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タイトル:Daily Drama Express 2006/03/09 けものみち (最終回)  2006/03/23


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2006/03/09 (Thu) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.木曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 木曜日の連続ドラマ
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タイトル けものみち
局  名 テレビ朝日系
放映日時 木曜21時
キャスト 成沢民子(米倉涼子)
 小滝章二郎(佐藤浩市)
 如月初音(東ちづる)
 久恒春樹(仲村トオル)
 佐伯米子(若村麻由美)
 鬼頭洪太(平幹二朗)
原  作 松本清張
脚  本 寺田敏雄
主題歌  中島みゆき「帰らぬ者」

あらすじ  最終章 生き残る!女帝最後の決着

 「無事でよかった」と小滝章二郎(佐藤浩市)。
 「聞きたいことなら山ほどある」と成沢民子(米倉涼子)。
 「何から話そうか?」と小滝。
 「もういい」と民子。

 −− あなたの言葉はいつも同じ。そのときのわたしを抱きしめる
か、突き放すかの、どちらかしかない。そして、それはいつも決まっ
て.....嘘。

 「ずっとつけていたの?わたしが鬼頭邸を抜け出してから」と民子。
 「いや、君がここの生まれだと知っていた。君の気持ちになって考
えてみた。一緒に帰ろう」と小滝。

 その時、診療所から民子の携帯に電話。

 看護師は民子に、久恒春樹(仲村トオル)の体は立っているのがや
っとのはず。その体でよく東京か来ましたね、とあきれる。

 目覚めた久恒は、ここはいいところだと言う。
 民子は、それより、自分の体を心配するようにと返事する。

 そこに、看護師に案内されて、小滝がやってくる。
 小滝は単刀直入に、久恒が民子と一緒にいる目的は金か?でも、今
の民子はマスカレードから切り捨てられ、一銭も動かせない、とたた
みかける。

 久恒は声を絞り出すようにして小滝に、「消えろ」と言う。

 小滝は民子に、自分なら民子のすべてを取り戻せると言う。
 久恒は、小滝にはついていくな、と言う。
 小滝はかまわず民子に、「君の人生を」とささやく。

 久恒は必死に民子に、小滝の正体がわかってないと言い、小滝に何
度も消えろ、と言う。

 小滝が病室を出て行く。

 民子は久恒に、すべてを決めるのは自分。それはわかっているとい
うと、病室を出て行く。

 小滝の後をついて行く民子。小滝に、自分には何も残っていない、
という。小滝は民子に一緒にいて欲しいだけだと、手袋をした手で民
子の素手をつかむ。

 民子は小滝の手をするりと逃げると、久恒の病室に戻る。

 久恒は民子の手を握り、民子はここで生きていけ、と言う。

 病室に妻・薫(網浜直子)と息子・太郎(吉川史樹)が病室に駆け
込んでくる。民子が久恒の携帯から連絡したのだ。
 民子は病室を出て行く。

 久恒は二人に優しく接する。薫は何でこんなになるまで何も言って
くれなかったのかと泣き崩れる。

 民子が呼ばれて医師のところへ行くと、医師は民子のことを知って
いて、もうぜんそくの発作は出ないのかと心配する。そして美しくな
ったなと言うと、余計なことかもしれないが、都会には人間の皮をか
ぶった獣がいて、美しい人を食い物にするという。気をつけないとな、
と言う。

 薫が民子を廊下の端に呼び、久恒とどういう関係かと問う。
 刑事と容疑者です、と民子。

 −− ここで見た夢は白い。ここで夢見た女など、もとからいなか
ったと思えば、そう、それでいい。後はもう、あの男との答えを出す
のみ。
 民子は鬼頭洪太(平幹二朗)から授けられた短刀を胸に抱く。


 白妙で飲む小滝。
 そこに衆議院議員・間宮悦郎(長谷川朝晴)が現れ、週刊誌を机の
上に投げ出すと、地検もひどいことをする。鬼頭もただの悪人。絶妙
のタイミングでこれだけ大規模なガサ入れをしたのに、肝心のものは
見つからなかったらしい。
 それはチップ。鬼頭の黒いネットワークのすべてを落とし込んであ
る。隠し部屋のパソコンには、確かにそれを作った痕跡がある。その
チップは二つ。片方が鍵の役割をし、二つそろって初めて役に立つ、
と一気にまくし立てる。

 それを廊下で、お銚子を持ってきた女将が立ち聞きする。

 「ホウ.....」ととぼける小滝。
 間宮は、小滝は知っていたんでしょ。とぼけないでください。それ
を手に入れるために小滝がどれだけ努力していたか知っている。実は
手に入れているのかも、とおどける。

 小滝は、間宮はもう思いを遂げたのだからいいのではないかとたし
なめる。間宮がどれだけ鬼頭を憎んでいたかは知っている。20年前、
間宮の父親を自殺に追い込んだ鬼頭。
 「無意味なもんですよ。積年の恨みなんて」と間宮。

 間宮は小滝につがれた酒を一気に飲む。
 そして小滝に期待している。それは自分だけではない、という。

 そこに如月初音(東ちづる)がお酒を持って入ってきて、二人で何
か悪巧み?と冗談を言った後、鬼頭の没後、民子の消息がわからない
という。そしてどこかの崖からでも身を投げたか−−そんな玉じゃあ
りませんね。どこかで次のチャンス、ねらってますねと笑う。

 初音が出て行くと、武藤美代子(星野真里)が「まだァ?」と顔を
出す。
 間宮は怒ると、小滝と大事な話をしているのだから、あっち行って
ろ。空気読めよ!と怒鳴る。

 美代子はそれでも廊下にいた。
 そこに女中が料理を運んでくる。

 間宮はさっそく女中の手を握り、口説き、結婚しよう、と言う。


 小滝に木崎光恵(田丸麻紀)から電話。小滝の予想通り、民子は伏
木から姿を消した。民子のことなら、何でもわかるんですね。と最後
に嫌みを加える。


 光恵がマスカレードの社長に就任。
 そこに民子が現れる。

 光恵は、民子は先の取締役会で、民子が解任され、光恵が新社長に
就任した。ここに民子の居場所はないと言う。

 民子はその取締役会、民子自身が招集し、民子の解任を決めさせた。
今日の午前中の取締役会を光恵は知っているか?と聞く。びっくりす
る光恵。
 民子は、光恵を呼んであげてもよかったけど、恥かかせるのもかわ
いそうだからやめた、と余裕を見せ、そこで光恵は解任され、自分が
再任したという。
 そして従業員たちに、光恵についていきたいなら、光恵と一緒に出
て行くように。自分と一緒ならこれから販促会議を開く、と言う。

 出て行ったのは光恵一人で、みな民子のところに残る。


 光恵は小滝に泣きつく。
 小滝はこんな事態も制せなかった光恵に失望した。はしゃぎすぎた
ようだね、と言うと、財布から出した千円札を喫茶店の机の上に置き、
店を出る。
 追いかけた光恵は、自分は道具だったのかと問い、小滝は、「君は
どう思うんだ?」とだけ答える。

 光恵は、じゃあ民子は?民子は何だったのかと問うが、答えない小
滝。


 杉原奈々美(上原美佐)が取り調べを受ける。成沢邸の放火事件の
犯人と目されているのだ。放火し、持ち出したティアラを民子に渡し
た。その借りで民子は、奈々美を雇わざるを得なかったという。

 奈々美を責めるのは、久恒の挙げようとしたことを続けないと、格
好が付かなかったからだ。


 民子は初音に、8000万円で買い取った芳仙閣の引き渡しを要求。
 初音は先日、白妙で小滝と間宮が密談し、鬼頭の残したチップを見
つけないと、世の中がひっくり返ると言っていた。この情報、
8000万円で買わない?そのあとは民子次第で.....と持ちかける。


 久恒は、鬼頭の黒いネットワークを報じる週刊誌に対して、今頃載
せても遅いんだと毒づく。そして民子を、殺されるぞと心配する。


 −− この男の中にやどるもの。人の心か獣の牙か。答えはもうす
ぐそこにある。


 久恒はベッドを抜け出し、服を着て、コートを羽織る。
 来合わせた薫が、自分のそばにいて!と叫ぶ。太郎は、これからお
仕事?と無邪気に言う。

 久恒は、どうしてもあと一つやらなければならないことがある。で
も、自分にとって一番大切なのは薫と太郎、と言う。
 久恒は太郎の「悪い人捕まえに行くんだね。お父さんがんばって」
という声に見送られて診療所を出て行く。

 でも、外を歩くとすぐに咳き込み、苦しくなる。


 雨の中、傘も差さずに鬼頭邸にやってきた民子。
 門を開けると、バッグからそっと短刀を引き出して確かめ、母屋へ
向かう。

 でも、玄関は鍵がかかっている。
 座敷の窓が開き、やっと中へはいる。そこは元鬼頭の寝室。
 すると、「お帰り」と声。

 小滝が、「越中富山の伏木、いいところだね。また会えると信じて
たよ」と言って現れると、民子を抱きしめようとする。
 民子はその手をすり抜ける。
 小滝はマスカレードの復帰劇は見事だったという。

 民子はどういう手で自分のすべてを取り戻してくれるのか問う。
 小滝は人生をやり直す方法なんていくらでもあると言う。

 民子は、裏で政治家とつながってていれば、何でもできるわね、と
言い返す。
 小滝は間宮と組む気はない。単なる道具だという。

 じゃあ、それなら何でも操れるなら小滝が政治家になればいいじゃ
ないかというと、小滝は政治家は抱えればいいと言う。
 民子は、本当に自分に会いたいと思っていい?と問う。

 小滝は民子を最初、麻布からすべてを吸い上げるための道具として
選んだ。しかしことが進むうちに、小滝の中に誤算が生じ始め、気づ
いたときにはもう遅かった。
 「君を好きになっていた」と言うと民子を抱きしめる小滝。
 民子は、「あなたの言葉はいつも同じ。そのときのわたしを抱きし
めるか、突き放すかの、どちらかしかない。そして、それはいつも決
まって」と言う。
 小滝は民子の言葉を遮り、「二人で生きてみないか?」と問う。
 民子の手からハンドバッグが落ちる。

 雨の中、やっとのことで鬼頭邸にたどり着く久恒。よろよろと邸内
に入る。

 小滝は民子のコートを脱がすと、いっそう強く民子を抱きしめる。
切ない表情の民子。

 鬼頭邸の玄関で血を吐き、座り込む久恒。


 芳仙閣。
 美代子は間宮を追いかけ、自分とこの国の未来と、どっちが大切な
の?と問う。
 「考えとく」と言って白妙に入る間宮。

 白妙から出てきた女中は美代子に、「外でお待ちになるようにとの
ことです」と事務的に言う。

 白妙の中で間宮は、年配者たちからつるし上げ状態だった。
 曰く『彼』が『それ』を手に入れたら、鬼頭洪太以上の存在として
裏からこの国を操れる。
 曰く『彼』は『それ』の入手に失敗すれば死ぬことはわかっている
だろう。
 曰く間宮は『彼』と親しいらしいね、と。
 これには慌てて否定する間宮。

 間宮は内々で現厚生大臣が続投をあきらめたらしい。次期大臣
は.....と言われている。
 隠しきれない喜びが顔に出たままの間宮。


 一人風呂に入る民子。

 すると突然黒谷富雄(前川泰之)が現れ、「次は殺すんだろ。早く
やれよ」と言う。
 そして洗い場に灯油をまく。
 「止めるなら、飛び出して来いよ。その身体、オレに見せろよ」と
黒谷。そしてマッチの火を落とす。
 一気に燃え上がる火の手。

 でも黒谷が浴室から出ようとすると、外から頑丈な扉が閉まってい
る。
 「話が違うよ!小滝さーん」と叫ぶ黒谷。
 ハッとする民子。

 そのころ小滝は、民子の担当を手に、満足そうに頷いている。

 民子は燃え上がる火の手に、焼き殺される成沢寛次(田中哲司)の
ことを思いだし、恐怖に顔をゆがめていた。

 パトカーが鬼頭邸に到着。久恒が通報したのだ。

 駆けつけてきた元相棒に、中には必ず民子がいる。連行しろ。身柄
を確保して、助けてやれ、と苦しそうに言う。
 そして彼らが裏の浴室に回ると、力尽きる。

 火の勢いは強く、彼らは近づけない。急いで消防車と救急車を手配。


 小滝はあの廃墟へ行くと、短刀の鞘を割って、中からUSBメモリ
ーを取り出す。小滝の手には、二つのメモリー。

 「いいんですか?それ、偽物かもしれませんよ」と民子の声。
 「どうしてここが!?」と小滝。
 「あなたの気持ちになって考えた」と、黒いショールを被った民子
が現れる。「もしかしたらわたし、それー、偽物とすり替えてるかも」

 小滝は笑うと民子に近づく。
 「本物であれ、偽物であれ、それは所詮そういう運命だったという
こと。連れてってよ」と民子。
 「断る」と小滝。
 「本当にただの一度も思ったこと無いの?何もかも捨てて、わたし
と一緒に生きてみてもいいって.....」と民子。
 「ないね」と言い捨てると去っていく小滝。

 呆然と立ちつくす民子。腕には包帯が巻いてある。

 小滝は黒いハイヤーの後部座席に乗り込むと、「お待たせ」と言う。
車は静かに走り出す。

 民子は懐からUSBメモリーを取り出すと、短刀の鞘に収める。


 −− けものみちにはけものみちの歩き方がある。ただし一度そこ
に足を踏み入れた者は二度と抜け出せない。たとえ出口を見つけたと
思っても、それは別のけものみちへと続く入り口にすぎない。
    生きるも地獄、死ぬも地獄。どちらも地獄に変わりなく。

 廃墟を大股に歩く民子。


 銀座の雑踏を、豪華な宝石を身につけ、闊歩する民子。


寸  評  遂に終わりを迎えました。回数が少ない分毎回の内容が凝縮され
ていて、見応えがありました。
 民子は殺されず、マスカレードの社長として活躍しているようです
ね。黒革の手帳の時でも、民子は雄々しく復活していました。
 久恒はあのまま、肺ガンが悪化して亡くなってしまったのでしょう
か?

 あの短刀の鞘のメモリー、民子はすり替えておいたのだと思います
が、皆様はいかが思いますか?
 でもそうすると、小滝は別に二つともそろえなくても、影の世界で
生きていけるということですね。
 地検特捜部といっても所詮公務員。その任になければふつうの人と
いうことです。でも、小滝の生き方を見ていると、もう、ふつうの人
生は無いですよね。それとも、ミイラ取りがミイラになった?

 鬼頭が民子に秦野と仲良くといった意味は、秦野の小箱と民子の短
刀がセットになって威力を発揮するからだったのですね。
 火事の時、黒谷は亡くなったのでしょうか?
 民子の身体には、あの腕ぐらいしか、服から露出した部分にはやけ
どがありませんでしたから、もしかしたら黒谷が身を挺して民子の身
体を守ったのかもしれませんね。

 ところで、間宮はもっぱら結婚をえさに若い美しい女性をものにす
る食わせ物のお坊ちゃまなのでしょうか?でも、見ていて杉O大Oを
思い浮かべてしまった人は私だけではないと思いますが、いかがです
か?

 最後、死人が出なくてよかったです。
 ところであの廃墟は、何を意味するのでしょう。オープニングとエ
ンディングがあそこでまとまってはいたのですが。今ひとつ意味合い
がわかりません。
 あれを見ていると脳裏に浮かぶのは、軍艦等ですが、マンション風
のがれきは無いので、違うところでしょうね。

執 筆 者 鈴木(drama_sumire@yahoo.co.jp)

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2. 編集後記
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 最後までお読みいただき、ありがとうございました。無事最終回を迎えるこ
とができました。

 ところで思うのですが、ドラマの異動する場面で、異動する人は荷物を段ボ
ール箱に入れて抱えて移ります。ふつうの会社では、異動先に持って行く荷物
って、段ボール箱1箱に収まり、手で持てる程度の料なのでしょうか?異動す
るときには、PCのコード類やゴミ箱も含めて、10箱前後になってしまいま
す。(鈴木)

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発行元:ドラマ研究会
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