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タイトル:Daily Drama Express 2008/02/26 ハチミツとクローバー (8)  2008/03/04


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2008/02/26 (Tue) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.火曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 火曜日の連続ドラマ
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タイトル ハチミツとクローバー
局  名 フジテレビ系
放映日時 火曜21時
キャスト 花本はぐみ(成海璃子)
 竹本祐太(生田斗真)
 野宮 匠(柏原崇)
 山田あゆみ(原田夏希)
 山田大五郎(泉谷しげる)
 真山 巧(向井 理)
 森田 忍(成宮寛貴)
 花本修司(村上 淳)
 原田理花(瀬戸朝香)
 勅使河原美和子(滝沢沙織)
 ローマイヤ先輩(木村祐一)
 庄田教授(松重 豊)
 寺登泰彦(前川泰之)
原作   『ハチミツとクローバー』羽海野チカ(集英社 QUEEN'S COMICS 刊)
脚本   金子茂樹
主題歌  平井 堅 「キャンバス」(DefSTAR RECORDS)

あらすじ 第8話「失踪!人生と恋を見失う冬」

 周囲の期待に応えようと苦しんでいたはぐちゃん(成海璃子)は思
い通りに筆が動かず精神的に追い詰められてしまった。キャンバス、
絵の具、筆が散乱した研究室のアトリエを見た花本教授(村上淳)は
大きなショックを受けた。はぐちゃんは過度のストレスでへたり込み
泣きじゃくっていた。
「もういいから。もう描かなくていいから」
 花本教授は優しく言った。

 野宮さん(柏原崇)は山田さん(原田夏希)を都内の一流ホテルに
連れてきた。山田さんは不安を隠せない。
「ここ、前の会社にいたときに内装をてがけたんだよね」
 野宮さんは窓の外でネオンに彩られた大きな観覧車を見ていた。
「あの観覧車を見ているとなんか落ち着くんだよね。1人でボーっと
していたいときはここに来るんだ」
「……」
 山田さんは野宮さんと一緒にバルコニーに出て観覧車を見た。
「真山のどこが好きなの?」
 野宮さんは缶ビールを差し出しながら聞いた。
「わかりません。でも……本当に好きなら2人の幸せを祈れるはずな
のに」
 山田さんの目から涙があふれてきた。少しホッとしたのだろう。

 真山さん(向井理)は山田さんを心配して事務所に待機していた。
「あなたには関係ないでしょ。そうやってるからあゆみちゃん前に進
めないのよ」
 自分に気があるから罪悪感を覚えて心配しているといっても、かえ
って山田さんを苦しめることになっている。野宮さんに言われたこと
を勅使河原さん(滝沢沙織)にまた言われて、真山さんは返す言葉も
なかった。

 森田さんは一心不乱にパリ国際アートコンクールの作品を描いてい
た。彫刻に挫折して絵を描き始めた奴、彫刻の方がまだいい、周囲の
雑音は相当なものだったが、森田さんはそれを無言で撥ね退けていた。

 結局、山田さんはいつもの酒豪振りを発揮して酔いつぶれ、朝帰り
になってしまった。
「いいもの見せてもらったよ」
 野宮さんは楽しそうだった。
「朝ごはん食べて帰ろうか。それともあれ、乗ってく?」
 野宮さんが観覧車を見た。山田さんは戸惑いながらも静かにうなず
いた。

 真山さんは原田理花(瀬戸朝香)の事務所に半ば強引に通い始めた。
原田理花は真山さんの態度については何も言わず、事務所の鍵と仕事
を出した。とりあえずの一歩、真山さんは黙って鍵と書類を受け取り
自分のデスクについた。

 はぐちゃんは大神教授(高橋ひとみ)にコンクール辞退のことを謝
りにいった。
「あなたではこの世界でやっていけないわね。もう絵を描くのなんか
やめなさい」
 教授は失望感を隠さなかった。はぐちゃんは心痛のあまり画材をす
べて捨て去った。

 みんながそんな状況だったころ、僕、竹本祐太(生田斗真)はあて
もなく自転車を走らせて海まで来ていた。なぜここに来たのか、自分
でもよくわからない。とりあえず連絡をと花本教授に電話をかけた。
携帯電話を持ってこなかったので、公衆電話を使ったが、10円玉が
足りなくてほとんど状況を伝えることなく終わってしまった。

 とにかく……。僕は自分が探し求めている何かを見つけるためにま
た自転車を漕ぎ出した。木の実を落として食料とし、民家を訪ねて水
道を借りながら、僕はひたすら前に前にと進んだ。襲いくる不安と寂
しさを感じたときは、はぐちゃんがカップ麺のふたに書いてくれた四
つ葉のクローバーのイラスト付の「竹本くんの好きなことが見つかり
ますように」というメッセージを見つめて過ごした。

 いつか、僕の好きなことが見つかるのだろうか。僕は原っぱをあさ
り始めた。そして夜もふけた頃一本の四つ葉のクローバーを見つけた。
少しだけ勇気付けられて、僕はまた自転車をこいだ。気の済むまで進
んでみよう。

 ある日僕は神社の境内で倒れこんでいるところを宮大工の一団に救
助された。自転車はパンクし、車の跳ね返りを浴びせられと、とにか
く大変な日々だったから僕は極度の疲労に陥っていた。あまりにもひ
どい顔をしているのを棟梁が見かねたらしい。

 そんなわけで僕はしばらく宮大工の一団と一緒に生活することにな
った。僕は料理が得意なのでみんなのためにご飯作りと洗濯を任され
た。

 真山さんは原田理花の机の上に雪景色を描いた絵が飾られているの
が前々から気になっていた。
「どこを描いたものなんですか?」
「あたしが描いたものじゃないから」
 原田理花はなぜか多くを語ろうとしなかった。

 はぐちゃんは庄田教授(松重豊)に頼まれて会議の間息子さんの面
倒を見ることになった。息子さんは白墨を使って無心に地面に絵を描
いていた。
「何描いてんの?」
「車!」
「あたしも描いていい?」
「うん!」
 はぐちゃんは久しぶりに絵を描き始めた。わずかな時間に地面いっ
ぱいに鮮やかな色の絵が出来上がった。
「ほう、俺の遺伝子がちゃんと伝わってんだな」
 会議から戻ってきた庄田教授は感心していた。
「お姉ちゃん、また一緒に絵を描こうね!」
 はぐちゃんは笑顔でうなずいていた。

 僕は手が空いたので棟梁の手伝いをすることになった。棟梁は僕が
大学で建築を学んでいると知ってノミで線を引くように言った。手先
の器用さには自信があった。
「ダメだ。宮大工は1ミリでもずらすことなく正確に彫れなきゃ使い
もんにならない。さっさと食事の支度をしてくれ」
 棟梁は僕の自信を木っ端微塵に砕いてくれた。その晩、僕は寝付け
なかった。昔逆上がりができず悔しくて泣いたときと同じ気持ちが僕
の中に沸き起こってきた。僕は表に出てノミで材木を掘った。
 僕は、はぐちゃんに手紙を書いた。旅先で見つけた四つ葉のクロー
バーを貼り付けて。

 はぐちゃん、お元気ですか?旅に出て改めてはぐちゃんのすごさを
実感しています。絵に打ち込む姿も、見た人にに感動を与える作品も
まぶしいほど輝いていました。僕にはまだまだ遠い世界だけど、いつ
か好きなものを見つけて、はぐちゃんに胸を張って言える日が来るこ
とを信じて頑張ります。だから絵、頑張ってください。はぐちゃんな
らきっと素敵な絵が描けるはずです。

 顧客に納品しに行った真山さんは小樽の建築の仕事を頼まれた。規
模も小さいので受けるつもりで原田理花に話した。
「断って頂戴。優先させなきゃいけないプロジェクトがあるの」
「えっ、でもこの程度の仕事なら」
「聞いてなかったの?とにかく断って」
 いつもは冷静な理花さんが取り乱していた。真山さんは花本教授に
小樽のことをそれとなく聞いてみた。すると小樽は亡くなっただんな
さんの育った街だと話してくれた。もう傷つきはしないとはっきり言
ったのに、真山さんにとってはやはりショックだった。一歩ずつ前進
したように見えたのに、結局また振り出しに戻される。 

 いつの間にか2週間の日々が流れた。みんな僕が作る料理を喜んで
くれて、すっかり溶け込んでいた。そんなとき棟梁は僕を呼んだ。
「もう行った方がいい。居心地がいいかもしれんが、東京を飛び出し
てきた意味がなくなるぞ」
 2週間分の給料を渡して、棟梁は立ち去った。僕は気づいた。自分
の求めていた場所は自分の居心地のいい場所じゃない。このままじゃ
流される。

 そんなころ森田さんのパリ国際アートの大賞受賞の一報が入った。
森田さんははぐちゃんを呼んだ。
「俺の中で区切りがついたんだ。パリ国際の大賞を取ったら言おうと
していたことがあったんだ」
 森田さんははぐちゃんを見つめた。はぐちゃんは黙って森田さんの
話を聞いていた。
「俺さ、おまえのこと」
 だが、はぐちゃんは視線を逸らした。
「森田さんの大賞の絵見ました。やべぇと思いました。もっと頑張ら
なくちゃ森田さんに認められないなあって。心配しないでくださいね。
もう森田さんのこと好きって言いませんから。あのときの自分の気持
ちと闘ってちゃんと乗り越えてこれましたから。もう大丈夫です。あ
たしたちライバルですから」
 はぐちゃんはにっこりと微笑んだ。
「そうか、そうだよな」
 森田さんはそれ以上何も言えなかった。

 僕は宮大工の一団に別れを告げて、再び走り始めた。目的地がない
ことはもう恐くなくなっていた。この旅の果てに何があるのかわから
ない。もしかしたら何もないのかもしれない。それでもいいと思った。
とにかく今は前に進もう、そう思った。


寸  評  冬なのに野宿、冬なのにバルコニーで観覧車見ながら乾杯、さら
にパリ国際の審査期間はいったいどれくらいなのでしょう?ストーリ
ー上の都合かもしれませんが、少々荒っぽい気がしました。
 さて竹本メインのストーリー構成で話の軸がしっかりとできていた
と思いました。他の4人のシーンが脇を肉付けするような感じに収ま
っていたと思います。最初からこういう作りなら楽しめたんじゃない
だろうかと思います。竹本は旅の中で着実に変化していますが、それ
が成長だということが良く伝わってきました。周囲に否定されて言い
返せずにいたのに、夜に1人でノミやカンナを振るう姿に若者らした
くましさを感じました。今後のストーリー展開を大きく動かしていく
という予感がして、楽しみになりました。

執 筆 者 けん()

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2. 編集後記
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 少しずつ春らしくなってきています。今年は風邪を引かずに乗り切れそうだ
と手洗いの効果を実感しましたが、先週末風邪気味になってしまいました。私
の場合、のどの風邪をひくので、食べ物を飲み込めず辛いのですが、幸いのど
の痛みは出ず、軽い鼻づまりで済みそうです。やはり手洗いうがいは一番の予
防になると思いました 。(けん)

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