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タイトル:Daily Drama Express 2006/06/08 七人の女弁護士(最終回)  2007/08/24


===================================================== 発行部数   25 ==
                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2006/06/08 (Thu) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.木曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 木曜日の連続ドラマ
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タイトル 七人の女弁護士
局  名 テレビ朝日系
放映日時 木曜21時
キャスト 藤堂真紀(釈由美子)
 杉本美佐子(野際陽子)
 南條宏美(川島なお美)
 木下五月(柴田理恵)
 田代千春(南野陽子)
 飯島妙子(原紗知絵)
  麻生恵理(井上和香)
 北村一平(永井大)
脚  本 尾崎将也
主題歌  「」

あらすじ 第9話(最終回) 人気女医の完全犯罪!? 患者の遺産15億を相続

 藤堂真紀(釈由美子)は、恋人の北村一平(永井大)とラーメンを
食べていた。一平から、二人きりで話したいことがあると誘われたの
だ。一平のチャーシューを奪って笑う真紀に、一平は、司法解剖の研
究のために5年間、アメリカに行くことになったと告げる。さすがに
驚く真紀。

 翌日、テレビのワイドショーは、心臓外科医の川口祥子(さちこ)
(りょう)が、患者である金融会社社長の遺言によって、15億円もの
遺産を相続したという話題で持ちきり。『7人の女弁護士事務所』で
も、田代千春(南野陽子)や南條宏美(川島なお美)らが、テレビを
囲んで噂をしていた。
 テレビには、報道陣の質問に一切答えず、無言で通り過ぎる祥子の
姿。遺言書が原因で社長は妻に殺され、そのため、祥子が遺産のすべ
てを相続することになったのだという。
 だが、真紀はその輪に入らず、一人ぼんやりとしている。

 事件は、被害者・辰村義男(大和田伸也)が、重い心臓病で余命半
年と宣告を受けたことから始まった。遺言を知った別居中の妻・かお
り(朝加真由美)は、辰村に問いただす。「そんなことしか言えない
のか。俺はもうすぐ死ぬんだぞ」「だからちゃんとしてほしいのよ。
女医に遺産を譲るなんて許さないから」「うるさい! 自分で作った
財産、どう使おうと俺の勝手だ! 帰れ!」もみ合いになる二人。は
ずみで転倒した辰村はテーブルに頭をぶつけ、かおりはおびえて走り
去る。
 翌朝、辰村を訪ねた顧問弁護士・山下孝夫(川野太郎)が、辰村の
遺体を発見。死亡推定時刻が、かおりが辰村を転倒させた時刻と一致
したことから、かおりは殺人罪で起訴された。

 事件を担当することになった真紀と千春、飯島妙子(原沙知絵)は、
さっそくかおりに接見する。かおりは、辰村の殺害は認めたものの、
わざとではなかったと訴え、裁判は、殺意の有無が争点になると思わ
れた。
 口論の原因は、やはり遺言だった。財産分与が嫌でかおりとの離婚
を拒むほどケチな辰村が、半年前に知り合ったばかりの女医に全財産
を遺すという遺言を作ったのだ。「変でしょう? 変ですよね!?」と
訴えるかおり。

 続いて、祥子が勤める関東中央病院を訪れた3人。祥子は心臓外科
の名医として有名で、事件が話題になった後も、執刀依頼が後を絶た
ないのだという。
 辰村との関係について尋ねる真紀に、祥子は「弁護士さんって、三
流週刊誌の記者とあまり変わらないのね。遺産を相続したら、何か関
係があったんじゃないかって決めつけて、発想がチープっていうか…」
うつむいてしまった真紀に代わって、あわてて千春がフォローする。
 辰村は、自分を医師として信頼し、すべてを預けたいと言ってくれ
たと話す祥子。「それで、相続されたんですか?」「いけないです
か?」どうも真紀は押され気味だ。
 そしてかおりが逮捕され、かおりの遺留分までも相続することにな
る。「皮肉ですよね」祥子に遺産を渡すのが嫌で辰村と争ったのに、
殺してしまったせいで祥子がすべてを相続することになった。「お気
の毒でしたわ」眉ひとつ上げないクールな態度に、3人は唖然とする。

 初公判当日。「被告人・辰村かおりは、平成18年6月8日午後5時
ごろ、被害者自宅において、面談中の辰村義男を突き飛ばし、殺害し
たものである。罪名および罰状、殺人」検察側の訴状が読み上げられ
る。
 妙子が、かおりへの尋問に立つ。かおりは、苦しい経済状況のなか、
小さな貸し金業者から始めて築き上げた財産を、よく知らない女医に
取られるなんて、と心のうちを吐露する。「だけどまさか、死んでし
まうなんて…なんてことをしてしまったのか…」言葉を詰まらせるか
おり。

 続いて妙子は、弁護士の山下の証人尋問を申請する。質問に立つの
は、真紀。
 遺言書を作成したのは、山下だった。祥子に遺産を遺そうとした理
由について、祥子の懸命な治療に感銘を受けたからだと話す。倫理的
問題はともかく、法的にはまったく問題ないのだという。
 また真紀は、祥子が勤務後も足しげく辰村の病室を訪ねていた事実
を挙げ、二人は特別な関係だったのではないかと尋ねるが「そういう
噂をする人はたくさんいるようですが、事実は存じません」辰村は生
前、かおりは離婚したも同然で、できたら1円も残したくないと言っ
ていた。慰留分があるからそれは無理だが、二人は冷え切った関係だ
と思っていた、と事務的に話す山下。

 法廷を後にした真紀は、財産分与したくないがために離婚もしない
し、遺産も渡したくないなんて、と憤慨する。「亡くなった人に怒っ
てどうするのよ? 夫婦には夫婦にしかわからないことがあるものよ」
と、妙子はクールにたしなめる。千春は、辰村と祥子の間に不倫関係
があったとしたら、情状酌量される可能性は高くなる、とにらむ。

 再び病院で聞き込みを開始した真紀たちは、看護師の田中みゆき
(山口あゆみ)から、祥子が、病状がさほど悪くないのに、辰村を面
会謝絶にしていたという証言を得る。そこへ祥子が現れ、みゆきはあ
わてて立ち去る。

 事務所に戻った真紀たちは、これまでの経緯を報告する。「感じが
悪いというか、一言一言が冷たいんですよね」とぼやく真紀に、妙子
は、感情的になっては、見えるものも見えなくなるとたしなめる。
 真紀は妙子の冷静さに感心し、自分が弁護士としてやっていけるか
不安になるとつぶやくが、所長の杉本美佐子(野際陽子)は笑って、
妙子には妙子の、真紀には真紀の良さがあると励ます。「そうです
ね!」とすぐに笑顔になる単純な真紀に、千春は呆れかえる。
 報告を続ける真紀。祥子は、治療を希望する患者から“袖の下”を
もらっているという噂があるのだという。また、面会謝絶の件も話す。
遺言書を変えさせないために、他の人物との接触を絶っていたのでは
ないかと言う噂も出ていた。ふだんは患者に対してクールな祥子だか
ら、辰村を特別扱いしているように見えても致し方ないことだった。
 ただし、遺言を書かせるように誘導しても、強要したという証拠が
なければ罪にはならない。
 辰村が殺されたのは、病院から一時帰宅した日。宏美は、面会謝絶
だった辰村が一時帰宅できたことに、疑問を抱く。妙子も同じ思いか
ら聞き込みをし、辰村が祥子の反対を押し切って帰ったことをつかん
でいた。しかも、それまで全幅の信頼を寄せていた祥子に向かって、
「お前なんかにだまされるか!!」と声を荒げていたというのだ。皆は
色めき立つが、妙子は、やっかみもあるだろうから、証言は慎重に判
断する必要がある、と釘を刺す。
 それでもやはり、祥子は怪しいと眉をひそめる麻生恵理(井上和香)
。千春が「遺言を書かせるように細工したんとちゃうん」とつぶやく
と、木下五月(柴田理恵)が身震いして「そんなんじゃ、怖くて病院
にも行けないわよねぇ」と言うが、宏美は「五月さんは大丈夫よ、大
金持ちってワケじゃないもの」笑いあう弁護士たちの中で、美佐子と
真紀だけは、鋭いまなざしを崩さない。

 その夜、真紀の部屋では、食事の支度をする弟の雅人(武田航平)
と恋人の一平をよそに、真紀は机に向かっている。「また難題?」と
声をかける一平に、真紀は、祥子の態度が気になるのだと話す。
 辰村を司法解剖したのは、一平だった。一平は、かおりが、辰村が
頭をぶつけた時点で逃げ出したと証言しているのに、遺体の頭には
2か所の打撲痕があって、妙だと思っていたと言う。真紀は、かおり
が逃げ出した後に、何者かが侵入して辰村を殺したのかもしれないと
推測。だが、かおりが辰村を突き飛ばしたのは死亡推定時刻とほぼ一
致するのだから、かおり自らがとどめの一撃を加えた可能性のほうが
高い。「そしたら過失致死じゃないわ、殺害する意思があったってこ
とになる!」

 そこへ、雅人が割って入る。「人様のことに夢中になってる場合じ
ゃないでしょ。アネキ、プロポーズの返事は真剣に考えてるの?」
「考えてるわよ! だから返事できないんじゃない…」雅人は一平に
も「“黙って俺について来い!”って、ガツンと言わなきゃ」とけし
かけるが、「…ガツンと言い返されちゃうからさ」と一平。
 だが、一平の渡米は2週間後に迫っていた。初めてそれを聞いた真
紀は、あまりの急さに驚く。

 翌日、真紀たちは、現場となった辰村の自宅を訪れる。顧問弁護士
である山下の案内で自宅に入った真紀たちは、豪奢な内装に感嘆の声
を上げる。総額15億円という資産は、すべて辰村が一代で築き上げた
ものだった。
 魚が苦手な千春は、家中に飾られた魚拓に悲鳴を上げる。漁村で育
った辰村は、釣りが得意だったのだという。魚拓には、辰村の署名と
「三浦海岸」と書かれていた。
 リビングの真ん中には、辰村が頭をぶつけたとされる大理石のテー
ブルが。だが、空間が狭く、二度も頭をぶつけるのは不自然と言うほ
かない。

 事務所に戻った真紀は、美佐子に、事件には別の真犯人がいる可能
性もあると話す。検察は、二箇所の打撲痕を根拠に殺人罪を適用しよ
うとしていたが、真紀は、かおりが嘘をついているとは思えないのだ
と主張。だが、死亡推定時刻と辰村の転倒時刻が一致している以上、
真犯人がいるとすれば、転倒の直後に侵入して殴ったと考えるほかな
く、不自然。美佐子は、少しでも疑問点があるなら、徹底的に調べる
よう指示する。

 三たび病院を訪れた真紀たちだが、祥子は不在だった。看護師のみ
ゆきは、祥子は退職してアメリカ留学することが決まり、その送別パ
ーティーのために早退したと説明する。留学は突然決まったものだっ
た。
 その夜、パーティー会場を訪ねた真紀たちは、豪華な雰囲気に圧倒
される。ドレスで着飾った祥子は、にこやかに真紀たちを迎える。会
場には、山下も来ていた。乾杯の挨拶で、心臓外科の研究をするのが
長年の夢だったと話す祥子。「私にこのチャンスを与えてくれた辰村
さんも、私以上にそのことを願ってくれていました」

 挨拶の後、真紀たちは祥子を囲んで乾杯する。自分の恋人も研究の
ために渡米するのだと話す真紀に、「そんな話をしにいらしたの?」
 真紀は事件の日のアリバイを尋ね、妙子が、辰村の打撲痕とかおり
の証言の食い違いについて説明する。「それで私が辰村さんを殺した
んじゃないかと言いたいの?」
 犯行時刻にはホテルで学会に出席していたと言う祥子。帰宅する辰
村と言い争っていた理由については「余命が短いのを知って、自暴自
棄になっていたんです。『だまされる』とは、治る可能性があるとい
う言葉に対し、気休めは言うなということでしょう」こともなげに説
明する。
「疑われるなんて不愉快だわ。私が遺産目当てに殺したとでも思って
るの? 辰村さんは、長くてあと3か月だった。なんで殺す必要があ
るのよ? 黙ってたって遺産は入ってくるのに」
 そのとき、後方で騒ぎが起きる。山下が、胸を押さえてうずくまっ
ていた。駆け寄った祥子は、山下の背広の内ポケットからピルケース
を取り出し、山下に薬を飲ませる。「持病の発作が起きただけみたい
ですから」と周囲に説明する祥子に、真紀はひっかかりを感じる。

 その頃、近隣を聞き込みに回っていた宏美と恵理は、寿司店で、事
件の日、妙なことがあったという証言を得る。いたずらだと思って警
察には届けなかったが、夜8時ごろ、辰村から握り寿司の注文の電話
があったのだというのだ。
 事務所で報告を聞いた真紀たちは、仰天。なにしろ辰村は、その日
の夕方5時には死んでいるはずなのだ。だが、電話の声は辰村のもの
に酷似していたうえ、いつも通り、1つはワサビ抜きだった。「じゃ
あ、死人がお寿司を頼んだってこと!?」不気味な話に、一同は震え上
がる。
 店主が寿司を届けた際には、何度インターホンを押しても返事がな
く、いたずらだと思って帰ったのだという。
 美佐子は、まずは注文の電話をしたのが誰かを突き止めること、ま
た、辰村邸に来客があったのならば、それが誰だったのかを確かめる
ように指示する。
 8時まで辰村が生きていたことが証明できれば、かおりは無実で、
真紀の言うとおり、別の真犯人がいることになる。その場合は、寿司
の注文があった午後8時から、寿司が届けられた8時半までが犯行時
刻だ。だがそれならば、死亡推定時刻は、なぜそんなに大きくずれた
のだろうか。

 その夜、真紀は“大事な話”があると言って一平を自宅に呼び出す。
雅人がいるのを気にしてモジモジする一平だが、真紀は不思議そうな
顔。「何、大事な話って、プロポーズのことじゃないの?」「そんな
話、雅人がいる前でするワケないじゃない!」「だよね〜…」
 そこへ料理を運んできた雅人が一言、「ホレた男って、悲しいスね」
「…で、何、大事な話って?」真紀は、死亡推定時刻を早めることの
可能性について尋ねる。一平は、死斑の消え方や死後硬直、腐敗の進
行状況を進めれば、可能だと言う。また、解剖結果では大量の薬物反
応が出ていたが、治療中の辰村では当然のことだった。

 翌日、単身病院を訪れた真紀は、再度みゆきに話を聞く。事件の夜、
祥子は学会に出たあと、夜勤のため病院に戻っていた。だが、みゆき
はためらいながら、その夜、祥子が不在だったことを明かす。
 その夜、9時ごろに急患があり祥子を探したが、どこにもいなかっ
たのだというのだ。祥子は後に、学会後に着替えのため帰宅し、遅刻
してしまったと言っていたという。
 その様子を、遠くから祥子が見つめていた。

 聞き込みを終え、病院を出る真紀。その頭上に、突然プランターが
落下してくる。とっさによけて事なきを得た真紀は、プランターがあ
ったベランダ付近に、走り去る人影を目撃する。

 事務所に戻った真紀は、うつろな表情。美佐子や五月は心配するが、
真紀はなんでもないと言って、祥子が夜勤を遅刻したということを報
告する。
 そこへ、聞き込みに出ていた妙子と千春が帰ってくる。二人は、学
会のあと、祥子を乗せたタクシー運転手を発見し、祥子が辰村の自宅
付近で下車したことを確認したという。「いよいよ事件の核心に近づ
いてきたわね」とつぶやく美佐子。
 さらに、宏美と恵理も戻ってくる。「あの川口って女医さん、ほん
と変わってるわ」とぼやく宏美。留学を控えていると言うのに、不動
産を買ったというのだ。「それも、三浦の古〜い家ですよ!」と恵理。
 真紀は、辰村の自宅にあった魚拓にも「三浦」と書かれていたこと
を思い出す。「あっ!!! ちょっと行ってきます!」一目散に駆け出
していく真紀を、「また!?」と一同は呆れながら見送る。
 五月は「ほんとに、思い込んだら周りが見えなくなるタイプ。どな
たかといっしょですね」「なによ」と笑う美佐子。

 真紀は、祥子が購入した物件を探して、三浦海岸に来ていた。
 海岸で道を尋ねた漁師は、古い大きな一軒家を指さし、「そうそう、
川口祥子ちゃんが買ったんだよね」と言う。祥子は、もともとあの家
に住んでいたのだというのだ。
 家を見上げて佇む真紀。

 東京に舞い戻った真紀は、手術を終えた祥子を訪ねる。
 真紀は、三浦半島に言ってきたと告げる。驚いた顔で振り返り、そ
れでも平静を装う祥子に、真紀は語り始める。
「20年前、三浦半島のある町に、小学生の少女が住んでいました。元
気で明るくて、利発な女の子だったそうです。でもある日、その少女
に悲劇が襲いました。少女の両親が、首を吊って自殺したんです。少
女の両親は、友人の借金の保証人になり、何千万もの借金の返済を迫
られていました。その取り立ては、死にたくなるのも無理はないくら
い執拗なものでした。その執拗な取り立てをして、少女の両親を自殺
にまで追い詰めたのが、辰村でした。ご両親が亡くなったあと、親戚
の家を転々とされたそうですね」
「それが何だっていうの? 私には動機があるから、辰村を殺したっ
て言いたいの?」無表情のまま、切り返す祥子。
「学会のあと、辰村さんの自宅へ行きませんでしたか?」だが祥子は、
辰村の家には行ったことがないし、辰村を殺したいと思ったこともな
いと言う。
「私は憎しみを乗り越えてきたのよ。とても長い道のりだった。でも、
人を憎んでる者が人の命を預かることはできないと思った。だから、
恨みを超えて彼を許したの。いい加減な推理で私を貶めたら、許さな
いわ」真紀を見据えてそう言い捨て、立ち去る祥子。
 あとからやってきて居合わせた妙子は、確たる証拠を突きつけない
限り、祥子を落とすのは無理だと言う。「私、どっかで、あの人が犯
人じゃないようにって祈ってるんです。…甘いんですかね、私」と微
笑む真紀。

 真紀と妙子、千春は、辰村の自宅で事件の再現検証を始める。
 かおりと辰村がもみ合いになり、辰村を倒したかおりが逃げる。そ
のあと8時に何者かがやってきて、辰村の頭を殴打…。
 真紀の激しい再現に、突き飛ばされた辰村役の千春が壁にぶつかり、
その衝撃で魚拓の額が落下する。落下した額の裏に、書簡らしきもの
が挟み込んであるのに気づく。「これ、遺言の下書きちゃう?」
 同時に真紀は、棚の上に、四角く埃がたまっているのを発見。どう
やら、最近まで何かが置いてあったようだ。

 第三回公判。証言台に立つ祥子に、妙子が質問する。
「あなたのご両親は、あなたが小学生のときに、借金の取り立てに追
い詰められて、自ら命を絶ちましたね? その取り立てをしたのは、
今回殺害された辰村さんでした」法廷がざわめく。「その辰村さんの
担当になったとき、あなたはどう思いましたか?」
「別に、普通の患者さんを担当したときと同じです」
「本当ですか? 普通の患者さんより親切にしたんじゃないですか?」
「そんなことはありません。ただ、余命半年という重病だったことも
あって、私としてはベストを尽くしました」
「それで、辰村さんはあなたに感謝して、あなたに全財産を残すとい
う遺言を作成したというんですか?」「そうです」

 妙子は、辰村の自宅で発見した遺言書の下書きを示す。辰村が殺害
された日の日付で、全財産を赤十字に遺贈すると書かれていた。「遺
言が書き直されたら、あなたには1円も入らなかった。遺言を書き直
す前に、辰村さんは殺害されたんです」
 さらに妙子は、祥子に1枚の絵を示す。子どもが描いたらしき水彩
画で、仲睦まじい家族の姿が描かれていた。「この絵は、あなたが描
いたものですね」「はい」祥子の表情がわずかに動揺を見せる。
 検察側から異議が出るが、妙子は、質問の真意については、被告人
尋問で明らかにすると答える。

 続いて、千春が被告人尋問に立つ。
 殺害現場の写真を示し、変わったところはないか尋ねる。かおりは、
棚にあったジュエリーケースがないと答える。大理石にダイヤがつい
た、オルゴール付きのジュエリーケースで、借金の返済ができなかっ
た家から、代わりに受け取ったものだと言うかおりに、千春は、先ほ
ど妙子が示した絵を見せる。「それは、これですか?」絵の中には、
濃緑色に花模様の装飾が施されたジュエリーケースが描かれていた。
「そうです。それです」
 再び法廷がざわめき、千春は質問を終える。

 そして真紀が立ち上がり、祥子への再度の尋問を求める。
「あなたは先日、辰村さんの家には行ったことがないと言いましたよ
ね」「ええ」「ということは、辰村さんの自宅にあったジュエリーケ
ースをあなたが持っているということは、ありえないですよね?」一
瞬、目が泳ぎ、答えに窮する祥子。真紀に答えを迫られ、「持ってま
せん」と答える。
 真紀は、ビニールに包まれた箱を示す。それは、まさに、絵に描か
れたのとそっくりのジュエリーケースだった。祥子は思わず目をむく。
「医局長立会いのもとで、あなたのデスクを調べさせてもらったとこ
ろ、これが出てきたのですが、これは辰村さんの家からなくなったジ
ュエリーケースではありませんか?」祥子は答えられない。「どうな
んですか、川口さん? 辰村さんを殴った凶器ではありませんか?」
「…私が、殺しました」

 祥子は、告白を始める。
 余命半年の宣告を受けた辰村は、心臓病の専門医である祥子に治療
を依頼してきた。すでに大勢の患者を抱え、順番待ちをしている患者
までいる祥子は、依頼を断るが、辰村は『ほしいものは何だってやる。
金なんかいらないんだ。財産だってやる』とすがりついた。「私は叫
びたかった! だったら、私の父を、母を返してくれと!!」祥子は涙
ぐんで声を上げる。「私の両親は、辰村に追い詰められて、お金が返
せないことを詫びるために死んだの」
「それで、復習のために、あなたは辰村さんの15億もの財産を奪い取
ろうとしたんですね」
「でも、辰村が私の計画を知ってしまった」辰村は、遺言のことばか
りか、病気のことまで祥子のせいにして、祥子を罵る。『よくも俺を
こんな目に遭わせて! どんなことになるか、思い知らせてやる!!!』
「それで、辰村を殺したんです」
「このジュエリーケースで、ですか? 証拠となってしまうのに、な
ぜこのジュエリーケースを処分しなかったんですか?」答えられない
祥子。

 真紀はさらに、山下の証人尋問を申請する。
 ジュエリーケースを示すが、山下は見覚えはないという。「川口祥
子さんが、なぜこのジュエリーケースを処分しなかったか、ご存知あ
りませんか?」「いいえ」「これが、ご両親との大切な思い出の品だ
ったからです」
 それは、祥子の父が、母の誕生日に贈ったものだった。まさに、絵
に描かれたその日のことである。
「川口さんは、辰村さんを殺害していません。こんな大切な思い出の
品で、人を殺せるはずがありません。それは、川口さんの恋人である
あなたなら、ご存知なんじゃありませんか?」言葉に窮する山下。
 パーティーの夜、慣れた手つきで山下の背広から薬を取り出して飲
ませた祥子。それは、いかにも親密な様子だった。
 真紀は、このジュエリーケースから、辰村の血痕と祥子の指紋、そ
して、もうひとつの指紋が検出されたと明かす。「山下さん、辰村さ
んを殺害したのは、あなたですね。逃げる場所は、ありませんよ!」
「…計画がばれたのは、計算外だった」山下はようやく言葉をつむぐ。

 事件の日、山下は、遺言を書き換えたいと言う辰村に呼び出され、
夜8時に自宅を訪ねていた。
『あの川口って女医に、危うく騙されるところだったよ。あいつ、俺
から財産を取り上げるつもりだったんだ』ぶつけた頭をさすりながら、
話す辰村。きちんと調べるようたしなめる山下に、辰村は『おまえら
二人ともグルか!?』とつかみかかる。『抹殺してやる。弁護士だって、
デカい面できないようにしてやる!』そう毒づく辰村に、山下は思わ
ず、手近にあったジュエリーケースで殴りつける。
 そこに祥子が駆けつける。『仕方なかったんだ。こいつは俺たちを
破滅させようとしたんだ』山下は、辰村がかおりに突き飛ばされたと
言っていたことを思い出し、かおりに罪を着せようと言い出す。祥子
は、山下の持ち歩いている薬を水で溶き、辰村の遺体に注射する。
『この薬は、筋肉を硬くする効果があるの。死後硬直を早められるわ』
 立ち去ろうとしたその時、祥子は、凶器となったジュエリーケース
に気づく。愛おしげに見つめ、それを持って立ち去る祥子。

「死後硬直を早め、かおりさんに罪をかぶせようとしたんですね」答
えられず、その場に崩れる山下。
「川口さん、あなたの幼少の頃の苦難には、同情します。でも、あな
たの悪意が起きなくてもいい犯罪を引き起こし、愛する人にまで罪を
犯させてしまった。あなたがもしも、辰村さんと再会さえしていなけ
れば、優秀な医者として活躍されていたと思うと、残念でなりません」

 閉廷後、山下と祥子は連行される。別れ際、真紀とすれ違った祥子
は「お礼を言うわ。真実が明らかになって、ホッとした。このまま罪
を背負って生きていくのは、地獄だった」小さく微笑んで連行されて
いく祥子を見送る真紀たち。
 辰村かおりは無罪を勝ち取り、山下は殺人罪で、川口祥子は共犯で
逮捕、起訴された。

 真紀が裁判所を出ると、門の前には一平が待っていた。「真紀が法
廷に立ってる姿、見ておこうと思ってさ。かっこいい真紀の姿、目に
焼きつけとけば、離れてても、真紀も頑張ってるんだから仕方ないっ
て思えるだろ」「それって…」「5年なんてあっという間さ。俺、一
生懸命がんばって、真紀を待たせただけの男になって帰ってくるから、
それまで待っててくれないか?」思いがけない一平の言葉に、真紀は
感激し、二人は微笑みあう。

 事務所に戻った真紀は、ようやく、病院で何者かにねらわれたこと
を打ち明ける。
 さらに真紀は、祥子の弁護担当を願い出る。「こんな大きな事件、
また続けてやるつもり!?」呆れる妙子に、「彼女のことだから、絶対
に今回のことを乗り越えます。私、生き直す彼女のそばにいたいんで
す」真紀の熱意に、美佐子も了承する。「私、もっともっと、女性の
味方でいたいんです!」「ただし、冷静にね!」と妙子はおどけて釘
を刺す。
「そんなに仕事してたら、彼氏に逃げられるよ〜」と冷やかす千春。
「そうよ〜、経験者は語る」と宏美。「素敵な彼氏、逃したら一生後
悔するわよ」と妙子も続く。「逃げられてない経験者の方もいるので、
頑張ります!」美佐子のと五月のことである。「怖うて逃げられへん
とか〜?」
 笑いあいながら、仕事に戻る弁護士たち。仕事はまだまだ、山積み
なのだ。


寸  評  最後はさわやかでしたね。THE★能面女優・りょうは、冷たい表
情の中に見え隠れする感情が、とてもよかったと思います。釈ちゃん
もアップ連発で、やっぱりかわいいなぁ〜と、ついつい見とれてしま
いました。
 でも相変わらず、守秘義務もへったくれもないぐらい、業務上の秘
密語りまくっちゃってますね。これってやっぱり、まずいんじゃない
の?
 私はあんまりそういうとこ詳しくないけど…。てゆか、一平ちゃん
がいなかったら糸口つかめなかった事件だらけだよね…トホホ。
 とかいいつつ、楽しかったです。最終回、結構いいデキだったと思
う(ツッコミどころはいろいろあるけど…)。伏線もまあまあしっか
りしてたし。Webサイトも楽しかったよ。

執 筆 者 Nami(nami_s1976@yahoo.co.jp)

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2. 編集後記
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 大変お待たせしました。ようやく完結です。1年以上かけて書いてしまいま
した。発行人の鈴木様および読者の皆様には、大変ご迷惑をおかけしました。
まだまだもう1本の「ブス恋」が残ってますので、引き続き頑張ります。よろ
しくお願いします。(Nami)

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発行元:ドラマ研究会
e-mail:info@j-drama.tv
url   :http://www.j-drama.tv/
ID  :MM3E195F16414CD 
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