇つぶしにと美帆子は女弁護士を見に行くと、まだ仕事をしていた。
さすがによくないと美帆子は思って電気を消した。
「休んでください。本当に身体悪くなりますよ」
「とかなんとか言って急変待っているくせに」
 女弁護士は美帆子の気遣いなどお構いなしだった。内心そういうこ
とも思わなくない美帆子は何も言い返せなかった。

 急患の対応後、恵は担当の中年女性を見舞い、再度手術を勧めた。
家族のためにもと。しかし女性はうんとは言わなかった。

 恵が戻ってくると、手持ち無沙汰な耕作と美帆子が声をかけてきた。
「あの脳腫瘍の患者を診てきたのか?」
「えーと、あの幻覚見ている人?」
「鎮痛剤増やした」
 恵はちょっとぶっきらぼうに答えてしまった。
「本山さん、脳腫瘍でも幻覚患者でもないから」
 2人の言いように恵は違和感を覚えて、部屋を出た。
 するといきなりPHSが鳴った。さっき診断した泥酔の中年男性の
容態が急変したのだ。聞けばただ転んだのではなく、非常階段から転
げ落ちたらしい。
「腹部が張っているな。もう一度検査しなおそう」
 耕作が言った。
「黒田先生、来るまで40〜50分だって」
「持たないよ、それまで」
 一男は青ざめた。
 恵はCTをじっと見返し、腹部の小さな白い部分に驚いた。
「これ血腫かも」
「たぶん後腹膜血腫だろう、CTじゃ見えなかったんだ」
「この人狭心症で抗凝固剤飲んでる!」
 カルテを見ていた美帆子が思わず声を上げた。
「それじゃあ大量出血になるぞ!」
 4人は困惑した。一刻も処置しなければ患者は死んでしまう。
「けど、俺たちにできるのはここまでだよ。先生を待つしか……」
 一男はおろおろして視点が定まらない。美帆子もオペを期待してい
たのに、いざとなるとその重みに耐え切れそうにない。
「先生、血圧がどんどん下がってます」
 はるかが判断を求めてきた。
「やろう」
 耕作が静かに言った。
「経験あるの?」
「ない。けどどんな名医だって最初は未経験なんだ」
「そんなことで患者を危険な目に合わせていいの?」
 慎重な恵は反対した。
「けど、このままじゃ死ぬ。オペにリスクはつきものだ。なら俺はリ
スクをとる」
 耕作はすぐさま手術着に着替え始めた。
「あたしも」
 同調したのは美帆子だ。それを見て、はるかも手伝い始めた。ドク
ターがやると決めたら手伝う、はるかのナースとしての信念だった。

 耕作は美帆子のサポートを受けて執刀を開始した。開腹直前、耕作
のメスが止まった。
「緊張してるの?」
 美帆子が挑発的に聞いてきた。しかしそれは責めるというより励ま
すように聞こえた。
「そんなわけない」
 耕作はメスを入れた。だがやはり出血が激しく、美帆子だけじゃ手
が足りない。耕作がチラッと一男を見た。一男は一瞬視線を逸らした。
「……お、俺は最後まで反対したからな!」
 そう言うと一男もまたオペに加わった。恵もサポートに回った。

 耕作は精巣静脈の止血をしてみたものの、血圧は上がらず、脈拍も
回復しない。他にも出血箇所があるのだ。耕作は術野を広げようとし
た。
「待って」
 恵が言った。レントゲンを見直して、内腸骨静脈か外腸骨静脈が損
傷しているのではないかと言った。耕作がチェックすると確かに外腸
骨静脈が損傷していた。そこの止血をすると血圧、サチュエーション
とも上昇した。そこに黒田が到着した。助かった、4人の顔から安堵
の色が浮かんだ。

 オペは夜明けまで続き、ようやく終わった。4人ともぐったりして
疲労の極致だった。だが黒田は言った。
「お前らの腕は最低だな。藍沢、もっと思い切って切らんと見えるも
のも見えん。緋山、視野の取り方が甘い。白石、FFPのタイミング
も悪いし、もっと患者の体温に気を配れ。藤川、力はいりすぎてたぞ」
 容赦ない指摘に一男と恵は小さくなって「すいません」と謝った。
だが黒田は言った。
「なぜ謝る?お前らは患者を救ったんだぞ」
 耕作たちはお互いの顔を見合わせた。
「今の誉めた?」
 見る見る笑みがこぼれていく、耕作を除いて。

 黒田は離婚した家族に会いにいけなかった。謝罪の電話を入れたが、
元妻は手術を盾に言い訳するのには慣れてるわと淡々としていた。家
族よりも患者、けれどそれは黒田が大きな手術したいからと思うよう
になっていた。それが知らず知らず離婚につながったのだろう。

 耕作が黒田に会いに来た。
「なんか用か?」
 耕作は黙っている。
「患者はな、お前の練習台じゃない」
「キレイごと言わないでください。先生だって同じことをしてきたは
ずです」
「……そのとおりだよ。だが、その練習台は生身の人間だ」
 黒田は一呼吸置いて重々しくしゃべりだした。
「お前の好きにやれよ。だが賭けには勝ち続けろ。負ければ患者だけ
でなく、医者の人生も変えるんだから」
 黒田は耕作を見ていなかった。思いつめ、悩みこんでさえいるよう
に見えた。

 恵は中年女性にまた手術を勧めた。いつまでも息子のことを忘れな
いでいるのは苦しいことだと。すると女性は固く閉ざした思いを切れ
切れに話し出した。死んだ息子のことを忘れることが苦しい。死んだ
直後から比べれば息子の影はどんどん薄くなっていく。そのことに耐
えられないのだと。だから幻覚を追い求める。そんな苦しい思いに恵
は患者との関わり方を考えさせられずにはいられなかった。

 美帆子の担当した女弁護士は産婦人科へ移されることになった。
「残念だったわね」
 弁護士は意地悪く言った。けれど美帆子は真顔で言った。
「いえ、何もなくてよかったです」
 女弁護士は意外そうな顔をした。美帆子は手を差し出した。
「今はきちんと直してください」
 女弁護士は思わず笑うと、書類を美帆子に渡した。

 耕作はクレーマーの学生の応対に追われた。部屋変えろだのなんだ
のとわめき散らしている。
「ペーペーの医者じゃダメなんだって」
 耕作はこういう患者への対応がうまくできず、黙っていた。しかし
はるかが怒鳴りつけた。
「あなたが騒ぎ立てていることで他の人が迷惑してます。文句がある
なら勝手に訴えてください。でもね、看護師は引く手あまたで困らな
いんだから!」
 あまりの凄みに学生は黙ってしまった。クレーマーなんて困らせて
面白がっているだけとはるかは見切っていた。
「それと、この人はペーペーの医者ではありません。藍沢先生です!」
 最後にはるかはそう付け加えた。

 黒田は恵を呼び止めて言った。
「外腸骨静脈の出血を突き止めたらしいな。よくやった」
 恵から思わず笑みがこぼれた。何事にも慎重な恵にとっては厳しい
黒田のその一言は一番自信のつくことに違いない。
「ヘリに乗るか?」
 黒田は続けて言った。恵は驚いて何も言えなかったが、黒田はどん
どん手続きを進めていく。恵は表情を引き締めた。次はきっとうまく
やってみせる、恵に決意の表情が浮かんだ。


寸  評  見ごたえはあると思いますが、やはり盛り込むエピソードが多す
ぎて、ストーリーが薄いと思います。
 初めての緊急オペだけを深く描いて欲しいと思います。オペをやり
たくてしかたなかったけど、いざ自分たちでオペをしてみて、その恐
さ、重大さを体験、命の重みを実感するというだけでも軽く1時間必
要だと思います。

執 筆 者 けん()

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2. 編集後記
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 最近忙しくてめまぐるしく日が流れていく感じです。気がつけばオリンピッ
クも間近に迫っていて少し驚いてしまったりします。オリンピックのときは迫
ってくると盛り上がってくるものなんですが、今回は今一つ盛り上がらず、見
所は何かよくわからないまま開会に入ってしまいそうです。(けん)

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発行元:ドラマ研究会
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