メルマガ:日刊ドラマ速報
タイトル:Daily Drama Express 2006/03/23 白夜行 (最終回)  2006/03/29


===================================================== 発行部数   25 ==
                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2006/06/23 (Thu) ☆☆
======================================================================

== 目次 ==============================================================
  1.木曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
======================================================================

----------------------------------------------------------------------
1. 木曜日の連続ドラマ
----------------------------------------------------------------------
タイトル 白夜行
局  名 TBS系
放映日時 木曜21時
キャスト 桐原亮司(山田孝之)
 唐沢雪穂(綾瀬はるか)
 笹垣潤三(武田鉄矢)
 唐沢礼子(八千草薫)
 松浦勇 (渡部篤郎)
 谷口真文(余貴美子)
原  作 東野圭吾
脚  本 森下佳子
主題歌  柴咲コウ「影」

あらすじ  最終話 白夜の果て

 桐原亮司(山田孝之)は、笹垣潤三(武田鉄矢)を刺そうとしてバ
ランスを失い、笹垣の太ももを刺す。
 とどめを刺そうとしたが、身体に力が入らない。
 亮司は、「便所に.....」と言うと、フラフラと出て行く。

 亮司は倒れながらも、必死に歩く。


 松葉杖をついた笹垣は、訪ねてきた篠塚一成(柏原崇)に、亮司は
自分でトイレに青酸カリをまいたと白状したと言う。
 そして、なぜ二人が共犯になったのかというと、お互いに初恋の相
手だったから。仲良く切り絵をしているかわいい子たちだったという。


 篠塚が唐沢雪穂(綾瀬はるか)の共同経営者の良子に会うと、雪穂
は故郷に帰ったままだという。向こうに二号店を出すと言っていた、
と。


 笹垣が栗原典子(西田尚美)を訪ねる。
 典子は亮司の小説に対して、自分を見ていてくれる人を殺すはずが
ないと言ったことを話す。
 合点のいく笹垣。

 典子は、亮司に会ったら、自分のところに戻ってくれるように言っ
て欲しいと頼む。


 雪穂は店舗物件を探していた。
 陽が当たらないので商品が傷まなくていいと勧める不動産屋に、も
っと太陽が欲しいと雪穂。

 篠塚が雪穂に知り合いの不動産屋を紹介してくれる。
 雪穂は、今度の”R”は、『礼子』。母・唐沢礼子(八千草薫)の
ために、故郷にオープンする、と篠塚に言う。

 −− そのころのわたしには、あなたが生きているのか、死んでい
るのか確かめるすべがなかった。でも、生きていても、死んでいても、
わたしにできることは一つしかないと思っていた。

 二号店のオープン予定日は、2005年12月24日。

 −− ねぇ、亮。わたし、帰したかったの、陽の当たる場所に。あ
の日の花を浮かべたかった。あの日、あなたのくれた夢をあきらめた
くなかった。わたしを太陽だと言ってくれた、あの日の言葉に応えた
かった。

 12月8日、雪穂は店舗物件の賃貸借契約を結ぶ。


 2005年12月 布施。

 雪穂は必死に二号店オープンに間に合わせようとがんばっている。

 良子は篠塚に、オープン記念の指輪まで作ったと見せる。あのひま
わりのモチーフ。

 良子は篠塚と食事しながら、雪穂はやたらと二号店を立派にしたが
り、借金まで背負っている。でも、出資は雪穂がしていて、良子は名
義を貸しただけだから。雪穂はなぜかやたらとお金を持っている、と
言う。
 ハッとする篠塚。


 亮司の行方を追う笹垣に、笹垣を訪ねて自首してきた者がいるとの
連絡。


 笹垣が西布施警察署へと出向くと、自首してきたのは園村友彦(小
出恵介)。
 園村は売春中の事故を隠して貰ってから亮司に借りができた。
 でも、松浦勇(渡部篤郎)の事故を元に表の世界に戻れと言われた。
 今になって自首したのは、亮司が陽の当たる道を歩きたいと言った
のが本心だと思えるから。早く亮司を捕まえてください、と言う。

 笹垣の、松浦は生きていると思うか?との問いに、そう願うと答え
る園村。


 亮司は自分の指名手配のニュースをボロアパートで、同室の外人と
一緒に見ていた。相変わらず咳をしている。
 指名手配犯と顔が似ていると言われ、他人のそら似とごまかす亮司。


 −− こうしてR&Y二号店のオープンが迫った頃、降ってわいた
ように亮司はカード偽造犯として指名手配された。
    14年前の事件にまでつながりそうな捜査は、わたしたちの
身の破滅と、あの男の足音を感じさせた。


 笹垣の前に赤ん坊を抱いた典子が現れ、秋吉の本名は、桐原亮司だ
ったんですね、と言う。

 笹垣は亮司について語ったあと、でも、これは亮司の認めた話では
ない、と言う。

 典子は、亮司が自分の遺伝子を残してはいけないと思っていたのは、
こういうことだったんだ。本気だったんだ、と言う。そして、だから
こそこの子は生まなければならないと思った、と言う。

 笹垣は、桐原弥生子(麻生祐未)の遺影に、子供を見せてあげるよ
う言う。初孫だから、と。
 あの青酸カリが使われたのかと心配する典子に、そんなことはなか
った、と笹垣。

 典子と子供が帰ったあと、弥生子の遺影の前には、典子と子供の写
真が増えていた。

 笹垣は亮司に向かって言うかのように、殺しに来るのでもいいから
来い、と独り言を言う。


 亮司はつらい身体を押して、サンタの衣装を押し入れから引っ張り
出す。身体を気遣う同室の外人に、自分はまだ死ねない。プレゼント
を渡さなければ、と言う。


 店員が、雪穂が実家から持ってきたサボテンの鉢を割ってしまう。
 そっと近づいた笹垣は、散った土の中に、きらりと鈍く光るものを
見つけ、手に取る。パチモンのレイバンのサングラスの破片だった。

 唐沢家のサボテンの花壇の前に立つ笹垣。


 篠塚が、前祝いをやろうと、二号店にワインを持って現れる。
 そして雪穂がグラスを用意している間に、勝手に壁の絵の下から、
亮司の切り絵を取り出し、「なあ、もう自首しないか」という。
 とぼける雪穂に、亮司と雪穂の今までの軌跡を話す篠塚。この店も
亮司が盗んだ金で作ったんだろうと言った後、犯罪でさえなければ、
美しい話なのに、と付け加える。笹垣は、あの日の魂が惹かれあって
いるままなんだと言っていたとも。亮司は今でもダクトの中をはいず
り回り、雪穂は誰にも本当の姿を見せず、暗い部屋にいる。二人とも
それをわかっていても後には引けなくなってしまっている。亮司には
罪を償わせて死なせてやり、雪穂は楽に生きさせたい。

 雪穂は涙ぐむが、でも強がって、「何を証拠に」と言う。
 篠塚はあの切り絵が証拠。亮司は罪を償いたかったのではないか。
亮司はすべて雪穂のためにやったとみんなに言って死にたいのではな
いか。でもそれでも雪穂はきつい目で篠塚を見返す。
 篠塚は雪穂のところに図書館の掲示板の亮司の遺言のプリントを残
す。


 笹垣はサボテンの下を掘り返していた。
 サングラスのフレーム、松浦のパスポート、上着などが次々と出て
くる。

 笹垣は、元上司のところに、掘り出した松浦の遺品を見せ、明日雪
穂は確実に家を空けるので、その時に遺体を掘り返して欲しい。もっ
とも令状が無いので、難しいとは思うが、と頼む。
 署長は古賀の敵討ちだな、と頷く。


 亮司は雪穂が図書館に投稿したメッセージのプリントを持ち歩いて
いた。そしてふらつきながらも、軽トラックに乗り込む。


 −− 本当は知っていた。ずっと昔から、あなたが裁かれたがって
いたこと。勝手な夢を押しつけて、あなたをダクトの中に閉じこめた
のはわたしだ。
    あした、あなたが来たら言おう。太陽の下、一緒に手をつな
いで歩こう。死刑台まで一緒に歩いていこう。


 2005年12月24日。
 いよいよR&Y二号店がオープン。
 ドレスを着て、客を迎える雪穂。

 笹垣たちは雪穂の店のそばで張っている。

 亮司は道の向かいにサンタの服で立っていた。手にはあのモチーフ
を赤い紙で切り絵にしたものを数十枚持って。

 雪穂の背中を叩く手。谷口真文(余貴美子)だった。

 その辺を歩き回っている笹垣の前に、その切り絵を持って歩いてい
く通行人たち。サンタがくれたという。
 笹垣はサンタを見つけ、追いかける。

 その手ですごいねという真文に、雪穂は失うものなんて無かったか
ら。自分の上には太陽なんて無かったから。暗くもなかったけど、と
答える。
 「どうして?」と真文。
 「太陽に代わるものがあったから。明るくなかったけど歩いて行く
には十分だったから」と雪穂。
 「何だろうね?それ」と真文。
 「わたしだけの太陽」と雪穂。
 「あなたも?」と真文。
 ハッとする雪穂は、「彼だけの太陽だった」と言う。
 「もう、終わりにしたいと思います」と雪穂。
 「今日、来るといいね。じゃあ」と真文。
 「送らせてください」と雪穂。

 亮司を追いかけていた笹垣は、途中で見失う。

 そっと笹垣の背後に回った亮司が、笹垣の背中を刺す。
 「桐原か?」と振り向こうとする笹垣に、すっぽりと袋をかぶせる
亮司。

 亮司は大通りの歩道橋の上から雪穂を眺めていた。近くに袋詰めの
笹垣。
 急に大量の血が流れ出し、袋の内側から、はさみの刃が飛び出す。

 亮司が振り向くと、背中から血を流し、血まみれのはさみを手に、
歩道橋の手すりにつかまりながら近寄ってくる笹垣。
 「もう、あかんで。もう終わりや。1991年11月11日 キリ
ハラヨウスケ殺害。1998年フジムラミヤコ婦女暴行、ハナオカミ
ヤコ死体損壊。1999年死亡届提出、私文書偽造、キャッシュカー
ド偽造、ニシグチナミエ殺人幇助.....」と笹垣は言い、咳き込む。
 「ゲームソフト偽造、カワシマエリコ婦女暴行、松浦殺害。200
2年偽造公文書行使罪、営業秘密不正取得罪。2004年ストーカー
規制法違反、劇物・毒物取締法違反、カラサワレイコ殺害、ササガキ
ジュウゾウ殺害未遂および救助。2005年キリハラノリコに一子誕
生。おめえには子供がおる。その子供にちゃんと13階段のぼる背中
見せぇい。自分と同じ子を作るつもりか?間違っていたかもしれない
が、おまえが精一杯やったことを知っている。一人の女を幸せにする
ために。オレがちゃんと伝えたる。おまえに流れている血はそういう
血だと。済まんかった。あの日、おまえを、捕まえてやれんで。ホン
マ、済まんかったのぉ」と笹垣。
 亮司の両目から涙が流れる。

 亮司、来いやと、両手を振る笹垣。
 亮司は笹垣に近づくと、笹垣の手を取って、笹垣の手のはさみで、
自分の腹を刺す。
 「お返し」と亮司。
 「どうしてや?亮司。昼間歩きたかってんや、ないのか」と笹垣。
 「あいつはオレの太陽だから。オレはあいつの太陽だから」と亮司。

 亮司は笹垣の身体から離れると、歩道橋の手すりを越えて、下へ飛
び降りる。
 降り始めた雪が、本格的になる。

 雪穂が血まみれで倒れている亮司を見つける。
 亮司は雪穂に近づこうとして、身体に力が入らない。よく目も見え
ない。
 でも、一瞬雪穂の姿をとらえる。
 亮司は雪穂の方に血まみれの手を伸ばし、苦しい息で、「雪穂」と
声を絞り出す。
 立ちつくす雪穂。
 そして何度も頷くと、背を向けて歩き去る。
 満足そうな亮司。

 「ずるい、ずるいよ」と心の中で言いながら歩く雪穂。


 取り調べを受ける雪穂。

 唐沢家の庭から、松浦の遺体が発見された。犯人と目される亮司は、
墓場まで秘密を持って行くかのように、店の前で飛び降り自殺。しか
もその時のはさみは、14年前、雪穂が母・西本文代(河合美智子)
のものだと証言したもの。

 雪穂が語る。
 亮司と雪穂が初恋というのは本当。当時文世は、桐原洋介(平田満)
の愛人だった。変わった場所が好きなようで、会うのはいつも建設中
のビル。自分はその見張りをさせられていた。
 その姿をある日、亮司に見られ、何をしているか問われ、答えられ
ないでいると、ダクトの中を伝わって部屋に入り、父親のおぞましい
姿を見た亮司は、父親をはさみで刺したが、そのはさみを雪穂に押し
つけ、あの時、本当のことを言っていれば刺さなくて済んだ。やった
のは雪穂だと言った。
 文世にこのことを話すと、文世がやったも同然。でも、生きている
と本当のことを言ってしまいそうだから、と自殺を図った。雪穂も一
緒に死のうとしたが、生き残ってしまった。
 戒めのためにはさみを持っていたが、そのうち松浦が現れ、脅すよ
うになった。
 亮司は雪穂からはさみを取り上げると、松浦の死体を勝手に礼子が
大切にしている庭に埋めてしまった。

 −− そのあとも嘘に嘘を重ね、こうしてわたしはひとかけらの真
実も失った。

 「これでよかったんだよね。わたしは亮の太陽だから。亮は、わた
しの太陽だから。やめたらなんのために.....」
 床にぺたっと座り込む雪穂。


 2006年11月11日。
 笹垣は真文を図書館に訪ね、雪穂から何か連絡がないか聞く。
 相変わらず、書き込みも何もない。結局雪穂はお店もつぶしてしま
った、と真文。

 笹垣は、雪穂はあんな状態なのに無理に店を続けて、最後は借金ま
みれだった、と言う。
 どんな状態か問う真文に、笹垣は、生きる屍、と言う。
 最後の頃の雪穂は、ボーッとダクトの吹き出し口を眺めていた。自
首を勧める笹垣に、「悪いから」と断る雪穂。雪穂は死ぬこともでき
ないでいた。

 真文は、篠塚が、人生は捧げたものより、捧げられた者の方がつら
い。何をしても幸せにならなければならない人生に、幸せがあるのか、
と言っていたという。しかも、その愛する人はいない。
 そしてマンションに、あの、今日の日付が書かれた少年と少女が手
をつないだ切り絵を見せる。結局二人には、これしかない。


 公園のベンチに座った雪穂は、幼児を手招きし、やってきた幼児の
手をしっかりと握り、ほほえむ。指にはあの、二号店の開店記念とし
て作った指輪をはめている。


寸  評  雪穂が亮司の死後、あんなにつらい毎日を生きるなんて。亮司の
後を追うことも許されないことが、さらにつらいですね。
 愛する人のために一身をなげうつのは、どんなに大変なことかと思
いますが、実は、なげうたれた人の方がつらいなんて。

 これを見て思ったのは、戦争で表向きは国のためでも、心の底では、
愛する人を守るために敵を倒す(平和なときなら、殺人ですね)。そ
して戦死してしまう。残された女性は、きっと喪失感に襲われたでし
ょうね。

 ただ、救いとしては、最後の子供と手を握って笑顔を取り戻すとこ
ろです。この子供は、やはり典子の子供でしょうか?
 亮司の子供は、雪穂との間には生まれず、単に青酸カリ入手のター
ゲットとしてねらった典子の間にできる.....雪穂との間には子供が
できなくて、むしろよかったと言うべきなのでしょうか。

 今回、彼らのふるさとが『布施』とわかりましたので、布施につい
て、ちょっと調べてみました。
 布施市(ふせし)は、1967年1月31日まで大阪府にあった市である。
1937年4月1日、大阪府中河内郡の3町3村の合併により誕生。市役所は
現在の東大阪市永和2丁目に置かれた。
 1967年2月1日に河内市、枚岡市と合併して東大阪市となり、旧布施
市役所は東大阪市役所西支所となった。
 旧市域はおおむね大阪市境〜大阪中央環状線周辺の現東大阪市西部
にあたる。
 だそうです。

 最初、『大江図書館』と出ていたので、てっきり山陰の大江だと思
ったのですが。
 なお、あの大江図書館は、外観は『神奈川近代文学館』、内部は、
『三浦市図書館初声分館』だそうです。

 あの図書館が神奈川で調達したものであること、また彼らの故郷が
大阪であることにびっくりしました。確かに、笹垣と礼子は関西弁を
話していました。もっとも、笹垣の関西弁は九州なまりが入るのか、
ちょっと違う気がしましたが。でも、不思議なのは、関西の人はとこ
とん関西弁を話しそうなのに、何であの二人以外は標準語なのでしょ
う。すっかりだまされてしまいました。

執 筆 者 鈴木(drama_sumire@yahoo.co.jp)

----------------------------------------------------------------------
2. 編集後記
----------------------------------------------------------------------
 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。無事、最終回を迎える
ことができました。
 冬ドラマもすべて終わり、スペシャルドラマや単発ものを見ているうちに、
春ドラマ、といったところですね。年取ると、月日がたつのが早く感じるとい
いますが、年々歳々、早くなりますね。

 ところで、一昼夜が24時間であるとか、春夏秋冬を巡るのは365日だと
かいうのは、地球上の生物に平等に訪れます。
 でも、この一日や一年の感じ方は、たとえば寿命が十数年しかない飼い猫は
どう感じているのでしょうか?人間のように、毎年、一年が早く過ぎていく感
じがするよ、なんて感じるのでしょうか。
 彼らが感じる一年の感覚がわかったら、おもしろいだろうな、と思います。
(鈴木)

======================================================================
発行元:ドラマ研究会
e-mail:info@j-drama.tv
url   :http://www.j-drama.tv/
ID  :MM3E195F16414CD 
このメールマガジンは、メールマガジン[MailuX]を利用して発行しています。
(http://www.mailux.com/)
======================================================================

ブラウザの閉じるボタンで閉じてください。