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タイトル:Daily Drama Express 2008/02/05 ハチミツとクローバー (5)  2008/02/13


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2008/02/--05dd (Tue) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.火曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 火曜日の連続ドラマ
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タイトル ハチミツとクローバー
局  名 フジテレビ系
放映日時 火曜21時
キャスト 花本はぐみ(成海璃子)
 竹本祐太(生田斗真)
 野宮 匠(柏原崇)
 山田あゆみ(原田夏希)
 山田大五郎(泉谷しげる)
 真山 巧(向井 理)
 森田 忍(成宮寛貴)
 花本修司(村上 淳)
 原田理花(瀬戸朝香)
 勅使河原美和子(滝沢沙織)
 ローマイヤ先輩(木村祐一)
 庄田教授(松重 豊)
 寺登泰彦(前川泰之)
原作   『ハチミツとクローバー』羽海野チカ(集英社 QUEEN'S COMICS 刊)
脚本   金子茂樹
主題歌  平井 堅 「キャンバス」(DefSTAR RECORDS)

あらすじ 第5話「一番の存在じゃなくていい」

 山岳カレーのチラシはまた春が来たことを告げる。この大学に来て
4度目の春が過ぎようとしていた。この春、はぐちゃん(成海璃子)
は国際芸術大賞を最年少で受賞した。森田さん(成宮寛貴)はニュー
ヨークへ行ったまま音信不通だけど、真山さん(向井理)は藤原デザ
イン事務所の正社員になり順調そのもの、山田さん(原田夏希)は大
学院へ進んだ。

 みんなの時間は進んでいるのに僕、竹本祐太(生田斗真)の時間だ
けは1年前にはぐちゃんに出会ったあの日から全然動いていない……。

 そんなある日、突然稼頭さん(橋本じゅん)が4tトラックに僕の
実家の荷物を全部詰めてやって来た。家を買って引っ越すことになっ
たのでいるものといらないものを分けて欲しいと言う。
「そんなこといきなり言われても……」
 稼頭さんはそんなことを話しつつ、はぐちゃんや山田さんに高崎名
産のだるまをプレゼントした。いきなり渡されて2人とも困惑してい
る。
 人のことなどお構いなしに何でもやってしまうこの人、稼頭さんが
僕は苦手だった。

 稼頭さんは僕の父親にあたる。父親を稼頭さんと呼ぶのには訳があ
る。稼頭さんは僕が高校2年生のときに母が再婚した人なのだ。僕は
この人になじめなかった。だから大学受験を機に東京へ出てきたのだ。
僕が浜田山美大を受けたのはたまたまのことで、建築がやりたかった
わけではない。もっともはぐちゃんや森田さんのように作品を作るた
めに生まれてきた人たちを見ると自分が恥ずかしくなってしまうけど。
そして3年が過ぎた。その間僕は一度も実家へ帰ることはなかった。

「おい祐太、しばらくお前の部屋に泊まるぞ」
「そんな勝手に決めないでくださいよ」
 僕が稼頭さんと話をするときは丁寧語になる。荷物を渡しに来ただ
けじゃないかと僕は内心思った。しかし稼頭さんはもっと大事なこと
で来たと言ってハンディカメラを取り出した。最近僕の母が稼頭さん
のギャグに笑ってくれないので、新しいギャグを撮りたいのだと言う。

 翌日から僕は稼頭さんギャグ撮りに付き合わされた。しかもはぐち
ゃんも一緒に。僕は、はぐちゃんは忙しいと稼頭さんに文句を言った
が、はぐちゃんはそんなことないですと笑っていた。

 勅使河原さん(滝沢沙織)は山田さんの焼き物を持って原田理花
(瀬戸朝香)の事務所を訪れた。もちろん山田さんも同行した。
「こちら原田理花さん」
 勅使河原さんの紹介に山田さんは言葉を発することができず、ちょ
こんと頭を下げるだけだった。原田理花はイメージした作品がなかな
か見つからなかったから助かったと山田さんの作品を気に入ったよう
だった。有名デザイナー認められたとはいえ原田理花とあってはなん
とも複雑な思いだった。

 ふと見ると原田理花のパソコンにカウントダウンタイマーが表示さ
れていて、3時間前を指していた。気になって尋ねると、仕事に自信
がなくなったときにとりあえず3年間続けてみればとある人から勇気
付けられたからと説明した。

 僕とはぐちゃんは1日中、稼頭さんに付き合わされた。稼頭さんは
しょーもないギャグを飛ばし続けていて、僕は心底呆れた。けれどは
ぐちゃんは、そんな稼頭さんをかっこよくて、まっすぐな人だと微笑
ましそうに見ていた。

 稼頭さんとの距離を決めかねていたように、はぐちゃんとの距離も
依然として変わらないことに僕は気づいた。もっと近づきたい、でも
今さらこれ以上近づけない、そんな葛藤を繰り返したまま、1年間が
過ぎたのだ。

 僕はふと荷物の中に入っていた、色が剥げ落ちているだるまのこと
を思い出した。昔、いつかどうしてもかなえたいという願いのために
片目を入れた。それは父を亡くして苦労している母に一軒家をプレゼ
ントするという願いだった。けれど高2のとき母は稼頭さんと再婚し
て、僕には好きな道を行っていいと言ってくれた。目の前が真っ白に
なった。稼頭さんのせいで僕の夢がなくなったから。

 山田さんが事務所に戻ってくると、真山さんのパソコンにも原田理
花と同じカウントダウンタイマーが表示されていて、1時間前になっ
ていた。慌てて時計を見ると原田理花のタイマーを見たときからちょ
うど2時間がたっていた。
「このタイマーなに?」
「これ?地球滅亡までの残り時間」
 真山さんはまじめに答えなかった。けれど山田さんにはそれが3年
間のカウントダウンで、あと1時間で3年がたつのだと瞬間的に理解
した。原田理花を勇気付けた人は真山さんに違いないということも。

 山田さんは事務所を出たが、タイマーのことが気になって戻ってき
た。事務所に到着したときちょうどタイマーが鳴った。真山さんはパ
ソコンを無言でじっと見つめていた。山田さんは何も言えなくなり、
涙がこぼれそうなのをこらえて走り出した。もう忘れなきゃいけない、
今度こそ本当に。

 森田さんはニューヨークでデビューを目前に控えていた。けれど表
情は浮かない。こっちに来てからつまんない作品ばかりで面白くない。
そんなとき訪れた美術館でちょうど運ばれてきた絵に森田さんは胸を
ガバッと掴まれた。この絵はいったい……。見ると
「Hagumi Hanamoto」の署名がある。森田さんははじけるように笑っ
た。

 その晩、僕は、真山さんと酒を飲む稼頭さんの話し声を聞いた。ほ
ろ酔い加減の稼頭さんは自分は祐太や祐太の母親の一番の存在にはな
れないけど、それはそうと割り切った。自分は祐太や祐太の母親のそ
ばにいられさえすればいいと。

 稼頭さんのせいで僕の夢がなくなった。でも僕はそれを自分が後ろ
向きでいることの言い訳にしていただけだった。僕はずっと稼頭さん
を遠ざけて向き合おうとしなかったのだ。

 結局僕は荷物をほとんど捨てることができず、稼頭さんは全部持っ
て帰ることになった。
「たまには帰って来い。今度戻ってきたときにはお前の弟か妹ができ
てるようにがんばるからよ」
 稼頭さんはあっけに取られる僕をよそに、豪快に笑いながらトラッ
クを出した。

 僕はやっぱりこの人が苦手だ。でも稼頭さんは母さんに家をプレゼ
ントするという僕の夢を代わりに叶えてくれた。だから今度は自分が
人生をかけて向き合える夢に出会えるようにと祈りを込めて、僕は古
びたダルマのもう片方の目をマジックで塗りつぶし、新しいダルマの
片目をマジックで塗りつぶそうとした。でもインク が切れているな
んて……。僕はガックリときてしまった。

 僕の心の中ではわだかまりはなくなった。僕は稼頭さんのハンディ
カメラにメッセージを残しておいた。近いうちに実家に帰ること、そ
して稼頭さんを父さんと呼べるように頑張ること。稼頭さんはどんな
思いで見てくれただろうか。

 はぐちゃんが福引ですき焼きを当てたので、久しぶりに4人で花本
研究室に集まって食べることになった。おいしく煮えてきた鍋を見て
食べようとしたそのとき、突然森田さんが現れた。森田さんはいつも
のようにいたずらっぽい笑顔を見せた。僕ははぐちゃんを見た。彼女
はなんだか切ないような眼差しを浮かべていたが 、次第に優しい微
笑を森田さんに見せた。


寸  評  竹本が気持ちを新たにダルマに目を入れようとしたシーン、イン
クが切れたという笑いを入れるべきだったでしょうか?個人的には稼
頭さんとのわだかまりが消えて、これから変わろうとしているとても
いいシーンなので、肩透かしを食らった感じでした。せめてちゃんと
目を入れたダルマのカットを入れてほしかったです。
 第1話から気になっていたのですが、ストーリーとギャグがうまく
かみ合っていません。話の到達点が見えないので、ギャグが暴走して
いるように見えるのです。話のつくりが少し中途半端かもしれません。

執 筆 者 けん()

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2. 編集後記
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 寒くて暖房が手放せません。休日家にいるときは設定温度最大で1日中かけ
ています。電気代がいくらになるだろうかと戦々恐々としていますが、それで
も止められません。(けん)

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