メルマガ:日刊ドラマ速報
タイトル:Daily Drama Express 2006/05/16 ブスの瞳に恋してる (6)  2007/01/31


===================================================== 発行部数   25 ==
                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2006/05/16 (Tue) ☆☆
======================================================================

== 目次 ==============================================================
  1.火曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
======================================================================

----------------------------------------------------------------------
1. 火曜日の連続ドラマ
----------------------------------------------------------------------
タイトル ブスの瞳に恋してる
局  名 フジ系
放映日時 火曜22時
キャスト 山口おさむ(稲垣吾郎)
 太田美幸(村上知子)
 竹田武 (大森南朋)
 小田島彬(船越英一郎)
 藤原美也子(井川遥)
 蛯原友里(蛯原友里)
 佐々木翔子(MEGUMI)
 里中花子(室井滋)
 清水浩太(加藤成亮)
原  案 鈴木おさむ
脚  本 マギー
主題歌  『』

あらすじ  関東中央テレビのエントランスで、かつての恋人・美也子(井川
遥)と再会したおさむ(稲垣吾郎)。呆然と立ち尽くすおさむに、一
瞬切ない表情を浮かべた美也子だが、一礼し、軽く微笑んで立ち去っ
てしまう。
 我に返ったおさむは、取り落とした便箋を拾い上げる。美幸(村上
知子)がくれたネタ。美幸に会うために走っていたことを思い出し、
再び走りだすが、脳裏には先ほどの美也子の姿がちらつき、『どすこ
いラーメン』の看板は見えているのに、立ち止まってしまう。

「ほんとに世話が焼ける二人よねぇ」『ズバット×ズバット』の制作
ルームでは、幸佑(米原幸佑)に肩を揉ませてふんぞり返る花子(室
井滋)と、ラーメンをすするプロデューサーの竹田(大森南朋)や松
本(忍成修吾)らが、安堵の表情を浮かべていた。その時、一恵(矢
松亜由美)が、「あっ!」と叫ぶ。

 店に一人残っていた美幸は、店先におさむの影を見つける。自分の
思いが通じたのだ!!
 表に出てきた美幸に、おさむはネタの礼を言う。「私、もう二度と
会わないつもりでこれ書いたから」「そんなこと言うなよ!!」美幸の
顔はみるみる明るくなるが、言った当人のおさむは、ちらちらと美也
子の顔が浮かび、そのたびにためらってしまう。「と、とにかく、俺
はまた会いに来たいと思ってるから。…戻るわ。お礼言いに来ただけ
だから…」さっきまで心から思っていたことなのに、喜びをあらわに
する美幸と、まともに目が合わせられない。おさむは、逃げるように
店を後にする。
 歩きながら浮かぶのは、美也子の笑顔。「おさむはそのままでいい
よ」そう笑ってくれた、かつての美也子だった。

 美幸のネタはどれをとっても面白く、皆は上機嫌。竹田も、おさむ
が美幸とうまくいったと信じて疑わず、一人浮かない顔のおさむは
「外出たら夕立でしたよ…」とつぶやく。

 一方、美幸の所属事務所では、社長の井之頭(佐藤二朗)が、お笑
い芸人のB2(黒沢宗子・久保田磨希)のネタを見ている。だが、あま
りのつまらなさに呆然としてしまい、「わっ、終わっちゃった。一回
も笑ってないのに」「どうでしょうか、W-1グランプリ?」「…予選
落ちだね。つまらないから」3人は、がっくりと頭を垂れる。

『どすこいラーメン』では、ニヤニヤが止まらない美幸のもとに、花
子が戻ってくる。「その顔、なんかいいことあったね!? おさむちゃ
んここに来たの?」「なんで知ってるんですか!?」「おばちゃんはね
ぇ、知らないこと以外なんでも知ってんだよ。 で、何だって?」
「また、会いに来てもいいかって…」「そいだけ!?」それじゃちっと
も告白に聞こえないと憤る花子。「あんたの手紙読んだおさむちゃん
の目、あれは、今から告白するぞって男の目だったよ」美幸は、まさ
かぁ〜と笑い飛ばしつつ、もしかしたらそうなのかも、とはしゃいで
しまう。

 そこへ、小さな風呂敷包みを持った長身の男(山下真司)が入って
くる。「花ちゃん、久しぶり」「誰?」不振げな花子だが、よく見て
「あーっっ!! 上条さん!!」思い出すと大はしゃぎの花子に、微笑む
上条。

 上条はラーメンをすすり、「変わってない。昔のままの味だ」「特
別に、愛情を多めに入れときましたんで」花子は、いつもとは打って
変わったしとやかな態度で微笑む。「10年間、気になってたんですよ」
と上条が風呂敷包みをほどくと、丼鉢が出てくる。「これで、胸のつ
かえがとれました」「ということは、もう来てくださらないんです
か?」「また、会いに来てもいいんですか?」「もちろんです。いつ
でもお待ちしております!」美幸は、どっかで聞いた台詞だな、と首
をひねる。
 そこへ、常連客の日野(日野陽仁)がやってくる。「一日一回、オ
バチャンの顔見ないと生きていけなくてさ!」「そんなこと言っても、
タダにはなりませんよ」笑顔でしっとりと返す花子に、「…今日なん
か、雰囲気違うね」
 上気した笑顔で見送った花子。「い、今の台詞、はやってんのか
い!? 告白だよ、アレ」「さあ〜」今度は美幸がニヤニヤと冷やかす
番だった。
 花子は、興奮した勢いのまま、来週の日曜がおさむの誕生日だと美
幸に伝える。「あたしさぁ、今機嫌がいいから、アルバイト賃前借り
させてやってもいいよ!!」「ほんとですか!?」「嘘」ゲラゲラとハイ
テンションで笑う花子だった。

 美幸は帰りに書店に立ち寄り、料理やお菓子の本を眺めるが、想像
するのはどれも大失敗ばかり。と、何かの本を見つけ、にんまりとす
る。

 帰宅した美幸は、同居人の翔子(MEGUMI)と弥生(滝沢沙織)に、
男性へのプレゼントでヒットだったものを尋ねる。弥生は「将棋盤。
しかもすんごい高いヤツ。でもあんま喜ばれなかったけどね」「いや、
じゃなくて、喜ばれたモノ」「え、誰かにあげるの?」
 おさむにあげるつもりだと聞き、もうあきらめたものだと思ってい
た翔子と弥生は、大喜び。だが美幸は、散々相談した挙句「実はもう
決めてんだよね」「何なに!?」「秘密」思わずムッとする二人。
 部屋に戻った美幸は、いそいそと書店の袋を取り出す。美幸が買っ
たのは、手編みニットの本。自分の作った名前入りセーター(限界ま
でダサイ)を着て微笑むおさむを想像し、一人ニヤける。

 一方、自宅のソファに転がってぼんやりするおさむ。
[7年前、突然彼女は姿を消した。それからの僕は、仕事も手につか
ないほどに荒れていた。やり場のない怒りと寂しさを忘れるには、時
間が必要だった。夢中に仕事をして、仕事をして、7年の時がすぎた。
でも、どうしていなくなったのか、その理由だけは、今も心の奥に引
っかかったままだ]

 友美(蛯原友里)は、撮影の合間にマネージャー(中山弟吾朗)と
スクープの件で話をする。「そんなオオゴトなんだ〜」「イメージっ
てものがあるでしょう。今の友美ちゃんは、みんなのものなの。彼氏
なんかいちゃいけないの!」「でも実際いるんだし」ケロリとした友
美に、マネージャーは傍らの事務所社長(岡まゆみ)に泣きつく。
「そうしたら、仕事全部なくなるかもね」驚き振り返る友美に「今は
仕事のほうが大事なんじゃない? 彼とはしばらく連絡を取らないで。
もう手は打ってあるから」友美はうつむくしかない。

 テレビ局では、プロデューサーの斎藤(相島一之)が「警告書」と
書かれた文書を手に、すごい剣幕でおさむを別室へ連れ出す。「交際
相手のおまえにじゃなくて俺のところに送ってきたってことは、ヘン
なことをしたら俺のクビも飛ぶってことなんだぞ。これは、わかりや
すい圧力だ!!」「僕は、どうしたら…?」「何にもしないでくれ! 
記者の質問にはこの通り答える。あとは大人しく家でじっとしてろ!!」
友美は交際否定の会見を開くのだという。

「おまえ、大変だな」誰もいない廊下で、竹田は「警告書」を手にお
さむと話す。「友美ちゃんはコレで、美幸ちゃんもいて、そこに元カ
ノが戻って…」竹田から、美也子は脚本家として帰国したのだと聞き、
おさむは仰天する。
 竹田はふと、「おまえはもう、そういうの経験済みか」とつぶやく
が、おさむは意味がわからない。逆に驚いた竹田は、美也子がおさむ
の元から去ったいきさつを話し始める。
 無名の女優だった美也子が、ドラマの主演に決まりかけたとき、そ
れをねたんだ何者かが、おさむとの仲を週刊誌に売り込んだのだとい
う。美也子は社長から別れるように言い渡され、姿を消した。
「そのときも、事務所の圧力が相当あったって噂だよ。どこまでほん
とかわかんないけど、俺はそう聞いてる」おさむにとっては、初めて
聞くことばかりだった。

 プロデューサーの柏木(林泰文)との打ち合わせで社員食堂にやっ
てきたた美也子は、一人食事するおさむを見かけ、声をかける。「こ
こ、空いてます?」「どうぞ」と答えかけて、その声に思わず顔を上
げるおさむ。「変わってないね、その食べ方。好きなものだけ全部先
に食べちゃう」「久々に注意されたよ、そんなこと」
 7年ぶりに話す二人。美也子は、おさむの仕事を見て脚本家に憧れ、
ロンドンに行って勉強したのだという。「おさむの頭の中にしかなか
ったものが、いろんな人の力で形になってくの、すごいなって思った。
それで、私も書いてみようって。だから、今の私があるのは、おさむ
のおかげだよ」
 おさむは、いなくなった理由を尋ねたいのに、言い出せずに席を立
つ。別れ際に美也子が「もうすぐ誕生日だよね。あのお店、今もある
のかな?」「さあ…あれから行ってないからね」「そっか」
 戻っていく美也子の姿を、思わず目で追うおさむ。

 友美の記者会見が開かれた。「だからぁ、たくさんいるお友達の一
人です。今はお仕事が恋人です!」笑顔で答える友美を、マネージャ
ーや社長がソデから見守る。
 その様子をテレビモニターで見つめる斎藤。会見の内容に安堵し、
小さくガッツポーズする。

 その頃、美幸は『どすこいラーメン』で、喜々としてカギ針を動か
していた。浩太(加藤成亮)に聞かれても「ちょっとね」
「それより見てよ、あれ」テーブルでは花子が、『春が来た』を歌い
ながらウキウキと“ブス格言”を書いている。【ブスにも春はやって
くる】の文字。昼間、また上条が来店したのだという。浩太は、上条
が実は悪い男で、花子をだまそうとしているのではないかと心配する
が、美幸は否定する。

 そこへ、松本と竹田がやってくる。ネタのお礼にと番組グッズを差
し出すが、花子に速攻むしりとられ、呆れ顔。竹田は、美幸のカギ針
を目ざとく見つけ、「おさむにプレゼントするの?」「まだ内緒にし
といてくださいよ。できるかどうかわかんないから」と恥ずかしがる
美幸だが、松本に「美幸ちゃんからのプレゼント、待ってると思う
よ〜」と言われ、まんざらでもない。
 面白くない浩太は、「あの!!! ご注文がまだですけど」とにらみ
つける。気まずい雰囲気のなか、女二人は上機嫌の『どすこいラーメ
ン』である。

 自宅で執筆するおさむのもとに、友美からのメールが届く。【しば
らく会うなって言われちゃった(T_T) お仕事無くなったら困るしー
(T_T) 誕生日プレゼント、贈っとくね!】

 帰宅した美幸を、翔子と弥生がクラッカーで迎える。「やったね!
 おさむさん、蛯原友美と別れたんだって!!」「あんたが勝ったの
よ!!」美幸も思わず笑顔になる。
 手作りプレゼントの進み具合を聞かれた美幸は、好きな人の誕生日
にあげようと決めていたのだと言って、『3日であなたもニットの魔
術師』という本を出す。固まる二人。「さすがに、3日間じゃ無理な
んじゃない!?」「頑張るもん!」「ニットって冬モノじゃん?」「サ
マーニットだから、大丈夫!」ツッコミにも動じることなく、【おさ
む】と名前のついたニットを着て微笑むおさむを想像する。「おさむ
さん、似合うだろうな〜…」
 キャーキャー言いながら寝室に去っていく美幸を見送り、「サマー
ニットって、アリ? ナシ?」「ナシだけど、まぁ、乙女心ってやつ
ですかね…」と呆れ顔の翔子と弥生。

 寝室に戻った美幸は、懸命にカギ針を動かしながら、ラジオから流
れるジューシー中島(中島ヒロト)のメッセージに耳を傾ける。
[恋人へ贈るプレゼント、迷うよね。でも、本当に大切なのは、その
迷ってる時間なんだよ。プレゼントには、キミが恋人を想う時間が込
められてる。彼を想う時間を、プレゼントしてあげてください]

 美幸は、寸暇を惜しんで編み物に励むが、遅々として進まない。
 朝、美幸の部屋から上がった奇声に驚き、翔子と弥生が駆けつける
と、「寝ちゃった…明日なのに」ニットはまだ、数センチしか編みあ
がっていない。
「誕生日なのに渡せないんじゃ意味ないじゃん」「ほかのプレゼント
買ったら?」呆れる翔子たちの言葉にも「できてから渡す! 時間を
プレゼントするんだもん!! 絶対作る!!」
 部屋を出てきた翔子と弥生は、「なんなのかね、あのこだわりは」
「乙女心じゃないですか」呆れながらも、ほほえましい気分。

『どすこいラーメン』でも、「今日中ってのは無理じゃないの」と花
子が心配そう。「いいんです。私にとっては“毎日がハッピーブース
デー”ですから。私のことなんかより…」
 美幸の促す先には、相変わらず毎日やってくる上条。「ごちそうさ
ま。また明日も、食べに来ていいですか?」上条は、ほかの常連客に
負けるわけにはいかないからと言って、去っていく。
 彼を見送った花子と美幸は、彼の思いがけない言葉に、興奮しまく
りで大騒ぎ。「聞いた!? あの、顔の長いお客さん(=日野)といい
仲なんじゃないかって、勘違いしてるよね!? 私を奪い取る気じゃな
い!?」「前途に春は来てます!!」

 柏木との打ち合わせを終えた美也子。メガネをほめられた柏木は舞
い上がり、「打ち合わせを兼ねて」と食事に誘うが、美也子は、予定
があると言って断る。

 自宅で『女の格言』の企画書を作るおさむ。ふと、美也子の「もう
すぐ誕生日だよね。あのお店、今もあるかな」という言葉が浮かぶ。

 その頃美也子は、“あのお店”に一人でいた。マスター(マイク真
木)が、サービスだと一皿持ってくる。「どう、変わってないでしょ」
「うん、うれしいぐらい変わってない」懐かしそうに店内を見回す。
結婚して海外にでも行ったのかと思っていたと言うマスターに、「半
分は、当たってます」と美也子は微笑む。
 かつてのおさむと美也子。壁の置時計が12時を指すのを息を詰めて
見守り、12時になるとマスターがバースデーケーキを持ってくる。プ
レゼントを渡す美也子。至福の時間が流れていた。

 同じことを思い出していたおさむは、思い切って“あの店”に向か
う。戸惑いながらも店に入ると、「久しぶり、お待ちかねだよ」マス
ターの言葉に、美也子が振り返る。

 美也子は、おさむにプレゼントを渡す。「昔、私があげた目覚まし
時計、覚えてる?」「今でも使ってるよ」包みを開けると、アンティ
ークの置時計。「ロンドンで見つけたの。おさむと会うことがあった
ら、渡そうって…」
 おさむはふと真顔になり、どうしても聞きたいことがあると言う。
「7年前、どうして急にいなくなったの?」「それを今聞いてどうす
るの? もういいじゃない、今こうして、また会えたんだから」だが
おさむは、それがずっと気になっていたのだと訴える。「何やってて
も、不意に美也子のこと思い出して、その度に、どうしていなくなっ
たのかなって。俺が悪かったのか、俺が何をしたのかなってずっと…」
「ほんと、おさむ、変わってない」おさむは反論しかけるが、美也子
の悲しそうな顔を見て、何も言えなくなってしまう。
 ちょうどその時、時計が12時をさす。マスターは、かつてのように
花火のついたバースデーケーキを手に出てくるが、うつむく二人に出
すことができず、静かに厨房に戻っていく。
 時を戻せないまま、おさむは時計を手に、店をあとにする。

 帰宅したおさむには、友美からのプレゼントが届いていた。大きな
テディベアに【しばらく会えないから、これを友美と思ってかわいが
ってね】というメッセージ。友美の笑顔を思い浮かべるおさむ。

 一方、閉店後も編み物に励んでいた美幸が深夜に帰宅すると、翔子
と弥生がカギ針と格闘していた。「明日は日曜だし、徹夜してでも仕
上げるよ!」「なんだよこの魔術師、カンタンとかいってめっちゃ難
しいじゃん!!」美幸は大感激。3人は、テーブルを囲んでひたすら編
み棒を動かす。

 そして朝、ようやくニットは完成。そのまま店に出勤し、鼻歌を歌
いながら仕事する美幸に、「寝不足でしょう」と浩太。「えっ!? 顔
に出てる!?」「いやいや、寝てない人のテンションだから」「そうい
うこと。でも、寝てても私よりテンション高い人、あそこにいるから」
 カウンターには、今日も上条が来て、花子が張りついている。「私、
ヘアスタイル変えてみたんだけど」「とっても素敵です」
 美幸と浩太が「今日あたり、何か進展あるんじゃないの!?」とささ
やき合っていると、常連客の日野がやってくる。と、やおら上条が立
ち上がり、すわ決闘か!?と店内に緊張が走る。
 花子はあわてて止めに入ろうとするが、上条は、「あなた、私とど
っかでお会いしてますよね!? それがどこだったのかどうしても思い
出せないんです!! それで、もう一目見ようと思って、毎日毎日ここ
に通ってたんです」唖然とする花子。
「もしかして、テレビの画面として見たのではないですか? 私、こ
う見えて俳優をやっておりまして、名前を日野陽仁と…」「そうだ、
俳優さんだ!!! 私、気になりだすとどうにもならない性分でして」
ああ、すっきりした!と言いながら日野と握手し、笑顔で帰っていく
上条を、花子は呆然と見送る。
「バカバカ、私のバカ!! 私なんて、冬眠から覚めちゃいけなかった
んだ!!」半泣きで店の奥に走りこむ花子を、美幸と浩太はため息とと
もに見送る。「二つ同時に、春は来ないか…」「美幸さんも、気をつ
けてくださいね」と浩太に言われても、私は大丈夫、と自信満々の美
幸。

 おさむの誕生日を祝う『ズバズバ』チーム。幸佑が張り切ってプレ
ゼントを買ってきたというが、出てきたのは栄養ドリンクで、松本は
思わず「うわぁ、センスねぇっ」竹田も「おまえ絶対バラエティーの
ディレクターになれねえな」盛り上がるなか、竹田は、ふと沈んだ表
情を浮かべるおさむに気づく。
 夕暮れの廊下で、おさむは竹田に、昨夜美也子に会ったと打ち明け
る。真相は何もわからなかったとうつむくおさむ。竹田は、美也子を
初めてバラエティーに起用したプロデューサー・上島(松重豊)なら、
何か事情を知っているかもしれないと言う。

 テラスの喫煙所で、煙草を手に太極拳をする上島に、おさむがつか
つかと歩み寄る。7年前に美也子がいなくなった理由を知りたいと迫
るおさむに、「それを今聞いてどうするんだよ」「でも、知りたいん
です。でないと、前に進めないっていうか…」上島はしばらく考え、
「もう帰ってきたからいいか。そんなことで前に進めないとか言って
るようじゃ、彼女も本意じゃないだろうしな」と言って話し始める。
 おさむとの関係を隠蔽しようとする事務所の要求に、美也子は同意
しなかった。すると、事務所はおさむに圧力をかけようとし、それに
勘づいた美也子は、上島に相談する。上島は、おさむと別れてほしい
と頼む。「このまま君と付き合ってたら、おさむはつぶされる。作家
としてのおさむの将来がなくなるのは、俺も君も望んでいないはずだ。
今はおさむも君も、仕事を選ぶべきだ」美也子は、「恋愛より仕事が
大事だとか、どうして二つを一緒に並べるんですか。私には、両方大
事です」どうしてもどちらかを選べというなら、両方捨てる、ときっ
ぱり言いきったのだった。
 上島の話を聞き、おさむは一礼して走り去る。残された上島は「し
ゃべりすぎた…」

 おさむはドラマ部に駆け込むが、美也子は入れ違いに出ていったと
ころだった。局内を必死に走るが、美也子を乗せたタクシーはちょう
ど滑り出してしまう。全力で追いかけるも追いつけず、立ち尽くすお
さむ。
 その時、ちょうど美也子の携帯が鳴り、取ろうと向きを変えた視界
に、立ち尽くすおさむの姿が飛び込んでくる。「運転手さん、止めて
ください!」

 一方、美幸は、プレゼントのニットを抱えてウキウキで店を出る。
 立体交差の下を通りがかると、上にはおさむの姿が。声をかけよう
とするが、いっしょにいる美也子に気づき、様子を伺う。

 「全部わかった。美也子が、俺なんかよりずっとつらかったこと。
俺のために苦しんでくれたこと。それなのに、勝手にいなくなったな
んて言って、本当にごめん。今まで、ずっとごめんね」黙って聞いて
いた美也子は、「ほんとだよ。7年分、謝ってもらわなきゃ」と言っ
て微笑む。
 美也子は、おさむの将来のことだけは大切にしたかったのだと話す。
海外に行ったのも、最初は脚本の勉強をするためではなかった。「日
本にいたら、おさむに会いたくなる。会ったら迷惑になる。それなら、
いっそのこと誰もいないところに行こうって」当時の心境を打ち明け
る美也子に、おさむは返す言葉もない。「私だって、いつもおさむの
こと思い出してた。プレゼント、あの時計だけじゃないんだよ。渡す
こともできないのに、毎年、誕生日プレゼント買ってさ。日本に帰る
のが決まったのはうれしかったけど、私の本当に帰る場所はあるのか
なって、怖かった。そしたら、昔と全然変わらないおさむがいて、私、
うれしくて…」いつしか泣き出していた美也子。おさむは思わず、駆
け寄って抱きしめる。

 美幸の手から、プレゼントの包みが滑り落ちる。切ない瞳で、抱き
合う二人を見つめる美幸。

 長い抱擁。「…おかえり」「ただいま」


寸  評  ここへきて、急展開ですね。おさむちゃんのダメ人間っぷりが炸
裂していて、だんだん私もテレビの前でイライラ…。まぁ、7年も前
の失恋を引きずり続けているだけでも立派なダメ人間ですが、竹田か
らおおまかな事情を聞いた上で、なおも美也子本人の口から聞こうと
迫るんですね。ひどいわっ!! 美也子ちゃんのせつなすぎるカオ「ほ
んっと、変わってないね」タメ息、みたいな。それでも美也子はおさ
むがまだ好きなんですね。
 美幸も美幸で、美也子と会った後美幸に会いにきたときなんて、明
らかに目が泳いでて挙動不審だったじゃないですか。喜んでる場合じ
ゃないってば。エビちゃんしかり、なんでみんなこんなにヒドイ男に
ほれ込むのか…。それはやっぱり、イケメンだから!? 
 美幸のニットはかなりサムかったけど、けっこう上手いんですね。
私、もっとぼろぼろのが出てくるのかと思いました。でも、美幸の妄
想に出てくる、「おさむ」ってアップリケした白いセーター、ぜひ編
んで渡してほしかったわ。モテないブスは発想が昭和、ってことなん
ですかね。渡されて引きつるおさむの顔が目に浮かぶようです。

執 筆 者 Nami(nami_s1976@yahoo.co.jp)

----------------------------------------------------------------------
2. 編集後記
----------------------------------------------------------------------
 ううう、進みません。誰か助けてぇぇぇ。
 子どもの世話をすべて放棄してパソコンにかじりつきたいのはやまやまなん
ですが、さすがにそれもできないので、ちびちびとやっています。
 こんなん書いてる暇あったら早く送れよっ!!って私も思うので、今回のあと
がきは以上です〜〜〜。(Nami)

======================================================================
発行元:ドラマ研究会
e-mail:info@j-drama.tv/
url   :http://www.j-drama.tv/
ID  :MM3E195F16414CD 
このメールマガジンは、メールマガジン[MailuX]を利用して発行しています。
(http://www.mailux.com/)
======================================================================

ブラウザの閉じるボタンで閉じてください。