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タイトル:Daily Drama Express 2006/11/05 のだめカンタービレ (4)  2006/11/21


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2006/11/05 (Mon) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.月曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 月曜日の連続ドラマ
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タイトル のだめカンタービレ
局  名 フジ系
放映日時 月曜21時
キャスト 野田恵 (上野樹里)
 千秋真一(玉木宏)
 谷岡肇 (西村雅彦)
 峰龍太郎(瑛  太)
 三木清良(水川あさみ)
 奥山真澄(小出恵介)
 多賀谷彩子(上原美佐)
 大河内守(遠藤雄弥)
 佐久 桜(サ エ コ)
 峰 龍見(伊武雅刀)
 河野けえ子(畑野ひろ子)
 江藤耕造(豊原功補)
 フランツ・シュトレーゼマン(竹中直人)
 石川怜奈(岩佐真悠子)
 田中真紀子(高瀬友規奈)
 玉木圭司(近藤公園)
 橋本洋平(坂本 真)
 鈴木 萌(松岡璃奈子)
 鈴木 薫(松岡恵望子)
 岩井一志(山中崇)
 金城静香(小林きな子)
 井上由貴(深田あき)
 金 井 (小嶌天天)
原  作 二ノ宮知子
脚  本 後藤凜
主題歌  『』

あらすじ Lesson4「キス成るか!?感動の定期演奏会バトル!!」

 のだめ(上野樹里)は千秋(玉木宏)のSオケ正指揮者就任を喜び、
千秋の部屋でお祝いするが、千秋は突然Aオケに専念し打倒Sオケをぶ
ち上げたシュトレーゼマン(竹中直人)が何を考えているのかわから
ず苦悩の色を浮かべている。

 目を閉じて考え事をしている千秋にのだめの視線は唇へと向く。そ
のまま思わずキスへとのだめは誘われていくが、不意に千秋は目を開
け「さて勉強しなくては!」とスコアを手にしたので、キスは空振り
に終わり、のだめは残念がる。

 シュトレーゼマンのAオケに勝てる見込みはない上に、果たして問
題児ばかりのSオケをまとめられるのかもわからないが、千秋はこれ
をチャンスと考えることにする。どんなヘボなオケでもシュトレーゼ
マンの代理なのだし、自分の力でオケを鳴らしてみせると。

 千秋は決意も新たにSオケの練習場へと現れるが、当のSオケメンバ
ーはSオケTシャツを作って勝手に盛り上がっていた。千秋はそのお気
楽ぶりに唖然となるが、真澄(小出恵介)は「千秋様、指揮者用のは
これ!」と特別にバックプリントの入ったシャツを渡してくるので、
先が思いやられてしまう。

 一方のだめは「千秋先輩への出来立ての愛妻弁当を!」とキャンパ
スに七輪を持ち込んで魚を焼いたりしているので、玲奈(岩佐真悠子)
と真紀子(高瀬友規奈)は呆れてしまう。

 千秋の指揮の下、ベートーヴェンの交響曲第7番イ長調の第1楽章の
練習が始まるが、龍太郎(瑛太)はメンバーに目配せし、全員でジミ
ヘン風にヴァイオリンを高々と掲げて演奏してみせる。千秋は驚いて
止めさせようとするが、龍太郎たちは「普通にやったんじゃAオケに
は勝てないからロックのテイストを入れてみた。これからはオケもパ
フォーマンスを取り入れるべきだろ」と反論する。

 千秋はベートーヴェンの7番は「英雄」(3番)や「田園」(6番)
と違って標題がないため勝手なイメージを入れることは許されない、
純粋に音で表現しろと指示するが、龍太郎は「7番は偉大すぎるとい
うか、とっつきにくいんだよ。もっと冒険しようぜ!」と主張し、メ
ンバーも同調する。

 千秋は激怒し「時間がないんだ!口答えするな、俺の求めている音
を鳴らせ!」とメンバーを威圧する。千秋は龍太郎を睨み「これ以上
邪魔するとコンマス外すぞ」と脅し、他のメンバーにも怒り口調で次
々と指導を加え、メンバーたちはシーンとなる。せっかく丸くなって
きたのにまた逆戻りの千秋にオケのメンバーたちは意気消沈してしま
う。しかし千秋は「とにかく週明けまでに譜面通り正確に演奏できる
ように練習して来い!」と怒鳴り、練習場を出て行ってしまう。千秋
は千秋で残り1週間で何とか形にしようと焦っていた。

 江藤(豊原功補)、谷岡(西村雅彦)ら桃ケ丘音大の教員たちは裏
軒に集まりSオケを解散させた方がいいと話し合っていた。しかし谷
岡はSオケを振るのが千秋なので興味があると言ったので、定演でAオ
ケにSオケをコテンパンにしてもらって、解散させようという結論に
なる。龍見(伊武雅刀)は不愉快そうに「よろしければ新メニューも
どうぞ」と横槍を入れる。壁には「打倒Aオケラーメン始めました」
とある。

 千秋は自宅でスコアの勉強をしていたが、譜面通りに正確に演奏す
る、それだけのことができないSオケのメンバーに苛立ちが収まらな
かった。

 そこへドアのチャイムが鳴る。千秋が出てみるとのだめが「恋の出
前大作戦!」とにこにこ顔で鍋の具材を抱えて入り込んできた。のだ
めは「指揮者も体力勝負です」と気づかって見せるが、千秋は「ほと
んど俺が用意してんだろうが!」と具材の切り盛りに追われる。

 のだめは部屋を見回し「先輩の部屋、何かがたりないんですよ
ね……」と思案顔になり、「そうだ!こたつがないんだ!」と自分の
部屋からこたつを持ち込んでくる。

 千秋は「俺はこんな布団つきのもっさりしたテーブルは嫌いだ!」
と迷惑がる。のだめは驚き「こんな気持ちのいいものありませんよ。
先輩だって入ったことあるでしょ?」と不思議がる。千秋は言葉に詰
まる。ヨーロッパ育ちで、日本でも洋風の家に住んでいた千秋はこた
つに入ったことが無かったのだ。

 そこで千秋はこたつに入ってみる。途端に千秋は「これがこた
つ……暖かい」と不覚にもうっとりとしてしまう。鍋も煮立ち心地よ
い雰囲気の中千秋は知らず知らずのうちにうとうとしてしまう。のだ
めが声をかけても千秋は気づかない。のだめは「先輩、寝ちゃったん
ですか?」と顔を覗き込むと、千秋は眠っている。のだめはニンマリ
し「シュキあり!」とキスしようとするが、不意に千秋は寝返りを打
ったので、またもや不発に終わってしまう。

 一方千秋は目を覚まし「しまった、食いすぎてつい……」と身体を
起こし、スコアのチェックをしようとするが、こたつの心地よさに勝
てず「まあいいか、ここんとこ寝不足だったし……鍋の片付けも指揮
の勉強ももう一眠りしてからでも」とまた眠ってしまう。

 再び千秋が目を覚ますと、もう昼になっていた。不覚にも寝過ごし
てしまったと千秋は動転するが、そばではのだめがパジャマ姿でテレ
ビを見て笑い転げている。千秋は「さっさとこたつを持って帰れ!」
と追い払おうとするが、のだめは「まあまあ、後で帰りますから。鍋
の材料まだあるからもう一度作りましょう」と持ちかける。こたつに
入りっぱなしだった千秋はノドが渇いていて鍋なんか食べる気になれ
ないとげんなり気味だが、のだめはすかさず「さっきコンビニで買っ
てきたんです」と缶ビールを差し出す。千秋は思わず「気が利くじゃ
ねえか」と喜び、ますますだらだらとしていってしまう。

 そのころ龍太郎は休日にも関わらず大学図書館でコンサートマスタ
ーの本を懸命に読んでいた。そこへ清良(水川あさみ)が通りかかり
「へえ、『初心者のためのオーケストラ入門』か」と覗き込んでくる。
龍太郎は「なんだよ、バカにしてんのかよ」と口を尖らせると、清良
は龍太郎の読んでいる本の一部をそらんじてみせる。驚いて言葉も出
ない龍太郎に清良は「私もコンマスになったころ一生懸命読んだから。
もうずっと昔だけど」と笑いながら立ち去る。龍太郎は「なんだよ、
やっぱバカにしてんのかよ」と拗ねるが、気を取り直して本を読み込
み、コンマスの役割のひとつに指揮者のレーダーとなることと書かれ
ているのに当たる。龍太郎は「そうか、これだ!」と何かを会得した
かのような顔つきになる。

 千秋はこたつのぬくぬくさした暖かさにどっぷりとはまってしまい、
そのまま夜になる。さすがにマズイと危機感を抱いた千秋はようやく
寒さを振り切ってこたつから出て掃除を始めようとする。するとのだ
めが自分のベッドで気持ち良さそうに寝ているので頭にきて追い出そ
うとする。

 そこへドアのベルが鳴る。苛立ちながら千秋が出ると、今度は龍太
郎と真澄が乗り込んでくる。千秋のレーダーになるべく、千秋のそば
でサポートしようと思ったのだが、こたつを見つけると真澄ともども
入り込んでしまう。

 千秋はいい加減スコアのチェックをしないとと、のだめたちを無視
して勉強を始めるが、のだめたちはこたつにどっぷりとハマってぐだ
ぐだになり、部屋はどんどん散らかっていってしまう。千秋は「諸悪
の根源はすべてこたつだ!このぬくぬくした温度と布団で人間を堕落
させる!」と結論付け、のだめたちにお金を渡して買い物に行かせる。

 その間に千秋は部屋を片付け、こたつを部屋の外に放り出す。しか
し龍太郎は千秋の部屋の鍵を持ち出していてまたもやこたつは持ち込
まれてしまう。千秋は「こたつじゃない!諸悪の根源はこいつらだ!」
と気づき、「頼むから勉強させてくれ!」と叫ぶ。

 翌日千秋が大学へやってくると、第28回定期公演のポスターが掲示
されていた。でかでかと載ったシュトレーゼマンの写真の隅っこに千
秋の写真も載っていた。Aオケはベートーヴェンの第9から第1楽章と
第2楽章、Sオケはベートーヴェンの第7。すべてにおいてAオケに圧倒
されていることに千秋は危機感を抱く。

 千秋は何とかまとめあげようと指揮にも熱が入るが、演奏はバラバ
ラ。おまけに龍太郎は楽譜を見ず、千秋をじろじろ見ている。龍太郎
は千秋のレーダーになろうと必死だったが、千秋には伝わらず却って
怒りを買ってしまう。他のメンバーも明らかに練習不足で千秋の怒声
がやむことはない。

 一方、シュトレーゼマンはAオケの練習に立ち会っていたが40分で
切り上げてしまう。清良がもっと指示を出してほしいとお願いするが、
シュトレーゼマンは「ワタシハイソガシイデス!」と怒鳴って出て行
ってしまうのでAオケメンバーは困惑を隠せない。

 指揮科の大河内(遠藤雄弥)はピアノ科の千秋がSオケの指揮を任
されたと知って面白くなく思っていた。そこでシュトレーゼマンに
Aオケの指揮をやらせてほしいと頼み込む。しかしシュトレーゼマン
は「ミカエリハ?ヒトニモノタノムトキ、ソデノシタワタスノニホン
ノジョウシキデショ!」と追い払う。

 大河内はいても立ってもいられず、Sオケの練習を見にいく。しか
し練習場の外ではのだめがいて千秋に誰も入れるなって言われている
と通そうとしない。それでも大河内は無理やり入ろうとするが、突然
ドアが開いたかと思うと、Sオケのメンバーが悲鳴、恨み、泣き声を
あげて飛び出してくる。みな千秋の鬼の指導に耐え切れなくなってし
まったのだ。それを見た大河内は「指揮者は何よりも人間性、千秋の
やつ恐れるに足らず!」と高笑いする。

 真澄は空中分解寸前のSオケの状態を清良に話す。真澄はそばにい
た龍太郎に「みんなボイコットしたりしないわよね」と不安がる。龍
太郎は「知るかそんなこと!」と投げやりになる。清良は「まっ、せ
いぜい頑張って」とだけ言って練習に向かおうとする。龍太郎は思わ
ず「冷てえ女だな」と当てつける。清良は振り返り「指揮者が辛いと
きに手を差し伸べるのがコンマスの仕事だって思うけど」と言い残す。

 龍太郎は思い直し、Sオケのメンバーを集めて千秋の指示通りにや
ろうと声をかける。メンバーは千秋の納得するような演奏はできない
と諦めムードになっている。しかし龍太郎は「それでも俺たちの指揮
者は千秋なんだ。千秋のイメージする音楽に少しでも近づくように練
習しよう!」と説得する。

 千秋は千秋で自室にこもり休みもとらずスコアのチェックをするが、
疲労の色は隠せない。のだめはおにぎりを作って千秋に指しいれる。
そして気分転換に映画を見ましょうと「プリごろ太」というアニメ映
画のビデオを取り出す。

 話は、宇宙旅行に行ったごろ太たちが横暴なカズオくんのわがまま
に苦しめられる。しかしそんなカズオくんが窮地に陥る。みんなはカ
ズオくんを見捨てるべきだと言うが、ごろ太はカズオくんに宇宙アメ
をもらった恩があるからとカズオくんを助け、仲直りするというもの
だった。

 のだめは「いつ見ても感動ですぅ」と大泣きしながら「先輩もカズ
オくんの気持ちわかるでしょ?似た者同士」とそれとなくSオケと千
秋の関係を諭そうとする。しかし千秋は「何が言いたいんだ、お前
は!」と腹を立てる。

 シュトレーゼマンはキャバクラ嬢たちに定演のポスターを見せて自
慢をする。ところがキャバクラ嬢たちは千秋の写真で大騒ぎするので、
シュトレーゼマンはまたしてもコケにされ面白くない。一方シュトレ
ーゼマンに密着していた『月刊クラシックライフ』の編集者けえ子
(畑野ひろ子)は「なぜあなたほどの方が日本の音大に来たのです?」
と探り出そうとする。そのときシュトレーゼマンの携帯電話が鳴る。
着信画面にはELISEという女性の名前が表示されており、シュトレー
ゼマンは苦々しい表情になる。

 翌朝千秋はのだめの置いていったおにぎりを無造作に頬張り中の具
を勢いで飲み込んでしまう。千秋は「何で俺がカズオなんだ」と忌々
しく思いながら出かける。定演まで残り3日、いよいよ千秋は焦りを
募らせる。

 千秋が練習場にやって来ると、龍太郎が「今まで邪魔して悪かった、
俺たちちゃんと練習してきたから」とメンバーを代表して謝る。千秋
はその言葉に半信半疑だが、「わかった」と言って練習を始める。

 確かに演奏はまとまっていた。指揮をとりながら千秋は「すごい、
俺の指示通り、譜面通り弾けてる!」と驚く。しかし、一方で音が少
しずつ微妙にずれていく。千秋がメンバーを見渡すと、みな楽譜に集
中していて自分を見ていない。千秋は愕然とし「気持ち悪い……」と
つぶやいてそのまま倒れてしまう。その拍子に千秋は朝飲み込んだ具
を吐き出す。それは宇宙アメに似ていた。

 しばらくして千秋は目を覚ます。龍太郎は指揮を見てなかったこと
を謝るが、メンバーたちは千秋の求める音楽に近づこうと譜面通りに
弾こうと一生懸命だったと説明する。

 家に帰ると千秋はシャワーを浴びる。千秋は指揮を見てなかったこ
とはそれほど気にとめてなかった。むしろ自分の要求どおり演奏して
くれているのに、実際聞いてみると何かが違う、物足りなかった。そ
れが何なのか千秋が考え込んでいると、ピアノ用にアレンジされたベ
ートーヴェンの第7が聞こえてくる。

 それはのだめが演奏しているものだった。千秋は「お前、覚えたの
か?」と驚きの声をあげると、のだめは「だって毎日聞いていました
から」と弾いている。のだめは楽しそうに「これいい曲ですよね、
……雷!……ドキュン!……らーくらい、おーあめ、どーろぼう、ど
ーろぼう、どーろぼぉ、おー!」と口ずさみながら弾きつづける。

 千秋は「でたらめじゃねえかよ」と苦笑するが、自由にイメージし
て演奏するのだめの音楽に感嘆する。

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 −すごい!あのときと同じだ。湧き上がる!はしゃぎまわる!迫っ
てくる!純粋で、計算のない個性!あぁそうだ、あいつらみんなのだ
めなのか……
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 何でマエストロはあいつらを選んだのか、何で龍太郎がコンマスな
のか、何であえて標題のない第7を選んだのか、千秋はすべてがわか
るような気がした。

 定演前日、千秋はSオケメンバーに演奏を全部変えることを伝える。
メンバーからは戸惑いの声があがる。千秋はメンバーに謝り、その代
わりもっと良くなるからと訴える。龍太郎は「よし、とにかくやろ
う!」と声をかけ、メンバーたちもそれに従う。千秋は音で表現する
と指示したことを取りやめ、何か標題みたいなものを持たせるのでも
いいと思うと切り出す。

 そのころAオケは最終調整も順調で、シュトレーゼマンは「Sオケヲ
コテンパンニシテヤリマショウ!」と余裕の表情を見せる。

 そして迎えた当日、シュトレーゼマンが指揮をとるとあって、会場
は満員になっていた。その様子に大半が初舞台のSオケメンバーはす
っかり浮き足立つが、千秋は「Aオケとか勝負とかもう気にしなくて
いいから」と落ち着かせ、スーツを脱ぐ。その下からはSオケTシャツ
が現れる。千秋は「俺たちSオケの初舞台、楽しもう!」と声をかけ
る。その姿に龍太郎たちは「よし、やってやろう!」と盛り上がる。

 千秋たちは全員SオケTシャツ姿で登場、教員たちは顔をしかめる。
のだめは客席に降りて心配そうに見守る。観客の中には彩子(上原美
佐)、けえ子などの姿もある。

 千秋は龍太郎を見て、確認を取ると、タクトを振り下ろす。そのま
とまった演奏に、Sオケはこんなにできる連中だったのか?と教員た
ちは驚く。

 曲が最初の盛り上がりに差し掛かるころ、龍太郎は千秋にけしかけ
るような目配せをする。千秋は「おいおい、あれをやる気か?」と苦
笑するが、GOサインを送る。龍太郎たちはジミヘン風にヴァイオリン
を高々と掲げて演奏し始める。そのパフォーマンスに客席からは「す
ごい!」「かっこいい!」という声が漏れる。

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 −これでもう正当な評価は消えたな。でも……楽しい!
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 のだめは、Sオケの伸び伸びした演奏に思わず涙を浮かべ、シュト
レーゼマンも満足そうな笑みを浮かべる。千秋の表情も生き生きとし
てくる。

 演奏が終わると客席はしばし静まり返る。しかしシュトレーゼマン
はすっと立ったかと思うと「ブラボー!」と大きな拍手を送る。それ
に合わせて会場内は総立ち状態で拍手を送る。のだめも感激し、目い
っぱい拍手する。会場内はいつまでも拍手が続く。彩子は拍手しなが
らじっと千秋を見つめ、江藤はあの落ちこぼれて連中が信じられない
といった表情を浮かべる。けえ子は早くも千秋のチェックにかかる。

 龍太郎は千秋に近寄ると「気のせいか笑いが混じっているよな」と
にやり。千秋は「気のせいじゃねえよ」と苦笑する。Sオケメンバー
は深々と礼をして拍手に応える。

 大河内は千秋の成功を妬み、会場を出ると「かっこつけやがって!
あんな下品な演奏、こどもだましだ!」とあちこちを蹴りつける。す
るとシュトレーゼマンが追いかけてきて突然Aオケの指揮を任すと言
い出す。シュトレーゼマンは突然腹痛になったのだと言う。

 結局、定演はSオケに軍配が上がった。もっとも急遽代役に立った
大河内が緊張のあまりまともに指揮ができずAオケが自滅しただけだ
ったが……。教員たちの間でもSオケ存続を認める意見が大勢を占め
る。龍見は「Sオケ存続定食始めました」と満足そうにくす玉を割っ
てお祝いする。そして千秋の指揮者としての力量も注目されることに
なったが、千秋をクラスから追い出した江藤の胸中は複雑だった。

 次の日、のだめが大学にやって来ると千秋はベンチで横になってい
た。のだめは「先輩、寝てるんですか?」と千秋の顔を覗き込むが、
千秋は動かない。のだめは「シュ、シュキあり!」と千秋の口元にそ
っと口づけし、走り去っていく。だが千秋は目を閉じたまま「バーカ、
これはお礼だからな」とすべてお見通しだった。


寸  評  ピアノ演奏だけでなく、指揮でものだめ流を体得してSオケを見
事振って見せた千秋。のだめはこたつや「プリごろ太」で千秋の勉強
を邪魔しているようで、実は1番サポートしていて、気がつけば千秋
は今回ものだめによって困難を乗り切りました。第7の演奏終了後、
のだめが思わず泣いていたのが印象的でした。やはり誰よりも千秋の
ことを心配して見守っていたのはのだめなのでしょう。コメディタッ
チのドラマですが、音楽に打ち込む姿勢に関しては至って真面目、見
ごたえがあってさわやかな気分になりました。

執 筆 者 けん()

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2. 編集後記
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 オーケストラの指揮ですが、現在は千秋の言っていた「譜面通り正確に、作
曲者の指示は絶対」が主流です。モーツァルトの曲も18世紀の古楽器を使って
演奏する傾向が強まっています。これは比較的解釈の自由を享受していた20世
紀初めころまでの風潮の反動のようです。
 特に19世紀はまだ指揮者がポジションとして確立しておらず、解釈も振る人
の自由でテンポを変えたり、時には楽譜の一部を書き直して演奏することさえ
ありました。ここまで来るとさすがに酷いというのが現代につながっていると
いうわけです。
 しかし完全に再現しようとなると現在は18世紀より音のピッチが半音上がっ
ているので、例えばモーツァルトのト短調の曲は現在嬰ト短調になっているこ
とになり、これを半音下げる必要性がでてきます。何もそこまで気にしなくて
もなるととなるとのだめ流はまた時代の反動ということになるのでしょうか。
 またモーツァルトのような弾きながら指揮できる人はピアノ協奏曲をスケッ
チ段階までしか書かず、あとは本番で弾きながら即興で肉付けするようなこと
をしていて、楽譜にすべてが書かれているわけではないケースもあるようです。
一方で厳格なベートーヴェンは自分の曲に他人の解釈が入るのを極端に嫌がっ
ていたので、協奏曲のカデンツァ(演奏者が自由に弾いていい部分)も自分で
作曲してその通り演奏しないと気がすまなかったそうです。(けん)

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発行元:ドラマ研究会
e-mail:info@j-drama.tv/
url   :http://www.j-drama.tv/
ID  :MM3E195F16414CD 
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