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タイトル:Daily Drama Express 2008/05/03 ごくせん (3)  2008/05/21


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2008/05/03 (Sat) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.土曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 土曜日の連続ドラマ
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タイトル ごくせん
局  名 日本テレビ
放映日時 土曜21時
キャスト 山口久美子(仲間由紀恵)
 猿渡五郎(生瀬勝久)
 緒方大和(高木雄也)(「高」は本当は中がはしご状の漢字)
 風間 廉(三浦春馬)
 本城健吾(石黒英雄)
 市村力哉(中間淳太)
 倉木 悟(桐山照史)
 神谷俊輔(三浦翔平)
 夏目誠一(小泉孝太郎)
 鷹野 葵(平山あや )
 鮎川さくら(星野亜希)
 牛島豊作(佐藤二朗)
 鳩山康彦(魁三太郎)
 鶴岡圭介(石井康太)
 熊井輝夫(脇 知弘)
 朝倉てつ(金子 賢)
 若松弘三(阿南健治)
 達川ミノル(大江戸一家)  内山信二 
 菅原 誠(両國 宏)
 馬場正義(東 幹久)
 赤城遼子(江波杏子)
 黒田龍一郎(宇津井健)
原作   『ごくせん』森本梢子(集英社YOUコミックス)
脚本   江頭美智留 
 横田理恵
  松田裕子
主題歌  「虹」 Aqua Timez (EPICレコード)

あらすじ 第3話「いつだってやり直せる」

 大和(高木雄也(Hey!Say!JUMP))や廉(三浦春馬)たちはすっか
り打ち解けて、一緒に登校してくるようになった。その様子が久美子
(仲間由紀恵)には嬉しくてしかたない。とはいえ、大和や廉は「た
りぃ」を連発して、いまひとつやる気が見えてこない。

 赤銅学院では校内球技大会が近づいていて、校内は盛り上がってい
た。「そうか!」と久美子は思った。球技大会のラグビーに出場し、
勝利を目指して頑張ればクラスの心は1つになるはず。しかし教室内
の反応は鈍い。
「たりぃ」
「なんでそんな汗臭いことしなきゃなんねえんだよ」
「どうせ出たって反則負けだろ」
 情けない!何事もやってみなきゃわかんないのに。久美子はグラウ
ンドに集合をかけたが、当然誰も来なかった。

 大和や廉たちは遊び帰り、予備校近くを通った。
「こんな夜遅くまでご苦労さんなこった」
 ビルから出てくる生徒たちを見ながら大和や廉たちは冷ややかな眼
差しで見ていた。
「あっ、高杉」
 力哉(中間淳太(B.A.D.))は生徒たちの中に同じ中学だった人を
見つけて声をかけた。だが高杉(北条隆博)は、どこかよそよそしく、
さっさと行ってしまった。
「あの制服って青芝じゃん。お前そんなすげぇとこに知り合いいん
の?」
 青芝学院は超名門進学校だ。
「うん、まあ……てか俺、中学青芝だったし」
 力哉はつくり笑いを浮かべた。
「うそ、イッチーって頭いいの?」
「まっ、今じゃその面影もないけどね」
 力哉はおどけて見せたが、どこかぎこちなかった。

 翌日、校内の理事長の肖像画が落書きされるという事件が起きた。
猿渡教頭(生瀬勝久)はすぐさま3Dに怒鳴り込んだので、久美子も
慌てて追いかけた。
「おまえら、やってないんだな」
「ああ、やってねえ」
 3Dの生徒たちは全員否定し、何で疑うんだと不満な声を上げた。
「ふん、それなら日ごろの行動につつしみを持つべきだ」
 猿渡教頭は3Dがやったと決め込み、どうせこの事件もと昨晩起き
た集団暴行事件に注意を喚起するビラを久美子に見せた。赤いバンダ
ナで顔を隠した一団が暗がりで男性を襲撃したというのだ。

 高杉に会って以来、力哉は落ち込み気味で1人で行動することが多
くなった。心配した悟(桐山照史(B.A.D.))が力哉を励ましたりし
ていたが、力哉は予備校のポスターを見ると過去の自分と比較してま
すます思いつめてしまった。
「そんなの見てももう遅いでしょ」
 バカにした高杉の声がした。
「ここは君たちには似合わないよ」
 高杉たちは吐き捨てるように言って立ち去ろうとした。
「ちょっと待てや。あんまり調子こいてんじゃねえぞ!」
 悟は殴りかかった。
「おい、やめろ」
 力哉は悟を止めに入ったが、自分自身も悔しい思いから勢いあまっ
て高杉を殴ってしまった。

「理由はなんだ」
 猿渡教頭は力哉を詰問した。
「市村、何か理由があるんだろ?お前は理由もなく殴るようなやつじ
ゃないだろ」
 だが、力哉は固く口を閉ざしている。
「どうせお前らがけしかけたんだろ。青芝の生徒がお前らを相手にす
るわけがない」
 猿渡教頭たちは相変わらず3Dのせいと決め込んでいる。
「教頭、市村には私から言い聞かせますからこの場はおさめてくださ
い」
 久美子は頭を下げた。
「市村に対しては厳正な処分を課すことになりますな」
 それだけ言うと猿渡教頭たちは出て行った。
「イッチーは悪くない。向こうは中学の同級生なのにバカにして」
 悟がかばった。けれど力哉はかえって苛立ちを爆発させた。
「そんなの関係ねえよ。腹が立ったから殴った、それだけや。俺学校
やめよかな。やめても大して変わらんし」
 力哉は投げやりに言った。
「何でそんな風に決め付けるんだ」
 久美子は歯がゆい思いがした。
「何したってすぐ疑われるし、この先もたかが知れているし、やって
らんねえよ。そうだろ」
「そうだ、どうせ周りが俺たちにレッテルを貼り付けんだ!」
 力哉の言葉に3Dの生徒たちは次々うなずいた。
「何でだよ、何で他人と比べなきゃいけないんだよ。レッテルを貼っ
てんのはお前ら自身だろ。人のせいにして最初から投げてるだけだろ。
お前らの人生はここで終わりじゃないんだぞ。気がついたらいつだっ
てそこからやり直せるんだよ」
 久美子は情けなくなって叫んだ。
「そんなのきれいごとだろ。センコーに俺たちの気持ちがわかっか!」
 力哉は教室を飛び出した。他の生徒たちも白けて出て行ってしまっ
た。

「その生徒さんの気持ち、俺はわかりますよ」
 てつ(金子 賢)はしみじみと言った。高校時代お前がいると教室
の空気が汚れるから卒業式まで来るなと教師に言われた経験があると
いう。
「はみ出した連中に世間は冷たいですからね。レッテル貼られるうち
にどうせって思う癖がついちまうんです」
「そうか」
 てつに言われて久美子も考えさせられた。
「だけどよ、そういう生徒さんのために先生になったんだろ。諦めず
ぶつかっていけばいい。そのうち生徒さんにも分かってもらえるだろ
うよ」
 龍一郎(宇津井健)が言った。

 次の日から力哉は学校に来なくなった。久美子は力哉を会いに行っ
て学校に来いよと声をかけた。
「うっせーな」
 力哉は聞かない。
「あたしはお前が一歩踏み出すのを待っているからな」
 久美子はそれだけ言うと帰っていった。

 次の日、3Dの生徒たちが白金通りで例の暴漢たちに襲われた話を
力哉は聞いた。
「高杉!」
 力哉は思わず口走った。昨晩力哉は白金通りを通った。そのとき赤
いバンダナを持って走る高杉を見たのだ。力哉はいても立っても居ら
れず青芝学院へと走り、高杉を連れ出した。
 
「何のためにそんなことすんだ。憂さ晴らしか?」
 力哉はにらみつけた。
「世直しだよ。くず撲滅作戦さ」
 高杉は薄笑いを浮かべた。
「なんだと!」
 力哉は高杉に掴みかかった。だが、高杉は密かに仲間6人を呼び入
れていて、一斉に力哉に襲いかかり、暴行を加えた。
「やめろ!」
 力哉が青芝に向かったと聞いて3Dの生徒たちがかけつけてきた。
「俺らのダチをよくもやってくれたな。覚悟できてんだろうな」
 大和や廉たちは落ちている木の棒を拾い上げた。高杉たちは自分た
ちが持っている鉄パイプを捨てた。
「殴りたければ殴れば。その足で警察に駆け込んでやるよ」
「何だと。なら俺らがお前らを暴行事件の犯人だって通報してやる!」
 だが高杉は笑った。好きにすればいい。警察や世間はどっちの言う
ことを信じるのか。
「君らくずの言うことを誰が信じるって言うんだ?」
 そのときだった。
「あたしは信じるよ!」 
 力強い声とともに久美子が現れた。3Dの生徒たちが出て行くのを
聞いて後を追いかけてきたのだ。
「手を出すな」
 久美子は大和たちを制した。
「邪魔すんじゃねえよ」
 大和たちの怒りが収まらない。
「まだわからないのか!ここで手を出したらお前らもこいつらと同じ
レベルになるんだぞ」
 高杉たちは嘲笑した。
「はぁ?一緒にされるのは心外ですね。僕らのしていることは世直し
なんですよ。僕らはこのままいけば勝ち組。でもこいつらは価値のな
い連中ですよ」
「あるに決まってんだろ!」
 久美子は一喝した。世間から見れば落ちこぼれ、やる前からどうせ、
面倒と諦める。
「けどな、こいつらもお前らと同じ可能性を持ってんだ。踏み出した
らそこから変われるんだよ!」
 久美子の力強い声に、3Dの生徒たちは次々と手にしていた木の棒
を捨てた。
「勉強の優劣だけで勝ち負け決めるなんて、人として最低じゃねえか。
どんな理由をつけようがお前らのしていることは立派な犯罪なんだ
よ!」
「うるさい!」
 逆上した高杉は鉄パイプを手に取ると久美子に殴りかかった。久美
子はそれをさらりといなした。
「人の痛みもわからないお前らに人間の価値を語る資格はねえんだよ!
お前らもやり直せ」
 久美子のド迫力に高杉たちは震え上がって退散した。

「お前らよく手を出さなかったな」
「……誰かが必死こいて止めるからだろ」
「それはお前らが一歩踏み出した証拠だ」
 久美子は穏やかな口調で3Dの生徒たちを見渡した。
「……」
「忘れるなよ。お前らは変われるし、いろんな可能性を持っている。
未来を作れる。だからもっと自分に自信を持て。なっ!」
 久美子の言葉に3Dの生徒たちは感じ入っていた。
「……なあ、球技大会出えへんか?このままだと気ぃ悪いし」
 力哉が言った。
「よし、乗った!」
 廉が言った。すると俺も、俺もと声があがっていく。
「やろうぜ、ヤンクミ」
「えっお前ら、今ヤンクミって……」
「あぁ何度でも言ってやるよ、ヤンクミ」
「よぉーし、それじゃああの夕日に向かって走るぞ、お前ら!」
 久美子は嬉しくなって思い切りよく走り出した。
「おいおい、夕日なんて出てねぇし」
 呆れたような顔をしながらも3Dの生徒たちも久美子の後について
走り出した。


寸  評  ごくせんの魅力、それはキレイごとがただのキレイごとに終わら
ず、実感を持って伝わってくることなんじゃないかなあと思います。
ヤンクミの言っていることはなぜこうも説得力を持つのかと不思議な
感じがします。今回も「お前らにだって同じだけの可能性がある!」
というセリフは一歩間違うと白々しいだけの正論に終わりそうなんで
すが、ヤンクミが言うと本当に可能性がある連中に見えてきます。

執 筆 者 けん()

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2. 編集後記
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 今回のお話はパート2にもあった展開だったと思います。3月末にパート2
を見ているだけに新鮮味がなくなってしまい、味気なくなってしまいました。
パート2を見てなければ良かったなと思いました。(けん)

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