メルマガ:日刊ドラマ速報
タイトル:Daily Drama Express 2007/03/12 東京タワー (10)  2007/06/06


===================================================== 発行部数   25 ==
                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2007/03/12 (Mon) ☆☆
======================================================================

== 目次 ==============================================================
  1.月曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
======================================================================

----------------------------------------------------------------------
1. 月曜日の連続ドラマ
----------------------------------------------------------------------
タイトル 東京タワー オカンとボクと、時々、オトン
局  名 フジ系
放映日時 月曜21時
キャスト 中川雅也(速水もこみち)
 中川栄子(倍賞美津子)
 中川兆治(泉谷しげる)
 藤本ハル(赤木春恵)
 藤本香苗(浅田美代子)
 佐々木まなみ(香椎由宇)
 鳴沢 一(平岡祐太)
原  作 リリー・フランキー 「東京タワー オカンとボクと、時々、オト
ン」
脚  本 大島里美
主題歌  『』

あらすじ  第十回 最後の選択

 中川雅也(速水もこみち)が帰宅したとき、オカン・中川栄子(倍
賞美津子)はウサギをあやしていた。心配しているのは雅也の風邪の
具合。

 −− 大地震、火星人襲来、地球最後の日。ノストラダムスの大予
言。子供の頃持っていた絵本に書かれていた。恐ろしい未来も、恐ろ
しいとおもっいなかった。でも、一番おそれていたことが現実味を帯
びて迫ってきた。

 十人近くが、栄子の料理を食べに集まってきている。
 佐々木まなみ(香椎由宇)は北海道の実家に帰ったまま。


 夜、栄子は白髪染め。
 やってきた雅也に、後ろを染めて貰う。

 栄子は、自分が死んだら、積み立ててあるお金と連絡先があるので、
使うよう、言う。胃ガンだと知ってしまったから、と。

 雅也は、栄子は死なない。二回も生き返っているのだから、今度も
大丈夫だ、と言う。

 −− ボクが一番おそれていたこと。小さな頃から一番不安な気分
に襲われること。想像するだけで頭を抱え、両耳をふさぎたくなった
こと。いつか確実に訪れること。巨大な運命の渦巻き。ボクが一番お
それていたものが勢力を増して近づいてきた気がした。グルグル、グ
ルグル、と。


 1998年12月18日。
 お正月の準備を始めている栄子。
 栄子は雅也を座らせると、朝はきちんと起きること。仕事の人に迷
惑を掛けないようにすること、と言って、ノートを渡す。
 うさぎの世話もしっかりすること。動物はしゃべらないから。
 そして万一のことがあったら、タンスの中に小箱があるから、と言
う。

 栄子は出かけると言う。
 雅也は、どうせすぐ帰ってくるんだからと言い、栄子と一緒に外へ
出る。

 −− 東京タワーのふもとにある病院に、オカンはまた入院するこ
とになった。オカンの病気、入院。いつかと同じ風景。それなのに、
どこか違う。オカンの背中は小さくて、頼りなくて、切なかった。

 雅也は栄子の手を取る。

 −− ボクがオカンの手を引いて歩くのも、その日が初めてだった。


 1999年1月15日。
 オトン・中川兆治(泉谷しげる)が病院にやってくる。栄子の見舞
いに来たのだ。
 何人部屋か?と兆治が聞き、4人部屋と聞くと、個室に移ったらい
かん、と雅也に言う。

 栄子は兆治に、もう手術はイヤだ、と言う。
 兆治は、先生が切るというなら、切らなきゃいけない、と言う。

 栄子は食事のプリンを雅也に、好きでしょと渡す。


 帰宅した兆治は雅也に、今度はもう栄子も駄目かもしれない、と言
う。
 雅也は、栄子から渡されたノートを手に、鳴沢一(平岡祐太)と打
ち合わせ。イラストができない雅也に鳴沢は、それとなく事情を話し
て、締め切りを延ばして貰おうと言う。そしてまなみには伝えたのか?
と。
 言ってない、と雅也。


 雅也が帰宅すると、栄子からの電話。明日検査結果の説明があるの
で、先生を待たせてはいけないから、目覚ましをちゃんと二つかけな
さい、と言う。


 1999年1月19日。
 医者は、スキルス性の胃ガン。進行が早く、肝臓にも移転している、
と言う。

 栄子のところに、遅刻してしまったとやってくる雅也。栄子の妹・
藤本香苗(浅田美代子)も雅也を叱る。
 でも栄子は、雅也も香苗も、芝居が下手だ。雅也に本当のことを言
うよう迫る。

 雅也は覚悟を決め、スキルス性胃ガンで、手術はできない。抗ガン
剤治療がある。ちょっとつらい治療かも知れないけど、一緒に頑張ろ
う、と説得しようとする。

 栄子は遂に、頑張ってみようかねぇ、と言う。


 1999年1月22日。
 オカンの抗ガン剤治療が始まった。抗ガン剤が投与されてすぐに、
オカンは苦しみ始めた。


 雅也が冷蔵庫を開けると、栄子が作り置きした料理が積み重なって
いる。

 雅也のイラストの仕事もはかどらない。
 鳴沢が来ても、雅也のイラストが仕上がっていない。締め切りを延
ばして貰うかという鳴沢に、「もうよかよ」と雅也。

 鳴沢はまなみに、雅也の母親の話をする。


 1999年1月31日。
 雅也は医師から、明日より二回目の抗ガン剤投与をするかどうか問
われる。1回目の投与で、栄子の身体の衰弱は激しく、二回目はそれ
以上のつらいものになるだろう。残された時間を有意義に過ごすとい
う選択肢もある、と言う。

 雅也が栄子の病室を覗くと、大勢の人たちが、見舞いに来ていた。

 雅也は、二回目の抗ガン剤投与を希望する。


 夜、栄子は雅也に、好物だから取っておいた、とプリンを食べさせ
る。
 栄子は、雅也がきちんと仕事をしているか心配する。
 大丈夫、と雅也。

 栄子はまなみのことを聞き、雅也は栄子の病気のこと、心配してい
たと答える。


 雅也は手塚修一郎(石黒賢)に、あきらめられない。たとえ1%で
あっても可能性があるなら、治って貰わなければ、と言う。


 1999年2月2日。
 雅也が見舞うと、栄子は痛みと吐き気に苦しみ、香苗が必死に面倒
を見ていた。


 雅也が気落ちして帰宅すると、山田耕平(柄本祐)や徳本寛人(高
岡蒼甫)、レオ・リー(チェン・ボーリン)がやってきて、ろくなも
のを食べていない雅也のために、食事を作ったと言う。
 でも、雅也は頭を抱えて、「帰ってくれ!」と言う。
 三人は、仕方なく帰って行く。

 雅也はそっと茶箪笥の中を覗く。すると栄子は自分の葬儀費用を互
助会で積み立てていた。
 小箱には、『オカンが死んだら開けなさい』と書かれていて、雅也
は慌てて元の場所に戻す。
 そのまま、茶箪笥の前に座り込んでいる雅也。


 香苗が、雅也は電話にも出ないし、病院にも来ないので、やってき
た。
 手早く栄子の着替えを用意すると、雅也に「さあ行くよ」と言う。

 雅也は、行かない。行ってどうなるものでもない、と。
 香苗は雅也をはたくと、「バカチン! なんて顔しとる。誰の子供
や。姉さんはどんな時も心配かけんように笑ってきたやないか。あん
たが笑わんと、誰が笑うね」と言う。

 泣き出す雅也。


 まなみが栄子の見舞いに訪れる。
 沈んだ顔のまなみに、「そんな顔しなさんな」と栄子。
 まなみは、すぐに来られなかったことを詫び、これからはちょくち
ょく来ると言う。まなみの指には、あの真珠の指輪。

 栄子は、雅也が倒れそうになったとき、もたれかからせてやって欲
しい。二人でいれば、どこでも大丈夫だから、と言う。

 雅也は病室の前まで来るが、中へ入らず、外へ飛び出すと、東京タ
ワーの見える道路に跪き、うずくまる。

 東京タワーのライトが消える。

 雅也はエレベーターの中の鏡に向かって、無理に笑う。

 雅也が病室に入ると、栄子がうなっていて、雅也は慌てて栄子の背
中をさする。

 気がついた栄子は雅也に、「もう、やめたか(やめたい)」とつぶ
やく。
 「やめよっか」と雅也。
 頷き会う二人。
 「よう頑張ったね.....オカン頑張った」と雅也。

 栄子を助け起こして抱きしめると、雅也は必死に「大丈夫やけん。
もう心配せんでいい」と言う。

 −− ボクの一番おそれていたこと。いつか本当にやってくること
に。

 雅也は医師に、抗ガン剤治療中止を申し出る。
 医者は、もってあと2,3ヶ月だろう、と言う。


寸  評  遂にオカンの命のカウント・ダウンが始まりました。
 世の中、癌で余命宣告を受けてから、それをはねのけて頑張って生
きている人たちもいます。でも、オカンの場合は転移している上に、
スキルス性胃ガンでは本当に無理かな、と思います。

 母親を亡くす−−もしかしたら、この世で一番つらい別れかもしれ
ません。誰にとっても、母親は特別な存在でしょうね。まさに血肉を
分けた唯一の存在ですから。
 幸い、わたしの母はまだ存命です。でも、いつか絶対に来るであろ
うその時を考えると、涙を禁じ得ません。

執 筆 者 鈴木()

----------------------------------------------------------------------
2. 編集後記
----------------------------------------------------------------------
 昔、友達が言っていました。子供物と動物ものは、無条件に泣いてしまう、
と。
 それに、母ものもそうですね。
 このドラマ、ストーリー自体なんの変哲もないと言うか、ストレートなんだ
けど、それなりの人気を保っているのは、なんと言っても母親の無条件の愛情
と、その母親を亡くすことがわかっていて、それに向かって時間は容赦なく流
れていく、切なさでしょうね。(鈴木)

======================================================================
発行元:ドラマ研究会
e-mail:info@j-drama.tv/
url   :http://www.j-drama.tv/
ID  :MM3E195F16414CD 
このメールマガジンは、メールマガジン[MailuX]を利用して発行しています。
(http://www.mailux.com/)
======================================================================

ブラウザの閉じるボタンで閉じてください。