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タイトル:Daily Drama Express 2006/05/05 てるてるあした (4)  2006/05/30


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2006/05/05 (Fri) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.金曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 金曜日の連続ドラマ
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タイトル てるてるあした
局  名 テレビ朝日系
放映日時 金曜23時15分
キャスト 水野サヤ(木村多江)
 雨宮照代(黒川智花)
 溝口エリカ(さくら)
 松本陽太(金子昇)
 鈴木久代(草笛光子)
 沢井やす子(福田麻由子)
 末広大八(ブラザートム)
 山田偉子(高部あい)
原作  加納朋子
脚本  成井豊
主題歌  平川地一丁目『運命の向こう』

あらすじ 第4話

 雨宮照代(黒川智花)は高校2年生で16歳、父・信夫(福本伸一)
と母・慶子(荻野目慶子)との三人家族。父の借金の額が1億円にも
膨れ上がり、一家は夜逃げをすることになった。照代は遠い親戚の鈴
木久代(草笛光子)の元に預けられた。

 水野サヤ(木村多江)は照代と同じ日に、久代の営む下宿屋・笹乃
館に息子・祐介(関根航)とやってきた。

 照代は笹乃館で沢井やす子(福田麻由子)という少女の幽霊に出会
う。サヤは笹乃館の住人・松本陽太(金子昇)に一瞬乗り移った亡き
夫の幽霊に会う。

 風呂上りの照代が部屋に戻ると、部屋の中は小学校の教室。やす子
が「ぼく・わたしのお母さん」と母の肖像画が貼られた掲示板を見て
いる。

 やす子の絵だけがなぜか四角い箱の絵。照代が「なんでこれがお母
さんの絵なの?」と問うと急に激しい嵐になり、掲示された絵が吹き
飛ばされ、照代も飛ばされそうになる。やす子の絵だけが飛ばされず
に残っている。

 照代は朝になって布団の中で目を覚ます。いつの間に眠ってしまっ
たのだろう?昨晩の小学校の教室での出来事は夢だったのだろうか?

 朝食の時、照代は久代に昨晩の夢の内容を話す。やす子の絵には
「日」と言う字が大きく書かれていたと説明する。久代は佐々良市場
で責任者をしている自分の元教え子に頼んで照代が働けるようにして
もらったから朝食後挨拶に行くようにと命ずる。照代は「市場です
か?」と不満そうだ。

 佐々良市場。照代は久代の教え子だった大木(佐藤二朗)と会う。
仕事は朝の6時から12時まで。時給600円。売り物にならない果物
や野菜はいくらでも持って帰ってもいい。

 笹乃館応接間。照代は仕事の内容が意に添わずふてくされて帰って
くる。しかも市場は笹乃館からは遠く午前6時ではバスもないと文句
を言う。久代の友人・手嶋珠子(冨士真奈美)が自転車を貸してくれ
ると言う。久代の友人・林夏江(大森暁美)が照代に午後から祐介と
溝口エリカ(さくら)の娘・瑠璃(遠藤由実)の子守りを頼む。

 サヤは不動産屋の電話番の仕事が決まり、エリカは幼稚園の学費稼
ぎのために昼間もバイトを入れることになったので、久代を含めた三
婆が交代で子守りをすることになったのだ。

 照代はサヤの仕事が電話番と聞いて「サヤさんはいいですよね」と
露骨に不快感を示す。

 笹乃館庭。照代らは珠子が貸してくれるという自転車を見ている。
随分年季の入った自転車でさびてボロボロだ。珠子が言うには30年ぐ
らい前に息子を乗せていたものらしい。照代が試乗してみると風の音
と歌声が聞こえる。

 照代の部屋。サヤは祐介の世話を照代に押し付けてしまったことを
詫びに来る。サヤはとてもゆっくりした口調なので、照代は調子が狂
い、反感を持ったひねくれた言い方をしてしまう。サヤは照代が飾っ
ているガラスの林檎を「見せてもらってもいい」と手に取る。照代が
「触らないで下さい」と言って二人で林檎の取り合いになり、林檎は
落ちて割れてしまう。

 サヤはガラスのかけらを拾い集めようとするが、気が立っている照
代は「お願いですから放っておいてください」とサヤを部屋から追い
出す。サヤはすまなそうに立ち去る。

 台所でサヤはカレーを煮込んでいる。通りかかった松本陽太(金子
昇)が「いい匂いだな」と言う。サヤは陽太を「よかったら一緒にい
かかですか」と食事に誘う。

 サヤの部屋。陽太はカレーを「うまい」と喜んで食べる。「死ぬ前
に何か一つ食っていいと言われたらこのカレーにします」と絶賛する。
サヤは亡くなった夫・俊彦を思い出す。

 照代の部屋。ガラスの林檎は母からもらった最初で最後のプレゼン
トだった。照代は一人落ち込んでいる。

 市場。大木にどやしつけられながら照代は働く。照代は市場の従業
員たちの話を聞いてしまう。それは、こんな不景気に子どもを雇わな
くてもいいのに、噂の鬼婆(久代)に照代を押し付けられてしまった
というもの。照代はその話を聞いてふてくされてしまい、今日はもう
疲れたから帰りたいと早引けする。

 リサイクル・ショップ「末広屋」。俊彦の幽霊に会いたいサヤは、
陽太に弁当を届けに来る。サヤファンの陽太は大喜びする。サヤは陽
太に俊彦が憑依しないかと陽太の食べる姿をじっと見つめている。

 応接間。照代が帰宅すると珠子が子守りをしており、久代は病院に
行ったと言う。珠子は自分たちぐらいの年齢になるとあちこちガタが
くるのでメンテナンスが必要、自分も病院に行くからと、照代に子守
りを押し付ける。

 照代は自転車に乗ると聞こえる歌を口ずさんで珠子にこの歌を知ら
ないかと聞く。珠子は「佐々良の子守歌」だと答える。珠子は息子を
自転車に乗せながらよく歌ったと懐かしがり、なぜか珠子は泣き出し
てしまう。

 照代が子守りをしていると山田偉子(高部あい)が尋ねて来る。頭
には新聞紙で作った兜をかぶり、バカボンのパパのようなメイクをし
て、首からマントのように風呂敷をして子どもと遊んでいる照代を見
て、偉子は大笑いをする。

 そこへ久代が帰って来て、しばらく子守りを代わってもらう。久代
は必死で笑いをこらえていたが、照代らが立ち去った後、大笑いする。

 照代の部屋。偉子が久代に先輩からゆずってもらったという高2の
教科書を持ってやって来る。照代は偉子に珠子の息子のことを尋ねる
が、祖母・夏江からは何も聞いていないと言う。

 サヤの部屋の前。陽太はサヤに弁当箱を渡す。サヤは「あしたも作
っていいですか?」と尋ねると、陽太は快諾する。サヤが「甘い卵焼
きは好きですか?」と尋ねると陽太は好きだと答える。

 サヤの部屋。サヤは「あなた」と俊彦に話しかけるが、俊彦は現れ
ない。

 朝、出勤前に自転車を見ている照代。自転車に珠子の息子の幽霊で
も取り付いているのだろうか?

 市場。小学生たちが社会見学に来る。一人の男子児童が積み上げて
ある箱を押したり、台車に乗ったりと勝手な行動をしている。照代が
注意すると「離せよ。バカ女」と挑戦的だ。照代は「ここはね、遊ぶ
場所じゃないの。邪魔するならさっさと出て行きなさい」と言ってお
尻を叩く。

 すると児童は「児童虐待」と騒ぐ。そこへ大木がやって来て二人を
仲裁する。

 仕事が終わった照代に大木がトマトを渡し、カツ丼をおごっててく
れると言う。

 食堂。笹乃館では和食中心で肉に飢えていた照代は、上機嫌になる。
照代は大木に久代はどんな先生だったか?と尋ねる。

 大木は、閻魔大王と呼ばれるぐらい厳しかったがいつもちゃんと筋
が通っていた、閻魔大王は怖いけど正しい、いつもちゃんと筋が通っ
ていたと言う。照代がさっきのガキを叱りとばしていた様子が、久代
と似ていたと言うのだ。

 大木が今ここで働けるのは、久代のおかげ。20年ぐらい前に経営し
ていた印刷工場を潰して首でもくくろうかと思っていた時、久代にケ
ツをぶん殴られ、何度失敗してもやり直せと叱咤されたのだと言う。

 大木は照代に「いっぺん(久代に)思い切って甘えてみたらどうだ。
子どもはさあ、たまになら甘えてみたっていいんだよ。時々ならな」
と言う。

 末広屋。陽太はサヤの作った弁当を食べている。卵焼きが甘すぎて
口に合わない。

 笹乃館前。照代が帰って来るとサヤに「私につきあってくれない」
と誘われる。サヤはすぐそこだからと言うが、サヤは方向音痴でなか
なか着かない。

 ようやく着いた場所は、ガラス工房だった。サヤは、工房主の栗原
(山田明卿)に割れたガラスのかけらを見せ、元通りにしてほしいと
頼む。栗原は元通りにはできないし、同じ物を作ることはできないが、
似たようなものならできる、ただし値が張るがと説明する。

 帰り道、サヤは栗原に連絡先を告げることを忘れたと引き返そうと
するが、照代は自分が行くからとサヤを先に帰す。

 ガラス工房。照代は栗原の作るガラス細工の工程を見つめている。
グラスが1個できあがる。照代は「私にもできますか?」と尋ねると、
栗原は「無理だね。ただし10年続ければできるかもしれん。何だっ
て一緒だ」と言う。

 公園。サヤが届けたお弁当を食べる陽太。陽太はサヤに「何で急に
お弁当作ってくれる気になったんですか?」と尋ねるが、サヤは陽太
にではなく、まるで俊彦の幽霊を呼ぶかのように「もう時間がないか
もしれないから。どうすればあなたに会えるの?このままもう会えな
いの?」と尋ねる。陽太はサヤの言っていることに戸惑う。

 すると、俊彦の霊が陽太に憑依した。俊彦は「全くいい加減にしろ
よ、強くなれって言っただろ、バカッサヤ、もうこの体を借りるつも
りはなかったんだ、お前があまり無神経だから、俺に会いたいからっ
て、陽太君にこうやって仕事までサボらせてと叱る。

 俊彦によると、陽太は甘い物が苦手なのに、無理して食べていたの
だ。陽太のようにいい人を困らせちゃダメだよ、サヤ俺を信じろ、た
とえ二度と会えなくなってもお前を見守っているから」と約束する。

 帰宅途中の照代は自転車のブレーキが利かなくなり暴走する。佐々
良駅前にいた30代ぐらいの一人の男性(小林正寛)の前で自転車は止
まる。男性は珠子の息子・鉄平だった。鉄平は自転車を見て、珠子の
自転車だとわかり照代に話しかける。

 鉄平は理科が大好きでケンブリッジに留学、向こうで就職してから
は1度も帰って来なかった。今回東京に出張が決まって母の顔を見に
帰って来た。

 珠子が帰ろうとしていると鉄平が自転車を押して帰って来る。連絡
なしに帰って来た鉄平を見て珠子は嬉し涙を流し、「バカバカ」と抱
きつく。

 二人を見送る久代と照代。照代が「仲がいいんですね。ずっと会わ
なかったのに」と言うと久代が「会わないからって思いが消えるとは
限らないんだよ」と言う。

 夜になり鉄平が照代に自転車を返しに来る。鉄平も自転車に乗って
子守歌が聞こえたと話す。珠子がずっと自分を待っていたのだと思う
と、たまらなくなった、これからはちょくちょく帰って来ると言う。

 照代がペダルをこいでいると、もう自転車は歌わない。陽太が自転
車を見て「ゾンビみてえだな」と話しかける。

 照代は、陽太にこの自転車は珠子と鉄平の思い出の自転車だと話す。
陽太は、物は手入れすれば生き返ると言って、自転車を修理し始める。
陽太は「今日からこれはおまえのもんだ。珠子さんに負けない思い出
をお前が作ってやれよ」と言う。

 その時、照代の携帯に「てるてるあした。 おもいではこわれない」
と差出人不明のメールが届く。照代は「あなたは誰ですか?」と返信
する。

 照代の部屋。照代はガラスの破片を見つめる。

 翌日、綺麗に修理された自転車に乗る照代は、佐々良の子守歌を口
ずさんでいる。

 照代は、ガラス工房に行き、サヤの注文を取り消し、割れた破片を
溶かして使ってくださいと栗原に差し出す。

 台所。食事を作っているサヤに陽太が話しかける。サヤは仕事に
30分早く行くことになったから、陽太にお弁当を作ることが出来な
くなったことを謝る。サヤは陽太にマーボー豆腐の入った容器を差出
し、「うんと辛くしておきましたから」と言う。

 照代と久代が食事をしている。ごはんをかき込む照代を久代が行儀
が悪いと注意する。さらに左利きも注意され、照代は「今から右手で
食べるから見てて」と右手で箸を使ってぎこちなく食べる。久代は
「練習してないからそうなる」と言う。



寸  評  親と離れて苦労するということが人を作るというのは、映画「千
と千尋の神隠し」でもありましたが、「てるてるあした」の照代も同
様のようです。閻魔大王のような教師だったという久代、何だか「女
王の教室」の阿久津真矢(天海祐希)を連想してしまうのは私だけで
しょうか。あそこまで極端じゃないにしても、子どもを育てるには優
しさだけではいけない時には厳しさも重要なことは日頃から思ってい
ます。

 歌う自転車というのもドラマのオリジナル・ストーリーです。第2
話の時間が巻き戻せる時計といい、原作と違う個所が何箇所もありま
す。

執筆者  たま()

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2. 編集後記
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 「生き方の可能性」(河出書房新社)は、日野原重明と著名人との対談集で
すが、その中に作家曽野綾子との対談の中に、「老年はまさに負け戦ではない
かと思うんですね」という興味深い発言を発見しました。

  実母が「物を盗られている」ということを言い出してから3ヶ月ほど、ず
っとその言葉を「本当は違うんだろうな。でも、何とか治してあげたい」と受
容してきました。でも、ゴールデンウィークに子どもが病気になって、母一人
にかかりっきりになっていることもできず、私自身が疲れきり、これからどう
しようと思いあぐねました。

 かかけつけ医や相談に行った心療内科では、「認知症だから精神科を受診す
るように、薬を飲めば本人も家族も楽になりますよ」と勧められ、精神科とい
う言葉に自分自身が打ちのめされました。

 「物が盗られた」という以外は、普通に生活ができている母を病院に連れて
行くには忍びない、治すという方向ではなくこのままでも普通の生活ができる
なら、続けさせてあげたいなと、そんな気持ちになりました。

 母自身が「物を盗られた」と人に話して信じてもらえないという辛さを背負
っている上に、本人の嫌がっている精神科を受診させるのはとても酷な気がし
ました。いずれ精神科を受診する日が来るにしても、その日が来るのをすこし
でも遅らせる援助ができないか、そんな風に今は思っています。(たま)

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発行元:ドラマ研究会
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