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タイトル:Daily Drama Express 2007/03/15 拝啓、父上様 (10)  2007/03/22


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2007/03/15 (Thu) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.木曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 木曜日の連続ドラマ
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タイトル 拝啓、父上様
局  名 フジテレビ系
放映日時 木曜22時
キャスト 田原一平(二宮和也)
 田原雪乃(高島礼子)
 中川時夫(横山 裕)
 坂下エリ(福田沙紀)
 小宮竜次(梅宮辰夫)
 坂下 保(高橋克実)
 坂下律子(岸本加世子)
 坂下夢子(八千草薫)
脚  本 倉本聰
主題歌  「」

あらすじ 第10話「」

 正月の3日間、一平(二宮和也)は毎日お弁当を作って夢子(八千
草薫)に届けた。夢子は面会謝絶のため、一平は何か急用があったら
呼んでほしいと言って病院の敷地内でフランス語の勉強をしながら過
ごした。

 4日。一平は鎌倉にやって来て、勉強したフランス語を披露してナ
オミ(黒木メイサ)を笑わせる。レストランの予約時間まで時間があ
ったので、一平とナオミは近くの海を散歩して過ごす。一平は雪乃
(高島礼子)がナオミをいい女だと誉めていたと話すとナオミは恥ず
かしがる。

 レストランはホテルにあるフランス料理の店だった。高級そうで周
りはセレブに見えて一平は思わず怯んでしまうので、ナオミは笑いな
がらなれた雰囲気でオーダーしてくれる。

 一平はこんな店によく来るのかと尋ねる。ナオミは父親がよく使っ
ていて自分もたまに利用するのだという。一平はまた父親はどんな人
か尋ねるが、ナオミは答えたがらない。だが、一平が困惑した表情を
浮かべると、ナオミは呼ぼうかと言い出す。偶然だが、実は今この店
に来て誰かと食事をしているのだと言う。もちろん一平は慌てて断る。

 ナオミは不意に父親が物書きだと言い出す。一平は小説家と知って
おどおどする。自分は本をあまり読まないので父親がインテリに思え
たのだ。ナオミが以前『甃の街』を読んでいたと言うと、一平は驚き、
あれはたまたまで、津山冬彦みたいな堕落したエロ作家には興味はな
いと否定する。するとナオミはその津山こそが父親なのだと言う。一
平はナオミの苗字が唐沢なのにと事情が飲み込めないが、ナオミは津
山冬彦というのはペンネームだと答えるので、一平はますます動揺す
る。しかも、津山(奥田瑛二)がナオミに気づいてこっちにやって来
た。

 ナオミと津山がしゃべるそばで一平は硬直していた。津山は娘をよ
ろしくと挨拶する。一平は席を立ち深くお辞儀する。ナオミが「勘定
そっちにつけとくね」と茶目っ気を見せると、津山は人差し指を伸ば
してナオミの額を小突く。その瞬間、一平の表情が強張る。津山の指
は長くて綺麗だった。

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 −拝啓、父上様。拝啓……神様……
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 それから一平は放心状態で何をしていたのかも思い出せない有様だ
った。父親の手がかりは指が長くて綺麗なことだけ。もし津山が自分
の父親ならナオミは腹違いの妹になる……。一言もしゃべらない一平
にナオミは何か悪いことしたのかと不安そうな表情を見せるが一平は
黙りこくったまま別れる。

 家に戻ると一平は『甃の街』を読む。だが動揺が激しく頭に入って
こない。一平はなじみの喫茶店のマスターのところへ行き、主人公の
私とお酌のアヤネはできているのか?と尋ねる。マスターは本をパラ
パラと読み返し、できていると思うと言う。一平はもっとはっきりと
読んで説明してほしいとせがむが、はっきりと読み取ることはできな
い。

 一平が夢子の見舞いに来ると、夢子はうろうろとしていた。なんで
もキムタクが極秘入院しているのだと言う。もちろんそんなことはな
いのだが、夢子はキムタクとチェ・ジウが国際不倫をしていると真顔
で話す。一平は夢子を病室へと連れて行き休ませる。

 一平は津山と雪乃が付き合っていたかどうかを夢子に聞く。二人の
間にはこどもがいるのかと。夢子は静かに頷き、名前をつけたのは自
分だと言う。一平は「それは一平という名前ですか」と続ける。夢子
は名前は剛だと言う。一平は「僕は最初剛だったんですか?」と聞き
返す。すると夢子は「大きくなって草薙剛に なったの。そしてキム
タクにチェ・ジウを紹介したのが真相よ」と言い出したので、一平は
がっくりしてしまう。

 8日になり、「坂下」での仕事が再開し、一平はまたいつものよう
に仕事を続ける。その間、3回もナオミからメールが着たが、一平は
返事をしなかった。何をどう答えていいのかわからなかったからだ。

 ある日の仕事後、一平は律子(岸本加世子)に呼ばれ、新しいアパ
ートに移る気があるのかを尋ねられる。一平に一向に引っ越す気配が
なかったからだ。一平は申し訳なさそうな顔で移らないと話す。律子
は新しい「坂下」で働かない意思表示かと尋ねる。一平は「わかりま
せん」と迷っていることを明かす。律子は来て欲しいと思っているが
無理にとは思っていないと元気なく答える。そんな律子を見て一平は
律子がやつれて一回り小さくなったように感じる。

 一平が帰ろうとすると、ナオミからメールが来た。10時にカナルカ
フェで待っていると書かれている。会いたいし、飛んでいきたいとい
う衝動はあるが、今会っても何を言っていいのかわからず決心がつか
ない。一平は「ゆき乃」へ行く。

 一平は深刻な顔で津山が自分の父親なのか雪乃に尋ねる。しかしお
酒に酔った雪乃は笑いながらあんたの父親は私と取り合わない。一平
は怒り、俺は人間だ、父親が誰かを知る権利が自分にはあるんだと怒
鳴る。しかしそれでも雪乃は「教えな〜い。口が裂けても」と答えよ
うとしない。一平は怒りが頂点に達し、もう二度と会わないと言い捨
て出て行く。

 一平が夜道を歩いているとカナルカフェからさびしそうに出てくる
ナオミの姿があった。一平はつらくなるが、ただ見送ることしかでき
ない。

 数日後、一平は竜次(梅宮辰夫)と「中条」という料亭に行く。
「中条」は三年前にオープンし、外観は昔ながらの佇まいを残しなが
ら誰でも気軽に入れる店として若者に人気があった。「中条」の女将
は律子の幼馴染だが、犬猿の仲だという。

 女将は竜次が包丁を捨てることを聞いていて、それとなく「中条」
へ来ないかと誘う。だが竜次はそれには答えず、一平を紹介する。女
将は竜次のお墨付きならいつでも引き受けるつもりでいると答える。
しかし一方で、女将は先日律子が来て頭を下げて澄子(森上千絵)や
時夫(横山裕)を雇って欲しいと頼まれたという。気位の高い女がプ
ライドを捨てて頼んできたことに女将は泣けてきて引き受けてもいい
と答えたという。

 女将が下がった後、竜次は雪乃が泣きながら一平にもう二度と会わ
ないと言われたとを相談に来たと明かし、理由を聞く。一平は津山が
父親かどうかで喧嘩をしたと話す。そして好きな娘ができて、その人
が津山の娘なので、自分と腹違いの子供の可能性がある。だから父親
が誰かはっきりと知っておく必要がある。なのにいつものようにふざ
けてはぐらかしている雪乃に納得ができないと。そのことで一平は気
が狂いそうだと竜次に漏らす。

 竜次は一平の気持ちに理解を示しつつも、雪乃にも女の美学がある
と思うと言う。だが一平は父親が誰かを教えるのは義務だから説得し
て欲しいと強い口調で訴える。確かにそのとおりだが……。さしもの
竜次も弱り果てる。しかし一平は引き下がらない。一平は完全にキレ
ていた。カナルカフェから1人寂しく帰るナオミの姿、そうさせたの
は雪乃の沈黙のせいだと一平は思っていたからだ。


寸  評  夢子がおかしくなって「坂下」売却の動きに何か変化が起こるの
かと思っていたらそうでもなく、父親探しの話になったという感じで
少々肩透かしでした。しかしナオミの父親が津山というのは意表を突
かれた感じで、面白いと思いました。
 それにしても、一平は男として、いや大人の人間としてもひどすぎ
るなあと思うことしきりです。エリとのデートの件もそうですが、ナ
オミを不安に落としたのが雪乃のせいというのはどうなのでしょう?
ナオミが父親について話したがらなかった理由は一平自身が津山をエ
ロ作家と軽蔑していたから、それを話せば嫌われてしまうと思ったか
らではないでしょうか。そういう心を少しでも察することができれば、
メールに返事するでしょうし、話すことが思いつかなくても会いに行
くはずだと思います。昼休みにわざわざお店に顔を出したり、夜閉店
時間に会いに来てくれたりしてくれたのに、急に理由もなく無視され
るというのはひどく傷つくことだとわかっていないのはどうなのだろ
うか?と思います。女というものについてまったくわかっていない性
格をリアルに描いてみせたと言われればそれまでですが、それにして
も同情の余地があるように描けないものかと思います。

執 筆 者 けん()

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2. 編集後記
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 先日テレビで放映されていた『スウィングガールズ』を見て、コメディとい
うのはまさしくこういうものだなあと感心しきりでした。矢口史靖監督のユー
モアセンスはさすがです。コメディは人のぎらついた欲望が肩透かしにあうの
が面白いと個人的には思っています。補習をサボりたい一心で始めたのがいつ
のまにか虜になってしまう、ジャズについて博識を披露していた小澤先生は実
はただのコレクターでばれないかとおどおどしているとか、表の行動と裏の心
が正反対というのが見ていておかしいということです。それからすると『拝啓、
父上様』はコメディとしては中途半端だと思えます。一平は表の行動と裏の心
がまったく同じですので。(けん)

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