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タイトル:Daily Drama Express 2006/03/18 女王の教室 エピソード2  2006/05/12


===================================================== 発行部数   25 ==
                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2006/03/18 (Sat) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.土曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 土曜日の連続ドラマ
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タイトル 女王の教室
局  名 日本テレビ系
放映日時 土曜21時
キャスト 阿久津真矢(天海祐希)
 神田和美(志田未来)
 真鍋由介(松川尚瑠輝)
 進藤ひかる(福田麻由子)
脚  本 遊川和彦
主題歌  

あらすじ  エピソード2〜悪魔降臨〜

 翔のお墓に両手を合わせる阿久津真矢(天海祐希)。

 2006年4月。
 お寺を出た真矢を、必死に追いかける真鍋由介(松川尚瑠輝)。怪
我をしている。

 踏切が閉まり、由介は、真矢を見失ったと思うが、踏切が再びあく
と、真矢は待っていた。

 真矢は、神田和美(志田未来)や由介のような生徒は、中学へ行く
と、現実とのギャップに悩む、と言う。

 由介のクラスには、一年ダブった生徒がいて、変わった者同士友達
になり、漫才コンビを組んだ。でも、担任は理解が無くむかつく。
 そこで職員室に殴り込みをかけようとした。由介は、やっぱりやば
いと止めようとしたが、その友達はキレたようになって、担任の机だ
けでなく、職員室中を荒らし、止めようとした由介も殴られ、足を骨
折してしまう。

 そうしたら、担任は犯人捜しを始めた。その友達は一年ダブってい
て、ほかにも問題があり、このままでは施設に送られてしまう、と言
う。

 真矢は、もう結論は出ているじゃない、と言う。嘘をつくのもいや、
友達のことを告げ口するのもいやなら、両方しなければいい、と。
 え?いったいどうすればいいのか?と混乱する由介を置き去りにし
て、再教育センターへと入る真矢。

 指導主事の上田(石原良純)は、生徒がよく来ていて、真矢は人気
があったんですね、と言う。そして真矢の作文を突き返し、こんなや
り方じゃ、今の児童はついてこない、と言う。
 真矢は明日書き直して来るという。

 上田は、真矢のことについて調べてみた。事件のあと、厳しくした
のにまだ足りなかったとは?と問う。
 真矢はそれも上田が調べればいいと言う。


 2002年11月。

 真矢が教室にはいると、みんなおとなしく背筋を伸ばして着席して
いる。
 号令で挨拶もし、礼儀正しい。
 真矢は児童に、自分は今までの先生とは違い、厳しい。勉強しなけ
れば、補習もある。本当に悪いことをすれば、体罰も辞さない。それ
は.....


 その時、宮内英二が立ち上がり、「それは僕たちのことを考えてい
るからですよね。よろしくお願いします」と言う。

 英二は、手にしているシャーペンをくるくる回している。
 机の上に、白い蝶がとまる。手のシャーペンで刺そうとして失敗。
目つきが変わる。

 真矢が国語の教科書を読ませている。
 途中でポケベルが鳴る女児。
 真矢はその子のポケベルを没収するという。反省文を書いてきたら
返す、と。
 その女児は、そんなことしたら、自分の両親はうるさい、と抵抗す
るが、真矢はご両親にも校則違反だと説明してわかっていただく、と
ひるまない。

 英二が校則違反なのだから没収されても仕方ない。反省文を書いて
返して貰えばいいと言うと、素直に女児も応じる。

 次に読まされた里中翼は、どこから読んでいいかわからない。
 真矢は別の児童に読ませ、その間、翼を立たせておく。
 実は翼の教科書は、落書きだらけで読めない状態なのだ。机の中は
ゴミでいっぱい。
 翼が立たされていると、後ろの席の男児が、翼の尻にコンパスの針
を突き刺す。

 翼の漏らした声に真矢が何?と問うと、翼は何でもないと我慢する。


 翼は体育館の用具室でクラスメイトたちにいじめられている。
 そこに英二がやってきて、いじめを止める。そして翼は成績も悪い
し、家も貧乏。公立中学へ行くしかない。でも、この校区の中学校は
荒れていて、いじめもひどいらしい。みんなその練習をしてくれてい
るんだ、と言い、英二の見ている前でいじめ再開。
 英二は、翼は一生いじめられているだけで、この先いいことなんて
一つもない。だから死んじゃえば?と言う。


 掃除当番のはずの英二が帰ろうとする。
 真矢が訳を問うと、翼が変わってくれると言ったから、と英二。
 真矢はたとえ代わってくれると言っても、決められた当番はつとめ
るように、と言う。
 英二はムッとするが、翼の箒を手に、掃除をする。


 職員室で真矢は、英二について聞く。13歳と年齢が一つ上なのは
どうしてか?と。
 英二は元々私立小学校に通っていたが、五年生の時、心臓病で入院
して一年遅れた。その時、私立小学校を辞め、この小学校に復学した。
一歳上でもいばらないし、頭はいいし、礼儀正しいし、スポーツ万能。
顔もジャニーズ系で、女子からの人気も絶大。
 父親は都庁のキャリアでエリート。母親(西田尚美)は、一人っ子
なので溺愛していると、いいことばかり答えが返ってくる。


 翌朝真矢が教室にはいると、奥平という男児が、鞄に入れておいた
財布を盗まれたと言う。
 クラスメイトたちは、犯人は翼に違いないと騒ぐ。

 真矢はみんなを席に着かせると、犯人捜しをする気はない。でも、
盗ったことは、盗った人の気持ちを考え、あとでそっと真矢のところ
へ持ってきて欲しい。絶対名前は明かさないし、財布は真矢から奥平
に返すと言う。

 でも、児童たちは、このクラスに泥棒がいるなんて、我慢できない
と騒ぐ。

 その時、英二が手を挙げる。そして、無記名で犯人の名前を書かせ
ればいいのではないか。もし犯人を見ていても、告げ口するようで言
えないでいる人もいるかもしれないという。
 みんな、英二の案に賛成する。

 用紙が回収される。
 1枚以外は『里中翼』と書いてあり、1枚だけ『わかりません』と
書かれている。
 なんと書かれているか聞きたがる児童たちに、「不思議なことに一
人を除いて、みんな同じ名前が書いてある」と言う真矢。
 誰か、という問いに、「ここでは言いません。あとで直接本人に聞
いてみます」と答える真矢。

 「職権乱用」と騒ぐ児童たち。
 そして勝手に、「里中君って書いた」と次々と言い始め、翼のラン
ドセルに手を突っ込む。そして財布が見つかった、と高々と掲げる。

 真矢が翼に問うと、「わかりません」と翼。

 英二が、悪いことをしたら罰を与えるんでしょ。どうするの?と問
う。

 真矢は、罰を与えるという。屋上掃除。クラス全員の連帯責任とし
て、と言う。
 全員が翼の名前を書くなんて、クラス全員で翼を犯人に仕立て上げ
ようとしているようにしか思えない。そもそも学校にお金を持ってき
てはいけないという規則なのに、それを破った、盗られた側にも責任
がある、と言う。
 受け入れる英二。


 屋上掃除。
 いじめっ子たちは翼に、なぜ犯人だと自首しなかった。今すぐ飛び
降りるか、ゴミをなめるか二つに一つ、と迫る。

 女子が英二に、なぜ真矢の言うことを受け入れたのか問う。
 掃除をせず校門を眺めていた英二は、もうすぐ来るはずだと答える。

 数人の母親が学校へとやってくる。その中には、英二の母親も含ま
れている。

 彼女たちは、自分の子には問題がないのに連帯責任なんてひどい。
 英二の母親は、夫に言って問題にしてもいいと脅す。

 教頭(清水章吾)はすぐ謝り、真矢にも謝らせるという。
 英二の母親は、自分たちではなく、子供たちにも謝って貰うという。
 唇を噛む真矢。真矢がクラスに問題があるようだと言っても、子供
は親に隠し事をするものだと言っても、担当して一ヶ月程度の真矢に
何がわかる、と相手にされない。


 真矢が教室に入ってきても、みんなぐずぐずしている。やっと着席
させても、号令がかからない。

 英二が、授業を始める前に、やることがあるでしょう、と言う。自
分たちに謝ってよ、と。母親たちと謝るって約束したんだろ、と。
 真矢は、自分はこのクラスで起っていることを解明すると言い、強
引に授業を始める。

 イライラとシャーペンを回す英二。


 翼へのいじめはますますエスカレート。給食の時間は、パンを盗ま
れ、おかずの上に鉛筆の削りかすを落とされる。体育のあとは、泥水
の中へ突き倒される。

 下校時、靴を履き替えようとすると、下足には『死ね』などと書か
れている。仕方なく、上履きのまま帰る。

 途中、橋から川面を眺める。水面に浮かぶお猿のシンバル.....

 真矢がどうしたのかと声をかけると、翼は自分の不注意で靴をぬら
したと謝る。
 なおも何があったのか問う真矢に、放っておいてくれと言うと、走
っていってしまう。


 翼はこのところお休み。
 英二がお休みだけどと言い、「心配なの?」との真矢の問いに、
「親友ですから」と英二。
 真矢が、風邪をこじらせて、と言うと、「本当に?財布盗んだ嫌悪
感で来られないんじゃない?」とはやす児童たち。


 真矢が里中家を訪れ、出てきた母親に、本当に風邪なのかと問う。
 母親は渋々、翼がもう学校へ行きたくないと、部屋に引きこもって
いることを認める。

 真矢は、翼に会いたいと言って家に上がると、翼の部屋のドアをド
ンドンと叩き、一生そうやって引きこもっているのか?今までずっと
いじめられていたのだろう。でも、それを解決するには、翼自身が強
くなるしかない。そのまま引きこもっていたら、出てきたとき、辞退
はいっそう悪くなっているだけ。翼のことは、全力で真矢が守るとい
う。

 母親が、今日はかえって下さい、と頼む。
 真矢があきらめて帰ろうとすると、遂に翼が部屋から出てくる。


 真矢は英二を体育館の用具室に呼び出し、もう翼をいじめるのはや
めて、と言う。
 英二は、誰がいじめているなんて言ったんですか?と問う。

 真矢はそれには答えず、みん英二に反対したら、今度は自分がいじ
められるから英二に従っているのだろう。クラスを支配するようなこ
とをして、何が楽しいのか。せっかく一緒になったのだから、なぜ、
みんなと仲良くやれないの、と問う。

 英二は、仲良くやってますよと言うと、いきなり、ズボンを脱ぎ始
める。真矢が止めても聞かない。

 そこに教頭が入ってきて、真矢が英二を襲ったと、誤解される。


 校長が英二の両親に事情を話している。
 教頭は、このままでは真矢に辞めて貰うことになると言い、真矢の
言い分は全く聞かない。

 校長室から校長と英二の両親が出てくる。英二の母親は、いきなり
真矢の頬をはたき、二度と息子に触れないでと言う。

 校長は真矢を6年2組の担任から外す。
 真矢がそんなことは、と反対するが、英二の父親は即刻クビにして
もよかったのに、辞めさせなかっただけかなり譲歩したと考えて欲し
い。なお、真矢が二度と教職に戻れなくすることぐらい、簡単なこと
を、覚えておくように言う。


 真矢がそっと6年2組を覗くと、翼は休んでいる。
 英二はイライラとカッターをもてあそんでいる。そして、消しゴム
を切る。

 翼の後ろの席の男児が、教科書に隠して漫画を読んで、クスクスと
笑っている。
 英二は、彼に、切った消しゴムをぶつける。

 突然のことに、「痛い!」と叫んで立ち上がる男児。
 授業をしていた教頭は、その男児に、「授業の邪魔をしないように」
と言う。


 体育館掃除。高い棚の上に座らされている漫画を読んでいた男児。
 彼に向かってバスケットボールをぶつける児童たち。英二の指示だ。

 ボールが直撃し、鼻血が出る男児。手でぬぐう。

 黒いパンツスーツの真矢が体育館に入ってきて、英二がいじめを行
っているところへ踏み込む。
 真矢が、今度は彼をいじめの的にしているのね。いつまでこんなこ
と続けるの!と言うが、英二はボールを片付けているだけと言い、い
じめられていた男児は、棚の上を掃除していただけという。その彼の
手に鼻血の後。

 真矢はあの時、クラスメイトに教頭を呼びに行かせ、わざとあの時、
あんなことをしたのね、と言う。そうやって今までの担任も辞めさせ
たんでしょ。掃除や給食当番もほかの児童にやらせて、と言う。

 真矢は、英二は一年留年して、私立を辞めざるをえなかったことを
恨んでいるの?それとも家で何があったの?お父さん厳しそうだし、
と真矢。
 英二は、放っておいてくれ。もう真矢は担任じゃないのだから、と
言う。

 真矢が英二に対して、手を振り上げる。
 英二は、辞めさせられるから辞めておいた方がいいという。

 そして英二は開き直り、父親は幸せになれる人はほんの一握りと教
わった。ということは、一クラス二十四人だから、幸せになれるのは、
自分一人だけ。もちろん自分は遊園地に並んだこともないし、病院だ
って待たずに診察を受けられる、と言う。

 真矢は、幸せは一人一人違うという。地位や名誉はお金だけではな
く、英二が一生かかってもわからない幸せがいっぱいあるはず。だか
らここにいるみんなは、全部幸せになれると思う、と言うと体育館を
出て行く。


 翼が学校の前でためらっている。
 英二が翼に声をかけ、橋の上に連れて行く。そして真矢に余分なこ
と、しゃべってくれたみたいだね。英二がクラスを支配しているって、
と言う。
 逃げる翼。

 でも、すぐに英二に捕まる。
 英二は、翼はどうせ幸せになれないのだから死ね、と翼の首を絞め
る。


 授業が始まり、一人職員室に残される真矢。手帳から翔の写真を取
りだし、どうすればいいと思う?と問いかける。

 学校に電話。真矢が出ると翼の母親からで、今朝起きたら翼がいな
い。真矢に会いに行くと書き置きがあったという。

 真矢は学校を飛び出し、翼の家に向かって駆け出す。
 橋の上にランドセルが置いてある。
 おそるおそる川面を見ると、翼が浮いている。

 真矢の頭の中に、翔の姿とダブる。
 真矢は叫びながら川の中へ入り、翼の身体を引き上げる。
 そして、もう誰も死なせない。この子の未来を奪わないで。教師を
辞めるなんて言わないから!と叫び、心臓マッサージ。

 翼が息を吹き返す。

 真矢は川から上がったままの姿で、6年2組に入り、英二の手を取
り、有無を言わせず外へ引っ張っていく。

 真矢は英二を体育館の用具室へ突き飛ばす。
 「頭、おかしいんじゃない?」と英二。

 真矢は今朝、翼が死のうとしたという。
 英二は、助かったの?と小馬鹿にする。
 責任を感じないの?と真矢。

 英二は何で自分にそんなこと言うのという。そして開き直ると、
「何で人を殺しちゃいけないの?」と言う。もしかしたら翼は死んだ
方が幸せかもとれないじゃないか、と。

 真矢は英二の頬を二度、三度と殴る。英二のようなのは、こうしな
ければわからないだろう、と。

 英二は反撃し、真矢を殴り、蹴りつける。何で一年ダブったくらい
で、馬鹿にされなきゃならないんだと言いながら。
 真矢は、お父様にそう言われたのね、と言う。

 英二の怒りはさらに増し、カッターを取りだすと、真矢に斬りつけ
る。真矢のクビから胸にかけてが切れ、英二の顔にも返り血が飛ぶ。
 それでもなお英二は、真矢をバットで殴り、首を絞める。

 遠のく真矢の意識。白い蝶が舞い、真矢の脳裏に翔の最後が浮かぶ。

 真矢が英二に反撃。英二の首を絞め、なぜ人を殺しちゃいけないか、
教えてあげるという。死ぬときは苦しいからよ。痛いからよ。死にた
くないって叫びたくなるからよ。今までの思い出もすべてなくなるか
らよ、と言う。
 生きている人の未来を奪う権利なんて、誰にもない。だから、人を
殺しちゃいけないの、と言う真矢。

 泣き出す英二。

 そこに教頭たちが入ってきて、真矢を英二から引き離し、連れて行
く。

 真矢の額に幾筋かの血が流れ、その顔は鬼のよう。
 倒れる真矢。


 裂傷に骨折で入院中の真矢。校長がやってきて、今度こそは真矢を
かばえなかった、と言う。
 真矢は、懲戒免職ですか?と聞く。
 校長は英二の父親が、懲戒免職よりも、教職員再教育センターに行
って貰った方がいいと言ったという。
 真矢は、そこに送られるといやになってみんな辞めてしまう.....
とつぶやく。

 校長は英二が悪いのはわかっているが、教師は辞めないで欲しい。
日本のために、と言う。

 それが三年前のこと。


 上田は、その時教師を辞めていればよかったじゃないか、と怒鳴る。
2年耐えて現場に戻ったのに、結局ここにまた送られてきたのだから、
と。


 真矢がセンターを出ると由介が待っていて、解決したという。真矢
に言われたとおり、犯人を見たけど暗くて目が悪いのでわからなかっ
た、と言ったという。

 真矢は、「いい加減目覚めなさい」と言う。それは単なる逃げでは
ないか。自分が言ったのは、第三の道を探すということ。それはつら
い道かもしれない。誰にもわかってもらえないかもしれない。でも、
自分をごまかさずにやれば、後悔はしない。それを考えるために、人
間の頭は付いていて、そうしないなら、人間である必要はない、と言
う。
 そして、由介を残して、どんどん歩いていってしまう。

 由介は、真矢は何で自分より何倍もつらい思いをしてきた真矢が、
そんなに強くいられるんだと問うが、真矢は行ってしまう。


 2003年2月 再教育センターを出る真矢。
 帰途、塾の前を通り、講師募集の文字に心惹かれて、入ろうとする。

 その時、真矢に声を掛ける翼。ちゃんと学校へ行っているし、虐め
られてもいないという。でも、真矢に話したいことがあるという。
 あれから英二が元気が無くなり、みんなから無視されるようになっ
た。学校も辞めて、家庭教師を付けて私立へ行くらしい、と言う。


 母親に連れられ、小学校を去る英二。
 その前に立ちはだかり、「それでいいの?」と声を掛ける真矢。
「この学校辞めて後悔しないの?他人のことは散々虐めて、自分が虐
められると、サッサと逃げるの?親のこと、散々バカにしていたのに、
いざとなると親に頼るの?」と言う。

 母親は、もう子供は失いたくないの、と突然言う。英二には兄がい
た。とてもいい子だった。でも、小さい頃、交通事故で亡くなった。
もう自分には英二しかいない。英二を守るためなら何でもする。英二
を、愛して愛し抜く、と言う。
 「愛するのと、甘やかすのとは違います。子供のためと言って、自
分の価値観をお子さんに押しつけているだけじゃないですか?昔の自
分もそうです。このままじゃ英二君、ダメになっちゃう」と真矢。
 「もう、かかわらないで!」と英二の母親。
 「いい加減、目覚めたら?一生父親を怖がって、死んだお兄さんに
コンプレックスを感じて、弱い者は虐めて、強い者にはしっぽ巻いて
逃げ出すの?」と真矢。
 「行きましょ、英二」と英二の母親。
 「ここから出ていったら、一生そういう生き方をするって決めたっ
てことよ。今すぐ教室に戻りなさい。そしてみんなに謝りなさい。無
視されるかも知れないけど、謝りなさい」と真矢。
 「英二、行きましょ」と英二の母親。

 「宮内君、想像できる?里中君はあんなに虐められたのに、心配し
てたのよ。折角一緒のクラスになったのだから、一緒に卒業したいっ
て」と真矢。

 母親が英二を引っ張っていこうとすると、英二は母親の手を振り切
る。
 「お父さんにいいつけるわよ」と英二の母親。
 「勝手にすれば」と英二。

 真矢を見つめる英二。
 「早く行きなさい。友達が待っているわよ」と真矢。
 英二は、今頃になって、真矢が良い先生だとわかった。真矢と一緒
に卒業したい、と言う。

 真矢は、「許さない」と言う。びっくりする英二。
 真矢は、「バツとして貰っておく」と、英二のポケットから、いつ
も回しているシャーペンを取り上げる。返して欲しければ、いつでも
会いに来なさい、と。

 英二は頷き、校舎へ走っていく。


 上田は真矢の話に、そんなに立派な覚悟で教師を続けようとしても、
虚しくならないのか。現実は残酷というのか、またここに舞い戻って
きたのだから、と言う。

 教師であり続ける限り、自分が想像できない奇蹟に会えますから、
と言うと部屋を出て行く真矢。
 そして、あの時の英二のシャーペンを手に取る。あの不良の太股に
突き立てたのも、このシャーペンだ。

 センターから真矢が出てくるのを由介が待っていた。振り向いた顔
は、腫れ上がり、すごい形相になっている。
 友達に一緒に本当のことを言おうと言ったら、殴られた。でも、必
至で頼んだ。本当のことを行っても退学にはならないし、退学になっ
たとしてもいつでも友達でいる、と言ってわかってもらったと言う。
 必至で一緒に謝ったら、担任も許してくれた。これが真矢の言う、
第三の道なんだね。真矢も、こうやって自分に一番厳しい道を選んで、
自分たちの担任になったんだね、と言う。

 土手にさしかかる。川原に、その友達のノブヤがいた。ノブヤは今
日、由介の家に泊まる。由介の祖父と3人で、真矢の話をするんだと
嬉しそうに言うと、川原へ下り、ノブヤと二人、草野球をしていた小
学生の前でコントを始める。


 2005年2月、真矢の部屋に近藤校長(泉谷しげる)が訪ねてく
る。真矢の噂を聞いてやってきたという。そして、真矢に、もし今度
現場に戻ったらどうするかと問う。
 真矢は、鬼になると答える。自分が壁になる、と。そうすれば、保
護者から苦情が来るでしょう。でも、子供達の家庭環境や交友関係に
ついて、すべて調べます。24時間、寝ないで子供達を見守る覚悟で
す、と。

 近藤は、自分の学校に来て欲しいが、自分は人格者でもなんでもな
いので、問題が起きた時、真矢を守りきれるかほからない、と言う。
 真矢は、それでもいいと引き受ける。


 真矢は翔の墓に参り、お母さんを守って、と言う。

 部屋へ戻り、児童達のプロフィールを前に、どの子が虐められたら、
どうするか、シミュレーション。そして、一番強いのは神田和美(志
田未来)だと結論を出す。

 今までのグレーのパンツスーツを着る。でも、首から胸にかけての
傷が見える。
 そこで、ハイネックのあの黒の装束を選択し、髪を束髪にまとめ上
げる。

 −−どうか、わたしのやり方が間違っていませんように。どうか
24人全員揃って卒業できますように。全員を守りますから、と誓う。

 そして、窓に映った自分の顔にそんなのでは、まだ甘いと言い聞か
せ、表情を引き締める。
 6年3組の教室に入り、和美達と顔を合わせるのだった。


寸  評  英二と、人を殺すとは、ということで取っ組み合いの刃傷騒ぎに
なるところは、本編でもやっていましたね。前回の真矢は新鮮でした
が、今回は、だいぶ見馴れた感じになってきました。
 由介も和美も、中学生になって、漫才コンビを結成するとは。ゆく
ゆくは二人でコンビでしょうか。

 英二のクラスぐるみのいじめ、金八先生でやっていたのを思い出し
てしまいました。

執 筆 者 鈴木(sumire_@anet.ne.jp)

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2. 編集後記
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 春休みの宿題が少しずつ提出できている、というところでしょうか?
 でも、すでにお知らせしましたように、出張に行くことになってその間、レ
ギュラーの放送がたまってしまうのが、残念であり、また皆様にはご迷惑をお
かけすることになってしまって、申し訳ありません。
 今、心待ちにしているのは、日本テレビのお昼に、ドラマの再放送が再会さ
れたことです。『光と共に』というドラマの最後を録画失敗し、貸しビデオ屋
にも置いていないので、再放送を心待ちにしていたのです。でも、昼間はバラ
エティにするということで、再放送が無くなってしまって、半ば諦めていたの
で、期待がふくらみます。(鈴木)

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発行元:ドラマ研究会
e-mail:info@j-drama.tv
url   :http://www.j-drama.tv/
ID  :MM3E195F16414CD 
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