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タイトル:Daily Drama Express 2006/10/16 のだめカンタービレ (1)  2006/10/24


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2006/10/16 (Mon) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.月曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 月曜日の連続ドラマ
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タイトル のだめカンタービレ
局  名 フジ系
放映日時 月曜21時
キャスト 野田恵 (上野樹里)
 千秋真一(玉木宏)
 谷岡肇 (西村雅彦)
 峰龍太郎(瑛  太)
 三木清良(水川あさみ)
 奥山真澄(小出恵介)
 多賀谷彩子(上原美佐)
 大河内守(遠藤雄弥)
 佐久 桜(サ エ コ)
 峰 龍見(伊武雅刀)
 河野けえ子(畑野ひろ子)
 江藤耕造(豊原功補)
 フランツ・シュトレーゼマン(竹中直人)
 石川怜奈(岩佐真悠子)
 田中真紀子(高瀬友規奈)
 玉木圭司(近藤公園)
 橋本洋平(坂本 真)
 鈴木 萌(松岡璃奈子)
 鈴木 薫(松岡恵望子)
 岩井一志(山中崇)
 金城静香(小林きな子)
 井上由貴(深田あき)
 金 井 (小嶌天天)
原  作 二ノ宮知子
脚  本 後藤凜
主題歌  『』

あらすじ Lesson1「変態ピアニストVS俺様指揮者のラプソディ」

 昼下がり、自室の壁にもたれかかるように座りながら、千秋真一
(玉木宏)は窓の外の空を見上げている。その目は死んだようにうつ
ろだった。

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 −親愛なるヴィエラ先生。なぜ僕はここにいなければならないので
しょうか……
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 千秋は、今年こそプラハで行われるヴィエラの指揮を見に行きたか
った。しかし現実はこうして日本で悶々としている自分がいる。ピア
ノの上にはヴィエラと一緒に撮った千秋少年の写真が大切そうに飾ら
れている……。

 1996年プラハのドボルザークホールでのコンサート。指揮をとって
いるのは世界的な巨匠セバスチャン・ヴィエラ。客席ではその演奏に
圧倒され瞬きもせず、口をポカンと開けて聴き入っている11歳の千秋
の姿がある。

 千秋は有名ピアニストを父に持ち、小さいころからウィーン(オー
ストリア)、ベルリン(ドイツ)、プラハ(チェコ)といった音楽都
市の空気を吸って育った。当然音楽に夢中になり、勝手に劇場にもぐ
りこんではコンサートを聴いていた。

 その日も千秋は劇場へともぐりこんだが、運悪く見つかってしまい
追い出されそうになる。しかしそんなところへたまたまヴィエラが現
れてとりなしたので事なきを得た。ヴィエラは千秋を気に入り、まだ
小さいにもかかわらず音楽のレッスンを授けた。こうして千秋はヴィ
エラに心酔するようになる。

 その後、千秋の両親は離婚することになり、千秋は母とともに日本
へ帰ることになった。千秋はヴィエラに「大きくなったら必ず戻って
くるから待っていてください」と告げて別れた。

*------------------------------------------------------------* 
 −あれから10年、なぜ僕はここ(日本)にいなければならないので
しょうか……
*------------------------------------------------------------*

 千秋はだるそうにタバコをふかす。

 桃ケ丘音楽大学。千秋はキャンパスで練習している学生たちを蔑ん
だ目で見やりながら心の中で「このヘタクソ」と毒づく。千秋はピア
ノ科専攻の4年生、学内のエリートしか見ないという江藤耕造(豊原
功補)クラスに所属していた。しかもその実力はクラスでトップであ
り、江藤にもっとも目をかけられていた。

 当然、学生たちから千秋は一目置かれており、一部の女子学生から
は黄色い声が飛ぶような状況だった。だが、管弦楽科でヴァイオリン
を専攻する峰龍太郎(瑛太)などは「何が千秋だ。七光りだろが!」
と苦々しい目で見ている。龍太郎はクラシックよりもロックを愛する
学生で髪も金色に染めていた。

 教室の窓から千秋をうっとりして見ていた石川玲奈(岩佐真悠子)
は友人の田中真紀子(高瀬友規奈)に千秋の練習風景を見に行こうと
誘う。真紀子は「別にいいけど、でもその前にお昼、お昼!あたし今
日はデパ地下限定20食のスペシャル弁当……」と机の上のお弁当を見
て絶句する。なんとお弁当はすでに食べつくされていた。真紀子は
「のだめー!」と叫ぶ。その視線の先には廊下を慌てて逃げていく女
子学生の後姿があった。

 千秋は学内の掲示板に「ドイツ留学生決定」の貼り出しを見て衝撃
を受けて立ち尽くす。それは指揮科の学生がドイツに留学し本格的に
指揮を学ぶという内容だった。

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 −なんであんなハムのような奴(デブ)が留学なんだ。
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 千秋は苛立ちをぶつけるようにベートーヴェンのピアノソナタ第14
番嬰ハ短調「月光」の第3楽章を弾き始める。

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 −俺は、俺はこんなところで何をやっているんだ、クソ!
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 千秋は演奏の手を止める。すると「勝手に盛り上がって、勝手に止
めるな。やる気あんのか!」と後頭部をハリセンで引っ叩かれ、床に
倒れてしまう。殴ったのは江藤だった。江藤は「12月のマラドーナコ
ンクールに推薦した俺の顔に泥を塗るつもりやないやろな?」とハリ
センをパタパタさせている。

 千秋は無言で散らばった楽譜を拾う。江藤はその中に指揮者が使う
スコア譜があるのを見て取り上げる。「はっ、ピアノ科のお前が何で
指揮者用のスコアをもっとる?しかもご丁寧にチェックも入っとる。
指揮者になりたいんか?」と江藤はパラパラとページをめくりながら
嫌味たらしく言う。そして楽譜を閉じると不意に「ふざけんな!ピア
ノもろくに弾けんくせに」と怒鳴りつける。

 すると千秋は怒りがこみ上げ「うっせーな、ジジイ!ゲラゲラピー
ピー借金の取立てみたいなレッスンしやがって。何がエリート専門江
藤塾だ。バカの一つ覚えみたいにフォルテ、フォルテ、コンフォーコ
(強く、強く、火のように)。てめえの学生はみんな同じ弾き方する
んだ、気持ち悪い。俺の才能に目をつけたんなら余計なことを教えん
な!」とぶちまける。

 すると江藤は「もうええ、俺のクラスには来るな。俺の見込み違い
だった。コンクールには別の学生に出てもらう」と吐き捨て出て行っ
てしまう。千秋は俯きながら「そうだよ、俺がなりたいのは指揮者な
んだ……」とつぶやく。

 夕方、千秋は肩を落としながらキャンパスを歩いていた。するとベ
ートーヴェンのピアノソナタ第8番ハ短調「悲愴」の第2楽章が聞こえ
てくる。千秋は「すげえでたらめ。これじゃ悲惨だ」と皮肉る。しか
し不意に足を止める。「違う、でたらめだけど間違っているわけじゃ
ない。すごい、なんだこれ。一体誰が……」。千秋は演奏されている
教室へと足を向ける。

 千秋が教室の外から見やると夕陽を浴びながら1人の女子学生が演
奏している。千秋は中に入ろうとドアノブに手をかける。だが、そこ
へ多賀谷彩子(上原美佐)が現れ、「真一、江藤先生のクラスをクビ
になったって本当?」と聞いてきたので、中に入るタイミングを失っ
てしまう。

 千秋と彩子はお洒落なバーへと行く。彩子は千秋に江藤先生に謝っ
て戻るように説得する。江藤は学内では最も有能であり、彩子は大学
院へ進むであろう千秋の将来を案じたのだった。しかし千秋は「いい
よ、院なんてどうでも。俺はピアノがやりたいわけじゃないし」と投
げやりでいる。彩子は「だったら最初から指揮科へ行けばよかったじ
ゃない」と怒り出す。

 千秋は「いきなり指揮科に行ったって音大では実際に指揮するチャ
ンスはないよ。指揮なら自分で勉強しているし、それに……俺の先生
はヴィエラ先生だけだから他の人に余計なことを教わりたくない」と
言い訳をする。彩子は「ならさっさと留学すればいいじゃない。バカ
じゃない、たった一度胴体着陸を経験したくらいで飛行機が恐いなん
て!」と呆れる。

 途端に千秋は震え始める。千秋はこどものころ乗った飛行機が胴体
着陸を起こして以来飛行機恐怖症に陥っていた。おまけに海に溺れた
経験から船にも乗れなかった。千秋は「簡単に言うな!体験してない
お前になにが解かる!」と怒鳴るが、彩子にはまるっきり理解できず、
馬鹿にしたような目つきで見る。

 千秋はワインをあおり「俺、音楽やめようかな。いくら日本で頑張
ったってヨーロッパに行けなきゃ意味ないし。いっそ多賀谷楽器(彩
子の実家の大手楽器販売店)の社員にでもしれくれよ」と弱気になる。
彩子は「呆れた。あんたなんてどこにいたって同じことよ。負け犬な
んて大嫌い!」と軽蔑して帰ってしまう。千秋は何も言い返せずワイ
ンを浴びるように飲みぐったりしてしまう。

 野田恵(上野樹里)がマンションの自分の部屋に帰ってくると、酔
いつぶれた千秋がドアの外で眠り込んでいた。恵は千秋の隣の部屋の
住人で、桃ケ丘音楽大学の3年生だった。周囲からは“のだめ”と呼
ばれている。のだめが「誰だろう?」と心配そうに千秋の顔を覗き込
むと、千秋は「助けてくれ……」とうわ言を言う。

 千秋は夢の中の草原で心地よいそよ風を全身に受けていた。すると
どこからともなくベートーヴェンの悲愴ソナタが聞こえてくる。千秋
はまどろみから覚め「ゴミの中で美しく響くピアノソナタ。カプリチ
オーソ・カンタービレ。気ままに気まぐれに、歌うように。ここはど
こ、あれは……」と起き上がろうとしてそばのコーヒーの空き缶を倒
してしまう。

 すると中から大量のハエが飛び出し、千秋はゾッとして一瞬にして
目が覚める。動転する千秋に、のだめは「そうだ思い出した、千秋先
輩だ。昨日のこと覚えてましゅか?」と寝癖にニタ〜とした笑顔を向
ける。千秋はパニックに陥り、部屋を飛び出して自分の部屋に飛び込
む。

 服に変な臭いがついているのに気づいた千秋は身震いしシャワーを
浴びようとベルトをはずしにかかるがない。一体昨日何があったのか
千秋には記憶がないが、思い出したくもないとシャツを脱いで叩きつ
け、一目散にシャワーを浴びて忘れようとする。

 千秋は昨晩の悪夢に気分を悪くしながらキャンパスへとやって来た。
すると「千秋先輩〜!」とベルトを高々と掲げながらのだめが呼んで
いる姿が目に入る。千秋はぎょっとして無視するが、のだめはベルト
を返そうとまとわりつく。千秋は「それは俺のではない」と相手にし
ないが、のだめは「でも臭いは同じでしょ」とベルトとシャツを交互
に嗅ぎまわす。

 千秋は「ついてくるな!」とベルトを木に向かって放り投げてしま
う。のだめは「あいやぁ〜」と奇声を発し慌ててベルトを取りに走っ
ていく。

 千秋はキャンパスの掲示板で自分の担当教員が江藤から変わったこ
とを知る。新しい教員は谷岡肇(西村雅彦)とあるが、千秋は見たこ
とも聞いたこともない人物だった。首をかしげながら教室へ行くとの
だめと谷岡が雑談をしていた。千秋は場違いと言わんばかりに「部屋
間違えました」と帰ろうとするが、谷岡が押しとどめ「待っていたよ
千秋くん。いやぁ、これでもう落ち専なんて言わせないぞ」と笑う。
谷岡は「落ちこぼれ専門教員」のレッテルを貼られていた。それを知
った千秋は「この俺が落ちこぼれ?」と顔を引きつらせる。

 江藤が月刊音楽雑誌「クラシックライフ」の編集者河野けえ子(畑
野ひろ子)を連れてAオケの練習するホールにやってくる。Aオケはウ
ィーン留学から戻った三木清良(水川あさみ)がコンサートミストレ
スを務める学内のエリートを集めて結成されたオーケストラだった。

 江藤は練習を視察しに来ていた理事長の桃平美奈子(秋吉久美子)
にけえ子を引き合わせる。Aオケの演奏でベートーヴェンの交響曲
第9番ニ短調が始まる。けえ子はかなりレベルの高い演奏に聞こえる
が、美奈子は「でも面白みにかけるのよね。私たちが本来すべきなの
は埋もれている才能を見つけることなんだから」とため息をつく。

 谷岡は課題としてモーツァルトの「2台のピアノのためのソナタニ
長調」を出す。千秋は「なんでこいつと。やるなら先生とにしてくだ
さい。第一こんなめちゃくちゃな奴に合わせられません」と不服がる。
しかし谷岡は「まあ君は学内で1番うまいんだしさ、後輩指導だと思
って」と千秋のプライドをくすぐって承服させる。

 千秋は「よし、一度譜読みをしたらとっととやるぞ、ゴミ女」と言
って楽譜を集中して読み始める。一方でのだめは楽譜にとまどってい
る。

 譜読みを終えると千秋は「よしじゃあテンポはこれくらいで」と指
示し演奏を始めるが、のだめが2小節目でつっかえたり、楽譜を見な
いせいでテンポもリズムもバラバラでうまくいかない。苛立つ千秋に
対して谷岡は「野田くんは楽譜を読むのが苦手でね。その代わり耳が
よくて1回聞けば弾けるようにはなるんだ」と説明する。「だから滅
茶苦茶だったのか」といきり立つ千秋に谷岡は「まっ、気長にやって
よ」と笑っている。だが千秋は「冗談じゃない、こんなの3日あれば
十分だ」と決めてしまう。

 彩子は大学のホールでモーツァルトのオペラ「魔笛」の中の「夜の
女王のアリア」と練習していた。彩子はその実力から声楽科の女王的
存在だった。練習を終えてキャンパスに出てきた彩子は千秋と鉢合わ
せになる。千秋は気まずい思いになるが、彩子は笑顔で手を振って寄
ってくる。千秋は驚きながらも手を振り返すが、彩子は千秋の横を通
り過ぎドイツ留学する指揮科の早川有紀夫(諏訪雅)と一緒に去って
しまう。彩子は千秋に愛想を尽かし早川と付き合いだしたようだった。

 千秋は自分のマンションに帰ると「彩子のやつ、よりによってあん
なハム野郎なんかと!」とむしゃくしゃする思いがおさまらず、ベラ
ンダでタバコを吸おうとする。するととてつもない異臭がのだめの部
屋の方から臭ってくる。千秋が見やるとベランダには大量のゴミの山
ができていて、敷居の隙間からは紫の液体がトロトロと千秋のベラン
ダへと流れ込み、虫がたかっていた。

 千秋は速攻でのだめの部屋に押し入り、「なんなんだこのゴミは。
俺が全部撤去してやる!」と気が狂わんばかりに掃除に取り掛かる。
すると1年前に作った黒色化したクリームシチューの鍋、糸の引いた
イクラ丼、キノコの生えた洗濯物などが次々と出てくる。おまけにの
だめが「これは宝物、これは大事な食料」などとちゃちゃを入れるの
で、千秋は激昂し、のだめを毛布でぐるぐる巻きにしておとなしくさ
せると一気に掃除を進めてすべてのゴミをゴミ捨て場に出し切る。

 千秋がのだめの部屋に戻ってくると、のだめは「いやぁゴミがない
と音が全然違いますねえ」とピアノの音を確かめている。千秋はまだ
異臭を感じるので「なんだこの臭いは?」とのだめを問い詰めると、
のだめは「あ、お礼に手料理を作ったんです」と嬉しそうに千秋を座
らせる。しかしマヨネーズをハート型につけたクロ焦げの魚が出され
たので、千秋はかんかんになり「手料理というのなら、これくらいの
ものを作ってから言え!」とイタリア料理を作って見せる。のだめは
「ぎゃー、すごい、おいしい!お母さんのよりうまい!」とひどく感
激するので、千秋は得意になり「まあ、今度はもっとうまいもんを作
ってやるよ」と思わず口走ってしまう。

 龍太郎の実家は「裏軒」という中華料理屋だった。龍太郎が「親父
ぃ、何で起こしてくれなかったんだよ」と慌てふためいて出てくる。
だが龍見(伊武雅刀)は「よく時計を見ろ。まだ昼休みだろう」と猫
っかわいがりな声で諭す。龍見は龍太郎を溺愛しており、ギリギリま
で寝かしてやろうと気づかっていたのだった。そんなやり取りを見て
いた外国人客(竹中直人)が龍太郎に「あなたは音大生ですか?」と
尋ねてくる。龍太郎が怪訝に思いながらそうだと答えると、その外国
人客は桃ケ丘音楽大学に連れて行ってほしいと頼む。

 大学にやってくると、その外国人は構内を回り、時折練習している
学生の写真を撮っていく。龍太郎、ティンパニの奥山真澄(小出恵介)
、コントラバスの佐久桜(サエコ)など。真澄は狭い練習室で長時間
練習していると耐えられなくなる閉所恐怖症で千秋に恋する乙女チッ
クな男子学生、桜は金欠でバイトをしながら学ぶ苦学生だった。

 千秋は谷岡クラスにやってくるが、のだめは遅刻し現れない。苛立
つ千秋だが谷岡は意に介せず「お茶でも飲んできたら」と勧める。千
秋は大きく息をつき教室を出て行く。すると向かいから早川がやって
くるのが見える。早川は得意げに「僕、留学先でゲルハルムの受講生
オーディションを受けるんだ」と話す。千秋は「へえそう……」と軽
く流そうとして詰まる。ゲルハルムのセミナーにはヴィエラが特別講
師として参加することになっていたからだった。千秋は愕然とし、ボ
ーっとした感じでホールへ行き無人のステージの指揮台に立ち思い悩
む。

 のだめは千秋を待っていたが、一向に現れないので1人で練習を始
める。その演奏をドアの外から見ていた件の外国人は「ブラボー」と
目を丸くする。

 その夜、練習を終えたのだめが帰ろうとすると、件の外国人が呼び
止める。外国人はミルヒィ・ホルスタインと名乗り、タクシーのある
場所へ連れて行ってほしいと頼む。そしてその後一緒に食事にでもと
も。食事と聞いてのだめは目を輝かせるが「シラナイヒトニツイテイ
クノハダメッテ」と考え込む。ミルヒィは「ワタシヒサシブリノニホ
ンデヨクワカラナイ。コマッテマス」と心細そうな表情をする。のだ
めは「ワカリマシタァ。ノダメトイッショニゴハンタベニイキマショ
ウ」とミルヒィの手をとる。

 のだめとミルヒィは千秋の部屋へやって来た。ちょうど準備ができ
たところだったのでグッドタイミングだが、千秋はいい迷惑といった
顔で口元を引きつらせている。千秋は「何だこの怪しいじいさんは!」
とのだめに詰め寄ると、のだめは「ミルヒィ・ホルスタインさんです」
と答える。千秋は「なんだそれ、(ドイツ語で)“牛の乳”って明ら
かに偽名だろう!」とのだめを呼び寄せて「あいつは泥棒じゃないだ
ろうな」と耳打ちする。

 ミルヒィはピアノの上に置かれたヴィエラと一緒の写真を見つける
と「チアキクン、アナタハシキシャニナリタイノデスカ?」と尋ねる。
千秋は「その写真に触るな!この人は俺の師匠だ!」と写真を取り上
げる。ミルヒィは途端に険しい顔をしたかと思うと「ノダメチャン、
ココデマショウ。ワタシノトマッテイルホテルイキマショウ、オイシ
イスシバーアリマス。フカフカナベッドモネ」とのだめを誘い、のだ
めは大喜びする。

 ミルヒィの下心を見て取った千秋は憤慨し「おい、今日は特別に練
習見てやるぞ!」とのだめを引き止めるが、練習嫌いののだめは不満
顔で乗ってこない。千秋は「ならこっちにもふかふかのベッドがある、
それと枕は腕枕だ」と破格の条件を出す。のだめは狂喜し千秋に飛び
つく。千秋は勝ち誇り、ミルヒィを部屋の外に蹴りだす。

 千秋が寝室に来ると、のだめはパジャマに着替えベッド上で「さあ
どうぞ真一さぁん……いやぁん」とはしゃいでいる。千秋はあきれ果
て「お前も帰れ」とベッドから引きずり出す。のだめは「そんなぁ、
わかりました、練習ちゃんとやりますから」と懇願する。しかし千秋
は「もうどうだっていいんだ、そんなのは」とため息をつく。のだめ
は「今日はどうしたんですか?練習にも来なかったですし」と尋ねる。
千秋は答えられない。のだめはそばに指揮者用のスコア譜があるのを
見つけ「先輩、指揮者やりたいって本当なんですね。あたし先輩の指
揮者姿見たいですぅ」と無邪気に口走る。

 千秋は気分を害し「帰れ」とスコア譜を取り上げる。「いくら勉強
したって、いくらピアノがうまくったって結局ハムにすら負けている。
10年前も今も俺は遠くからオケを見ているだけなんだ。俺もやりたく
ない、お前も練習したくない、それでいいじゃないか。谷岡先生には
俺が指導しきれなかったと言っとくから」と沈んだ口調になる。それ
を見たのだめは何も言えず寂しそうな表情を浮かべて千秋を見やるが、
千秋は落ち込んだ様子で黙りこくっているので、しかたなく部屋を出
て行く。

 翌日、千秋が自室のソファに寝そべってボーっとしていると、のだ
めの部屋から「2台のピアノのためのソナタ」がつっかえつっかえ聞
こえてくる。千秋はのだめの部屋に行き「あんなの聞かされる身にな
れ」と文句をつける。のだめは「一生懸命暗譜しますから、1週間待
ってください」とおぼつかない様子で楽譜を読んでいる。それを見た
千秋は仕方ないといった表情で「期限は3日だ。暗譜が苦手なら俺が
弾くから自慢の耳で覚えきれ!」と言って弾きだす。

 千秋の正確な演奏にのだめはすっかり感激して褒めるが、千秋は
「俺とやるからには俺に合わせてもらうぞ」と一方的に決めてしまう。
こうして千秋はのだめをしごき、細かい指示を出すがのだめはついて
こられない。そのたびに千秋は怒鳴りつけ、のだめはすっかり萎縮し
てしまう。しかし一方で千秋も自分に苛立ち始めていた。間違ってい
ることを言っているわけでもないのに、これでは江藤と同じことをし
ていると気づいたからだ。

 夜になってものだめの部屋で練習は続き、のだめはようやくつっか
えずに最後まで演奏できるようになる。が、千秋はのだめの髪の臭い
に顔をしかめる。のだめが「髪は3日にいっぺん洗っているんですよ」
と何気なく言うと、千秋はまたプツンと切れ、のだめの髪を強制的に
シャンプーする。

 洗い終わった後、ドライヤーで乾かしながら千秋は「俺はいったい
なにやってんだ」と自嘲気味になる。一方でのだめは「のだめは気分
いいですぅ」とうっとりしている。千秋は思わずフッと笑い「お前、
ヴィエラ先生に似ている。変わってんな」とつぶやく。

 3日後、谷岡が「無理そうなら期限延ばしてもいいけど」と言うの
を千秋は断り、演奏を披露することにする。演奏直前、のだめは楽譜
を読み返し本番に備えるが、なかなかうまくいかない。谷岡は「あの
野田くんが楽譜を読んでいるとは」と感嘆する。千秋は「のだめ、い
いよ。今日はもう自由に弾いていいから」と告げる。のだめは「先輩、
今のだめって」ときょとんとする。

*------------------------------------------------------------*
 −俺にはわかる。こいつには絶対特別なものがある。そしてこいつ
に合わせられるのは俺様くらいだ。
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 演奏が始まる。のだめの口元がアヒルのようにとんがり始め、自由
にのびのびとした調子になってくる。千秋は「出た、もう切れ始めて
いる」と思いつつも「こいつのクセはみんなわかっている」と自信満
々に合わせていく。「ほらとんだ」「ほらはねた」とのだめ独特の運
指を注意深く見ながら千秋は弾き続けていく。

*------------------------------------------------------------*
 −本当はずっと気になっていたんだ、こいつのピアノ。昔ヴィエラ
先生が言っていた。どんなすばらしい舞台に立っても身震いするほど
の感動的な演奏ができるのはまれなんだ。もしそんな体験ができたら、
それは世界のマエストロと呼ばれるよりも嬉しいことだろうと。
 俺はその瞬間を夢見ながら、昨日まで諦めていたんだ……でも今確
かに小さな身震いを感じている。
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 演奏が終わると、谷岡は「ブラボー」と拍手し「千秋くん、良かっ
たよ。なんか壁越えたって感じだね」と褒める。千秋はその瞬間、こ
の課題がのだめの指導ではなく、自分のためのレッスンだったと気づ
く。2台のピアノのためのソナタも才能ある弟子のためでなく、モー
ツァルトが弟子に向き合うことで純粋に音楽を楽しむことを思い出し
たかったんじゃないだろうかと谷岡は語る。

 その日の帰り道、のだめは千秋の後ろを歩きながら「先輩の背中飛
びつきたくてドキドキ。これってやっぱりフォーリンラブ?」と千秋
に駆け寄る。千秋はそれを押しとめ「違う、断じて違う。今日はうま
く行ったが、楽譜どおりに弾かないなどコンクールじゃ論外だ!」と
釘を刺す。

 しかしのだめはおかしそうに笑い「のだめはコンクールには出ませ
んよ。だってのだめは幼稚園の先生になりたいんですから」とあっけ
らかんと言う。コンクールで賞を取り、世界に羽ばたくことしか頭に
なかった千秋は愕然とするが、やがて穏やかな笑みを浮かべる。

*------------------------------------------------------------*
 −親愛なるヴィエラ先生、どうやら日本にもすごい奴がいるようで
す。俺はここでもっとやれることがある!
*------------------------------------------------------------*

 翌日、千秋は指揮科への転科願いを持ってキャンパスへやってくる。
そのキャンパスではヴィエラと並ぶ世界的指揮者フランツ・シュトレ
ーゼマンがやって来るという話で盛り上がっていた。「そんな、人が
転科を決意したタイミングでそんなうまい話が……」と千秋は驚き、
シュトレーゼマンを見に行く。

 ところが驚いたことに、そのシュトレーゼマンとは、あの怪しげな
老人ミルヒィだった。千秋は呆然となり「これじゃ転科できねえ」と
言葉を失う。

 シュトレーゼマンは指揮科とAオケを見ることになっていたが、自
分が目をつけた学生によるオーケストラを編成したいと言い出す。シ
ュトレーゼマンは数日前に学内で撮った写真を見せ、この学生たちを
集めてほしいと言い出す。その中の1枚を見た江藤は「こいつ、ピア
ノ科の学生ですよ」と困惑した表情を浮かべる。そこにはのだめの姿
が映っていた。


寸  評  のだめと千秋の正反対の性格のぶつかりあいが絶妙でとても楽し
かったです。のだめ、千秋その他の登場人物も性格付けがしっかりし
ているので、ストーリーの流れがハチャメチャでも面白さが殺がれな
いのだと思います。、普通であればコンクールで賞を取りたいと思う
ものですが、のだめの「幼稚園の先生になりたい」という突拍子のな
いセリフに違和感がありません。それだけのだめのセリフに説得力が
あるように人物を描けているからでしょう。
 のだめの不潔さは強烈で、これがただの人だと顔をしかめるだけで
終わりそうですが、美しい音楽演奏ができるというのが効いて魅力的
に見えます。
 ドラマはまず人間ありき、人間というものがどれだけ描けているか
が根本だそうですが、そういう点ではこのドラマは及第点だと言える
と思います。人間がしっかり描けていないといくらストーリーが良く
ても面白くはなりません。とにかく先の展開がどうなるのだろうとい
うことを考えることなく楽しく見れた初回でした。

執 筆 者 けん()

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2. 編集後記
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 今クール面白いと思ったのは、『のだめカンタービレ』と『たったひとつの
恋』です。私が見るドラマはだいたい10%を切るのですが、今回は高視聴率が
期待できそうな番組だと思います。ただ『たったひとつの恋』の方は出だしは
つまずいたようですが。北川悦吏子さん脚本でもあり、今後に期待です。(け
ん)

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発行元:ドラマ研究会
e-mail:info@j-drama.tv/
url   :http://www.j-drama.tv/
ID  :MM3E195F16414CD 
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