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タイトル:Daily Drama Express 2006/05/30 ブスの瞳に恋してる (8)  2007/05/18


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2006/05/30 (Tue) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.火曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 火曜日の連続ドラマ
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タイトル ブスの瞳に恋してる
局  名 フジ系
放映日時 火曜22時
キャスト 山口おさむ(稲垣吾郎)
 太田美幸(村上知子)
 竹田武 (大森南朋)
 小田島彬(船越英一郎)
 藤原美也子(井川遥)
 蛯原友里(蛯原友里)
 佐々木翔子(MEGUMI)
 里中花子(室井滋)
 清水浩太(加藤成亮)
原  案 鈴木おさむ
脚  本 マギー
主題歌  『』

あらすじ  目覚ましが鳴り響き、ソファで目を覚ましたおさむ(稲垣吾郎)
に、「おはよ」と美也子(井川遥)が声をかける。午前7時。「早起
きだね」「結局朝まで書いちゃって」あくびをする美也子を、愛しげ
に見つめるおさむ。

 一方、美幸(村上知子)は、群馬の実家でぼんやりとしている。あ
わただしく父・義男(渡辺哲)と妹・絵里(大沢あかね)が出て行っ
たあと、母・さと子(高橋ひとみ)が「今日は何するの?」と聞くが、
美幸は空を見たまま「…特に決めてないよ」

 関東中央テレビでは、ドラマプロデューサーの柏木(林泰文)が、
美也子に、宣伝のための番組出演を頼む。『元女優』という肩書きに
振り回されたくないと渋る美也子に、柏木は、そういうことはさせな
いからと頼み込む。

 東京の『どすこいラーメン』では、松本(忍成修吾)が、美幸が実
家に帰ったと聞いて仰天する。理由を聞かれても、わからないと言う
店主の花子(室井滋)。「言わないんだもん。聞けるわけないじゃな
いか」と花子が掲げた「格言」は【立つブス跡を濁さず】。寂しそう
な松本や常連客の日野(日野陽仁)に、「そのうち、あっけらかんと
戻ってくるわよ」と明るく言う花子だが、バイト仲間の浩太(加藤成
亮)は、浮かない顔である。
 局に戻った松本は、おさむに美幸が実家に帰ったことを告げる。
「おさむさんだったら、何か知ってるんじゃないかと思って」おさむ
の脳裏に、「これでほんとに、何にもなくなっちゃった」と泣き出し
そうな顔で言った美幸の姿が浮かぶ。

 美幸は実家で、おさむのことを思い出していた。「もう一度、彼女
とちゃんと付き合いたいと思ってるんだ」抜け殻のように縁側に座る
美幸に、さと子は散歩を勧めるが、「そうする…」と答えつつ、心こ
こにあらずの美幸。

『ズバット×ズバット』のプロデューサー・竹田(大森南朋)は、斎
藤(相島一之)に、美也子をゲスト出演させてほしいと頼まれる。美
也子が脚本を手がけるドラマ宣伝のためで、局の強い意向だった。渋
る竹田に、斎藤は、視聴率低迷の件をにおわせ、「編成にいい顔をし
ておいたほうが、得だよ」とニヤリ。
 話を聞いたおさむは、「番組の調子がよければ、強気で断れるんだ
けど」と頭を下げる竹田を制止し、「やりましょう! いちバラエテ
ィー作家として、美也子と向き合いますよ」

 群馬の太田家。絵里が帰宅すると、美幸は散歩に出かけていた。絵
里は、美幸は東京で何かあったのではないかと心配する。「時々、ぼ
んやりしてるっていうか、寂しそうな顔してるからさ」
 美幸は実際、川べりでぼんやりしていた。

 その頃、美幸の所属事務所では、社長の井之頭(佐藤二朗)が、美
幸から届いたせんべいをかじっていた。何気なく見た送り状には、
【群馬県高崎市安田町】とある。
 それでひらめいた井之頭は、お笑い芸人のB2(黒沢宗子・久保田磨
希)に、『安田町ニコニコ祭り』というイベントの司会の仕事を勧め
る。「偶然なんだけど、そのへんに太田くんの実家があるらしくてさ、
様子を見に行ったりってこともできるわけで…」わざとらしく話を振
る井の頭に、B2の二人は「ぜひ、やらせてください!」と飛びつく。
3人とも、美幸のことが心配で仕方がなかったのだ。

 翔子(MEGUMI)と弥生(滝沢沙織)も、せんべいをかじりながら手
紙を読んでいた。「元気ですって書いてあるけどさ」「美幸があえて
“元気”って言うときって、たいてい元気じゃないときだからねぇ」
同封されていたダルマをいじりながら、美幸を案じる。
「デカ長! このダルマ、美幸からのメッセージですよ! 私は、転
んでもすぐ起き上がる」と言い出す弥生に、翔子は「そんなうまいこ
と言う余裕があったら、実家に帰ってないと思うよ…」

 美幸も、縁側でゴロリと倒れ、泣き出しそうな思いにふけっていた。

 その頃、自宅で執筆する美也子のもとに、おさむが帰宅する。相談
があると言う美也子に、「今度、ドラマの宣伝で番組に出なきゃいけ
ないんだけど〜、でしょう?」言い当てられて驚く美也子に、おさむ
は、それが自分の番組なのだと明かす。ドラマを見たくなるように協
力すると言うおさむだが、美也子には、「笑いという包み紙が必要」
という言葉が引っかかる。

 翌日、早速、美也子の出演シーンについて検討する『ズバズバ』チ
ーム。松本は、女教師役でコントを、と張り切るが。竹田は、コント
出演を却下。トークベースで、というおさむの案を採用し、そそくさ
と会議を終わらせる。
 その時、おさむの携帯に着信が。友美(蛯原友里)からのメールだ
った。

 撮影中の友美は、合間をぬってメールチェックするが、おさむから
の着信は、ない。「なんで返事くれないの?」おさむと一緒に微笑む
待ち受け画面を、切なく見つめる友美。

 おさむは、竹田や松本とともに、美也子との打ち合わせに臨む。質
問の幅を広げて、美也子の素の表情を垣間見れたら、というおさむの
要望に、柏木は難色を示すが、おさむも、それだけでは番組にならな
い、と引き下がらない。海外生活でのエピソードなどを尋ねるが、そ
の横から松本が、執筆中の様子を密着取材したい、と言い出し、おさ
むと竹田の顔色が変わる。
「創作中の姿ってのは、『鶴の恩返し』みたいなもので、見られたく
ないだろう」などと必死でごまかそうとするおさむに、美也子は思わ
す笑ってしまう。だが竹田が、美也子の女優としての経歴に触れた途
端、「それは全面的にNGで」と柏木がピシャリと遮り、和みかけた空
気は再び凍りつく。

 テレビには、警察に連行される陽仁と、すがりつく幼い娘が映し出
される。どうやら刑事ドラマのラストシーン。それを見るでもなく、
美幸が縁側に佇んでいると、絵里が飛び込んできてチャンネルを変え
る。
「間に合った! 『ズバズバ』の新コーナー。これ、超おもしろいん
だよ!」『女の格言』コーナーだった。ゲラゲラ笑う絵里に、さと子
は「さっきまで『試験が最悪』って落ち込んでたのに」と苦笑い。美
幸は、「どんなに嫌なことがあっても、笑ったら忘れられるじゃない」
というおさむの言葉を思い出す。
 だが、そこにバラエティー嫌いの父・哲夫が入ってきてテレビを消
し、絵里はむくれて自分の部屋に戻ってしまう。

 その夜、美也子から、柏木がムキになるのは、元女優としてではな
く脚本家として見てほしいという要望に応えようとしているのだと聞
いたおさむは、多くの人に見てもらうために、過去を明かしたほうが
“つかみ”になると諭す。
 海外のエピソードも、本番では何か話さないと、と促すおさむ。
「トークの笑いは、テンポなんだからね!」不安そうな美也子に、
「じゃあ、海外での困った話、ロンドン編! どうぞ!!」「難しい
よ!」「ほらほら、テンポテンポ!」

 一方、酔いつぶれて寝てしまった義男に毛布をかけるさと子に、美
幸は、「なんでお父さんと結婚したの?」と尋ねる。さと子はしばら
く考え、「笑顔かな」驚く美幸。「とっても楽しそうな顔で笑うの。
飾らない、見てる私も幸せにさせるような笑顔で。だから、意外と、
外見で好きになったのかも」「それ、意外だね」笑いあう母娘の向こ
うで、気持ちよさそうにいびきをかく義男。

 翌日、竹田が局の食堂に行くと、松本と話していた上島(松重豊)
が声をかける。「美也子をゲストで使うんだって? 美也子の新しい
スタートなんだ、面白く作ってやれよ」
 スタッフルームに戻った竹田。懸案は、美也子の件だ。柏木が気を
回しすぎているのだと言うおさむは、ぎりぎりの線で台本を作って、
本人から直接OKをもらったほうがいいと提案するが、政治的な意味合
いも外せない竹田は、「今回は、成立させないとまずいんだよ」と及
び腰。おさむは、とりあえず材料をそろえて提案しようと言うが、や
はり不安げな竹田。

 そこへ、ラーメンの出前にやって来た浩太は、おさむに、美幸が実
家に帰ったことを告げる。「俺のせいだって思ってる?」「はい。俺、
悔しいんです。美幸さんを引き止めることも、慰めることもできなく
て」「君は、美幸ちゃんのことを…」「好きですよ。あの人の笑顔に
元気もらってましたから。その笑顔を作ってたのも、奪ったのも、多
分アンタです。美幸さん、きっと帰ってくると思います。だからその
時は…」浩太は、言いかけた言葉を飲み込み、「何でもないです」と
言って去っていく。

 一方、群馬の美幸のもとには、突然B2の二人が押しかける。社長が
心配していて、様子を見てくるようにと言われたと話す二人に、「ま
た、私をお笑いの道に引き込もうとしに来たわけ」と冷たい美幸。
「違います! 明日この町であるお祭りの司会の仕事があって…」
「あー、そのついでってことね」「だから、違うんですって〜!」
 河川敷に座る3人。B2の二人にお笑いを毛嫌いする理由を尋ねられ
た美幸は、「嫌いなんじゃなくて、笑われるのが嫌なだけ」小さい頃
から顔のせいで笑われてきたせいで「そのうち、人が笑ってるのを見
たら、自分が笑われてるんじゃないかと思ったりして…」
「オイシイですねぇ〜」意外な反応に美幸は驚く。「私たちの世界っ
て、自分の欠点とか、不幸な過去とか、全部オイシイネタにしちゃう
んですよ」「私にはゼッタイ無理」
 峰子(久保田)は、「私が先輩に憧れたのは、私たちにはかなわな
いような“オイシイネタ”がいっぱいありそうで…」「さりげなく失
礼なこと言ってるよね」ムッとする美幸をよそに、元子(黒沢)も
「だから先輩がほしかったんですよ!」と身を乗り出してくる。「3
人合わせたら“B3”だ!とか」「先輩の顔、すっごいオイシイじゃな
いですか!」
 遂には美幸を指さして爆笑する二人に、頭にきた美幸は、「だから
失礼だっつの!!」と二人を土手から突き飛ばしてしまう。ごろごろと
土手を転がる二人に、我に返った美幸は焦るが、「何するんスか〜!?」
と声をそろえて叫ぶの間抜けな姿に、思わず爆笑してしまう。そのま
ま勝手に新ネタを披露しようとする二人が、風に書類を飛ばされ、必
死で拾い集める姿もおかしく、美幸は笑いが止まらない。

 その夜、美幸たちは、B2とにぎやかに食卓を囲む。「お構いもでき
なくて」と言うさと子に、美幸は「いいのいいの、この子たちは食べ
られればそれでいいんだから」「そうですよ、塩味さえついてれば最
高です」ごはんを食べただけで過剰なほど喜ぶ二人のリアクションに、
「お笑いの人みた〜い」と絵里は大ウケ。二人がキメポーズを決めて
いるところに、父・義男が帰宅する。
 口をあけて呆然とするお笑い嫌いの義男に、空気は一気に凍りつく。
空気を読めないB2の二人はキメポーズで挨拶するし、絵里も「お笑い
の人」と紹介してしまい、美幸はヒヤヒヤ。さらに、食事はあとでい
いと言う義男を引きとめたうえ、振り返った拍子に鴨居に頭をぶつけ
た義男に「お父さん、オイシイですね〜」と駆け寄り、義男は完全に
気分を害してしまう。無神経にキャアキャア笑う二人に、美幸は苦虫
を噛み潰している。

 その後、美幸の部屋で布団を敷きながら、二人は「いい家族ですね」
と言う。「どうかな」と笑う美幸に、「うちの家族なんか最悪ですも
ん!」と元子。家族の貧乏が持ちネタだと聞き、「ほんとに何でもネ
タにしちゃうんだね」と美幸が感心すると、峰子は「だから楽なんで
すよ」と笑う。嫌なことがあっても、ネタにして笑ってもらえたら楽
になるのだと言う。「先輩も何か話してくださいよ、私たち思い切り
笑いますから」絶対無理だと言う美幸に、元子は自分の“貧乏ネタ”
を話し始める。両親にずっと、子どもには中トロは毒だ、親の死に目
に会えないと言われていたという元子の話に、爆笑する美幸。
 2階からもれる笑い声を階下で聞き、さと子と絵里は微笑みあう。
居間で一人遅い夕食をとる義男にも、その声は聞こえていた。

 その頃、仕事を終えた友美は、帰りの車の中で携帯をチェック。
「今日もなしか…」
 おさむの携帯が、メールの着信を告げる。友美からのメールには、
「もしかして、私フラれちゃってる?」後ろには、パソコンに向かう
美也子の姿が。
 友美は着信に気づき、笑顔になるが、メールには「会って話がした
い」という一言。途端に顔を曇らせる。「フラれちゃったかぁ」泣き
だしてしまった友美は、驚くマネージャー(中山弟吾朗)に、ラジオ
をつけるように頼む。
 いつものジューシー中島(中島ヒロト)のラジオ番組が流れる。

 同じ番組を、布団の中で聴く美幸。両脇にはB2の二人が寝ている。
 番組のテーマソングを歌うMIYUという謎の歌手が、メディアに姿を
現すという。「MIYUのビジュアル、マストチェキです!」
「どんな顔してるんだろう」とつぶやく美幸に、「どうせ美人じゃな
いスか? “歌姫”ってぐらいだもん」と元子。
 そして、ジューシーからのメッセージ。「当たり前のようにそばに
いた彼。失くして初めて、その存在の大きさに気づいたりするよね。
沈む太陽を見て、初めてその存在に気づくのに似てる。自分が彼に照
らされて輝いていたこと、彼の暖かさに包まれていたこと。沈んでし
まった太陽のあとには、真っ暗な夜が訪れる。でも、空を見上げてご
らん、今度は月が君を見ているよ。失くしたことで、今まで気づかな
かった景色が見えることだってあるんだ。失くすことは、すべてを失
うことじゃない」
 それぞれの思いで耳を傾ける友美、美幸、おさむ。友美の顔に、微
笑みが戻る。

 翌日、おさむたちは再び美也子との打ち合わせに臨む。やはり、美
也子の女優としての経歴も紹介したいと言うおさむに、表情を曇らせ
る美也子。松本は、女優時代のVTRにリアクションしてほしいと説明
するが、「そういうのは困るって言ったじゃないですか!」と声を荒
げた柏木は、一方的に質問項目を渡し、「そちら側の余計な演出は一
切なしということで」と言い放つ。不満をあらわにする松本を制し、
柏木の指示に従おうとする竹田だが、それまで黙っていたおさむが
「もういいですよ。やめましょう」
「我々は、あなたの言う“余計な演出”にプライドを持ってやってき
たんです我々の番組に、誰かの言いなりになって作ってる時間なんて
1秒もないんです。美也子さん、残念ですが、うちの番組であなたを
紹介することはできません」松本を連れて立ち去るおさむ。竹田も、
柏木に質問状を返し、「この通りやってもらえるところを探してくだ
さい」と出て行く。

 夕方、祭りのために、ばたばたと支度する太田家の面々。留守番し
ていると言い張る義男を、絵里が無理やり引っ張っていく。夜店が立
ち並び、メインステージには、ジャージ姿のB2の二人。
 カラオケ大会の出場者とのカラミに、お笑い嫌いの義男も、思わず
笑っている。それに気づく美幸。その時、突然義男の名前が呼ばれ、
舞台に引っ張り出される。動揺し、階段で転んでしまう義男に、「オ
イシイなぁお父さん」と駆け寄るB2の二人。最初は固まっていたが、
音楽が流れ始めると、満面の笑みで「いとしのエリー」を歌い始める。
美幸の脳裏に「ごつい顔をくしゃくしゃにして、周りのみんなも幸せ
にさせる笑顔で」というさと子の言葉、そして、「会場のみんなが笑
っている。その笑い声の中に俺がいる」というおさむの言葉が響く。
何よりも笑いが大好きと言っていたおさむ。微笑む美幸。義男は、笑
顔で舞台を降りる。
 続いて「最後に」と、自分が呼ばれてしまい、動揺を隠せない美幸。
決意を固め、壇上に上ろうとするが、先刻の義男と同じ場所で転んで
しまう。「じゃあここは、先輩に任せましょう!」と言って離れてし
まうB2。美幸は、覚悟を決めて話し始める。
「ご紹介にあずかりました、義男の娘です」早くも客席からは笑いが
こぼれる。「私も年頃と言うことで、恋をしまして…あ、もちろん、
人間の男ですよ! それで見事に失恋しまして。いろいろあったんで、
笑ってやってください」複雑な思いで見守る両親だが、軽妙に話し続
ける美幸に、会場は拍手喝采。仏頂面の義男の目に、うっすらと涙が
浮かぶ。
「本日の司会は、地下2階からてっぺん目指す、笑いの女革命戦士、
B2…」といつものキメポーズをやりかけた二人に、美幸が飛び込み
「3人合わせてB3でした!」と手を振る。思わず顔を見合わせるB2の
二人。会場はやんやの大歓声である。

 祭りから帰宅した太田家では、美幸と義男が正座して向かい合って
いた。「私、東京に戻ることにした」「そうか…」としか言えない義
男に、前は反対されたまま出て行ったから、今回は、ちゃんと賛成し
てもらいたいと言う美幸。「私ね、あの子達と一緒に、お笑い芸人に
なる。それで、もう一度がんばってみたい」義男も、傍らで見守るさ
と子や絵里も、何も言えない。「帰ってきたときは、ずっとここにい
ようと思うぐらい落ち込んでたの。でも、笑ったら全部忘れられた。
笑いっていいなと、初めて思えたの。それにね、私の顔ってオイシイ
んだって。この顔でいじめられて、女優にもなれなくて、でも、この
顔だからできることがあるって、やっとわかったの。うつむいたり飾
ったりしないで、この顔に自信を持つことが、ブスに産んでくれた二
人への恩返しだと思って。お父さん、お母さん、ありがとう」笑顔で
言う美幸に、ずっと黙っていた義男が、静かに口を開く。「おまえは、
どうしていつも苦しい道ばかりを選ぶんだ?」
「父さんがお笑い番組が嫌いなのは、嘘の笑顔ばっかりだからだ。そ
の中でおまえは、本当の笑顔でいられるのか?」「わかんないけど…
がんばる」「父さんは、いつもおまえに笑顔でいてほしい。おまえの
本当の笑顔は、まわりを幸せにするから」そう言って、満面の笑顔で
「頑張りなさい」と励ます義男。「ありがとうございます!」と美幸
は頭を下げる。皆にこぼれる笑顔。泣き笑いの美幸と絵里。太田家に
笑い声が響く。
 自室に戻り、荷造りをする美幸。小さなキャリーバッグに収まる荷
物に、大事そうに愛用のラジオを詰める。

 同じ頃、帰宅したおさむは、美也子に昼間のことを謝る。「いいよ、
おさむの言ってたこと、間違ってないと思うし。ありがとう、力にな
ってくれて」力なくうなずくおさむ。

 翌日、美也子の件は引き受けたと竹田に話す斎藤。「竹田ちゃん、
これ、貸し、な。だけどマズイぞ、これで余計に編成に目をつけられ
た」立ち去る斎藤に、ため息をつく竹田。
 スタッフルームでは、皆が事態の悪化に頭を抱えていた。美也子の
件を断ってしまったことを謝るおさむに、竹田は逆に礼を言う。「俺
も、大切なことを思い出した、っつーか。みんな、ここから一気にズ
バッとまくってくぞ!」「このピンチを乗り切るには…」「誰かが救
世主にならないとね…」
 そこへ、岡持を下げた美幸が入ってくる。「まいど、『どすこいラ
ーメン』です!」


寸  評  今回は、太田家のヒトビトに泣かされました。お父さんももちろ
ん、めちゃくちゃいいんだけど、私はお母さんの控えめな暖かさもす
ごく心に響きました。無骨で荒っぽくて、不器用なお父さんを陰で支
える、良妻賢母って感じ。私には絶対なれないけどぉ〜。憧れるベス
トカップルですね。
 美幸のお笑いに目覚めるストーリーは、ちょっとご都合過ぎる気が
するけど、今までの美幸の笑いが全部「作り笑い」だったから、本当
に笑ってるって感じがしてよかったなぁ。ただ、B2のネタはやっぱり
ツマンナイんだけどなぁぁ。
 何はともあれ、美幸ちゃん復活!でよかったよかった。

執 筆 者 Nami(nami_s1976@yahoo.co.jp)

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2. 編集後記
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 またまたずいぶん時間が空いてしまいました。本当に申し訳ないです。もう
1年以上書いてるよ。ありえね〜〜。だがしかし、ようやく保育園から副業で
の預かり許可をもらったので(ほかにもいろんなことやってます。ライターも
やってるつもりです)、これでやっと土曜日は執筆に専念できます。ラストス
パート、かけていきます。
 そんななか、うちの3歳児はすっかり赤ちゃん返りしてしまって大変です。
進級のストレスからか、4月になってからひどくって、起きない、歩けない、
着替えない、しまいにゃぁ「食べさせて」ですから…おかげで、もともとぎり
ぎりだった朝が、ほとんど臨界点にかかってます。やばいよどうしよう。(Na
mi)

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発行元:ドラマ研究会
e-mail:info@j-drama.tv/
url   :http://www.j-drama.tv/
ID  :MM3E195F16414CD 
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