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タイトル:Daily Drama Express 2006/06/01 七人の女弁護士 (8)  2007/05/26


===================================================== 発行部数   25 ==
                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2006/06/01 (Thu) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.木曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 木曜日の連続ドラマ
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タイトル 七人の女弁護士
局  名 テレビ朝日系
放映日時 木曜21時
キャスト 藤堂真紀(釈由美子)
 杉本美佐子(野際陽子)
 南條宏美(川島なお美)
 木下五月(柴田理恵)
 田代千春(南野陽子)
 飯島妙子(原紗知絵)
  麻生恵理(井上和香)
 北村一平(永井大)
脚  本 尾崎将也
主題歌  『』

あらすじ 第8話 “氷の女検事”が隠した密室殺人トリック!?

 藤堂真紀(釈由美子)が外出先から『7人の女弁護士事務所』に戻
ると、テレビニュースが、真紀の母校・東都大学で起こった殺人事件
を報じていた。理工学部の研究室で、大学院博士課程の学生・津村直
美(宝積有香)が、首を絞めて殺されていたのだ。

 事件は、6月1日の深夜に発生。殺された直美は、研究のため夜遅
くまで一人で大学に残っていた。着衣が乱れていたことから、犯人は
彼女を暴行しようとして、抵抗されたために首を絞めて殺害されたも
のと思われた。司法解剖の結果、死亡時刻は午前0時から1時ごろと
推定。容疑者として浮かんだのは、大学職員の中野和彦(坂上忍)だ
った。直美の同級生の田島康雄(永山たかし)や野村美奈(松見早枝
子)によると、和彦は直美にしつこく付きまとっていたという。和彦
は犯行を否認するが、現場からは彼の毛髪が発見されており、担当検
察官の島崎弥生(荒川静香)は、彼を起訴する。

 そんななか、和彦の妹・中野瑞枝(矢沢心)が、『7人の女弁護士
事務所』を訪れる。涙ながらに兄の無実を訴え、弁護を依頼する瑞枝
だが、婦女暴行殺人の被告を弁護するとなると、事務所としては慎重
にならざるを得ない。だが、所長の杉本美佐子(野際陽子)は、「せ
っかくこうしてうちの事務所を頼っていらしたんですもの」と、依頼
を引き受けることを決め、真紀が担当することになる。

 帰宅した真紀は、直美の司法解剖を担当したのが、恋人の北村一平
(永井大)だと知る。大学の後輩が殺されたのに、その容疑者の弁護
を担当するなんて複雑だと話す真紀に、あえてそういう経験をさせよ
うという美佐子の親心ではないかと諭す一平。
 一平は、真紀の弟の雅人(武田航平)に、この事件の担当検事がと
ても美人だと耳打ちする。「きりっとしててさ…」「どうせ私はきり
っとしてないですよ」むくれる真紀。担当検事の弥生は、真紀の学生
時代の親友だった。
 スケート場で、初心者の真紀を優しく手助けしてくれた弥生。だが、
弥生は検事の道を歩むことを決め、それぞれの道で頑張ることを誓い
合った。「いつか法廷で対決したりして」「あるかもよ」笑いあう二
人。
 だが、大学を卒業して以来、会っていなかった。本当に対決が実現
したことを知り、気を引き締める真紀。「自信ないなんて、言ってる
場合じゃないよね」

 翌日、南條宏美(川島なお美)や飯島妙子(原沙知絵)とともに、
和彦に接見する真紀。無実を訴える和彦は、ただ直美と話がしたかっ
たのだが、口下手なばかりに、何も話せないまま何度も直美の前に現
れ、ついには「迷惑だ」と言われてしまったと言うのだ。「そういう
のを世間では、“ストーカー”っていうんですよ」と宏美。だが、直
美が生前話していたように、尾行したり家の周りをうろついたりはし
ていないと主張。「嘘をついていることが法廷でわかると、ますます
不利になるんですよ」と確かめる宏美の言葉にも、「本当です、信じ
てください」
 毛髪が発見された殺人現場の研究室には、入ったこともないという。
犯行当日、夜11時半ごろまで行きつけの飲み屋で飲んでいたという主
張は、証明されていた。だが、その後、実際に帰宅したかどうかを証
明する材料がない。「とにかく俺は、好きだった人を殺すなんて、そ
んなこと…。殺した犯人が、憎いです!」

 初公判当日。やはり和彦が犯人だとは思えないと言う真紀に、妙子
は、本人が否認しているのに起訴するということは、検察は相当自信
があるのだと話す。「なのに私たちは、彼の無実を立証する材料をま
だ何も持っていない」妙子は、確証はないが、和彦が何かを隠してい
るような気がすると言う。
 そこへ、弥生が通りがかる。「久しぶり!」笑顔で駆け寄った真紀
に、弥生はクールに応対する。大学の同級生だと紹介し、「お手柔ら
かにね」と微笑む真紀に、弥生は、「悪いけど、手加減しないわ。裁
判は勝つか負けるか、それだけ」言い放ち、立ち去る。「手ごわそう
な人ね」と妙子。「気合で負けてんじゃないの!?」と宏美にからかわ
れ、「そんなことありません!」と真紀は気合を入れなおす。
 訴状を読み上げる弥生。「被告人・中野和彦は、平成18年6月1日
24時ごろ、被害者・津村直美が一人で研究室にいるのをいいことに、
被害者を暴行しようとしたが抵抗を受けたため、首を絞めて死に至ら
しめたものである。罪名および罰状、殺人。刑法199条。以上につき、
ご審理願います」起訴状に対して、和彦は犯行を否認し、宏美は弁護
人として、無罪を主張する。

 弥生の冒頭陳述。「被告人は、東京都足立区で出生し、地元の高校
を卒業後、飲食店従業員、土木作業員などをしていたが平成15年4月
ごろより、東都大学設備課の職員として稼動している。また、被告人
は、平成14年7月8日、傷害罪で逮捕され、翌平成15年6月24日、懲
役1年、執行猶予3年の判決を受け、現在執行猶予期間中である。続
いて犯行状況ですが…」
 弥生の陳述を聞きながら、真紀は、学生時代の弥生の姿を思い出し
ていた。

 傷害事件のことを知らなかった真紀たちは、瑞枝に事件について尋
ねる。瑞枝は、飲み屋でからまれて殴ってしまったのだと打ち明け、
和彦は悪くない、人殺しなどできない優しい人だと訴えるが、宏美は、
無実を信じるならなぜ事件のことを話してくれなかったのかと問う。
「言ったら引き受けてもらえないんじゃないかと思って…。お願いで
す、兄を見捨てないでください!」
 弥生は、やり手で有名だという。学生時代も成績優秀だったと言う
真紀に、田代千春(南野陽子)は「そういう人と真紀ちゃんが友達っ
て、なんか不思議やね」「どういう意味ですか!?」「でも、本当の闘
いは検察官とではなくて、我々が被告人の無実をどうやって証明する
かにあるのよ」と美佐子は諌める。麻生恵理(井上和香)は、帰宅途
上の和彦を誰かが目撃しているかもしれないと言いだし、千春ととも
に調査に当たることになる。
 また、和彦は、直美に言い寄ったのは事実だが、尾行はしていない
と言っていた。つまり、誰かほかの人が尾行していたということで、
その人物が真犯人かもしれない。真紀は、大学で直美の周辺を洗いな
おすことにする。

 妙子や宏美とともに東都大学を訪れた真紀は、弥生と他愛もない会
話を交わしたキャンパスを、懐かしげに見回す。
 食堂で康雄や美奈に話を聞こうとする真紀たち。「どうしてあんな
やつを弁護するんですか!?」と責める二人に、「彼が犯人かどうか、
まだわかりません」「真実を明らかにするためなんです。ご協力くだ
さい」と頼む。
 帰宅途中に誰かにつけられているような気がする、と美奈に打ち明
けていた直美。さらに康雄には、後ろを振り向いたときに和彦の顔が
見えたと話したのだという。「今度尾行されたら、すぐ俺の携帯に電
話しろって言ったんです。俺が捕まえてやるからって。でも、その前
にあんなことに…」
 そこへ、直美の担当教授だった木田聡(小市慢太郎)が通りがかる。
真紀は、ストーキングについて何か聞いていないかと尋ねるが、「私
は学生とプライベートな話はしないものですから。今にして思えば、
もう少し深くかかわっておけばよかったと…」事件の夜11時ごろ、帰
り際に大学に残っていた直美と出会い、言葉を交わしたという木田。
「あの時、無理にでも帰らせておけばよかった」
 さらに、和彦のアパート周辺では、スナックのママが帰宅する和彦
を目撃していた。和彦は12時ごろ帰宅したと言っていたが、ママが目
撃したのは深夜1時。その日が誕生日だったからよく覚えているとい
う。

 一方、検察庁では、検事正・近藤勲が、弥生に進捗を確かめる。
「被告人はまだ犯行を否認しているようだが、大丈夫だろうな?」そ
こへ、一平が入ってくる。直美の死亡推定時刻について、疑問が湧い
てきたと言うのだ。
 今回は、死体の体温低下を主な判断材料として死亡時刻を推定した
が、死後硬直などほかの要素に比べて、体温の低下速度が遅いように
感じると話す一平。もしも部屋に暖房が入っているなどの要因で体温
低下が遅かったなら、死亡時刻は、あと1〜2時間早い可能性がある
のだという。だが、近藤は「この季節に暖房は入れないでしょう」と
取り合わない。弥生も「検察としては、中野被告の犯行に確証を持っ
ています。それが確かである以上、死亡推定時刻の誤差を気にする必
要はないと思います」と言い放つ。
「余計だったかなぁ〜」と検察庁を出ながらぼやく一平。「せめて真
紀に知らせてやるか」と携帯を手に仕掛けるが、「ダメダメ、職務上
の秘密」と思い直してその場を立ち去る。

 事務所では、弁護士たちが頭を抱えていた。直美を尾行していたの
が和彦だと言う話、そして、事件当夜の和彦の帰宅時刻が午前1時ご
ろだったという話、これらが本当なら、弁護側に不利な状況証拠とな
ってしまう。
 千春は、康雄の証言が気になっていた。直美が、尾行していたのが
和彦だと、康雄だけに打ち明けたというのが引っかかると言う。なぜ、
今まで悩みを打ち明けていた女友達に話さなかったのか。確かに不自
然だと、木下五月(柴田理恵)や恵理も同意。千春は、この件は自分
に任せてほしいと申し出る。

 千春は、康雄が一人で飲むカウンターバーに現れ、彼の隣に座る。
色気たっぷりの千春に、康雄は思わず「こんな時間に、一人で飲みに
来るんですか?」と話しかける。「お家に帰るのが怖くて」千春は、
夜道を歩くと誰かがつけてくるのだと話す。「でもね、本当は犯人は
わかってるの。ほっそりした体格で、縁が赤くて小さいめがねをかけ
てるの」康雄は、縁の赤いメガネをかけていた。
 動揺する康雄に、千春は正体を明かす。
 康雄は、去年直美にプロポーズをして、断られていた。その仕返し
に彼女を尾行し、怖がるのを見て楽しんでいたのだという。「相談に
乗ってやれば、もう一度チャンスが来るかと…」「あんたホンマに大
学院生!? 幼稚園からやり直したほうがええんちゃうか」とあきれ返
る千春。「でも殺したのは俺じゃない!」「ほな、彼女が殺された夜
は?」この店にいたというが、店員は覚えていない。康雄は、教授の
木田とこの店で出会ったと言いだす。

 その頃、弥生は一人、自室で検死の資料を読み込んでいた。

 翌日、真紀と千春は木田を訪ねる。木田は、深夜0時ごろに、確か
に康雄と出会ったと証言。「僕と田島くんが酒を飲んでいた頃、津村
さんは殺されたんですね…」
 そこへ、美奈が、直美のパソコンを持って入ってくる。犯人に襲わ
れたときに落下したらしく、壊れてしまったという。

 その後、真紀と妙子、宏美は、和彦に接見し、直美を尾行していた
のは康雄だったことを告げる。だが、問題は、スナックのママの目撃
証言だった。深夜0時には帰宅したという和彦の主張は、嘘だったの
だ。外にいたと言うと、余計に怪しまれる気がしたと謝る和彦。その
時間の行動について問われると、「星を見てました…」公園を通った
ら、珍しく星が出ていたので、しばらく空を見上げていたというのだ。
 確かにその夜は快晴だったが、それだけでは証明にはならない。真
紀は、人を殺すような人がそんな中途半端な嘘をつくはずはないと言
うが、美佐子は「ただ信じるだけじゃ、裁判は乗り切れないのよ」と
たしなめる。
 そのとき、真紀は突然立ち上がり、出て行ってしまう。「さすがに
落ち込んじゃったかな」「いや、何かアテがあるのかもよ」などと口
々に言い合う弁護士たち。

 真紀は、大学を訪れていた。思い出の木の下で、「真紀はいい弁護
士になって」と言った弥生の笑顔を思い返す。「約束、果たせるか
な…」
 ふと顔を見上げた真紀は、事件現場の研究室に明かりがついている
ことに気づき、その部屋に行ってみる。そこから出てきたのは、弥生
だった。「何か、調べてたの?」と訪ねた真紀に、弥生は「まあね」
と答えながら、木片のようなものを後ろ手に隠す。
 立ち去ろうとする弥生を呼び止めた真紀は、「裁判は勝つか負ける
か、それだけだって言ったよね」「言ったわ」「私、もっと大切なも
のがあると思う。真実。どっちが勝つかより、真実が明らかになるか
どうか、そのために裁判はあるんだと思う」「変わってないね。真紀
は昔から、理想論ばかり言ってた」「弥生だって、いつも人の言うこ
と、揚げ足ばかり取ってた」一瞬、微笑みあう二人。立ち去り際、弥
生はバッグに、先ほどの木片(それは、温度計だった)をしまう。
 その場にいた職員に、弥生が何を調べていたのか尋ねるが、「さあ、
部屋で一人にしてくれって言われたんで」真紀は、弥生が温度計を手
にしていたことを思い出し、事務所に戻って資料を調べ始める。

「いい加減、何を調べてるのか教えてくれない?」と宏美が尋ねても、
「もう少し確証がつかめれば、お話します」机上には、『司法解剖マ
ニュアル』、そして、事件現場の見取り図、木田の論文…。ワケがわ
からない宏美と妙子が自席に戻ろうとすると、真紀は突然「これだ!」
と叫ぶ。「よし、これでいける!」

 そして迎えた第2回公判。真紀と弥生は、それぞれの席で互いと向
き合う。
 最初の証人として、事件当夜に大学の正門前に当直していた守衛・
相田昭二(田口主将)が立つ。夜中には、出入り口は正門のみになる
と言う相田。宏美が、その夜、11時から深夜にかけて正門を出入りし
た人を問うと、11時15分ごろ木田が帰ったあとは、朝まで誰も出入り
しなかったと答える。和彦が入っていったということもなかったと言
う相田。「では、木田教授が帰って行ったあと、大学に残っていたの
は、殺された津村直美さんと、ほかには誰が?」「そのあと誰も出て
行かなかったということは、ほかには誰もいなかったはずです」
 続いて、反対尋問に弥生が立つ。正門以外の入り口を閉めたあと、
塀を乗り越えて侵入することは可能かと問うと、相田は、いくつもの
監視カメラがついているから不可能だと答える。だが弥生は、監視カ
メラには完全に死角がないのかと問い詰め、監視カメラに移らない場
所を選んで侵入することも可能だという発言を引き出す。「異議あり!
 検察官は、証人に意見を求めています」と言う真紀にも動じず、弥
生は席に戻る。

 妙子は、次の弁護側証人として木田の名前を挙げる。
 事件当夜は、夜11時すぎまで原稿を書いており、帰り際に、直美と
すれ違ったと言う木田。直美の様子を問われ「ごく普通でした」、服
装は、水色のブラウスを着ていたと答える。
 妙子は、大学の見取り図を示し、木田が直美と出会った場所を正確
に教えてほしいと言う。木田の部屋と直美の部屋は、階段を挟んで離
れており、木田は、自室と階段の中間あたりを指差す。さらに妙子は、
直美の歩いていた方向を尋ね、階段を背に木田の部屋のほうを向いて
歩いていたと答える木田。
「おかしいですね」と妙子。その方向にある部屋には、その時間には
誰もおらず、どの部屋にも鍵がかかっていた。女子トイレも反対方向。
「いったいどこに向かって歩いていったんでしょうか?」
「異議あり! 証人が直接経験しなかった事実について質問していま
す」妙子は、真紀と交代する。

 真紀は、先刻の「水色のブラウス」発言について尋ねる。直美は几
帳面な性格で、白衣のボタンは、いつも上まで全部留めていたのだ。
「そのときに限って、たまたまボタンを開けていたんですかね?」
「多分そうだったと思います」
「木田さん、あなたはそもそも、彼女と廊下ですれ違ったりはしてい
ない、そうじゃないんですか?」「どういう意味ですか?」「あなた
は、廊下ではなく、津村さんのいた研究室で、彼女のブラウスを見た。
彼女のブラウスを引き裂いたときに。自分で服を引き裂いたので、記
憶に残っていた。それでつい、答えてしまった。違いますか?」「私
が彼女を殺したって言うんですか? いったいどうして!?」
 真紀は木田に、二つの書類の束を示す。ひとつは、直美の自宅のパ
ソコンから発見された論文の下書き、もうひとつは、木田が学会で発
表した“マテリアル循環システム”についての論文。この二つは内容
が酷似していた。「あなた、彼女の論文を盗用しましたね」
「異議あり! 弁護人は、津村さん殺害と関係のない話をしています」
「関係あるかないかは、これから明らかにします」真紀と弥生の間に、
火花が散る。「論文を盗んだのを知られたから、私が殺したって言う
のか!?」弥生も、「木田教授は午後11時過ぎに大学を出たことが確認
されています。しかし、津村さんの死亡推定時刻は午前0時を過ぎて
からなんですよ!」「でも、それはあくまで“死亡推定時刻”です」
ざわつく法廷。弥生に説明を求められ、真紀は話し始める。

 事件当夜の気温は、21.3度。その状態で窓を締め切り、暖房を最強
にセットして運転すると、現場となった研究室の温度は、38度まで上
昇することを、実験で確かめたと言う真紀。もしそういう状況が作ら
れれば、体温低下が遅くなるため、死亡推定時刻も1時間程度遅くな
るのだ。「つまり、津村さんが殺害されたのは、午後11時から12時の
間だったという可能性が出てきます」「そんなの、ただの仮説でしょ
う」しだいに動揺し始める木田。
 さらに真紀は、実況見分調書を開き、殺害現場の写真を見せる。直
美のデスクの写真には、どろどろに溶けたチョコレートが映っていた。
「机の中に置かれたチョコレートは、通常の状態ではこんなふうにな
りません。異常な高温状態に置かれた証拠です」「しかし、暖房をつ
けたのが私だなんて証拠はないじゃないか」「先ほどの守衛さんが証
言したとおり、午後11時以降に大学にいたのは、あなたと津村さんの
二人だけだったんですよ」誰にも見られずに忍び込んだ人間がいるか
もしれない、と相田の証言を引き合いになおも抵抗する木田だが、
「誰にも見られず忍び込んだ人間が、なぜ死亡推定時刻を細工する必
要があるんですか!? 午後11時から12時の間に守衛さんに帰るところ
を見られたのは、木田さん、あなた一人です。その時間帯から死亡推
定時刻をずらすような細工をする必要があったのは、あなただけなん
ですよ。もう、逃げる場所はありませんよ」

「仕方なかったんだ」木田は、告白を始める。
 木田の発表した論文を見つけ、責める直美。「教授になるためには、
あと一歩の研究成果が必要だったんだ。金か? それとも、助手に採
用してやろうか?」「私はそんなこと望んでません」立ち去る直美。
「やっと手にした教授の座を手放すのが嫌で、あなたは犯行を決意し
た。そして、罪をなすりつける相手を捜した」困惑する和彦、うつむ
く木田。口を閉ざすばかり。「このままでいいんですか? おそらく、
この前車であな いつも、和彦が夜12時には帰宅することを確認した
木田は、和彦の毛髪を手に入れる。事件当夜、夜遅くまで大学に残っ
ていた直美を殺害し、パソコンのデータを破壊、暴行犯に見せかける
ため、彼女の服を引き裂く。そして、暖房を入れてタイマーをセット
し、和彦の毛髪を現場に残して立ち去る。その後、康雄とわざと出く
わして、死亡推定時刻のアリバイを作り、逆に、和彦をアリバイがな
い状況に追い込んだ。
 すべてを見通され、木田は泣き崩れる。
「終わります」「検察官、何かありますか」「いえ、ありません」ク
ールな弥生の瞳が、一瞬、やさしげな色に変わる。

 検察は起訴を取り下げ、和彦は釈放された。代わって木田は殺人容
疑で逮捕され、懲役13年の判決を受けた。

 五月が『因幡の白うさぎ饅頭』を出し、皆でほおばる。「宿命の対
決も終わりか」と妙子。「民事裁判は必ず和解があるけど、刑事裁判
は必ず、どちらかが勝ってどちらかが負ける」と宏美。五月も「なん
か残酷だけね」「友達負かしちゃって、もう友情も終わりかな」「わ
だかまりもできるかもね」と恵理と千春も心配する。「大丈夫ですよ、
女の友情ってのはそんな簡単に壊れるものじゃないのよ」と、美佐子
は楽観的だ。
 その頃、真紀は弥生とスケート場に来ていた。相変わらず下手な真
紀を助け起こすが、つかまられてイナバウアーしてしまう。その後、
仲良く街を歩く二人。やはり、二人の友情は永遠だった。


寸  評  恐怖の荒川静香編でした。すごい棒読み、能面のような無表情、
そしてアゴ!(いやそれはちょっと別の話か) 氷の女王のブリザー
ドに、もう凍死寸前でした。というわけで、今回のツッコミどころ
は…。
1)弁護する相手の罰状ぐらい、基本資料だよね? 法廷で聞いて仰
天、ってこっちが仰天だよっ! ちゃんと公判前に手に入れとけ! 
2)和彦くん、執行猶予中に就職してるんだけど、大学ってそういう
の超気にしそうだけどなぁ。
3)せっかく一平ちゃんが忠告に来たのに、無視するとは何事!? 死
亡推定時刻が変われば被告のアリバイが証明されちゃうんだから、そ
こって超重要ポイントでしょっ! 
4)煮詰まった真紀ちゃんは大学で佇んでますが、夜遅くに部外者が
簡単に入れちゃう大学って、どうなのよ? 
5)23時以降出入りした人がいないから、この時間に大学にいたのは
あなた一人!とか断定してますが、理系の研究室ともなると、徹夜と
か寝泊りしてるヤツとかいて普通じゃない? そしてその数を把握す
るのって不可能な気が…。
6)服装を問われた教授が「ブラウス」とか答えた瞬間に、あぁここ
ツッコムなぁって読めちゃった。だって再現ドラマで白衣しか映って
ないし。だいたい、白衣のボタン開けてたからって、フツー中に何着
てるかなんて覚えてたらヘンだよ。そしてそれにツッコム真紀ちゃん
に、「関係のない話」はないだろう〜荒川静香。素人が見たって、関
係ありすぎるよ。
7)極めつけはチョコレート!! これが捜査材料になってないなんて、
ありえね〜。こんだけ溶けてたら、おかしいと思って調べるのが普通
でしょ? 
 ゼイゼイハアハア。ある意味楽しいです。
 でもこれって、荒川静香が勝たせてあげたっていう話なのかなぁ。
取り下げたら検察のメンツにかかわるし、って!? しかし、法廷で負
けるほうがメンツにかかわるんじゃないのかなぁ? ん〜〜謎だ。

執 筆 者 Nami(nami_s1976@yahoo.co.jp)

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2. 編集後記
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 またずいぶん時間が空いてしまいました。もう誰も読んでないんじゃないか
と思いつつ、次回は遂に最終回。ゲストはりょうなんで、能面シリーズ第2弾
ですね。がんばって早く上げます。(Nami)

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発行元:ドラマ研究会
e-mail:info@j-drama.tv/
url   :http://www.j-drama.tv/
ID  :MM3E195F16414CD 
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