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タイトル:Daily Drama Express 2007/03/22 拝啓、父上様 (最終回)  2007/04/05


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2007/03/22 (Thu) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.木曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 木曜日の連続ドラマ
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タイトル 拝啓、父上様
局  名 フジテレビ系
放映日時 木曜22時
キャスト 田原一平(二宮和也)
 田原雪乃(高島礼子)
 中川時夫(横山 裕)
 坂下エリ(福田沙紀)
 小宮竜次(梅宮辰夫)
 坂下 保(高橋克実)
 坂下律子(岸本加世子)
 坂下夢子(八千草薫)
脚  本 倉本聰
主題歌  「」

あらすじ 最終話「」

 一平(二宮和也)はナオミ(黒木メイサ)に会いたい思いを懸命に
我慢して過ごしていた。メールは来なくなった。ナオミはきっと怒っ
ているのだろうと思うと気持ちは塞ぐばかりだった。

 雪乃(高島礼子)が「坂下」にやって来て、一平を喫茶店に連れ出
す。雪乃は竜次(梅宮辰夫)から一部始終を聞き、謝る。そして津山
(奥田瑛二)が父親ではないとはっきりと伝える。しかし一平は嘘を
ついていると不信感を露にする。嘘じゃないなら誰が本当の父親か言
えと怒鳴りつける。そんな一平に雪乃は困惑を隠せない。

 雪乃は時夫(横山裕)にナオミの勤めている店を教えてもらい会い
に行く。そして津山が自分の父親なのかどうかで一平が悩んでいるこ
とを明かす。ナオミは驚き真実を尋ねる。雪乃は微笑みながら、津山
と自分の間に特別な関係はなかった、でも本当は津山の子供が欲しか
ったけれど、とありのままを話す。

 「坂下」の向かいの邸宅の解体の日取りが決まり、近日中に作業が
着手されることになった。その日、仲居の1人が一平に時夫とエリ
(福田沙紀)がデートしていたところを見た、また律子(岸本加世子)
ともめそうと耳打ちする。一平は驚き、時夫に変なことをするなと釘
を刺す。だが時夫はこども人生相談をしているだけさと笑う。

 その晩、一平は竜次に呼ばれ近くのホテルに連れて行かれる。一平
が何だろうと思ってついていくと、津山が待っていた。一平は緊張す
るが、津山はナオミがお世話になっているとお礼を言い、それから自
分は父親ではないとはっきりと告げる。好きではあったけれど、雪乃
はひた向きでそれが恐くなって逃げてしまったと。最後に津山はナオ
ミが4月からパリに行くこと、そして自分は雪乃と後味悪い別れ方を
して、神楽坂に立ち入れなくなった、そういうことがないようにと付
け加える。一平は何を言っていいのかわからず黙ったままでいる。

 一平が帰ってくると、時夫はエリが芸者に出るため高校を中退した
こと、夢子(八千草薫)が鴨川の老人擁護施設に移されることになっ
たと教える。

 雪乃が店じまいをしていると、津山が訪れてきた。それは23年ぶり
の再会だった。雪乃は津山を店に入れるが、津山が尋ねてくることに
ついては淡々とどこかよそよしい感じで答える。話は一平のことにな
り、津山は父親が自分の知っている人なのかと聞く。だが雪乃は微笑
みながら「父親はあなたです」と答える。津山は苦笑いしそんなこと
はないでしょうと否定する。だが雪乃は一平を産むとき難産で、生ま
れるまでの間必死に津山の名前を叫んでいたのだと言う。だから津山
が父親なのだと。そう言われて津山は返す言葉がなかった。

 一平は仕事に没頭してナオミのことを忘れようとした。しかしナオ
ミは4月からパリに行くという津山の言葉が重くのしかかってきてい
た。

 日曜日、一平は保(高橋克実)に頼まれ、夢子を鴨川に移す車の運
転手を務める。車中、夢子はご機嫌で懐メロを歌っていた。一平は痛
ましく思うが、壊れ行く「坂下」を見るよりは、昔のままの姿を思い
出の中に大切にしまっておく方がいいのかもしれないとも思った。

 不意に夢子は律子やエリを見て「失礼ですがどちら様でしょう?」
と言い出す。律子やエリは顔色を失うが、夢子は「これから行くとこ
ろは党の迎賓館なのでしょう?そんなところ個人で使わせてもらって
いいのかしら」と考え込む。律子たちは夢子に養護施設ではなく党の
迎賓館に移ると伝えていたのだった。

 施設での手続きの間、一平はエリと話をする。一平は改めて謝ろう
とするが、エリは「やめよ、もう済んだことでしょ」と笑って止める。
だが「何だかいろんなことがあり過ぎてずいぶん昔のことみたい」と
どこか寂しそうな顔をする。それからエリは高校を辞めて芸者の修行
を始めたと言う。

 一平はそれは自分のせいですかとエリの顔を覗き込む。エリは少し
考え込み、「うん、それはある。でもいいのよ、それで吹っ切れたん
だから」と答える。そして「これからもずっと仲のいいお友達でいま
しょ」とにっこりする。一平は俯きながら「ハイ」と答える。

 鴨川から戻ってくると、向かいの邸宅の取り壊しが始まっていた。
それを見てエリは思わず涙ぐむ。一平はエリの肩を抱いてその場を離
れる。エリは耐え切れず走って家の中に入っていく。

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 −拝啓、父上様。神楽坂の街が壊れます……
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 板場で1人手持ち無沙汰にしている一平の耳に解体作業の音が無常
に響いてくる。そこへ竜次がやってきて「たまらんなあ、この音は」
と言って一平とともに喫茶店へ行く。

 竜次は、明日から「坂下」には来ないことを律子と保に話したと伝
える。夢子が「坂下」を離れた瞬間、もう続けていく気力がなくなっ
たのだと言う。竜次は餞別にと包丁を送る。そして今後の身の振り方
は自分で決めろと言う。新「坂下」に行くもよし、「中条」に行くも
よしと。一平は見送りをしたいと言うが、竜次はそんなことよりナオ
ミに会って話をしろと断る。

 一平はぼんやりと歩いていたが、気づくと石畳の階段のところにい
た。そこはナオミと始めて会った場所だった。コロコロと転がり落ち
るリンゴに慌てるナオミの表情……。一平はナオミの勤めるフランス
菓子の店に走っていく。しかし、ナオミはすでに辞めたと言われる。

 がっくり来る一平に雪乃から「カナルカフェ」に来て欲しいと電話
が入る。ところがそこにいたのはナオミだった。ナオミは笑顔でフラ
ンス語を話し出す。一平が「今日は日曜だから日本語しゃべれんじゃ
ないの?」と尋ねると、ナオミは「ルールを変えた」とノートに書き
出す。

 一平とナオミは津山が一平の父親かどうかでお互い悩んだことを打
ち明けあう。それからナオミは「逢いたかったわ。あれから30日と
22時間」と書き続ける。だが一平はその手を止めさせしっかりと包み
込む。ナオミも左手を一平の手にのせる。こうして一平とナオミはお
互いの気持ちを確かめることができた。

 3月に入るともうすぐ閉店とあって名残を惜しむお客さんで「坂下」
は盛況になる。忙しい日々が続く中で4月以降のことを一平は考えな
いようにしている。今のところ、神楽坂は神楽坂のままだ。(完)


寸  評  主題がはっきりせず話の流れが散漫でありましたので、何も結論
が出ないラストになるのは至極当然だと思います。たぶん雰囲気とか
映像とかを鑑賞する作品だったのかなという気がします。父親が誰か
わからない、「坂下」はほぼ無抵抗のまま解体される、一平は料理人
として特に腕をあげたようにも見えず……。なので論評しづらい作品
です。
 結局、津山が父親でないことがわかれば、父親が誰かということは
大した問題ではないのでしょうか?雪乃も隠したままなのは、津山を
忘れられないまま産みたくない人の子を産んだからということでしょ
うか。となると本当の父親は真田かと勘ぐりたくなります。
 あくまで個人的な意見ですが、人間ドラマとしてはひどすぎる作り
のラストだと思いました。とりあえず今置かれている状況の中に没頭
しようという一平の気持ちは、何か劇的な葛藤の果てに出た結論とし
て「坂下」最後の日まで一生懸命やっていこうという風には思えない
からです。エリが芸者になると決意し、ナオミがいよいよパリで修行
するとそれぞれの道を決めて旅立とうとしているのに、自分自身は先
のことは考えないようにしていると言うのではぜんぜん成長がなく、
若者らしさもありません。一平は最後まで年寄りじみて、傍観者的に
描かれていましたが、結局のところどういう役割を果たしていたのか
よくわかりませんでした。
 最後にコメディとしてはどうしても受け入れられない点がありまし
た。前回の夢子のキムタクとチェ・ジウの国際不倫話のシーン。精神
に異常をきたしてしまった人で笑いをとるのは悪ふざけだと思います。
笑いとは風刺を含んでおり、その対象は、本来権力者か、あるいは自
分自身であるべきだと思うからです。

執 筆 者 けん()

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2. 編集後記
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 ナオミが4月からパリに行くことにしたのは急に決まったという感じがしま
した。一平にふられたと思って気持ちを切り替えるためと考えるのが自然な気
がするんですが、もしそうなら一平に会おうとしないでしょうし、大きな決断
にしてはどこかちぐはぐな感じがします。
 エリが芸者になると打ち明けたときに、自分のせいですか?と聞くのはまた
もや最悪な感じがしました。人の人生を変えてしまうことをしでかしたのです
から、それは謝るとか自分のせいとかで片付く程度の話ではないと思います。
一生自分の中で背負っていくべきことでその中で何とか少しでも償っていくし
かないとしか考えようがないことではないかと思えました。(けん)

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