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タイトル:Daily Drama Express 2007/12/16 ハタチの恋人 (最終回)  2007/12/18


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2007/12/16 (Sun) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.日曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 日曜日の連続ドラマ
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タイトル ハタチの恋人
局  名 TBS系
放映日時 日曜21時
キャスト 井上圭祐(明石家さんま)
 沢田ユリ(長澤まさみ)
 河村由紀夫(塚本高史)
 井上小百合(森下愛子)
 中島  (キムラ緑子)
 コンビニ店員(恵 俊彰)
 井上理沙(黒瀬真奈美)
 井上勇介(渡邉等士)
 INF東京社員(福井博章)
 竹内美樹(蒲生麻由)
 ユリの母(小泉今日子)
 鈴木風太[森山リュウ](市村正親)
脚本   吉田紀子
主題歌  恋ってカンジ!?(ザ・ピペッツ)

あらすじ 第10話「バージンロード」

「次の駅で降りよう、送っていくから、な」
 圭祐(明石家さんま)は諭した。
 ユリ(長澤まさみ)は押し黙っていた。
「ごめんなさい、迷惑かけて。でも自分でもわからないんですけど」
 しばらくしてユリはやっと口を開いた。自分でもわからない、でも
このまま圭祐と別れるのはいやだった、どうしてもそれだけは、とユ
リは言った。
 圭祐はユリを考え直させようとしたが、風太(市村正親)から電話
がかかってきた。

 風太は由紀夫(塚本高史)からユリが行方不明になったと聞かされ
ていた。圭祐は隠すことができずユリと一緒にいることを打ち明けた。
恋の逃避行?風太は青ざめる風太に圭祐はそのつもりはないと説明し
た。

 結局ユリは大阪までついていった。圭祐は仕方なくユリをシティホ
テルに送って宿泊させることにした。
「ほな帰るで」
 手続きが終わると圭祐は言った。
「行っちゃうんですか?」
 ユリは心細そうな顔をした。
「お、おう当たり前やろ」
 圭祐はわざと突き放すように言った。由紀夫に謝るんやで、そう付
け加えると圭祐は出て行った。

 ユリはしかたなく部屋に入り、由紀夫に電話をした。
「今大阪にいるの」
 ユリがそう言うと、由紀夫はすべてを察した。
「もういいよ、ユリちゃんがそんな人だとは思わなかった」
 一方的に切られ、ユリはふさぎこんだ。

 翌日ユリが部屋でだるそうにしていると圭祐がやって来た。会社を
休んで大阪見物に連れて行ってくれるという。ユリは戸惑っていた。
圭祐はユリから携帯を借りると電源を落とした。
「今日一日、時間とめへんか。時間を忘れて楽しもう。けど4時にな
ったら帰るんやで」

 ショックを受けた由紀夫は一睡もできず風太のところへ相談に来た。
風太は言う。ユリには父親がいない、圭祐に父親を重ねているんだろ
う。あれは恋というよりは憧れなんじゃないかと。ユリの心から抜け
落ちた愛のかけらなのだと。
「僕はこれからどうしたらいいんでしょう」
 由紀夫はため息をついた。これから医大に入って6年勉強したら
32歳、それから一人前になるまで10年、そんな遅いスタートでいいん
でしょうかと。
「がんばれよ若者、森山リュウかて40過ぎからや。何がおこるかわか
らへんから人生面白いんやないのか」
 風太は由紀夫を励ました。

 圭祐に連れられてユリは大阪を満喫した。時間はあっという間に過
ぎて夕方になった。
 時間や、と言う圭祐にユリはすねたような表情を見せたが、諦めた
ように「ほな行きまひょか」と笑った。

 駅で圭祐は総務に異動になったから東京へはちょくちょく行けなく
なったと話した。
「ばちがあたったやろな」
 圭祐は自嘲気味に言った。
「そうですよ」
 ユリは笑いながらぴしゃりと言った。圭祐は苦笑した。
「ひとつ聞いていいですか」
「なんや?」
「私のお父さん、なんですか?」
「ちゃう」
 圭祐はすっぱりと言った。昨晩絵里(小泉今日子)に電話し確認し
ておいた。それは絶対に違うと絵里は断言していたという。
「そうですか。よかった」
 そういうユリの表情はどこか暗かった。それでも笑顔を見せていた。
そして圭祐の耳元に手を当てて言った。
「ありがとう、好きでした」
「……」
 あっけにとられる圭祐を置いてユリは新幹線に乗った。

 ユリは絵里のもとに立ち寄った。そして圭祐には二度と会わないよ
と言った。そう、絵里はさらっと受け流した。
「お母さんはあの人とどうして結婚しなかったの?」
「どうしてかなあ。彼と結婚してたら人生楽しくなってかもしれない。
たまたまそういうめぐり合わせになかった、それだけ」
 絵里は飄々と答えた。
「恋してたの?あたし恋ってどんなのかまだよくわからない」
「恋はひと時の夢かな。恋しているときは人生ってこんなに楽しいも
のかしらって思う。でも冷めたらおしまい」
 絵里はユリの問いかけにひとつひとつ答えた。そしてユリを授かる
ためにユリの父親と自分は恋をした、そう思ってるよと言った。

 翌日朝ごはんを食べながら、ユリは美大の編入試験を受けたいと伝
えた。
「さ、もりもりご飯食べなくちゃ」
 絵里なりの答え方だった。仕送りをし続ける以上がんばって働かな
くちゃという。

 大阪に戻った圭祐に小百合(森下愛子)が切り出した。
「パパ、何か隠してることあるんちゃう?」
 圭祐はしどろもどろになった。
「あたしがほんまに何にも気づかんと思うてんの?パパにはまだがん
ばってもらわなあかんの。よそ見してたら困るの」
 小百合は泣いていた。
 圭祐は家族を不安にさせていたことを思い知って、ただただ謝って
許してもらうしかなかった。

 最後の東京出張の後、圭祐は風太に呼ばれ、由紀夫とユリがまった
く会っていないと聞かされた。そこで中島さん(キムラ緑子)の提案
でクリスマスパーティをすることになった。

 ユリがパーティ会場のレストランに行くと由紀夫がいた。由紀夫も
クリスマスパーティに呼ばれていたのだという。中島さんの発案は由
紀夫とユリを会わせるための仕掛けだった。
 少し会わないだけだったのに由紀夫はなんだか懐かしい気持ちにな
った。
「俺やっぱユリちゃんに会ってないとダメだ。情けないけど」
 由紀夫は頭をかいた。そんな由紀夫にユリは思わず笑った。
 仲むつまじそうな2人を圭祐は外からじっと見ていた。ユリはもう
遠くへ行ってしまった。引きずる自分が情けなかった。ふと空を見上
げると雪が舞い落ちてきた。少し慰められるような気がした圭祐はそ
の場を離れた。
「もう2度とあの娘に会うことはないんやろな……」
 圭祐は東京駅へと歩いていった。

 それから1年後。風太と中島さんが結婚することになった。式に参
列した圭祐は久しぶりにユリを見た。ユリは由紀夫と一緒でうまくや
っているようだった。圭祐に気づくとユリは「こんにちは」と笑顔を
見せた。

 ユリは由紀夫と結婚することを圭祐に話した。
「そうか。で、いつや」
「由紀夫ちゃんが大学卒業して、国家試験通って無事お医者さんにな
ったら」
「いつのことや?」
「35歳くらい」
 圭祐もユリもおかしくなって吹き出してしまった。
「結婚式、呼んでくれますか?」
 圭祐は真面目に聞いた。
「いいですよ。そのときは一緒にバージンロード歩いてくださいね」
 ユリは相変わらずニコニコしている。ユリはまだ自分を父親だと思
っている?圭祐は思わずユリの顔を覗き込んだ。(完)


寸  評  最後のユリのセリフ、小悪魔的ですが、そういう性格の人ではな
いので今ひとつでした。ユリが圭祐を振り回すドラマだったら面白い
終わり方だったと思いますが。ホテルで仲良くしている由紀夫とユリ
を寂しそうに見つめながら去っていく圭祐の姿も共感がなかったです。
圭祐には家族という安住の場所がありますので、ユリを 失っても喪
失感が伝わってこないんですね。
 ホームドラマ系なので波乱はないにしても、やはり盛り上がりには
欠けたと思います。50代のオジサンとハタチの女の子の恋愛は世間
的には好ましくないので、それを跳ね除けるだけの状況設定と圭祐の
魅力が必要だったと思います。妻子持ちで、仕事にくたびれていて、
気が弱くておどおどしているどこにでもいる普通のオジサ ンではち
ょっと無理ですね。必然的に常識の範囲内でしかストーリーは展開で
きないので、いい人というイメージはありましたが、つまらない人で
もありました。せめてダメ男だけど必死に生きているとか、エリーを
想って結婚せずにきたとかユリとの恋あるいは交流を成り立たせるも
のがあればなあと思いました。たぶんユリを主 人公にしたほうがよ
かったのだと思います。
 全体としてはそんな感じでしたが、絵里が出てきたあたりから面白
くなった部分もあったので、もっと早く出てくればよかったのではな
いかと思います。

執 筆 者 けん()

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2. 編集後記
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 さんまさん、長澤まさみと売れっ子を使ったとしても脚本がしっかりしてな
いと面白くはならないものですね。最近は気が弱くて自己主張しないタイプが
受けているのでしょうか。今年あらすじを書いた作品の主役、『拝啓父上様』
の一平、『冗談じゃない』の圭太、『パパとムスメの7日間』の恭一郎、そし
て『ハタチの恋人』 の圭祐とみんな同じタイプでした。すべてに共通してい
るのが、何を主張しているのかわからないという点で、ドラマの主題がわから
ず最後までストーリーに引き込まれず消化不良でした。まじめでお人よし、悪
くはないですが主役は張れないかなと。多少やんちゃでも何か起こしてくれる
ようなほうが見てて面白いですし、ドラマ なのだから意外性があったほうが
いいと思います。(けん)

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