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タイトル:Daily Drama Express 2007/02/18 華麗なる一族 (6)  2007/03/27


===================================================== 発行部数   25 ==
                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2007/02/18 (Sun) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.日曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 日曜日の連続ドラマ
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タイトル 華麗なる一族
局  名 TBS系
放映日時 日曜21時
キャスト 万俵鉄平(木村拓哉)
 万俵大介(北大路欣也)
 高須相子(鈴木京香)
 万俵寧子(原田美枝子)
 万俵銀平(山本耕史)
 万俵二子(相武紗季)
 美馬一子(吹石一恵)
 安田万樹子(山田優)
 万俵早苗(長谷川京子)
 美馬 中(仲村トオル)
原  作 山崎豊子「華麗なる一族」
脚  本 橋本裕志
主題歌  『』

あらすじ  第六回 万俵家の崩壊

 昭和43年1月2日。
 万俵鉄平(木村拓哉)は、アメリカン・ベアリング社の件でシカゴ
に飛ぶという。


 鉄平の父・阪神銀行頭取・万俵大介(北大路欣也)は、志摩観光ホ
テルで、阪神銀行専務の大亀(武田鉄矢)から、アメリカン・ベアリ
ング社が吸収合併されたとの報告を受ける。


 銭高常務(西村雅彦)が大亀の自宅を訪ね、追加融資の件を頼むが、
大介は小が大を喰う合併を狙っているときに、そんなことに構っては
いられない、と言う。


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 1月4日。
 世界的な企業合併の時代を告げるアメリカン・ベアリング社の合併
は、新聞でも大きく報道された。それにより、契約破棄の直撃された
阪神特殊製鋼の株価は、250円から一気に150円まで下落し、資
金難への対応を迫られていた。このままできは高炉建設が頓挫してし
まう。この危機を乗り越えるために、鉄平は正月以来、気まずい溝を
抱えたままの大介がいる阪神銀行へ向かっていた。
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 頭取室で、大介と対面する鉄平。
 「このような事態になってしまい、申し訳ありません」と鉄平。
 「このような大事があったのなら、真っ先にわたしに報告すべきだ。
わたしとお前の間に何があったにしろ、ビジネスの話は別だ。追加融
資の件は、しばらく考えさせて貰う」と大介。


 鉄平は大同銀行頭取・三雲祥一(柳葉敏郎)に聞かれ、大介は、大
川の件のリークは役員の誰かだと言っていたと答える。
 三雲は、一度自分が直接大介に会ってもいいか、と聞く。メインバ
ンクとの関係悪化は、共同融資をしている自分たちにも悪材料だし、
大同銀行の反対派を抑えて融資するためにも、阪神銀行の融資は必要
だから、と。
 「はい、お願いします」と答える鉄平。

 −− この三雲と父との会見から、ボクと父との悲劇は一気に加速
したのだった。

 阪神銀行本店。
 三雲に問われ、大介は、これからも阪神特殊製鋼への支援は変わら
ないと答える。

 大介は、なぜ三雲がここまで鉄平に入れ込むのか問う。
 三雲は、鉄平には、行動力やリーダーシップがある。鉄平の可能性
に賭けている、と言う。
 大介は、『賭ける』などとは、銀行家らしくない。普通は1%の危
険性も避けるものなのに、と言う。
 三雲は、それだけ鉄平には価値があるのだという。

 大介の脳裏では、『鉄平には価値がある』との三雲の言葉と、カマ
キリを食おうとするクモの映像がグルグルと回る。

 大介は怖い顔をして立ち上がると、阪神銀行は、今回の件に対して、
20億の追加融資をする。だから三雲もどうか鉄平を見放さないでく
れ、と頼み、深く頭を下げる。
 三雲は大介に、頭をお上げくださいと言い、今の大介の言葉で安心
したので、これからも鉄平を支援していくという。

 会見を終えた大介は大亀に、大同銀行の内情を調べるよう命じる。
三雲との間に何か?と問われ、大介は阪神特殊製鋼のサブバンクのこ
とを知っておきたいだけだと答える。

 芥川(小林隆)東京支店長には、大川のヤミ献金リークの責任を取
って、倉庫へ行って貰う、と言う。
 芥川は、阪神銀行を辞めるってことですか!?と慌てる。あの件は、
大介の指示でリークしたのに、と。

 銀平が、大介はやっていないって言っていたじゃないですか、と気
色ばむが、大介は、すべて阪神銀行を守るため。男には嘘をつかなけ
ればならないこともある。合併がうまくいったら呼び戻すから。それ
まで耐えて欲しいと、芥川に言う。
 芥川は大介の言葉に従う、と答える。


 大介は鉄平と早苗に、大川の件をリークした芥川は解雇したと言っ
て、わびる。そして大介は、これから大川の分も鉄平を支援するため、
20億の追加融資を決めた。だから親子のわだかまりは水に流して欲
しい、と言う。
 鉄平も、大介がそこまで言うなら、自分も言い過ぎた、と言う。

 万俵寧子(原田美枝子)は、これで仲直りね。一緒にお食事してい
って、うれしそうに言う。


 1月9日。
 大介は大亀からの報告を受ける。大同銀行には、三雲の日銀派と、
生え抜きたちとの間の確執がある、と。

 前日。
 綿貫専務(笑福亭鶴瓶)と小島常務(金田明夫)はクラブで飲んで
いた。大亀の接待だった。

 大亀の報告。綿貫は、娘婿が経営する会社にすら融資が受けられな
い。重要ポストは日銀から天下る人間に取られてしまう、と鬱憤がだ
いぶたまっている。

 大介は大亀に、阪神特殊製鋼の融資の件でもだいぶ迷惑を掛けてい
るから近いうち、綿貫と一席もうけて欲しいと命じる。


 1月10日。
 銭高常務(西村雅彦)が鉄平に、阪神銀行から20億の追加融資が
あったことを報告。すでに入金されている。
 そのあまりの早さに驚く鉄平。

 鉄平はすぐさま三雲の元を訪れ、大同銀行からも追加融資20億を、
二日後に振り込んで貰える約束を取り付けた。

 その足で鉄平はつる乃屋女将・鶴田志乃(多岐川裕美)を見舞いに
訪ねる。
 鶴田芙佐子(稲森いずみ)に志乃の容態を尋ねると、思わしくない
らしい。

 寝ていた志乃がふと目覚め、逆光を浴びた鉄平に、しきりに「敬介
さん!」と呼びかける。

 芙佐子になだめられ、志乃は鉄平を認識し、間違えたことをわびる。

 鉄平に問われ、芙佐子は、志乃は手術を勧められているが、もう長
くはないかもしれない、と言う。
 「ボクでできることがあれば、なんでも言ってくれ」と鉄平。
 「そんな優しくしないで.....てっちゃん」と芙佐子。
 「じゃあ」と鉄平は去っていく。


 金栄庵 東京 新橋。
 大介は大亀の計らいで、綿貫と一席を共にする。
 綿貫は、娘婿が、旭設計という会社をやっているが、基幹産業重視
の三雲頭取の下では、情実融資はまかりならんということで、困って
いる、と言う。
 大介は、おいやでなければ、阪神銀行が融資をしましょうか、と提
案する。
 「阪神特殊製鋼とのバーター取引ってことですか?」と綿貫。
 「解釈はお任せします」と大介。

 そのあと大介は、銀行が合併したとき、何が重要かと問う。
 綿貫は即座に、ポストだと答える。自分のように、日銀天下りに何
度も副頭取への昇進をストップさせられてきた身には、それが一番大
切だ、と。


 2月初旬。
 次女・万俵二子(相武紗季)は、鉄平と一ノ瀬四々彦(成宮寛貴)
と一緒に、大衆食堂で昼を食べる。二子は四々彦に、執事の高須相子
(鈴木京香)が佐橋総理の甥と見合いしろとうるさいけど、断った、
と言う。
 鉄平は、もしや大介からの迅速な融資は?と勘ぐるが、四々彦は子
供が断っているとき、親が助けるのは当然なんじゃないですか、と言
う。

 そこに銭高がやってきて、鉄平に大川が亡くなって、おそれていた
ことが起きたという。
 あたりにいた人たちが凍り付く。


 和島所長(矢島健一)のところへ行く鉄平と銭高。
 鉄平は和島に『これ』は阪神特殊製鋼に潰れろってことですか!?
と抗議する。
 和島は、六月までは約束量の銑鉄の供給はするが、その後の契約更
新はしない、ということです、と言う。

 鉄平が阪神特殊製鋼の高炉の完成は10月。それまでの間、製品が
ストップしてしまう、と言う。
 和島は、それくらいの期間さえもどうにもならないのであれば、企
業として問題だという。

 銭高が、それでは第一製綱へ行きましょう、と腰を浮かせると、無
駄だと思いますよ。向こうも供給を止めるそうですから、と和島。


 大介が大亀に、今夜自宅に来るよう言う。女婿の美馬中(仲村トオ
ル)も来るから、と。合併相手を決めたのだ。
 でも、必死の思いで預金残高9位まで上った阪神銀行が、どうやっ
て預金残高第五位の大同銀行を飲み込もうというのか!?


 その頃阪神特殊製鋼では、銭高が鉄平に、このままでは阪神特殊製
鋼が潰れる!と訴えかけている。
 それに対して鉄平は、「夢はつぶさない」と答えるのみ。


 その夜、大介の屋敷に、美馬と大亀が集まる。相子も同席して、会
議が始まる。


 阪神特殊製鋼 技術開発研究所。
 沖仲仕の荒武玄たちがわいわいとしゃべっている。荒武の方を向い
た鉄平に対して、「休憩中だ」と言う。

 鉄平は荒武に、作業員を増やしたいのだが、心当たりが無いかと問
う。
 荒武は、現場作業員は畑違いだし、それに今は一番忙しい時だと断
る。

 するとそこに四々彦がジープで駆けつけ、作業員が一人、突風にあ
おられ、海に落ちたが、まだ見つかっていない、と言う。

 鉄平は、ジープに同乗して現場に駆けつける。
 荒武も含め、みんなで海上を見る。
 鉄平がいち早くおぼれている人影を見つけ、上着を脱ぐ。

 みんなで鉄平を止めるが、それでも鉄平は海へ飛び込む。


 美馬が大介に、大同銀行の調査結果を発表。役員数は日銀天下りよ
り、生え抜きの方が数は多い、と。
 大介は、生え抜きを取り込めれば、大同銀行の役員会を操れる、と
言う。
 美馬が反対する。阪神銀行が預金残高九位に対して、大同銀行は第
五位。しかもバックに日銀がついているのだから、下手をすれば、飲
み込まれるのは阪神銀行側だ、と。

 日銀を押さえ込めるだけの後ろ盾があれば、合併は成功する、と大
介。
 そのためには、よほどの大物でなければ無理だ、と美馬。

 そこに酔っぱらった銀平が入ってきて、ドアも閉めずに着席すると、
だから相子は二子の結婚に熱心だったんだ、と言う。
 また、三雲は兄・鉄平の恩人。何度助けられたことか、と言う。

 大介は銀平に、すぐに帰ってこいと言ったのに、飲んできたのかと
叱責し、三雲の件については、その温情が徒になる、と言う。阪神特
殊製鋼への融資が、大同銀行のアキレス腱だ、と。

 大亀が、大介は阪神特殊製鋼を倒産させるおつもりなんですね、と
言う。阪神特殊製鋼が倒産すれば、そこに大金を融資した三雲に対し
て、綿貫たち、生え抜き派が反旗を翻す。そこに阪神銀行が乗り込み、
一気に日銀一派を追い出し、大同銀行を飲み込んでしまう.....

 「つくづく恐ろしい人だな。自分の息子が生涯を賭けた会社を潰し、
その恩人を追い出すとは..... とため息混じりにつぶやく美馬。


 その頃鉄平は、冬の海の中、落ちた作業員を探し続けていた。
 そして遂に見つけ、近づく。


 銀平は、高炉が完成すれば、世界有数の鉄鋼会社になるじゃないで
すか、と言う。

 大介は、阪神特殊製鋼のアキレス腱は銑鉄の供給だと言う。

 大亀は大介はすでに帝国製鉄に対して、手は打ったという。六月で
銑鉄の供給が止まれば、それで倒産、と。

 銀平は。大介はどれだけ鉄平を苦しめるのだと文句を言う。

 大介は、阪神銀行が潰れれば、グループ企業すべてがダメになる。
多少の苦しみがあっても、生き残らなければならないと言い返す。

 大介につかみかかろうとする銀平を、大亀が止める。
 銀平は部屋を出て行こうとし、大介が銀平を呼び止め、首根っこを
捕まえると、「当行は大同銀行を飲み込む。それが跡を継ぐお前のた
めでもあるのだ」と言う。

 解放された銀平は、本家を出て行く。

 相子が大介に、絶対二子の縁談は成立させると言い、頷く大介。


 銀平に救助された作業員は、銀平の必死の蘇生術に、息を吹き返す。


 万俵銀平宅。
 銀平の妻・万俵(安田)万樹子(山田優)はごちそうを並べている。
訳を聞く銀平に、「できたんです」と万樹子。
 銀平は、このことを誰かに話したかと問う。
 まだ、誰にも話していないと万樹子。

 銀平は、その子を堕ろしてくれ、と言う。
 呆然とし、訳を問う万樹子。

 銀平はこれ以上、万俵家の血を引く不幸な子を増やしたくないと言
い、一人でワインを飲み始める。

 万樹子は、この家は狂っている。自分は万俵家の秘密を見てしまっ
た。ひとつの寝室に並ぶ三台のベッド。相子と大介と、そして『あの
お優しそうなお母様』までが、と言う。

 「母を悪く言うのはやめろ!!」と怒る銀平。「母は犠牲者だ。公
家華族で、他人と争うことを知らない。この家に嫁いできてしまった
ことが悲劇だ」と。
 「では、銀平さんが守って差し上げたら?」と万樹子。
 「この家では、誰もお父さんに逆らえないんだ。とても寝られる気
分じゃない。出かけてくる」と銀平。

 一人残された万樹子は、頭を抱える。

 銀平はバーでタバコを吹かしながら、飲んでいた。


 鉄平のところに、荒武が礼を言いに来る。普段使ったことのない敬
語を使おうとするので、どもりまくる。
 鉄平は、普段通りでいい、と言う。
 荒武は、自分のところの若い者を助けてくれたお礼に、お酒をおご
る、と言う。

 鉄平は、それはうれしいが、今夜はこれから人と会わなければなら
ない。作業員を集めて貰うために、と断る。
 そんなに困っているのか?と、荒武。

 鉄平は、高炉を六月までに完成させなければならないと言う。
 とてもじゃないが無理だ、と荒武。
 鉄平は、来月から人を増やし、昼夜二班の突貫工事を行えば、間に
合う、と言う。

 荒武は、「若、ガンバレよ」と言い、『若』と呼ばれた鉄平は、ま
んざらでもなさそうに、「お酒、期待してますよ」と言うと、出かけ
ていく。


 夜の街をフラフラと歩いていた銀平は、作業員の詰め所で、突貫工
事のための作業員の手配を頼む鉄平を見かける。でも、万博工事に人
を取られて、と断られる。

 その姿を見た銀平は笑う。
 銀平に気づいた鉄平は、銀平に近づき、「また飲んでるのか」と声
を掛ける。
 銀平は、突貫工事なんて、先日大介に刃向かったと思ったら、今度
は帝国製鉄に立ち向かおうって言うんですか。相手が強すぎます、と
言う。

 鉄平は銀平に、将来どうしたいんだと問う。
 銀平は、自分は鉄平のようには強くは生きられない、と答える。
 鉄平は銀平に、落ち着いたら二人で飲もうと言うと、足早に次の目
的地へと向かう。


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 1月10日に、阪神特殊製鋼に入金された追加融資の20億は、実
は1月31日には、阪神銀行の事情で、一時返金されていたのだ。こ
の事実はまだ、鉄平は知らない。そして銭高は大介のところを訪れて
いた。
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 銭高が大介に、そろそろ再入金をと頼むが、大介は、あれはもう貸
せないと言う。大同銀行に融資させるための見せ金だったというのだ。
しかもこの件は、銭高の胸の内だけにおさめて欲しいと言う。

 銭高は、それでは不足分は高利の金を借りろと言うのですか!?そ
れでは債務が雪だるま式にふくらんでしまう。突貫工事で六月までに
高炉を完成させようとしているときに!と言う。

 驚く大介。

 そこにいた銀平は涼しい顔で、「これで父さんのアキレス腱は兄さ
んになったということですね」と言う。「6月までに兄さんが高炉を
完成させられなければ、大同銀行は手にはいり、父さんの勝ちですが、
完成させれば、阪神特殊製鋼という優良企業を傘下に持つ阪神銀行は、
上位行から格好の標的にされ、一気に飲み込まれ、です。お父さんの
負けです」と言う。

 大亀は銀平に、あの帝国製鉄でさえ工期が遅れるほどの人材不足。
無理だ、と言う。

 大介は、六月までに高炉が建つわけがない、と言い切る。


 二月中旬。
 一ノ瀬工場長(平泉成)と人集めに奔走する鉄平。10人でさえ、
人を集められない。
 次は、古くからの知り合いのところへ行くから、大丈夫でしょ、一
ノ瀬。


 二子は相子に、佐橋総理の甥といると、虫酸が走ると言う。
 相子は、阪神特殊製鋼の煙突が煙を吐かないことになったら、二子
も寂しいだろう。佐橋総理の甥との話がダメになったら、大介も困る。
相手のメンツを潰さないためにも、形だけでいいから見合いをして欲
しいという。


 港で四々彦を会う二子。阪神特殊製鋼が潰れたら、四々彦はどうな
るのか、と問う。
 四々彦は、生きる気力が無くなるかも知れないと答え、今日の二子
はどこか変だ、と言う。
 二子は、四々彦の胸に顔を埋め、四々彦はこわごわ二子の背中に、
手を添える。


 瀬戸山建設。

 −− 人員集めは、難航を極めた。高炉内部を扱う専門業者は、何
とか手配できたが、一般作業員のめどは、まったく立たないまま、突
貫工事の開始日は、目前に迫っていた。


 大介は銀平を呼び出し、佐橋総理の甥と二子の縁談が決まったこと。
鉄平はまだ三割しか作業員を集められていないことをつげ、これで自
分の勝ちだと言う。

 そんなことを言うために、自分を呼び出したのか、とムッとする銀
平に、大介は、銀平は将来この椅子に座る人物。この椅子に座ると言
うことは、銀行を守るすべを知らなければならないと言う。

 銀平は、大介は鉄平に負ける、と言う。なぜなら、大介には鉄平の
ような信念が無いから。阪神特殊製鋼を潰すと決めたときから、銀行
家にとって大切な、企業を育てるという義務を放棄してしまった、と。
 「わたしには、阪神銀行を守るという大儀がある」と大介。
 「父さんは大儀という名の下に、策謀を巡らせているだけじゃない
ですか。でも、兄さんはいつだって、技術者としての誇りと、経営者
としての信念を持って、行動しています。お父さん、それに人がつい
てくるのですよ、おじいさんのように。たとえ今回は勝ったとしても、
今のままのお父さんじゃ、いつか兄さんに負けますよ」と銀平。
 「そう思っているのか」と大介。
 「よく、おじいさんが言ってたじゃないですか。理想と信念を持っ
た人が策謀を巡らす人に負けるわけがない、と」と銀平。
 「じいさんの話はもういい」と大介。
 「失礼します」と銀平。


 鉄平と一ノ瀬は、遠藤建設へとやってくる。


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 そして3月1日、突貫工事開始日が来た。
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 阪神特殊製鋼・石川社長は鉄平に、100人では突貫工事に入れな
い。せっかく無理して来て貰った専門業者だが、訳を話して引き取っ
て貰おうと言う。

 一ノ瀬が反対し、銭高はこれ以上待てない、と言う。

 鉄平が双方の争いを止め、少し待って欲しいという。もう一つ頼ん
でいる業者があるから、と。


 大介は寧子に、昼間銀平から、鉄平は敬介そっくりだと言われたと
言う。
 寧子は大介に、鉄平とは仲直りしたのではないですか?と心配そう
に聞く。
 「誰もわかってはくれないさ。わたしの戦いの重さをな」とつぶや
くと、敬介の肖像画をにらみつける大介。


 大介の脳裏によみがえる過去。
 敬介は裸身で眠る女を前に、「公家の女の肌はマシュマロのように
白くて柔らかい」と言う。


 「わたしは勝つ。鉄平にも、先代の亡霊にもな」と自分自身にいい
かせる大介。


 四々彦が、遠藤建設からの返答を伝える。人員確保はできなかった、
と。

 銭高がみんなを帰す、と言う。
 集まった人たちは不平を言う。

 みんなに「専務!」と呼ばれ、「あきらめない」と言う鉄平。
 そして現場の門へ向かうと、そこには、荒武を先頭に歩いてくる人
の波。
 「若ー!連れてきたぜ」と荒武。
 涙ぐむ鉄平。
 銭高まで、目に涙を浮かべている。
 「当社はこれより、突貫工事に突入する!」と宣言する鉄平。


寸  評  2月の海に飛び込み、あんなに時間を掛けて救助した鉄平は何者
ですか?しかも、常々、手元の書類より、遠くを見ているし、海に慣
れているはずの沖仲仕たちよりも早く見つけて。鉄平、スーパーマン
になりすぎ。

 大介がこんな悪巧みの人とは思いませんでした。息子の会社を潰し
ても、阪神銀行が残ればいいなんて。

 銀平がこんなに描かれるのは初めてではないでしょうか?銀平のニ
ヒルな態度の裏には、自分の血を呪っていたのですね。
 万樹子はどうするのでしょうか?
 また、大介は二男二女(原作は三女)をもうけたのに、今のところ、
一子も鉄平も子供は一人ずつしかいませんね。これから増えるのでし
ょうか?

 超金持ちだけど、その地位を継続するためだけにすべてを犠牲にさ
れられる家と、普通の暮らしができる庶民。やっぱり選ぶなら、庶民
ですかねぇ。

執 筆 者 鈴木(drama_sumire@yahoo.co.jp)

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2. 編集後記
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 建設業って、昼夜突貫工事で人員を倍投入すれば、工期が半減するのでしょ
うか?
 IT業界では、『デスマーチ』という言葉があります。原因は仕様変更だっ
たり、環境の悪化だったり、いろいろありますが、工期が遅れていくと、遅れ
を挽回しようとして、人員を投入します。すると、新しく入った人は状況を理
解しきれないし、管理する人員が多くなりすぎるし、で生産性はますます下が
ります。

 プロジェクトXで、東京オリンピックに間に合わせるようにホテル・オーク
ラだかを建設するときに、ユニット・バスを作ると言う Break Through をし
ました。
 鉄平も工期を早めるためには、なんらかのミラクルな手を打つ必要があるの
ではないでしょうか?(鈴木)

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