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タイトル:Daily Drama Express 2007/12/09 ハタチの恋人 (9)  2007/12/14


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2007/12/09 (Sun) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.日曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 日曜日の連続ドラマ
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タイトル ハタチの恋人
局  名 TBS系
放映日時 日曜21時
キャスト 井上圭祐(明石家さんま)
 沢田ユリ(長澤まさみ)
 河村由紀夫(塚本高史)
 井上小百合(森下愛子)
 中島  (キムラ緑子)
 コンビニ店員(恵 俊彰)
 井上理沙(黒瀬真奈美)
 井上勇介(渡邉等士)
 INF東京社員(福井博章)
 竹内美樹(蒲生麻由)
 ユリの母(小泉今日子)
 鈴木風太[森山リュウ](市村正親)
脚本   吉田紀子
主題歌  恋ってカンジ!?(ザ・ピペッツ)

あらすじ 第9話「運命の再会」

「今日来たんか?」
「うん」
「元気やったか?」
「うん」
 圭祐(明石家さんま)の質問に絵里(小泉今日子)は事務的に答え
るだけだった。
「怒っている?」
 圭祐は恐る恐る聞いた。
「ごっつう怒ってる。大事な娘に手出して」
「ちがう、そんなことあらへん!」
 圭祐はあわてて否定したが、絵里は攻撃の手を緩めてくれなかった。
「今日は徹底的にいじめる」
 圭祐は弱り果てた。
「あたしがどんな気持ちか教えてあげよっか」
 絵里は突然微笑んだ。圭祐はうんとうなづいて微笑み返した。
「グーで殴りたい」
 絵里は相変わらず微笑んでいたが、圭祐は背筋が寒くなった。
「圭ちゃん……」
 絵里は真顔になった。東京へ来て圭祐を呼び出したのは、今後ユリ
に絶対近づかない、自分たちが付き合ってたことも絶対に内緒にする、
そのことを言いたかったのだと言う。
「なんでそんなにこだわるんや……」
 圭祐は思わず聞き返した。絵里は一瞬ためらったような表情をした。
「別に、ユリに余計な心配させたくないだけ」
 絵里はそう言った。それ以上口をはさませない強引さだった。

 しばらくお互い料理を食べていたが、圭祐は落ち着かない。思い切
ってユリが自分の娘か尋ねた。絵里は料理を口に運び続け話をまじめ
に聞いてない風だったが、フォークとナイフを置くとじっと圭祐を見
た。
「あの子は誰の子でもない、あたしの子よ」
 絵里は強い口調で言い切った。圭祐はなおも聞き出そうとしたが、
そこへ中島さん(キムラ緑子)が現れた。ここで風太(市村正親)と
食事をすることになっているのだという。実は風太は圭祐のそばに座
っていて一部始終を盗み聞きしていた。ばれた風太は全員を集め、こ
こで聞いた話はユリには内緒だと言い出した。圭祐はそれ以上絵里に
話をするタイミングを失ってしまった。

 レストランを出た後、圭祐と絵里は一緒に駅近くまで歩いた。
「いつまでも夢見てちゃだめ。家族大切にしなきゃ」
 別れ際、絵里は言った。でも――。圭ちゃんは人を裏切るような人
じゃないことはわかってるよ、絵里は笑顔でそう言うと走り去ってい
った。相変わらず気が強いな、絵里に振り回され圭祐は後姿を複雑な
思いで見送った。

 ユリ(長澤まさみ)は、美大への編入を考え始めた。もう少し深く
勉強してみたい、自分の将来を見つめ直してそう思うようになった。
ユリちゃんは偉いな、由紀夫(塚本高史)はため息をついた。自分は
写真の仕事をしていく自信もないし、何もかも中途半端な状態だ。

 絶対に内緒にしようと決めていたのに、中島さんは思わず絵里に会
ったことをユリに口を滑らせてしまった。ユリは即座に絵里に電話し
た。
「あなたに余計な心配をかけたくなかったの。それだけよ」
 絵里は笑って答えた。
「今でもあの人を好きなの?」
「何十年前のこと言ってんのよ。今さらどうなるっていうのよ」
 絵里はさばさばしている。
「ねえ、ユリ、愛してる」
「な、何よ急に気持ち悪い」
 ユリは困惑した。
「この20年、あたしが愛してたのはあなただけよ。あなたには幸せに
なって欲しいの。だから井上さんには会わないでちょうだい」
 絵里は言い終わると電話を切ってしまった。

 なんなのよそれ。納得の行かないユリは金曜日圭祐を呼び出した。
「今まであたしを励ましたり、勇気付けたりしてくれたのは、母の面
影があったからですか?」
 厳しい口調だった。
「そうや。懐かしかったんや。君にお母さんの面影を追っかけてた。
中年男の感傷や。堪忍してや」
 圭祐は開き直ったように答えた。
「あたしに会えると楽しいとか言ってたのは嘘だったんですか?」
 圭祐は大きくひとつ息をついた。
「こうして会うのもうやめよ。俺には奥さんと息子と、それに娘もお
るんよ」
 突き放すように圭祐は言った。
「わ、わかりました、わかりました!」
 ユリは泣き出しそうな顔で走り去った。すまんな、本当は……。圭
祐はつらい気持ちをぐっと抑えた。

 ユリは由紀夫に会いに行った。由紀夫を見るとユリは思わず泣き出
してしまった。どうしてだろう、なんでだろう……。あまりにもショ
ックが大きくて気持ちの整理がつかない。
「忘れちゃいなよ、あんなオヤジ」
 由紀夫はユリを抱き寄せた。ユリは涙が止まらない。どうすればい
いんだろう。ユリはどうしていいかわからず駆け出した。

 数日後由紀夫はある決意をもってユリに会った。逃げ出さないよう
に風太に立ち会ってもらおうと、場所は風太の部屋にした。ユリは由
紀夫の真意がわからず不思議そうな顔をしていた。実は――。由紀夫
は真剣なまなざしで語り始めた。由紀夫の父親は有名病院の院長で、
その仕事を継ぐために専門学校を辞めて大学に入りなおすという。い
つまでもぐずぐずしていたらユリにふさわしい男になれないから、と
由紀夫は言った。そして一度父親に会ってほしい、自分の彼女として
と告白した。由紀夫の熱意にほだされたユリはにっこりするといいよ
と返事した。

「そうか、あの若造が。ホンマによかった。ホンマ」
 風太に一部始終を聞かされた圭祐はそう答えた。由紀夫を祝福して
やりたい、でも内心はさびしい思いが駆け巡った。
「よかった、これでよかったんや」
 圭祐は自分に何度も言い聞かせながら夜道を歩いていると、塾帰り
の理沙(黒瀬真奈美)に偶然出会ったので一緒に帰った。
「パパ、あんまり東京へ行ってたらあかんよ」
「なんでや。出張やで」
「せやけど、向こうは独身、パパは扶養家族がおるんやで」
 理沙は鋭い、圭祐は内心ヒヤリとした。
「なあ、お母さんに内緒でお好みでも食べてこか」
 圭祐は話題を変えようとした。
「なに言うてん。はよ帰らんと」
 理沙は恐い顔をした。
「わかった、それじゃお好み買って家族みんなで食べよ」
「そんならええよ」
 理沙はニコッとした。

 数日後、圭祐は東京の若手にチーフの職を代わられてしまった。チ
ーフを追われることは覚悟できてはいたからそんなにショックではな
かった。でも、東京へはちょくちょく来られなくなる、それがやっぱ
りつらくのしかかってきた。

 由紀夫の父親に会いに行く日になった。ユリは花を買って駅へ向か
っていたが、なんだか迷っている自分がいてまっすぐ向かう気になれ
なかった。なんでだろう――。その答えを求めるかのようにユリは目
黒川の橋に向かった。でもここで一人考えても答えなんか……そう思
いかけたところに突然圭祐が現れた。圭祐は驚いて立ち尽くしていた。
「どうして?」
「いや、急な出張でな。帰りの新幹線まで時間があるから。いやホン
マやで」
 圭祐はしどろもどろになってしまった。
「いや、ホンマは一人で思い出に浸ろうと思ったんや」
「母とのですか」
 ユリは感情を押し殺していた。
「そうや、青春の思い出よさようなら〜ってな」
「また中年の感傷ですか」
「そうやで、センチメンタリズムのおっちゃんやで」
 圭祐はわざとおどけた。
「そうですか、それじゃ私は」
 ユリは立ち去ろうとした。
「ユリちゃん」
 圭祐はあわてて呼び止めた。
「うそや、思い出したのはこの夏出会った女のこのことや。年甲斐も
なく若い気分になって、自分でもどうしていいかわからんかった。そ
んな女の子ことや」
「その子のこと、どう思ってたんですか?」
「そやな、不思議な気分や。恋というほど熱くなく、愛というほど穏
やかでなく。なんかちょっと男と女の関係を越えた、そんなふう
に……」
 圭祐は思うままに言った。
「その子も、おんなじ風に思っていたと思います」
 ユリは圭祐をさえぎった。
「この気持ちは何だろうって。それを確かめたくてここに来るのかも
しれません」
 ユリはしばし黙りこんだ。
「……これから由紀夫ちゃんのお父さんのお見舞いに行きます」
「そか。君の笑顔は最高やからな。それじゃ。幸せ、つかむんやで」
 圭祐はにぃっと笑った。
「はい。それじゃさようなら」
 ユリも笑った。

 圭祐は東京駅の新幹線のホームに着いた。吹っ切ったはずなのにひ
ょっとしたらユリが見送りに来るんじゃないかと考えている自分がば
からしい。発車のベルが鳴ってドアが締まる。目を閉じて思わず天を
仰いだ。圭祐はとぼとぼとした足取りで車室に入った。座席を探そう
と奥を見渡した瞬間、圭祐は目を見開いた。視線の先ににっこりと微
笑んだユリがいた。


寸  評  絵里が加わってきたことで、ストーリーが締まりました。絵里の
一言一言に裏があって真意は他にあるんじゃないかと思えるので飽き
ません。圭祐や由紀夫も見せ場があって、丸く収まっていくかと思っ
たら、ユリが突然圭祐の乗る新幹線に現れた――ユリのなかのもやも
やは何なのか、その心理をうまく描いて締めくくって欲しいと思いま
した。

執 筆 者 けん()

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2. 編集後記
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 先週忙しいと書いたのですが、その影響でこの秋はドラマを見る時間が激減
しました。SPとオトコの子育てを見ようとしていたのですが、録画したのが
たまってしまって、両方ともまだ2話までで見るめどもたっていません。たぶ
んこのままリタイアになりそうです。(けん)

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