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タイトル:Daily Drama Express 2006/05/02 ブスの瞳に恋してる (4)  2006/08/07


===================================================== 発行部数   25 ==
                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2006/05/02 (Tue) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.火曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 火曜日の連続ドラマ
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タイトル ブスの瞳に恋してる
局  名 フジ系
放映日時 火曜22時
キャスト 山口おさむ(稲垣吾郎)
 太田美幸(村上知子)
 竹田武 (大森南朋)
 小田島彬(船越英一郎)
 藤原美也子(井川遥)
 蛯原友里(蛯原友里)
 佐々木翔子(MEGUMI)
 里中花子(室井滋)
 清水浩太(加藤成亮)
原  案 鈴木おさむ
脚  本 マギー
主題歌  『』

あらすじ [それは奇跡だった。静まり返ったファッションショーの客席を、
彼女はたった数秒で、爆笑の渦に変えた。僕は目撃した。笑いの神様
が、ブスの天使に微笑む瞬間を…]

 ショーのあと、お好み焼き店で友美(蛯原友里)とデートするおさ
む(稲垣吾郎)。だが、上機嫌のおさむは、美幸のオモシロさについ
て夢中でまくし立て、友美は不機嫌になってしまう。
 一方、ステーキハウスで食事する太田家。美幸(村上知子)の父・
義男(渡辺哲)は「おまえを連れて帰る」と言い放つ。「大勢の前で
笑いものになって!! 女優になるとかいって、どうせろくに仕事もな
いんだろう!」「勝手に決めつけないでよ!!」怒鳴りあう二人を横目
に、妹の絵里(大沢あかね)と母・さと子(高橋ひとみ)は「ほんと、
二人ともよく似てるんだから」と冷静に食事を続ける。「父さんは心
配なんだ。このままじゃ、結婚できないまま…帰ってきなさい!! 見
合い相手を探してる人がいるから」「絶対帰らない。私は女優になる
の。それに、彼氏だっているんだから」とっさの出まかせだったが、
売り言葉に買い言葉で、翌日紹介すると口走ってしまう。大喜びの絵
里は、東京滞在を延長して、ついでに美幸の生活を見てみようと言い
だす。
 太田家の面々は美幸の部屋に押しかけ、同居人の翔子(MEGUMI)と
弥生(滝沢沙織)の歓迎を受ける。弥生に、自分のベッドを使うかと
言われ、思わずビールを吹き出す義男。さと子は、「美幸の部屋で川
の字で寝ますから」と丁重に断り、美幸は「何勝手に決めてんの!? 
ってか川の字って三本でしょ!? 一本多いじゃん!!」案の定、義男の
いびきに悩まされる。

 美幸は、家族が眠っている間に、翔子と弥生に先ほどのことを相談
する。弥生は自分が男装すると言い出すが、翔子は相手にせず、誰か
紹介できそうな人はいないのかと問う。
 美幸は頭をひねり、紹介する場面を想像。回答ボタンを手にした家
族3人に相対する美幸は、バイト仲間の浩太(加藤成亮)を紹介する。
さと子と絵里は【○】だが、義男は「フリーターなんか許せん」と
【×】で、浩太は落下してしまう。続いて想像したのは、事務所社長
の井之頭(佐藤二朗)だが、3人そろって即【×】。
「近いところにはいない」とため息をつく美幸に、弥生は「本当はお
さむさんがいいんでしょ?」仰天しつつ想像してしまい、思わず頬が
ゆるむ。おさむに彼女がいることを知っている翔子は、今ひとつ乗り
きれないながらも、「私、頼んでみようか」と申し出る。

『むちゃデス』のプロデューサー・斎藤(相島一之)は、人気サッカ
ー選手・坂口のゲスト出演を決めてくる。あまり興味がないおさむに
対し、松本(忍成修吾)は大喜び。「試合前だから絶対に出ないって
言ってたんだけど、『むちゃデス』だったら出てもいいって本人が言
ってんだ!!」と斎藤は鼻高々だ。「じゃあ、トークゲストかなんかで
…」「それがなんと、コントもやりたいって」坂口がおさむのファン
で、おさむの脚本を指定しているのだとか。
 自立のチャンスをねらう松本は、おさむに「今週は『むちゃデス』
で忙しいですよね」と振り、。『ズバット×ズバット』のコント『グ
ダグダ学園』を自分で書いてみたいと申し出る。プロデューサーの竹
田(大森南朋)は、どのみちてこ入れが必要だからと、松本に任せる
ことに決める。「楽しみにしててください」と自信ありげな松本。

『どすこいラーメン』を訪れ、ラーメンを平らげる太田家の3人。
「妹さんはかわいいですね」という浩太に、「妹さん“は”!?」とツ
ッコむ美幸。さと子は、店主の花子(室井滋)に「うちでは料理なん
か作ったことなかったのに、びっくりです」と微笑む。義男は「美幸
は週にどのくらいこちらにお世話に…?」と尋ね、「ほとんど毎日…」
と答えかける花子に、美幸はあわてて「毎日入れなくてすいません〜
女優業が忙しくって」と口を挟む。そんなやりとりを、疑いのまなざ
しで見つめる義男。

 廊下の鏡で髪形を気にしながら、カフェの階段を駆け上がる竹田。
笑顔で手を振る向こうには、会社の制服姿の翔子がいる。「なんでも
好きなの食べて!」と上機嫌の竹田だが、翔子はコーヒーを頼む。
 コーヒーをはさんで向かい合う二人。「誘ってもらえたと思ったら、
そういうこと…」「おさむさんに彼氏役やってもらえたら、美幸、喜
ぶと思うんです」「おさむに彼女がいるって、まだ言ってないの?」
「…言い出せなくて」翔子は、美幸が父親に帰郷を迫られていると打
ち明ける。「俺たちがあの子を必要としている。キミは、それを利用
するってこと?」「利用って…そんな…」「俺も、単純に美幸ちゃん
を助けるためってことなら、やると思うよ。友達のピンチだもん、助
けてあげないとね」複雑な表情を浮かべつつも、承諾する竹田に、翔
子はホッとする。

 ヘアメイク係(山咲トオル)にスタイリングしてもらいながら、お
さむの記事を読む友美。「よ〜く見ると、いい男じゃない!? 友美ち
ゃんお知り合い?」「彼氏。…秘密だよ」笑顔を浮かべる友美に「う
らやましぃ〜〜〜」と指をくわえる。

『むちゃデス』の制作ルームで、坂口の出演するコントを執筆するお
さむ。「今書いてるのなら、本人にも素に近い形で出てもらえると思
います」「さすが、一流は仕事が早いね」と斎藤は持ち上げるが、内
容を見て、どうせなら本格コントをやりたいと言っていたと言い出す。
坂口は、おさむが書いていた『ブリブリマン』というコントの大ファ
ンで、海外でもビデオを取り寄せて観ていたらしい。「でも素人です
からね、寒いと思いますよ」「いい! 番組に出てさえくれたら、数
字はついてくるんだ。ハイ書き直しよろしく!」「最初に言ってくだ
さいよ〜」

 事務所の前で、ダンスレッスンに励む美幸。向かいでは家族が見守
る。
 井之頭は、「太田クンはうちのホープですから」と持ち上げるが、
「彼女ならお笑いに転向したとしても…」と言いかけ、テーブルの下
で美幸の蹴りが入る。義男は「娘を笑いものにするために東京に出し
てるわけじゃありませんが」「もちろん私も、女優として育てるつも
りでおります」と井之頭は取り繕い、思い出したように、仕事の依頼
があると切り取り出す。「今回は、台詞も出番も多いから、ぜひお父
さんに見てもらわないとね」と渡された台本には、『誓いのリング』
のタイトル。「それって恋愛ドラマですか?」と尋ねる絵里に、井の
頭は一瞬止まるが、「もちろん」と大きくうなずく。リアリティにこ
だわっているので、役作りがちゃんとできるなら、という条件だとい
うが、美幸は即答で「やらせてください。がんばります」「よし。明
日からここに、役作りのトレーニングに通ってください」
 ホクホクで事務所をあとにする美幸と家族たちの前に、お笑い芸人
のB2(黒沢宗子・久保田磨希)が現れる。「私たちと組んでください。
3人で、笑いのてっぺん目指しましょう!」と手を差し出すが、美幸
は他人のフリで追いすがる二人を振り払い、逃げるように立ち去る。

 その後、東京タワーの展望室を訪れる太田家ご一行。さと子は、美
幸が楽しそうで安心したと微笑み、彼氏のことは、無理しなくていい
と言う。「そりゃ会ってみたいけど、突然じゃ忙しいだろうし、お父
さんには私からうまく言ってあげるから」美幸が思わず振り返ると、
義男は、東京の景色など見向きもせずに、一人かばんを抱えて椅子に
座っている。

 一方、筆が乗らない松本は、脚本を書いては消し、ため息をつく。
 同じ頃、局の食堂で執筆するおさむ。ふと目を上げると、時代劇の
扮装で食事しながら、台本を手に練習する『どすこいラーメン』の常
連・日野(日野庸仁)の姿が目に入る。「それがし、馬に乗ったこと
はないでござる」と情けない顔で繰り返す日野に、「どっかで見たこ
とあるなぁ…」と首をかしげる。
 そこへ、待ち合わせた竹田がやってくる。「あの人、誰でしたっ
け?」「ドラマで顔は見たことあるけどな…」思い出せないおさむは
「ま、いいか」と話を変える。
 松本の様子を心配するおさむに、竹田は「かなりテンパッてるよ。
ま、がんばらせてみるけどね」と返し、美幸のために“偽装彼氏”に
なってほしいと頼む。おさむは「なんで俺が」と訝しがりながらも、
「いつかは俺たちがあの子に助けられるかもしれないんだし」と竹田
に促され、引き受けることにする。

 夜になり、レストランで“美幸の彼氏”を待ちわびる太田家の3人。
義男は「時間を守れないのはろくな男じゃないな」と不機嫌。美幸は、
やきもきする翔子に、正直に嘘だと告白すると言うが、弥生は付けひ
げで男装し、「あたいが行くしかないか」
 そこへ、ようやくおさむが現れる。「俺に任せといて。こないだの
お礼」美幸の顔が輝く。「どうやって誘ったの?」と弥生に問われて
も、翔子は複雑な表情で「…秘密」

 美幸は、おさむを席に案内する前に、「父は、お笑いアレルギーな
んで」と釘を刺す。
 現れたおさむに、さと子と絵里は「かっこいい〜〜★」おさむは礼
儀正しく挨拶し、さと子と絵里も笑顔で自己紹介するが、義男だけは
無言で、なんとかさと子がフォローする。
 職業はテレビの構成作家だと言うが、どんな番組かとさらに問われ、
美幸は「ドラマとか」、おさむは「報道です」とカブってしまう。お
さむは動じずに「ドラマを報道しているんです。新ジャンルです」と
もっともらしくごまかしてしまう。
 続いて絵里が交際期間を尋ね、おさむはテーブルの下で「3」と手
で示す。だが、おさむは「3か月」、美幸は「3年」と答えてしまい、
おさむが、3年3か月だと言う。
 絵里は「お姉ちゃんのこと、何て呼んでるんですか?」「美幸ちゃ
ん、です」美幸は、いつも呼ばれているのに、ひそかに顔がゆるんで
しまう。
 おさむは、自分が紹介された雑誌を広げてアピールするが、中身は
笑いについて語っているので、内容を読ませまいと必死。義男に「笑
いがどうとか書いてましたが…」と突っ込まれたおさむは「笑いなん
てくだらないって書いてあります」と答えてしまい、上機嫌になった
義男は「テレビのお笑い番組ほど低俗な番組はないと思っています。
あんなばかばかしいものを作ってる人間の気が知れない」と語り始め
る。おさむは、反論したい気持ちをグッとこらえて義男に同意し、日
ごろの笑いに対する熱弁を知る美幸は、申し訳ない気持ちで一杯にな
る。
 その時、おさむの携帯に着信が。斎藤からで、坂口のエージェント
が、『ブリブリマン』には出させられないと言って来たという。おさ
むは声を潜めながらも「ブリブリ」を連呼し、太田家の3人は不審げ
な目を向ける。美幸は、「業界用語じゃないかな」とごまかし、事態
に気づいたおさむは電話を切る。
 義男はためらいながらも、「ウチの娘は、女優としてやっていける
んでしょうか」と尋ねる。カチンときた美幸は、日ごろの思いを一気
にぶちまける。「ヒロインになれるなんて思っていない。だけど、や
りたいの。小さい頃学芸会で、しいたけとか発泡スチロールとか、そ
んな役しかやったことないけど、楽しかった。いつもいじめられて、
うつむいてばっかりだったけど、子ブタのお面をつけて踊ってるとき
は楽しかったの。私を見てほしいって思えた。今日も新しい役をもら
って、頑張ろう、みんなに見てほしいって、そんなふうに思えるのは
この仕事だけなの」真剣な表情で耳を傾けるおさむ。家族もしんみり
となる。
「僕は、夢に向かってまっすぐな彼女が好きです。我々の周りには、
夢だった仕事に就いたのに、それを忘れてしまっている大人がたくさ
んいます。でも、彼女は失っていない。その魅力はいつか必ず人の心
に届くって、僕は信じています。見てあげてください、彼女が次にト
ライする役を。そして、これからも演じていくその姿を。彼女はもう
すでに、すばらしい女優です」おさむの熱弁に、思わず立ち上がった
義男は、「父さんは、おまえがこのまま女優を続けていくことを認め
はしない。ただ、決まっている仕事を途中で投げ出すような子に育て
たつもりはない。今日もらったその仕事を、一生懸命やりなさい。俺
もおまえも、頑張ることぐらいしかとりえはないんだからな」暖かい
表情に、美幸は小さくうなずく。そのまま「帰るぞ」と席をあとにす
る義男。
 さと子はおさむにと声をかけ、「ありがとうございました。美幸の
嘘に付き合っていただいて」と頭を下げる。驚くおさむに、「今日一
日で、あの子を支えてくれている仲間がこんなにいるってわかったこ
とが、いちばんの収穫でした。これからも、美幸のことをよろしくお
願いしますね」と微笑み、さと子は去っていく。
 東京タワーの下を歩く美幸とおさむ。「思ってもないことをいっぱ
い言わせちゃいましたね」「いちばんつらかった嘘は、『笑いなんて
くだらない』ってやつかな」だが、美幸について語ったことは嘘では
ないと言う。「キミのいいところは、夢に向かってまっすぐなところ。
なのに、番組に出てくれなんて、邪魔してたね。キミの言葉を聞いて、
俺も頑張らなきゃなと思ったよ。次のドラマ、もうすぐなんでしょ。
頑張って!」

 帰宅した美幸を迎え、3人で祝杯を挙げる翔子と弥生。「親に会っ
たってことは、結婚も近いんじゃないの〜」とからかう弥生に、まん
ざらでもない美幸。内心複雑な翔子だが、父に自分のことを話したの
は初めてかもしれないと言う美幸に、「言った以上は、女優の仕事を
頑張らなくちゃね」と励ます。「明日から役作りだしね!」と美幸が
取り出した台本は、『誓いのリング』。「恋愛ドラマ?」と訊く弥生
に、「ある意味ね」

 翌朝、美幸が台本を手に訪れたのは、『東京女子プロレス』。現役
レスラーに「女子プロナメてんじゃねーよ」と迫られ、おびえながら
入っていく美幸を、竹刀を手にしたレスラー・コンドル真弓(北斗晶)
が迎える。「短期間でレスラーに見えるようにしろって? 下手なこ
とされちゃ、アタイらが恥かくんだよ。わかってんだろーな!?」「お、
お願いします」

 一方、“グチ”に振り回される『むちゃデス』チームでは、斎藤が
わざわざ隣室のおさむに携帯をかける。「グチは『ブリブリマン』に
出たい、エージェントはサッカーの話をさせたい。そういうことだよ」
初耳だと憤るおさむに、「『ブリブリマン』がサッカーの話をするっ
ていうんで、ホン書けないかなぁ」と都合のよい要求をする斎藤。頭
にきたおさむは、いつのまにか斉藤のそばにやって来てわざと電話を
切り、驚かせる。「無茶ですよ」「だって、それをやるのが『むちゃ
デス』だろ!? よろしく〜★」呆れてため息をつくおさむ。

 美幸は、コンドルに竹刀でドツかれながら筋トレに励む。続いて、
訓練生に混ざって受身の特訓。「コレは女優になるための試練」とつ
ぶやき、気合で挑む。

 ラウンジで竹田と向かい合うのは、『グダグダ学園』の収録を2日
後に控え、思うように書けない松本。「やっぱり“どすこいラーメン
”使ってみたいんですけど」「でもあの子は、おさむの思い入れの強
い物件だからな。それに、あの子はおさむが誘わない限り来ないと思
うよ」竹田は、美幸がおさむを相当真剣に思っているらしいと打ち明
ける。それを聞いた松本は、何か考え始める。
 ラウンジを出ようとした二人は、気難しいプロデューサーの上島
(松重豊)が、中庭でたばこを手にしたまま太極拳のポーズを取って
いるのに気づく。見慣れている竹田は、驚く松本に、あのポーズのと
きは考えをまとめているときなのだと教える。松本に紹介してほしい
と頼まれ、竹田は声をかけるが、上島は動きを止める気配もない。松
本が上島に「おもしろいことのためだったら、何をやってもいいんで
すよね」と問うと、それまで一言も口を利かなかった上島は、「こん
なセンスないこと言うヤツで大丈夫か。自分のやりたいことを成立さ
せるのが俺らの仕事だろ。視聴者は手段なんて興味ねぇよ」
 その言葉に触発された松本は、迷いを断ち切るように『どすこいラ
ーメン』を訪れる。

 松本は、美幸を外に呼び出す。花子は、「なぁに〜最近の美幸ちゃ
んはモテモテじゃない」と言い、心配そうに店の外を見るバイトの浩
太(加藤成亮)に「清水クンはどっち派?」と迫る。浩太は「勘弁し
てください」と奥に引っ込んでしまい、むくれる花子。

 出演を頼み込む松本だが、美幸は「その日はドラマの撮影入ってま
すから。それに、こういうことはやらないって、おさむさんに何度も
お断りしました」と相手にしない。松本は、おさむはすぐに見切りを
つけてしまうから、自分から頼みに来たのだと言う。「今なら、おさ
むさんがキミを待ってる。でも、これが最後のチャンスかもしれない。
好きなんでしょ、おさむさんのこと!」松本に迫られ、うつむく美幸。

 厳しいプロレスの特訓は続き、倒れこんだ美幸の頭に、「キミのい
いところは、夢に向かってまっすぐなところ」というおさむの言葉と、
「好きなんでしょ」という松本の言葉がよぎる。切なくなったところ
に、「集中しろ」と水をぶっかけられる。
 収録前日の休憩時間、様子を見にやってきた井之頭がコンドルに挨
拶すると、「おまえいい根性してるよ」と思いがけない言葉が返って
くる。「もっといい役で使ってくれって言っておいたから、明日は思
い切りやって、主役を食っちまいなよ!!」うれしさをかみしめる美幸
に、井之頭も「上出来!」とほめる。

 坂口のためのコントを書き上げたおさむが部屋を出ると、斎藤は、
あわてて机の陰に隠れる。「その原稿は受け取れな〜い!!」なんと、
サッカー協会が、試合前だから出演を認めないと言い出したというの
だ。「ドタキャンだ。もう〜初めに言えよな」と苦しい笑いでごまか
そうとする斎藤に、「初めに聞いてくださいよ」と頭を抱えるおさむ。
斎藤は、サッカー一色になった制作ルームの撤収を命じて行ってしま
う。

『どすこいラーメン』でやけ食いし、「つまらないこともありますよ」
と言うおさむ。花子は「じゃあ、毎日つまらないことがあるといいの
に〜。そしたら、毎日来てくれるでしょ…」と、色っぽく(したつも
り)で迫るが、おさむは引きつり「勘弁してください」
 そこへ、美幸が出前から帰ってくる。「明日だよね、ドラマの撮影。
頑張って!」と激励して店を出て行くおさむを、せつなく見送る美幸。
「見切りをつけたら、もう頑張れとしか言ってくれないんだ」という
松本の言葉がリフレインする。
 花子は、「やっぱり、毎日来てもらうためにはメニュー増やさなき
ゃだめかなぁ」とぼやく。店のメニューは“どすこいラーメン”ひと
つだけ。花子は浩太に、亡夫が「大事なものはひとつしかない」と言
っていたからだと話す。そんな会話を、ぼんやりと聞いている美幸。
 トボトボと帰る美幸。父の激励、おさむがほめてくれた言葉、松本
の言葉などが次々と浮かんでは消え、「本当に大事なものは、ひとつ
だけ、か…」とつぶやく。

 翌日、松本はスタジオに入るが、美幸は来ていない。
 一方、プロレスのリングが作られているドラマの撮影現場にも、美
幸はいなかった。時計をにらむ井之頭。
 その頃美幸は、決意を胸に歩いていた。美幸を迎えたのは、松本。
 調整室に入った松本は、おさむに「楽しみにしててくださいね」と
宣言。自信たっぷりの態度に、竹田とおさむは怪訝な表情を向ける。
上島も来ていた。
 リハーサル前になって、セーラー服を着た美幸が紹介され、おさむ
は目を疑う。松本は悪びれもせず、「おさむさんがヌルいことやって
るから、口説いてきたんですよ」スタジオに駆け込んだおさむと目が
合った美幸は、うつむき目をそらす。
 そして、転入生として美幸が登場する場面のリハーサルが始まるが、
美幸は動き出せない。出演者たちが取り囲むなか、美幸は、極度のス
トレスで倒れてしまう。駆け寄ったおさむに助け起こされた美幸は、
消え入りそうな声で「私、できません…」と訴える。

 楽屋で二人になった美幸とおさむ。「どうして来たんだよ。大事な
仕事だったんだろ」「自分の意志で決めました。大事なのは、こっち
だって」驚いたおさむに「家族に嘘ついてたのかよ!? がっかりだよ!
! 君の夢は、そんなに簡単に捨てられるものなのかよ!?」と迫られ、
美幸は、おさむが好きなのだと打ち明けてしまう。「松本さんが、お
さむさんがもう私に飽きてるかもって。これが最後のチャンスだって
言われて…おさむさんともう会えなくなるって…」泣きじゃくる美幸。
「もう、自分がわかんなくって…好きだから」おさむは呆れながらも
「そういう理由で立ち入る現場じゃないから。まだ間に合うんなら早
く行けよ!!!」と怒鳴りつけ、美幸は泣きながら走り去る。

 わざわざ来てもらったのに、と上島に謝り、竹田とともに見送る松
本。そこへ、おさむが楽屋から出てくる。「あ、大丈夫でした?」と
ヘラヘラ笑う松本に、おさむはいきなりつかみかかる。「おまえ、自
分のやったことわかってんのかよ!?」「自分のやりたいこと成立させ
ようとしただけです。おさむさんからそうやって教わったんじゃない
ですか」「おまえのやり方は最低だよ」「最低なのは、あの子でしょ
う。俺たち、あの子のこと過大評価してましたよ。あんなに何もでき
ないなんて…」怒りに震え、思わず振りかざしたおさむの拳を、上島
が止める。「久しぶりに面白いモン見たな。竹田、おまえ、いい若い
モン飼ってんな」とニヤリと笑い、松本に向き直る。「俺たちのやり
方に正解なんてないんだよ。正解を決めるのは、番組を見た視聴者だ。
俺たちに正解を決める権利はない。それを覚えとけ」そう言って、階
段を上っていく上島。歩きながらおさむに、「あいつ面白いなあ、子
ブタちゃん」
 暗い表情で局を出るおさむ。タクシーのラジオからは、ジューシー
中島(中島ヒロト)のメッセージが流れる。「人を好きになるって、
ステキなことだよね。“好き”って言葉は、たった2文字で、口に出
したら1秒もかからずに言えてしまうけど、その短い言葉の裏には、
1冊の小説にも書ききれない深い思いや、その気持ちに至るまでの大
切な時間が刻まれている。だから“好き”って言葉は、重たくて、大
事なんだね」
 おさむの脳裏に、これまでのさまざまな美幸の姿が、次々と浮かぶ。

 その上空では、おさむのかつての恋人・美也子(井川遥)を乗せた
飛行機が、まさに着陸しようとしていた。7年ぶりに帰国した美也子
は、「浦島太郎の気分」だと話す。手には、おさむが掲載された雑誌。
「変わってないのは、私だけかな…」

 数日後、ドラマ『誓いのリング』が放送される。太田家では、絵里
とさと子が興奮してテレビにかじりつき、義男も無関心を装いつつ、
新聞の隙から覗いている。覆面レスラーが大勢いて、どれが美幸がわ
からず戸惑う家族だが、やがて、美幸がアップになり、「オリャー」
とかかっていく。美幸は、撮影に間に合ったのだった。


寸  評  なにげに脇役がおもしろい。日野庸仁(斬られ役で有名らしい)
も毎回すごくイイし、「夜王」でずっと気になっていた佐藤二朗が、
このドラマでもいい味を出している。「グダグダ学園」の収録に出て
きた芸人たちも気になったので、クレジット注意深く見てみたら、
  コマンド・ボリショイ、倉垣翼、米山香織、KAZUKI、ECO、春山
香代子、日向あずみ、武藤裕代、関本大介、カナリア、ヒデヨシ、金
魚ばち、こりゃめでてーな
 という面々でした。(カタマリで役名とかはなかったので、全員そ
うかどうかわからないけど)ヒデヨシは聞いたことあるけど、ほかの
人も、新進の芸人さんなんでしょうか。
 本題の恋愛ドラマは、ベタ過ぎてときどき恥ずかしくなりますが、
いよいよ本命の元カノ登場ですね。ベタといえば、本家・棒読み対決
の様相を呈してきたような…(誰が参戦してるかは控えますが)。そ
のなか、本職でもなんでもない村上知子と、さすが芸達者!な太田フ
ァミリーの熱演が光ってますね。なにげに映画「リリィ・シュシュ」
以来注目してる忍成クンも、またまたイヤ〜な若者をイイカンジで演
じてます。
 ドラマ通の間ではあまり評判よくなかったようですが、私は毎回楽
しみに見てたんですよっ。あれこれ言いつつ。

執 筆 者 Nami(nami_s1976@yahoo.co.jp)

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2. 編集後記
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 わたくしの英才教育の甲斐あって(!?)見事に音楽大好きに育ったうちの娘
(もうすぐ3歳)ですが、お気に入りのCMが必ずあります。今は、
i-pod+i-tuneの、大量のCDジャケットがi-podに吸い込まれていくやつ。かか
ると超!笑顔で腕と腰を振って踊りだすのですが、困ったことに、私にも踊り
を強要します。私が新聞でも見てようものなら、「ウタッテーーー!!!!!
(“歌う”と“踊る”の区別がついてない模様)と大絶叫。はっきりいって、
困ります。
 ほかにも資生堂「TSUBAKI」のSMAPの曲どか、DoCoMoのカトゥーンとかも大
好きです。あぁ、ジャニファン…。去年のモード学園(nobody knowsのやつ)
も大好きで、見るといそいそと踊ってたので、終わっちゃってちょっと残念。
 よっし、一緒にライブに行く夢は、なんとなくこのままいけばかなえられそ
うだぞ!(Nami)

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発行元:ドラマ研究会
e-mail:info@j-drama.tv/
url   :http://www.j-drama.tv/
ID  :MM3E195F16414CD 
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