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タイトル:Daily Drama Express 2008/04/10 バッテリー (2)  2008/04/15


===================================================== 発行部数   26 ==
                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2008/04/10 (Thu) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.木曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 木曜日の連続ドラマ
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タイトル バッテリー
局  名 NHK
放映日時 木曜20時
キャスト 原田巧 (中山優馬)
 永倉豪 (高田翔)
 原田青波(森本慎太郎)
 原田真紀子(斉藤由貴)
 原田広 (堀部圭亮)
 井岡洋三(石橋蓮司)
 沢口文人(永嶋柊吾)
 東谷啓太(松川尚瑠輝)
 海音寺一希(川村亮介)
 奥平  (登野城佑真)
 矢島繭 (宮崎香蓮)
 伊藤春菜(梶原ひかり)
 戸村真 (千原ジュニア)
 小野薫子(ちすん)
 歌子(理髪店店主)(中尾ミエ)
原作   『バッテリー』あさのあつこ(角川文庫刊)
脚本    相良敦子   
主題歌  Mr.Children「少年」

あらすじ 第2話「俺を信じろ!」

 巧(中山優馬)と豪(高田翔)は新田東中学に入学した。屋上から
野球部の練習を見渡した2人はうわさ通りレベルが低いと感じた。
「まさか、野球部に入らんなんて言わんよな?」
 豪は不安になった。
「心配すんな。俺とお前が入れば嫌でも変わる!」
 巧は自信満々に答えた。巧も豪も無事親に野球部入部のハンコをも
らい準備はできた。真紀子(斉藤由貴)は豪の母に顔向けできないと
ヒステリックに怒っていたが。

 次の日、巧と豪が登校してくると、校門の前で1人のお下げ髪の女
子生徒が泣いていた。
「繭ちゃん、何で泣いてんやろ?」
 豪は泣きじゃくる繭(宮崎香蓮)を不思議そうに見た。
「彼女は何で泣いてるんですか?」
 巧は繭のそばにいる上級生らしき男子生徒に尋ねた。
「ネクタイゆるんどるぞ」
 男子生徒は巧をジロリとにらんだ。この男子生徒は風紀委員で校門
のところで服装、持ち物検査をしているらしい。巧は男子生徒を睨み
返したが、黙ってネクタイを締めた。
「それから、ポケットに何がはいっとる?」
 男子生徒は巧の膨らんだポケットに手を伸ばした。
「触るな!」
 巧は男子生徒の手を払い突き飛ばした。
「何しやがる!」
 巧と男子生徒は取っ組み合いになったが、騒ぎを聞きつけた教師が
慌てて間に入りその場は収まった。

 巧はそのまま職員室へ連れて行かれ、戸村(千原ジュニア)という
生活指導の教師の前に立たされた。戸村はがっちりした体格で見るか
らに威圧感があった。
「ポケットに何を入れておる」
 戸村は鋭い目つきで巧を追及した。
「トカレフ」
 巧は表情ひとつ変えず答えた。
「ほう、なかなかええ面構えしとるな」
 戸村は力ずくで巧のポケットから手を出させた。出てきたのは軟式
ボールだった。
「たいしたトカレフじゃのう」
 戸村はボールをひったくった。
「ボールは立派な校則違反、没収する」
 戸村は巧をにらみ据えた
「校則違反じゃありません。返してください」
 巧は入部届を出した。
「ほう野球部に入る気か」
 戸村はボールを投げ返し、入部届を受け取った。戸村は野球部顧問
だった。
「言っとくがな、中学はお前のへ理屈が通じるほど甘いところやない
ぞ」
 戸村の口調は半ば脅迫的だった。だが巧は怯むところがまったくな
く、一礼して職員室を出た。
 巧の堂々とした言動に豪たちは沸き立った。
「すごいぜ、巧!」
「あいつ、感じ悪いなあ。でも戸村やから“お弔い”や!」
 豪たちは大笑いした。

 ホームルームの時間、繭は風紀委員をやめたいと担任の草薙に申し
出た。人の持ち物を見たり、疑ったりするのが辛いのだ。
「矢島、お前はそんなことで泣いとったのか?みんなに迷惑がかかっ
とんじゃろ」
 草薙は繭を責めた。すると巧が立ち上がった。
「先生、あれは変な検査だと思います」
「はぁ」
 草薙は困惑した表情を浮かべた。
 繭をかばったので、教室内でヒュー、ヒューと囃す声があがったが、
巧は意に介さなかった。
 休み時間、繭は巧にお礼を言った。
「何が?それより尺八」
 巧は家の近くのランニング中、川原で尺八を練習する繭を見たこと
があった。
「言いたいことは最後まで言い通せよ」
 巧はにこりともしせずにそう答えて行ってしまった。
「う、うん」
 繭はおどおどしながら、巧を見送った。

 野球部の全体練習が始まり、戸村がやって来た。
「原田、お前ちょっと投げてみろ」
 不意に戸村が言った。戸村は身上調書で巧が洋三の孫と知って興味
を持っていた。
「展西お前が受けろ」
 戸村の指名した部員に豪はちょっと驚いた。展西というのは巧が校
門で取っ組み合いをした風紀委員の上級生だ。

「さあ、来い」
 展西は構えた。
「そんなんで捕れるかよ」
 巧は勢いよく投げ込んだ。
「ひっ!」
 展西はのけぞってしまった。
「監督、キャッチャーを永倉にしてください」
 巧は戸村に要求した。
「2人はバッテリーか?よしやってみろ。それと海音寺お前打席に立
て」
 戸村は鋭い目つきで指示を出した。
 巧は思い切り投げ込んだ。唸りを上げボールはホップして豪のミッ
トに収まった。
「すごい、お前よう捕れるな」
 海音寺は感心した。
「いい球じゃった」
 豪の声に巧も笑顔がこぼれる。よし、もう1球、巧は振りかぶった。
「もうええ」
 戸村が止め、巧に歩み寄って帽子のツバをつまみ上げた。
「髪が長い、野球をやる髪じゃない」
 戸村は1年生を見渡して言った。 
「1年生は全員刈ってこい」
「えーっ!」
 1年生からざわついた声があがった。
「なぜですか?上級生は刈っていないじゃないですか。納得できませ
ん」
 巧は戸村に抗議した。
「つべこべ言うな。1年は刈る、これがこの野球部の決まりじゃ」
「髪を刈ると球が速くなるんですか?」
「何?」
「理屈が通らないと思います。髪の長さなんて関係な」
「黙れ、お前はどこまで生意気にできとる。嫌ならボールは持たせん。
ずっと走り続けていろ」
 戸村は聞く耳を持たなかった。

 巧は豪たちと歌子(中尾ミエ)の店にやって来た。
「やっぱ刈らねばいかんのじゃろか」
「お弔いめ、一生恨んでやる」
 文人(永嶋柊吾)と啓太(松川尚瑠輝)は絶望的な顔をしていた。
「やっぱ、俺は刈らん」
 巧は店を出て行こうとした。
「待てよ、巧」
 豪は慌てて追いかけた。
「お弔いの気分損ねたら試合に出られんのじゃぞ」
「出してもらえないなら出なければいい」
「なんじゃと!」
 豪は怒った。文人と啓太は驚いた。豪が怒るなんて今まで記憶にな
い。
「俺の気持ちはどうなるんじゃ。進学校を捨てて新田東に来たのはお
前とバッテリーを組むためぞ!」
「違う豪、俺はただ……」
 巧は戸惑った。豪の気持ちが分からないわけがない。けれど自分の
気持ちがうまく言い表せない。
「もうええ」
 巧は店に戻るとドカッと椅子に座った。
「俺は刈る!」
「おぉ、男らしいの」
 歌子は豪を誉めた。

 巧が疲れた様子をしていたので、洋三(石橋蓮司)は不思議に思っ
た。
「どうした」
「……」
 巧は悩みこんで何も答えられなかった。
「夫婦喧嘩か?」
「えっ?」
「お前が悩むなんて、豪くんとのことしかないじゃろ」
 洋三は笑った。
「じいちゃん、俺不安なんだ」
 巧は戸村の理不尽さを打ち明けた。
「戸村って、戸村真のことか?」
 洋三は驚いた風に聞いた。戸村は洋三が高校野球の監督をしていた
ときの教え子で野球が好きでたまらないショートのレギュラーだった
と言う。
「人違いだ、そんな風には見えない」
 巧は真っ向から否定した。洋三は少し驚いた。巧は人を誉めたりし
ないがけなしたりしない、そういう子だったはずだ。
「新しい世界に入ればいろいろぶつかるもんじゃ。じっくり自分に向
き合えばいい。しかしそれを自分の言葉で表さんと伝わらんぞ」
 巧は少しも納得ができずイライラが溜まるばかりだった。
 豪は翌日髪を刈った頭でやって来た。巧は声をかけようとしたが、
豪は取り合おうとしなかった。

 繭は幼馴染の春菜(梶原ひかり)にブラバンに入ろうと誘われた。
「ブラバンはな、野球部の応援に毎回ついていけるんよ」
 春菜は春菜で同じクラスの豪が気に入ったので、繭と一緒に豪と巧
を追いかけようと言うのだ。巧が繭をかばった一件は学校中のうわさ
で、春菜も知っていた。
「あたしは邦楽部に入るの」
 繭は断った。尺八をやりたいというのもあるけれど、追っかけのた
めにブラバンに入るのに繭は抵抗があった。巧のことは気になるけれ
ど。

 雨で部活は休みだというのに、巧は黙々とグラウンドを走っていた。
戸村に対する反抗……部員たちの目にはそう映った。見かねた文人は
巧を実家のイチゴ園に連れて行った。豪もそこにいた。
「豪、俺はお前のミットに向かって投げたい、どうしてわかってくれ
ないんだ」
 巧はもどかしそうに言った。
「わからん。なんで監督の指示に逆らう。監督に逆らえばどうにもな
らんじゃろ!」
 豪はふくれっ面をしながらイチゴをほうばった。
「お前、俺の球が信じられんのか!俺とお前が入ればどんな試合にも
勝てる。お弔いの理不尽な要求をのむ必要はない!」
「それはへ理屈、うぬぼれじゃ!」
「うぬぼれ?」
「球の威力じゃない、野球はチームプレーじゃ。お前の性格がおかし
いんじゃ!」
「俺の球だけ見ろよ。俺たちに実力があれば試合に出られる。そう信
じられないのかよ」
 巧は思いのたけをぶつけた。豪はそれ以上言い返しはしなかった。
けれど巧は悔しくなって飛び出した。

 次の日も巧は1人グラウンドを走っていた。
「止まれ」
 戸村は巧を呼び、帽子を摘み上げた。
「なんじゃ、野球部やめる気か?どこまで逆らうんじゃ」
 長い髪を見て戸村は顔をしかめた。
「走ります」
 巧は一言言い捨てて走り始めた。
「大人をなめるな!」
 戸村は怒りを爆発させた。
「監督!」
 豪が戸村に駆けてきた。
「原田がやめたら1年は8人になってしまいます」
「お前は呼んどらん。原田、お前は退部じゃ」
 戸村は耳を貸さない。
「監督、一度打席に立って、あいつの球を見てください。あいつが野
球部に不要かどうか確かめてください!」
 打席に立てば巧の球のすごさがわかる、そのことを必死に伝えよう
として豪は食い下がった。


寸  評  巧と豪の考え方はまさに投手と捕手のそれそのものですね。投手
はお山の大将、捕手はチームの扇の要、チームのまとめ役。2人の考
え方の違いのぶつかり合いがよく出ていたと思います。ただ髪を刈る
云々でぶつかり合うのは面白みに欠けました。野球での丸刈りは認知
されているのでそれに反抗する巧が少々大人気なく見えたせいかもし
れません。何にせよ、試合のシーンが早く見たいですね。

執 筆 者 けん()

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2. 編集後記
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 巧のフォームは上体に頼った投げ方で、スピードは出ても棒球になるような
気がしました(実際はかなりキレがあるように見えているわけですが)。撮影
にあたっては投球フォームの指導をしているのでしょうか。それともあれが自
分の投げ方?だとすると先々肩肘を壊しそうで危なっかしく見えます。(けん)

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発行元:ドラマ研究会
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