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タイトル:Daily Drama Express 2007/11/11 ハタチの恋人 (5)  2007/11/16


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2007/11/11 (Sun) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.日曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 日曜日の連続ドラマ
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タイトル ハタチの恋人
局  名 TBS系
放映日時 日曜21時
キャスト 井上圭祐(明石家さんま)
 沢田ユリ(長澤まさみ)
 河村由紀夫(塚本高史)
 井上小百合(森下愛子)
 中島  (キムラ緑子)
 コンビニ店員(恵 俊彰)
 井上理沙(黒瀬真奈美)
 井上勇介(渡邉等士)
 INF東京社員(福井博章)
 竹内美樹(蒲生麻由)
 ユリの母(小泉今日子)
 鈴木風太[森山リュウ](市村正親)
脚本   吉田紀子
主題歌  恋ってカンジ!?(ザ・ピペッツ)

あらすじ 第5話「涙の抱擁」

 小百合(森下愛子)の看病の甲斐もあって、圭祐(明石家さんま)
の体調はだいぶ回復してきた。
「ちょっと買い物してくるけど欲しいものある?」
「売店には小百合は置いてあるんかの?」
 圭祐は小百合に甘えた。
「またぁ」
 小百合はにこにこしながら出て行った。
「俺は幸せやなぁ」
 ユリのことが頭にあるだけに圭祐は罪悪感を覚えずに入られない。

 すれ違いざまにユリ(長澤まさみ)が入ってきた。
「ユリちゃん?」
 圭祐はびっくりした。
「先生!」
 ユリは笑顔を見せた。そこへ看護師が来た。
「井上さん、お加減はどうですか?」
 井上と言われて圭祐はドキリとした。ユリは目を丸くしている。
「先生……」
「な、なんや?」
「驚きました。森山リュウって……」
 圭祐は脂汗がにじんできた。
「ペンネームだったんですね!」
「…あ、そ、そうなんか」
「あれ、先生すごい汗。あたし看護師さん呼んできます」
 ユリは病室を飛び出した。

 ユリと入れ違いで小百合が入ってきた。このままではユリと小百合
が鉢合わせしてしまう……。圭祐は動悸が激しくなった。
「パパ、実は今日な理沙の三者面談やった。だから大阪へもどらなあ
かん。でもパパを放っておくわけにもいかへんし」
「い、いや、理沙の進路のほうが大事やから帰ったほうがええ。すぐ
にでもここを出んと」
 圭祐はなんとか小百合を帰らせた。

 そこへユリが看護師さんを連れて入ってきた。
「優しい娘さんでお父さんは幸せですね」
 血圧を測って異常がないとわかると看護師はそう言って部屋を出て
行った。親子に間違われて圭祐もユリも面食らった感じだった。
「似てないですよね」
 なんと言っていいのかわからないユリはそう言った。
「似てない、そうやな。まあ親子に見られるというのはしかたないや
ろうけど」
 圭祐もどう言っていいかわからず口をもごもごさせた。
「なんだか不思議。あたしお父さんのことよくわからないから」
「そ、そか」
 圭祐もユリも次の言葉が続かない。
「そうだ、あたし明日二次試験なんです。先生の言うとおり自分らし
くがんばります」
「そうやね、自分らしくがんばりや」
「はい。そうだ先生もう一度握手してもらえますか?」
「自分らしくがんばれるようにやね」
「それと先生が早くよくなるように」
 ユリと圭祐は両手で握手した。ユリは帰り際、メッセージカード付
のぬいぐるみをお見舞いの品として置いていった。圭祐はそれを嬉し
そうに眺めた。

 それから1週間、ユリは毎日看病に通った。由紀夫(塚本高史)は
ユリのことが心配で仕方がない。そこで思い切って、ホテルの風太
(市村正親)の部屋に行った。森山リュウが退院したと聞いて会おう
と思ったのだが、風太はうまくごまかして追い払った。

 由紀夫は仕方なく内線で風太に聞いた。「50歳の男をユリちゃんが
本当に好きになると思いますか?」。風太はどう答えようかと思案し
たが、今度は携帯に圭祐から電話がかかってきた。「風ちゃん、俺今
幸せすぎてな。ユリちゃんがいったいどう思っているのか……」。圭
祐も由紀夫もどうしたらいいのかと聞いた。風太 はいっぺんにあれ
これ言われて頭に血が上った。「ああ、もうとっとと行動せいや!」。

 そう言われて由紀夫は病院へやって来た。ところが同じタイミング
で圭祐の会社の部下も見舞いにやって来ていた。部下は若いユリに看
護されている圭祐を見て驚いた。ユリが水を取り替えに出て行くと、
圭祐に近寄り「私、チーフのこと見直しましたよ」と声をかけた。そ
して休んでいる間の会議の資料の説明をして出て 行った。会社の話?
由紀夫は不審に思って病室を出て行く部下に声をかけた。

 ユリは夕方まで圭祐に付き添った。
「先生、明日が最終面接なんです」
「ユリちゃんなら大丈夫や」
「なんでそんなことわかるんです?」
「僕が保証します。ファイト!」
 圭祐はユリを励ました。
「じゃあ、保証してください」
 ユリは両手を差し出した。圭祐をそれを受け止めて握手した。
「ユリちゃんなあ、僕が退院したらおいしいものでも食べにいかへん
か?全快祝いや」
 圭祐は思い切って言った。
「本当ですか?もちろんです」
 ユリは笑顔で答えた。

 夜、ユリが自宅に帰ってくると由紀夫が待っていた。由紀夫はユリ
が最終面接の課題を終えてないと思って手伝いに来たのだと言う。も
ちろんそれは口実だった。由紀夫は手伝いながら切り出した。
「もう森山リュウに関わるのはやめなよ。あの人ユリちゃんが思って
いるような人じゃないかもよ。変なことにならないうちに考え直した
ほうがいいよ」
 由紀夫はユリのためを思って言ったが、ユリは不機嫌になった。
「また?由紀夫ちゃんおかしいよ。あたしは先生にアドバイスをもら
ったり励ましてもらったりしてお世話になっているの。そのおかげで
最終面接まで来られたの。なのにどうしてそんなこと言うの?」
「わかっているよ。だけど」
「もう、どうしてあたしの邪魔をすることばっかり!」
 ユリは苛立ちを爆発させた。
「就職だけのことなら毎日お見舞いに行く必要あるの?親でも恋人で
もないのに!」
 由紀夫もカッとなって声を荒げた。そう言われてユリは言葉に詰ま
った。
「ユリちゃんあいつはユリちゃんの思ってる人とは違うよ。ただ
の……」
 由紀夫は圭祐の本当の素性を明かそうとした。
「余計なことばかりしないで。由紀夫ちゃんはあたしのいったい何?」
 ユリはヒステリックに怒鳴った。
「僕は……」
 由紀夫は後が続かなくなると、不意にユリを抱きしめて、ベッドに
押し倒した。
「バカ!由紀夫ちゃんのバカ!」
 ユリは由紀夫をひっぱたいた。
「ごめん、そんなつもりじゃ……」
 由紀夫は我にかえった。
「出てって、二度と来ないで!」
 ユリは感情が高ぶり由紀夫を追い出した。ユリもわけがわからなか
った。自分にとって森山リュウの存在が何であるのかを……。

 最終面接の日。集団面接の質問で「今まで一番悲しかったことは?」
という質問が出た。ユリは何を答えていいのかわからず一瞬パニック
に陥ったが、ふと圭祐の自分らしくがんばれという声が聞こえてきた。
ユリは落ち着きを取り戻し、祖母の死と母親と2人で生きてきたこれ
までを話した。

 ユリは自分らしさを出しつくした満足感でいっぱいだった。すぐ病
院へ行って圭祐に話そうとしたが、圭祐は経過良好で1日繰り上げて
退院した後だった。圭祐は小百合、理沙(黒瀬真奈美)、勇介(渡邉
等士)と一緒に東京の街を歩いていた。
「お姉ちゃんまで来てくれるなんて思わなかったなぁ」
 日ごろ口もきいてくれない理沙までやって来たのが意外だった。東
京見物したいだけやと理沙は言ったが、心配してくれているらしかっ
た。家族に気遣われているのに、自分はユリのことばかり考えている
と思うと圭祐は後ろめたくなった。

 面接を受けていた会社からユリは電話を受けた。担当者は丁寧な口
調で不採用を伝えた。ユリはショックだったが、それ以上に大きなシ
ョックを受けた言葉があった。担当者は「森山先生のお口ぞえもあっ
たのですが……」と言ったのだ。実は風太が気をきかせて裏で会社に
コネで入社させようとしていたのだ。
「なに、お口添えって……」
 ユリは鉄アレイで後頭部を打たれたかのような衝撃が走った。

 うつろな表情で帰ってきたユリを由紀夫が待っていた。
「ユリちゃん、試験どうだった?」
「……」
「ユリちゃん、この間はごめん」
「……何言ってんの?あんなことくらいであたしはどうも思わない
の!」
 ユリは逃げるように自分の部屋に駆け込んだ。ふと見ると差出人が
沢田絵里という封筒が届いていた。母親からだった。中身は手紙とお
祝いのピアスとネックレスが入っていた。手紙には就職祝いで買った
と書かれていた。そしてたまには帰ってらっしゃいとも。ユリは苦し
くなった。就職は決まってない。帰れるわけがない……。そんなとこ
ろへ圭祐からメールが届いた。全快祝いの食事の誘いだった。

 圭祐は緊張の面持ちで高級ホテルのレストランへやって来た。勇気
のかけらを振り絞ってユリを誘ったので内心おどおどしていた。メー
ルなんか送らなければよかったとも思った。
 だが、そこへユリが姿を現した。また……。その姿はエリに重なっ
た。ユリは硬い表情で圭祐のところにやって来た。

「今日は全快祝いやからどんどん食べて」
 圭祐はリラックスさせようと笑顔で言った。
 運ばれてきたシャンパンをかかげ、圭祐は言った。
「じゃあ再会を祝して」
「一週間ぶりです……」
 ユリはどことなくよそよそしい。
「……で、どうやった?就職」
「先生、聞いてらっしゃらなかったんですか?」
「えっ?」
「だめでした。いろいろとしてくださったのに……」
「いや、僕は何も」
 ユリはうつむいている。
「残念やったな。絶対受かると思ったんやけどな。まあ仕方ない。今
日はパーッと行こう」
「パーッと?」
 ユリの顔色が変わった。
「そうや、君は若いねんから、まだまだチャンスあるって。ユリちゃ
んにとっては一大事かもしれへんけど、一度試験に躓いても人生終わ
るわけないし、君自身否定されたわけやないし」
 圭祐は精一杯励ましているつもりだった。だが、ユリは言った。
「それは成功しているから言えるんです。先生みたいな人にあたしの
気持ちはわからない。先生にとっては一度くらいなのかもしれないけ
どあたしには、あたしには……」
 見る見るうちにユリの目に涙が浮かんできた。
「だから、そんな思いつめることないやんか。編集者のあいつも見所
あるって」
 圭祐はあわててなだめようとしたが、かえって逆効果だった。
「でもだめだったじゃないですか!なんであんなこと、あんなお情け
みたいなことされたくなかったです!」
「な、なんのことや?」
「あたしは今まで1人でがんばってきたんです。あたしのことはもう
放っておいてください!」
 ユリは耐えられなくなってレストランを飛び出していった。

 圭祐は風太に電話してユリが言っていたわけを聞き出した。
「なんでそんなことすんのや。そんな余計なことするさかいな、話が
ややこしくなんのや。彼女ハタチやぞ。純粋で繊細なんや。ちょっと
したことで傷つくんやぞ!」
 圭祐は風太に怒りをぶちまけて切った。
「……圭ちゃんこそ、ハタチの繊細な青年になってしまった」
 風太はまずいことをしたと思ったが、作家の感性としては申し分な
い展開で思わずにんまりとなった。

 気がつくと無表情の街に1人放り出されている気がした。孤独と不
安に襲われたユリは立ち尽くした。

 圭祐は目黒川沿いの道を歩いていた。エリと出会った美容室の道。
「エリ!」
「圭ちゃんにはあたしの気持ちわかるわけない!」
 あのときと一緒……。秋風がやけに堪えた。

 が、そんなとき橋の真ん中で川を眺めているユリの姿が目に入った。
ユリも圭祐に気づいた。ユリは強がって圭祐をキッとした目で見てい
る。圭祐はゆっくりと歩み寄った。
「先生、ごめんなさい。あんなこと言って、ごめんなさい。先生はな
にも悪くないのに、あたし、あたし……」
 ユリは泣いていた。圭祐は静かに抱き寄せた。
「1人でながんばろうとせんでええのや。泣きたいときはな、素直に
泣いたらええんや。まだハタチやぞ。まだまだこれからや。君の人生
は、な」
「……」
 ユリの目から涙があふれてきた。


寸  評  ユリの心理が少し理解できて話についていける感じが持てました。
母子家庭で1人の力でやってきたユリにとって森山リュウというのは
弱い自分を出せる存在というわけですね。本人は自分の将来について
考えているのに精一杯で弱い自分を出せる存在とは自覚していないと
思いますが、それもハタチらしくて共感が持てます。
 逆に言うと圭祐はまだよくわかりません。エリとの恋愛に何か引き
ずるものがあるのでしょうか?30年近い前の話ですし、自分を愛して
くれる家族もいる。それでなぜ今エリの影を持つユリに惹かれるのか?
傍目にも理解できる説明がほしいです。それこそエリを思ってずっと
独身だったというのならわかるのですが。なので圭祐はただの優柔不
断に見えてかっこよく見えません。ラストのユリを抱き寄せるシーン
は2人が親密になっていく重要なシーンですが、圭祐が何かかっこい
いところ見せてユリが本当に心を開くという展開にしてほしかったで
す。

執 筆 者 けん()

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2. 編集後記
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 個人的には不作の秋ドラマ。ここへきてSPとオトコの子育てを見ています。
しかしSPは演出方法に工夫が見られてまだよいのですが、オトコの子育てはや
や物足りません。ハタチの恋人も今のところまだ満足いくものでなく、年末に
向けて巻き返しを期待したいです。(けん)

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発行元:ドラマ研究会
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