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タイトル:Daily Drama Express 2007/03/14 ハケンの品格 (最終回)  2007/06/18


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2007/03/14 (Wed) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.水曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 水曜日の連続ドラマ
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タイトル ハケンの品格
局  名 日本テレビ系
放映日時 水曜22時
キャスト 大前春子(篠原涼子)
 森 美雪(加藤あい)
 里中賢介(小泉孝太郎)
 東海林武(大泉 洋)
 浅野 務(勝地 涼)
 黒岩匡子(板谷由夏)
  小笠原繁(小松政夫)
 天谷眉子(白川由美)
 桐島敏郎(松方弘樹)
脚  本 中園ミホ
主題歌  「」

あらすじ  最終回 契約終了!!…スーパー派遣 最後のスキル

 「98社.....わたしがこれまでハケンで行った会社の数です」と
大前春子(篠原涼子)。
 「すごい」と里中賢介(小泉孝太郎)。
 「態度が悪いと、1時間で切られた会社も含めて、こんなことを言
ってくれる上司と初めて出会いました。甘々なところを除けば、里中
主任はすばらしい上司です」と春子。
 「ありがとうございます」と里中。
 「でも、わたしは三ヶ月で去ります」と春子。
 「なぜ?」と里中。
 「わたしが決めたルールだからです」と春子。
 「ルール!?」と里中。
 「わたしがハケンで生きていくためのルールです」と春子。

 桐島敏郎(松方弘樹)部長が、どんなに引き留めても、春子は契約
更新をしないという。
 どうしてもと理由を聞かれ、理由その1.三ヶ月以上いると、自分
のあまりのスキルの高さに、正社員との格差が広がる。理由その2.
正社員が春子を頼り、ますます使えなくなる、と言う。そして、後の
こり契約期間三週間は、お時給分、きっちり働きますと言う。

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 おごれる正社員は久しからず。今や派遣なしに会社は回らない。た
とえばこの大前春子。彼女の辞書に不可能と契約更新の文字はない。
三ヶ月の派遣期間が終わるとどこへともなく去っていく。だが、スー
パー派遣大前春子が契約更新をしない理由は別にあった。
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 里中が、ハケン弁当の発売日が4月2日と伝える。その日にはすで
に、春子も森美雪(加藤あい)もいない。

 浅野務(勝地涼)は、もっと発売日を早められないかと言うが、嘱
託の小笠原繁(小松政夫)は上の決定だから、無理だという。

 春子は、それよりも、コスト面はクリアできたのかと問う。

 里中は、販売価格500円に対して、味等にこだわると、どうして
もコストが600円になってしまうと言う。


 東海林武(大泉洋)は会社を辞めるのを止め、名古屋の運輸子会社
へ行く。そこでも尊大な挨拶。

 東海林は里中に、春子の身体は、サバ味噌でできている。だから四
月からのさぞ味噌定食無料券を作れば、契約を更新すると言う。

 さっそく実行する里中。
 でも春子は、その券を小笠原にあげてしまう。


 昼休み。東海林は一緒にお昼を食べる仲間もなく、一人でパソコン
に向かってパンをかじっている。東海林の友達は、ひたすら里中との
メール。

 次の作戦を考える東海林。春子は社員との競争に異様に燃える。対
決があれば四月以降も働くはずだ。東海林のいない今、杏子と張り合
えるのは黒岩匡子(板谷由夏)しかいない、と言う。

 匡子は里中に、東海林は急に転勤してしまったから、送別会も開け
なかったけど、きっと東海林なら手柄を立てて、すぐ本社に戻ってく
るだろう、と言う。

 里中は匡子に、原価表を見せる。
 調味料が高い、と匡子。
 コストを見積もった春子は、何か?と怖い顔で言う。この調味料で
ないと、ミネラルバランスが崩れると言う。
 匡子はあっさりと、「そうね」と言う。
 笑ったことのない春子が、なんと匡子には笑顔を見せている。

 この報告を受けた東海林は、頭をかきむしる。


 名古屋の子会社の人たちは東海林に、「おい、ネクタイ! 高い給
料もらってんだから、給料分働け!」と言う。
 おとなしく「はい」と答える東海林。
 名古屋の人たちは、「こういうのは、ビシッといかないと。最初が
肝心だから」と仲間同士で言う。


 一ツ木慎也(安田顕)は美雪に、そろそろ次の派遣先を探さないと、
と言う。S&Fのハケンをキッチリと勤め上げれば、美雪にとって貴
重な経歴となる、と。
 がっかりする美雪。

 一ツ木の携帯が鳴る。
 電話を終えた一ツ木は、美雪はまた三ヶ月S&Fで働けると言う。
里中が、美雪の契約が更新できるよう、掛け合ってくれたからだった。


 美雪の契約更新を知って喜ぶマーケティング課一同。
 小笠原は、冷え性の美雪のために膝掛けをプレゼント。小笠原の妻
が編んだのだ。


 材料費が安くできず、米プラスティックをあきらめるしかないか
な.....と悩んでいる里中。目の前でお昼の弁当箱を洗っている近耕
作(上地雄輔)。里中はひらめく。

 最初に弁当箱を100円で買って貰う。次からは、中身だけを
500円で売る。これでコスト面がクリアできる、と里中。
 上の方のOKも出て、里中は近を連れて、新潟に出張する、と言う。

 春子が、明日は築地に行ってください、と言う。マグロの常さん
(小野武彦)が、さばの仲買人に話を付けてくれるというのだ。


 一同は築地を訪れる。
 常さんはサバの仲買人に対して、この人たちは春子の仲間だからと
強調し、サバ キロ 1200円で話をまとめる。

 常さんは、春子はここに一年いた。セリまで任されるまでになった。
春子には、ここの水があっていたのだろう。
 春子はずっといたかったのに、突然上からクビを言い渡された。

 春子はそれ以来、契約は三ヶ月だけで、契約更新はしない。それは
親しくなると、別れがつらくなるからだ。それだけ情が深いのだと言
う。


 美雪は更新のことで一ツ木と会う。


 里中が東海林に、春子は別れがつらくて、契約更新しない、とメー
ルを送る。

 東海林は、それなら正社員になればいいのに、と返信する。

 一ツ木が里中に、美雪は実家の関係で契約更新できないと詫びる。
 美雪は、ハケン弁当発売当日には、お手伝いに来ます、と言う。

 春子の指導で調理。準備は着々と進んでいる。


 東海林は、こんなメールを送ったら、里中が心配するだろうな.....
と迷っている。
 でも、びっくりした拍子に、誤って送ってしまう。

 東海林がマーケティング課に電話すると、春子が出る。里中はおろ
か、社員は誰もいない、と春子。
 じゃあ、美雪に代わってくれと東海林。

 春子が美雪の声色を使い、美雪に電話を替わったことにする。
 東海林は、さっき里中にまずいメールを送ってしまった。里中のパ
スワードを教えるから、こっそり削除しておいてくれ。その際、内容
は読まないでくれ。内容が漏れたら、大変なことになる、と言う。

 春子は里中のメールを開けると、メールを読んでしまう。
 東海林は、職場に正社員は自分一人で、トラックの運転手たちから
『ネクタイ』と呼ばれている。しかも、ネクタイは仕切るな、とか、
ネクタイは働けとか言われ、まるでハケンのよう。こんなことでハケ
ンの気持ちが分かってどういるのだろう。里中だけは見捨てないで欲
しい、と書かれている。
 「なさけない」とつぶやくと、春子はそのメールを削除する。


 3月29日。
 「あと一日」と自室でつぶやく春子。

 翌日、春子と美雪の最後の出勤日。


 新しいハケンの面談。
 桐島は春子の代わりに5人ぐらい入れなければ駄目かな、と言う。

 近は、自分だけ契約を更新して済みません、と言う。

 春子は今日中に片付けなければならないから、仕事が山のようにあ
るから、話しかけないでと言う。

 里中が、みんな定時に切り上げて、カラオケと食事ができる店で送
別会をしましょう、と言う。

 美雪は、送別会なら前にして貰ったから、と断る。そして4月2日
は手伝いに来ると言い、春子は来ませんという。


 6時になり、春子は「契約終了」と言って立ち上がると、挨拶もな
くさっさと去っていく。
 美雪も去っていく。

 美雪はS&F社を出ると、泣き出す。
 春子が美雪に、今までトイレに駆け込んで泣いてばかりいた美雪が、
よく業務終了まで持ちこたえた。成長しましたね、と言う。

 美雪は、群馬に帰るなんてウソ。一生春子についていくなんて言っ
たけど、それも果たせない。みんないい人たちばかりで、ずっと働い
ていたかったけど、いつか自分だけが去っていかなければならない。
いくら高いスキルを磨いたって、そんな別れのあるハケンとしては、
自分は働けない、と言う。

 春子は、誰も派遣として働いてくれとは頼んでいない。でも、働く
ということは生きるということ。この三ヶ月、貴重な経験をしました
ね。お疲れ様、と春子。
 「お疲れ様でした」と春子を見送る美雪。そして美雪も去っていく。

 そこに里中が近づいてくる。でも、二人に声を掛けずにいる。


 カンタンテにやってくる里中。
 「契約終了しましたが、何か」と春子。

 里中は、さっき春子が美雪に言っていたことを聞いてしまった。東
海林もよく同じようなことを言う。一緒に働くことは、一緒に生きる
ことだ、と。二人とも、自分を愛するように、仕事を愛しているのだ
と思った。
 でも、一番自分を分かっていないのは春子だと思う。春子は東海林
のことが好きなのだ、と里中。

 その会話を聞いていた天谷眉子(白川由美)が里中に、よく言った!
と言う。

 春子は、里中の額と自分の額に人差し指を当てると、「クリック、
ピッ!」と言う。
 「なんですか?」と里中。
 「削除しました。もうS&Fの人とはかかわりがありません。だか
らわたしの中から削除しました。もう店に来ないでください」と春子。

 眉子の息子・天谷リュート(城田優)が、春子は契約が終わると、
いつもああいうと言う。

 眉子はいつもと違うという。残業しない春子が残業した。きっと
S&Fという会社は、春子にとって特別だったのだ。この三ヶ月間は
特別だったのだ、と言う。

 春子は自室を片付ける。

 翌朝、春子は出て行く。


 4月2日。弁当箱が届かない。里中が新潟の工場に問い合わせると、
新潟地方は大雪で、道路が通行止めになっていて、輸送できない。

 春子は空港で、大雪のニュースを見る。

 里中は、今日だけは使い捨ての容器にすることに決め、容器を探す
が、見つからない。『天は我々を見放したか』

 ハケン弁当の会場の上空を飛ぶセスナ機。
 その飛行機に従って、空き地に車を走らせる。

 飛行機から荷物が放り出され、やがて女性も飛び降りる。
 彼女は落ちる途中で、荷物についた落下傘を開き、自分の落下傘も
開き、着地。

 春子だった。
 荷物の中身は、『マイ弁当箱』

 「大前さん、ありがとうございます!」と里中。
 「お礼を言われるいわれはありません。スカイダイビングはわたし
の趣味です。それが何か?」と春子。
 「全く、素直じゃないな」と浅野がつぶやく。

 「パラシュート!」との声に、「片付けておいてください」と春子。


 ハケン弁当の販売が終わる。マイ弁当箱は好評。


 桜が散る中、春子は満足そうな笑みを浮かべて歩いていく。

 ハケン弁当は好評で、フランチャイズ展開も始まる。
 その開発者として、里中も有名人となる。


 桐島は眉子に、会社で一生懸命働いていれば、人間波に乗ることも
ある。優しいだけが取り柄のあの男がねぇ、と言う。

 眉子は桐島に、里中に仕事人間になって欲しいの?と問う。
 桐島は、そうならざるを得ないだろう、と答える。


 里中は、2007年上半期の社長賞を受ける。
 その受賞スピーチで、このハケン弁当は、一人の派遣のアイディア
と、スキルフルなハケンの助けによって成功した。この賞を貰うべき
は自分ではない。ハケン弁当の真価はこのような賞を貰うことではな
く、社員と派遣の協力を得られたことだと言う。


 里中は、老人(大滝秀治)に呼び止められる。老人はハケン弁当を
食べている。
 老人は、S&Fの会長だった。なぜハケン弁当がここまでヒットし
たかと問う。
 里中は、それはS&Fの社員食堂を見ればわかりますと答える。社
員なら350円のカレーが、ハケンなら700円。

 会長は、ハケンをもっと増やすべきか?と問う。
 里中はそれはわからない。けれどあるハケンに言われた。あなたた
ちはハケンを人と思っていない。人として向き合わなければ、仕事は
できない、と。
 会長は感じ入る。


 美雪は、一ツ木と会社まわりをしている。美雪は一定期間ハケンと
して働き、正社員に取り立てられるのを狙っている。でも、面談で正
直に書類の紛失事件まで話してしまい、失敗してしまう。


 近は次の職場として、同じ仕事なら、ハケンも正社員も同一賃金の
ところを選んだ。でも、そこでは正社員は派遣のせいで自分たちの給
料が下がった、という不満を抱えている。


 春子はまたスペインにいた。
 携帯が着信するが出ない。
 掛けてきたのは美雪で、春子の携帯の留守電にS&Fの近況を吹き
込む。日本は雪。

 マーケティング課の主任は匡子になっていた。匡子は大変厳しく、
いまだ学生気分の浅野の後輩・那須田透(斉藤祥太)を、しっかりし
ろと叩いている。新しいハケン二人も震え上がる。
 小笠原はパソコンが使えるようになっていた。

 里中と浅野は営業部に戻り、バリバリと働いていた。

 美雪はアルバイトをしながら、紹介予定派遣の受験をしていた。
 そして遂に受かったのが、あのS&F。でも、一年後には半数が辞
めていくほど厳しい。

 ところで東海林はまだ本社に戻ってきていない、というとろこで、
録音時間が終わっている。

 留守電を再生する春子。

 −− ある人に出会う前と後とで、すっかり人生が変わってしまう
ことがある。大前春子さんはわたしにすごく大きなインパクトを与え
ました。働くことは生きること。


 東海林は相変わらず名古屋の運輸子会社にいた。未だにトラックの
運転手たちから、無視されている。里中は社長賞貰ってすごいな.....
とぼやく。

 里中は京都出張のついでに東海林の職場を訪ねる。

 東海林の前に、いきなり春子が立っている。
 東海林は春子に、ふぐでも食いに行くか。ふぐ好きだろうと言う。

 春子は、ふぐなら自分でさばく、と言って、ふぐ調理師免許を見せ
る。
 そして次々といろいろな免許を見せる。

 東海林は、そんなに資格を取るのでは、何十年掛かるんだ?そもそ
も春子は何歳なんだ?と聞く。
 春子は、100才ですと答える。
 東海林は、おおざっぱな冗談は言うなと言う。

 春子は派遣を募集しているから雇ってくれますね、と言う。
 東海林は、春子のようなスキルがあれば、どこにでも勤められるだ
ろう。そもそもここには春子の高い時給に見合う仕事はない、と言う。

 春子は、ドライバーと事務で人の二倍働くので、時給3000円い
ただくという。
 東海林は頷いてしまう。

 春子が顔を東海林に近づける。
 期待する東海林。

 でも春子がやったのは、東海林の眉毛を抜くこと。そして眉毛はク
ルクルパーマじゃないんですね、と言う。

 痛い、謝れ!と叫ぶ東海林。

 春子はさっさとハケン弁当を積んだ大型トラックの運転席に乗り込
むと、トラックを福岡に向けて発車する。

 叫ぶ東海林を、里中が止める。
 里中の出現に驚く東海林。そして春子が行っちゃった?.....いや
来ちゃった?と言う。


寸  評  お弁当箱の時、てっきり春子はセスナを操縦しているのだと思い
ましたが、実はスカイダイビングの方だったのですね。

 東海林がついにみんなが抱いている疑問を投げかけてくれましたが、
春子にうまくかわされてしまいました。

 名古屋で、時給1500円というのは難しくないんですかね。それ
とも、派遣会社を通さない直接契約だから可能?聞いた話では、派遣
会社に払うのは、派遣自身の時給の約2倍とのこと。
 また、ドライバーと事務員では、同時にこなせないし、ドライバー
が過労では事故につながり、労務上の問題なり、実際には不可能では
ないでしょうか?

 下馬評では、この終わり方なので、続編が作られるのではないかと
のことですが、どうなのでしょうか?
 今度は春子は東海林を助けて、本社復帰をさせる?

執 筆 者 鈴木(drama_sumire@yahoo.co.jp)

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2. 編集後記
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 春子は強いのでしょうか?弱い自分を隠しているのでしょうか?
 そう思うのは。これを書きながら見ているテレビ(録画)があるのですが、
それを応用すると、強気に出て、資格で武装する人は、本当の自分は弱いので
は、と思えるのです。
 わたしは、自分の心理的な人生の転換点は二度あったと思っています。
 一度目は小学校五年生の時で、その時初めて手を挙げて答えるということが
できるようになりました。それまではあまりに内気すぎて、答えは全部分かっ
ていたのに、手を挙げられなかったのです。
 二度目は就職活動の時。内気にしていてはどこも受からないことが判明し、
それから積極的に自分をアピールするようになりました。
 もちろん、今でもプレゼンはとても緊張します。逃げたくなることもありま
す。
 でも、それでもできるようになったのは、あのつらい就職活動を経験したた
まものだと思っています。(鈴木)

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発行元:ドラマ研究会
e-mail:info@j-drama.tv
url   :http://www.j-drama.tv/
ID  :MM3E195F16414CD 
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