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タイトル:Daily Drama Express 2006/07/06 不信の時 (1)  2006/07/19


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2006/07/06 (Thu) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.木曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 木曜日の連続ドラマ
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タイトル 不信の時 〜ウーマン・ウォーズ〜
局  名 フジテレビ系
放映日時 木曜22時
キャスト 浅井道子(米倉涼子)31歳、浅井義雄の妻、亡父は著名な書道家
 野上マチ子(松下由樹)34歳、愛人、クラブの雇われママ
 沖中和子(杉田かおる)38歳、道子の向かいに住む茶飲み友達
 小柳新吾(石田純一)50歳、義雄の友人、中小企業社長
 近藤 慶(小泉孝太郎)26歳、道子の亡父に師事した新進書道家
 伊藤マユミ(福田沙紀)18歳、路上ライブシンガー、小柳の恋人
 野上俊也(和田正人)21歳、マチ子の弟、カメラマン志望
 大津千鶴子(高岡早紀)33歳、義雄の元不倫相手、一児の母
 浅井朋子(江波杏子)61歳、道子の義母
 浅井義雄(石黒 賢)41歳、道子の夫、大手広告代理店勤務
原  作 有吉佐和子
脚  本 栗原美和子ほか
主題歌  アン・ルイス「あヽ無情」

あらすじ  第1話「不妊症・・・情事を覗き見しませんか」

 都内の瀟洒なカフェ、質素な身なりの主婦、浅井道子(米倉)の前
に現れたのは夫、義雄(石黒)の不倫相手である大津千鶴子(高岡)。
 「一度会って見たかったの、奥さんがどんな人か?」悪びれる素振
りもない千鶴子に「どうしたら別れて戴けるのでしょうか?」と懇願
する道子。
 別れ際になってようやく「いいわ、別れてあげる。」と言われたも
のの、そのあとに千鶴子がささやいた「浮気の原因は貴女にあるのよ、
浅井さんよくベッドの中で言ってた、あなたはもう女として見れない
って・・・」という言葉が胸をえぐる。

 偶然にもこの時、同じカフェの別な席では銀座のクラブの女、野上
マチ子(松下)が、交際相手の男にお腹の子供を堕ろすよう宣告され
ていた。
 心に深い傷を得た道子は、カフェを出た後、うつろな表情でショウ
ィンドのウエディングドレスに見入る。
 その傍らに現れたのはやはり傷心のマチ子、二人の女はそれとなく
互いを観察する。
 道子の左手の質素な結婚指輪に眼を留めたマチ子に「結婚している
からって、幸せとは限らないですよ・・・」とつぶやく道子。
 マチ子の豪華な指輪に眼を留めた道子に「ダイヤの指輪しているか
らって,幸せとは限らないですよ。」とつぶやくマチ子。
 結婚をゴールとばかり思っていた女「道子」と、ゴールに行き着か
ぬ女「マチ子」、妻と愛人の今では夢にも思わぬ壮絶な戦いの幕開け
である。


 それから3年後、そこには夫の愛を繋ぎおくためネイルサロンなど
で女を磨く、見違えるような道子の姿と、銀座の女として益々艶やか
さを増したマチ子の姿があった。

 おしゃれな一軒家が並ぶ都内の住宅街、道子に起こされ仲むつまじ
く居間に降りてくる義雄、3年前の不倫の陰はみじんもなく豪華な朝
食が子づくりにかける道子の気合いが伺える。
 義雄を送り出す道子の目にとまったのはお向かいの引越し風景、道
子に気づき駆け寄ってきたのは沖中和子(杉田かおる)。
 妹夫婦が関西に転勤した間、留守を預かることとなったと挨拶を受
ける。

 場面は変わって高層マンションの一室、昼近くなって目覚めるマチ
子。カメラマン志望で就職活動のため上京中の弟、俊也(和田正人)
との会話のなかに、マチ子が亡父の借金返済のために働いてきたこと
や、俊也の姉思いの気持が感じられる。

 一方、大手広告代理店の副部長として活躍する義雄の姿、会社を出
て向った先は小料理屋、そこには親しくしている中小企業の社長小柳
新吾(石田純)の姿が。
 小柳が差し出す封筒をポケットに収める義雄、どうやら二人は義雄
が小柳に仕事を回し、小柳が義雄にアルバイトを依頼する関係にある
らしい。
 会話のなかで小柳が社長とはいえ実権は妻と息子に握られているこ
と、義雄は3年前の不倫に懲り懲りしている様子が伺える。

 そんななか、小柳の携帯にクラブのママから電話が入り二人はクラ
ブへ向う。道子の家のチャイムが鳴る。義雄が帰ったものと思い玄関
に出ると、そこにはお向かいの和子の姿が。
 煮物を作りすぎて持ってきたと言う和子を迎え入れる道子。室内を
見まわす和子の目にとまる「愛 執」と書かれた立派な書額、道子は
亡父が書道家であったことを、和子はベビーシッターをしていること
などを話し合う。

 マチ子がママを勤めるクラブへ現れた小柳と義雄、マチ子は初々し
く真面目そうな義雄にご満悦。しかし、道子に頭の上がらない義雄は
「遅くなるコール」をするため席をはずす。
 ホステスと歓談するなか、小柳の携帯のアラームが鳴り小柳はそそ
くさとクラブを後にする。

 小柳が向かった先には、レインボーブリッジをバックに路上ライブ
をする伊藤マユミ(福田早紀)の姿。家で妻子に頭の上がらない小柳
が、ペコペコとご機嫌を取る18歳の若い恋人である。
 義雄の帰りを待ちながら書道展の案内状を見る道子。それは父の弟
子であった新進書道家、近藤慶(小泉孝太郎)からのものであった。

 一方、小泉がクラブを出たとき、ともに帰ろうとしてマチ子に押し
留められた義雄は、結局看板まで付き合ってマチ子を送るタクシーの
なかにいた。
 そしてタクシーのなかでこぼれた缶コーヒーのシミを取るというマ
チ子の言うがままに、マチ子のマンションへ。
 そこで義雄は、マチ子のマンションと自宅とがほんの一駅違いの近
さにあることを知る。

 その自宅では、近藤からの案内状に触発されたかのように久しぶり
に硯に向かう道子がいた。道子も父の教えを受け書道の師範免状を持
つ腕前であった。
 マチ子のマンション、そこにはマチ子がシミ抜きをする間にもお手
洗いを借りて自宅へ電話する義雄と、そんな義雄を快く思うマチ子が
いた。
 そしてその日、「つまらない男の人のほうが好き。」というマチ子
の言葉とともに、二人は抜き差しならない間柄にのめりこんでいった。

 翌朝の義雄の家、昨晩は遅く帰宅したもののマチ子との一件を道子
に気どられぬよう振舞う義雄、ご機嫌取りを兼ねて道子に日本酒のラ
ベル文字作成のアルバイトを依頼する。

 参考にするため、日本酒のビンを一杯買い込んできた道子の家を訪
れたのはお姑の浅井朋子(江波杏子)。「仕事もいいけど、早く子供
を生んで欲しいわね。」とのきつい一言。

 マチ子のクラブ、マチ子の部屋に忘れたタバコとライターを口実に
呼び出された義雄は、「あさって、私の部屋で手料理を・・・」の誘
いを承諾する。

 その夜、たこ焼きのお土産を手に、したたかに酔って道子のもとに
帰ってきた義雄。道子は普段お土産など買ってこない義雄が、3年前
の不倫の際もお土産を買ってきたことを思い出す。

 売出し中の若手書道家、近藤の個展会場へ足を運んだ道子。会場で
偶然にお向かいの和子に会い、近藤のファンだという和子を近藤に紹
介する。

 会場に接するティルームに移動した道子と近藤、日本酒のラベルの
相談に来たという道子に、近藤は3年前の義雄の不倫の際にも相談を
受けたことを思い出す。そして「僕の気持ちは解っているよね、僕が
想ったときには残念ながら既に今のご主人と付き合っていた・・・」
と胸の内を明かす。
 さらに「私、やっぱり来るんじゃなかった。」と席を立つ道子の手
を握り「せめて書道だけは続けて欲しい、才能を閉じ込めて家庭に閉
じこもっているなんてナンセンスだ。」と熱く語りかける。
 そんな二人の様子を物陰から興味津々と見つめる和子。

 ショッピングセンターでインナーを見る道子、その前に現れたのは
ベビーカーに3歳位の男の子を乗せた義雄の元不倫相手の千鶴子、立
ち去ろうとする道子を引きとめお茶に誘う。
 千鶴子は3年前の不倫の際の心境などを語ったあと、子供が欲しい
道子の心を見透かすように「笑うとこの子、浅井さんに良く似てる
の。」「そうよ、この子、浅井さんの子」と挑発する。
 「浅井の子という証拠はあるの?」と尋ねる道子に「産めば解るの
よ!!産んだ女には解るの、貴女には解らないでしょうけど・・・」
と言い放つ千鶴子。
 胸を痛めて帰る道子の頬に大粒の涙がこぼれる。

 魚屋に寄りぼんやりとした表情で舌平目を買う道子、その隣りには
やはり義雄のため舌平目二人前を買うマチ子、お互い気づく筈も無く
別れる二人。

 舌平目を焼く道子の家を訪れたのはシチューを作りすぎたと言う和
子、涙目の道子に同情するように「自分はバツイチ、離婚の原因は流
産、それでも子供が好きだからベビーシッターをしているの。」と話
して元気づける。

 同じ頃、マチ子のマンションで手作りのご馳走を前にウキウキとし
た表情の義雄、相も変わらずトイレを借りて道子へ「晩メシ要らない
コール」をしたあと、ワインの栓を開けようとする。
 そんな義雄にマチ子は「今日は飲んで欲しくないの、酔わずに抱い
て欲しいの。酔った客と銀座のママとしてでなく・・・」と願望する。
 情事のあと「キミも古風だねー、酔った客とママとしてでなくなん
て、うっかり惚れかけちゃうよ。」という義雄に「だってイヤじゃな
い、酔って出来た子供なんて。」と話すマチ子。
 思わず愕然とする義雄にマチ子は「私、浅井さんの子供が欲しい
の。」とたたみ掛ける。

 同じ頃、義雄の帰りを待って硯に向かう道子の半紙には「子」の一
文字・・・

 第一話は「正妻という女も、愛人という女も、愛する男の心を手に
入れたい。愛する男の子供が欲しい。」「妻と愛人の戦いはもう始ま
っていた。」という結びで終わる。


寸  評  原作は1967年に日経新聞に連載された有吉佐和子の評判小説。
 翌年には岡田茉莉子(道子)、若尾文子(マチ子)、田宮二郎(義
雄)で映画化、84年にはフジテレビで加賀まりこ(道子)、十朱幸代
(マチ子)、渡瀬恒彦(義雄)でドラマ化された不倫小説の名作。
 今回は愛人を演じたら当代一の米倉を主婦に、主婦役を演じさせた
い松下を愛人に起用してきたのが最大の見所で、二人が随所で見せる
「女の美しさ」を見逃さないようにしたいと思います。
 舌平目のシーンなど、偶然性がやや誇張されすぎている点が気にな
りますが、第一作を見る限り、二人の女の確執、二人を取り巻く人物
群もよく描かれていて期待したいドラマです。
 主題歌のアン・ルイス「ああ無常」も、ドラマにピッタリの退廃感、
やるせなさがあって妙に新鮮感があります。
 番組のホームページでは、米倉、松下、二人のファッション対決も
見ものとされていますので興味のある方はどうぞ!!

執 筆 者 風神()

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2. 編集後記
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(風神)

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発行元:ドラマ研究会
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