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タイトル:Daily Drama Express 2006/03/02 けものみち (8)  2006/03/13


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2006/03/02 (Thu) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.木曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 木曜日の連続ドラマ
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タイトル けものみち
局  名 テレビ朝日系
放映日時 木曜21時
キャスト 成沢民子(米倉涼子)
 小滝章二郎(佐藤浩市)
 如月初音(東ちづる)
 久恒春樹(仲村トオル)
 佐伯米子(若村麻由美)
 鬼頭洪太(平幹二朗)
原  作 松本清張
脚  本 寺田敏雄
主題歌  中島みゆき「帰らぬ者」

あらすじ  第八章 鬼頭の死〜莫大な遺産

 成沢民子(米倉涼子)は久恒春樹(仲村トオル)に、小滝章二郎
(佐藤浩市)が鬼頭洪太(平幹二朗)に殺される、と心配していると
言う。
 久恒は、自分は警察を辞めたので、おそれることはない。民子の人
生を狂わせた張本人なのに何で小滝の心配をするのだ、と問う。
 そして、びっくりする情報があると言う。小滝という人物はこの世
には存在しない、と言いながら、桐沢柊次関連の資料を民子に投げる。
桐沢は元大阪地検特捜部所属で、主に政財界の汚職を追っていた。で
も、なぜか途中で辞めている。
 そのころ、神戸の暴力団とパイ部を作ったが、その桐沢を追ってい
たジャーナリストは1980年代、その資料を送ってきたのを最後に
消息を絶った。
 民子のことは自分が守る。民子は自分の金づるだから、と久恒。


 小滝の車に弁護士・秦野重武(吹越満)が乗り込む。
 秦野は、鬼頭とは上海で知り合った。当時の鬼頭は今よりもずっと
ぎらぎらしていて、よく裏社会のボスたちと女を取り合った。ロシア
ンルーレットなどして、ふつうじゃないよ。でも、なぜか意気投合し
た。親子ほど年が違うのに、と秦野は言いながら革手袋をはめた手で、
ひもを用意している。
 秦野は、大学卒業間近に、ちょっとした手違いで、当時つきあって
いた女を殺してしまった。でも、鬼頭はきれいに片付け、なかったこ
とにしてくれた。自分が弁護士になったのは、その恩返しのため。

 秦野は突然激昂すると、そんな自分に鬼頭洪太か小滝か選べるとい
うわけ!?と叫ぶ。

 小滝は落ち着いた声で、鬼頭の時代がまもなく終わろうとしてるこ
とは、側近の秦野が一番よく知っているはず。鬼頭の一番大切なもの
をあきらめて欲しい。今、秦野が右手に持っているものではなく、と
言う。

 秦野は怒ったまま小滝の車を降りていく。


 民子の携帯に、非通知の着信。小滝からだった。窓に明かりが見え
るのは民子か、と。
 ブラインドの隙間から顔を覗かせる民子。
 小滝はやっぱり民子だったんだね、と言う。そしてもうその部屋に
は戻らない。その場所は自分にとっても、民子にとっても過去の場所
だから、と。
 「この部屋に最初に連れてこられた時から、運命は変わった。都会
の真ん中にあいたけものみちの入り口」と民子。
 「けものみち、ですか.....しかしあなたはとうにわかっていたの
ではないですか?けものみちには、けものみちの歩き方があると」と
言うと、小滝はふいに電話を切る。


 −− 鬼頭洪太は、日に日に衰弱していた。世にもおぞましいはず
のこの老人の顔には、もはや初めて会ったときの面影もない。それは
単なるわたしのなれなのか、それともこの老人から何かが抜け落ちて
いっているからなのか。

 秦野が見舞いに来る。
 鬼頭は小滝の始末を聞く。
 秦野は、小滝は身の危険を感じ、逃げたのだろう。でも、捕まえる
のも時間の問題だという。

 今日の秦野の用件は、鬼頭の財産をすべて民子名義に書き換えるこ
と。
 鬼頭は優しい声を出すと、民子には今日は仕事があるだろう。行っ
ていいと言う。

 鬼頭は秦野に体を起こさせると、「あれ」を持っているか問う。
 秦野は、いつも肌身離さず持っていると答え、内ポケットから名刺
ケース大のアタッシェケース型の箱を取り出す。

 鬼頭は、その価値に比べれば、民子に与えた動産、不動産の価値な
ど、たかがしれている。無限と有限の差は計り知れない。『それ』は、
秦野一人の命などでは、とうてい購えないほどの価値がある。そして
民子とはうまくやるように言う。
 そして、突然、キッとした顔になると、秦野にもう一度上海へ行く
か?上海はよかった、と言う。
 秦野に立たせるよう言うと、秦野相手にダンスのまねをする。鬼頭
の頭の中では、タンゴの音楽がなっているようである。


 如月初音(東ちづる)は2000万円を持って現れ、先日借りた
500万円を返し、残りで自分のためのジュエリーを見立てて欲しい
と言う。
 民子はふつうにジュエリーを見立てる。
 初音は、あのお金をどうしたか聞かないのか、と問う。
 民子は、お客様のことを詮索しないと答える。

 初音は、自分には経営の才能はなかったが、自分以外の女の本性を
見抜く才能はある。民子も急にジュエリーデザイナーとしての才能が
花開いたりではなく、もとからそういう人だったりだ、と言う。これ
が民子の本性だと。

 初音が店を出て行くと、急に木崎光恵(田丸麻紀)が辞めるという。
かねて仲間と進めていた計画が軌道に乗って、と。
 民子は、今光恵に抜けられるのは困ることだが、人の夢をじゃます
ることはできない、と許す。そして、何をやるのか問う。
 光代は、まだ話せないが、ここで得たことをこれから役立てていけ
ると挨拶。


 光恵は、自分の車に乗り込んできた杉原奈々美(上原美佐)に、こ
れからは言動に気をつけてくれないと、命取りになると注意。


 民子の携帯に非通知の着信。小滝からだった。今は身の危険があり、
身を潜めているという。

 −− 会いたいと思った。

 小滝は、自分が引きずり込んでしまった民子が心配だが、会いに行
けない。今はお互い頼れるものは誰もいない状態だという。

 −− わたしは一人でも生きていける。でも、それはそう思わせる
誰かがいつもそばにいるからだったのかもしれない。


 光恵は小滝に頭を下げる。
 その様子を車の中から見ている奈々美。


 秦野は民子に、動産、不動産の名義はすでにすべて民子に移し、東
西銀行の貸金庫に入れておいた、とその鍵と暗証番号を渡す。「鬼頭
洪太70有余年の人生であなたを最後の女に選んだ。おめでとう」と
いいながら。

 民子は、それをマスカレード名義にできるか問う。そうすれば、マ
スカレードを守れるし、自分が殺されても、と言う。
 秦野は、殺されることはないでしょう。それより小滝のことが心配
ですか?と水を向ける。

 そしてオヤジ(鬼頭)には内緒だが、自分は小滝はねらわない。な
ぜなら友達だから、と言う。


 武藤美代子(星野真里)がマスカレードに来る。そして、芳仙閣は
いよいよ倒産らしい。初音は毎日米つきバッタのように頭を下げて借
金に回っているけど、やっと集められたのが2000万円。借金は
8000万円以上あるので、どうにもならないだろう、と言う。そし
て女は民子や自分のように力のある男性を捕まえた方が勝ち、と言う。
衆議院議員・間宮悦郎(長谷川朝晴)に結婚しようと言われたとよろ
こんでいる。
 苦笑する民子。

 そこに間宮が現れる。待ち合わせていたのだ。間宮はどこに行って
も有権者の人気者なので、町中では噂になってしまう、と説明。

 間宮は美代子を外に行かせる。
 民子が美代子に、「あまり笑わない方がいいわよ。馬鹿がわかっち
ゃうから」と声をかけ、美代子がつかみかかろうとする。
 それを間宮がなだめ、民子と二人きりになると、いよいよ鬼頭の心
臓は危ないらしいですね、と本題に入る。
 「よくご存じで」と民子。
 「鬼頭洪太の体調は永田町でも、兜町でも注目されています。もっ
て1年と言われていたけど、これでバタつく。めんどくさいな」とい
すにふんぞり返る。


 鬼頭は傍らの民子に、「そこに米子が立っている。いくつになって
も心配性だなあ」と言う。

 鬼頭は民子に、問わず語りに、いつの頃からか、昼も夜も死人に囲
まれている気がする。そして冷たい無数の眼で、いつ死ぬのかと見ら
れている気がする、と。
 そして自分の懐に、民子の手を入れさせ、「つかめ」と言う。

 民子がつかんで取り出すと、短刀。いざと言うとき、使えと鬼頭。
 民子は、殉死でもしろというのですか?と言う。

 鬼頭は、それもいいけど.....でも、冗談だと言う。そして、民子
は民子にしかできないことをしろ、と言う。
 何かしら?と考える民子に、子を作れと言う。この国はもっと豊か
にならねばならぬ、と鬼頭。

 民子が担当を押し頂いて、部屋を出ようとすると、鬼頭は「バイバ
イ」という感じに手を振る。

 鬼頭の手から、持っていた独楽が落ちる。


 民子が初音に8000万円を見せ、芳仙閣を売るように言う。
 初音はその8000万円を手で払う。

 民子は強がっても、借金のカタに、二束三文で取られるんでしょ、
と言う。
 初音は民子の頬を叩く。

 民子は急に両手をつき、頭を下げると、ここはこのままの姿で残し
たいと思う。生活が苦しかったとき、ここの給金でどれだけ助かった
か。ここは自分が最後に人でいられた場所という。


 民子が鬼頭の寝室に入ると、秦野と黒谷富雄(前川泰之)がいて、
鬼頭が亡くなったという。
 「天下の悪党が、畳の上で死んだよ」と笑う秦野。

 女中が死に水を取る道具を持って入ってくる。
 「それはあんたの役目だと思って待っていたよ」と秦野。

 民子が死に水を取る。秦野が白布を渡し、民子が鬼頭の顔にかける。

 秦野は立ち上がり、パソコンが置いてある部屋にはいると、あの小
箱の中身を取り出し、声を殺して笑う。


 鬼頭の葬儀。民子は白装束の帯に、あの短刀を挟む。

 民子は鬼頭の足下で弔問客の挨拶を受ける。

 秦野はあの部屋に男と一緒に入ると、注意を怠らないように言う。


 久恒が弔問に訪れ、いきなり鬼頭の白布を取ろうとする。
 民子は、「まず、手を合わせるものですよ」と注意する。
 久恒は、生きているうちに、この化け物の顔を見ておきたかったな、
と言う。

 民子は黒谷を呼ぶ。


 男が秦野に、何に数名の不審者がいると報告。

 秦野がアタッシェケースを手に、帽子とサングラスをかけ、庭を走
る。
 黒谷が、「こちらに車をまわしてあります」と、声をかける。

 秦野がそこへ行くと、車もなければ、人もいない。

 すると突然、秦野の首にロープが掛けられ、太い松の枝につり上げ
られる。

 黒谷はつり上げられた秦野を確認すると、下へ落とす。


 鬼頭の屋敷を出た久恒は、大勢の捜査員らしき男たちが、鬼頭邸に
駆け込んでいくのを見る。

 光恵は車の中で携帯で、「木崎です。報告します。14時15分、
捜査が始まりました。混乱はしていますが、問題はありません」と報
告。
 その車の後部座席には、奈々美がいる。

 男たちは東京地検特捜部。これより一斉捜査を開始すると、令状を
見せる。

 久恒が、民子の手を握って、外へ連れ出す。

 地検の特捜部は、隠し部屋の書類も、愛染明王の像の下の隠し倉庫
からも、書類を押収する。


 人目がないところまで逃げてくると、久恒は驚いている民子に、鬼
頭が生きている間は手が出せなかったから、この機会を待っていたの
だろう。こんなに早く踏み込んできたのは、小滝のせいだろう。やつ
はまだ、国家の犬だったのだ、と言う。
 そして民子に自分のコートを掛けると、民子のことは自分が守る、
と言う。
 「金づるだから?」と振り返る民子に、久恒は何も答えず、たばこ
を吸う。


 マスカレードにも捜索が入る。受賞作のティアラも引き出されるが、
捜査員が手を滑らせ、床に落ちる。
 ハッとする光恵。


 小滝は、元々秦野が持っていたUSBメモリーキーをPCに差し込
む。
 でも、それは一つだけでは起動せず、"リムーバブル・ディスクB"
 も必要だった。
 「二つで一つか.....」とつぶやく小滝。
 それを持ってきた男は、言われた通りにしただけだ。そうすれば、
オレに別の人生をくれると言ったからと弁解。
 小滝は、人を消すなど造作もないこと。自分もそうやって、人生を
変えたという。

 −− これまでそこに帰りたいなどと、思ったことはなかった。な
のに今、逃げ場所はそこしかなかった。


 民子は久恒と、日本海沿岸を走るローカル線に乗っている。
 伏木駅で降りる。
 久恒の携帯が鳴る。妻・薫(網浜直子)からだった。引っ越しをし
ている最中だった。


 「あるんだな、こんなことって。オレが想像していたのと、ほとん
ど一緒だ。あんた、こういう風景を見せ育ったんだな」と久恒。
 民子は、この海岸でポケットいっぱいきれいな石を探したという。

 久恒は、こっちにはもう民子の身内はいないのか問う。
 民子は直接答えず、子供の時、いつかは越えなければならないと思
っていたという。

 久恒は、今夜の宿を取ろうと歩き出し、突然血を吐く。
 民子は驚いて久恒の背をさすりながら、「誰かー!誰か来て!!」
と叫ぶ。

 でも、海岸では、ただ雪が降るのみ。


 久恒は地元の診療所に運び込まれる。検査に時間がかかる。

 毛皮を着た民子は、地元の老人の中では浮いた存在。その好奇と非
難の視線に耐えきれなくなった民子は、外へ出る。

 その前に現れる小滝。
 民子は小滝に走り寄り、小滝は民子の体を抱き留め、無事でよかっ
た、と言う。


寸  評  こんなに民子が追いつめられてしまうとは思いませんでした。し
かも、「黒革の手帳」の時のような、組織の者にではなく、国家権力
に追われて逃げるとは。どうしていつも、北陸なのでしょう。しかも、
仲村トオルと。既視感があります。

 あの北陸の海岸は、沿線に「雨降」と書かれていたので、翡翠海岸
でしょうか。そうすると、民子の拾っていた石といのは、翡翠だった
のでしょうか。

 鬼頭が秦野に、民子とうまくやれと言い残したのは、実はリムーバ
ブル・ディスクBの隠し場所はあの短刀だったと言うことでしょうか。
 次回はもう、最終回です。何もかも次回で終わり。すべてが明るみ
に出るのでしょう。

 ところで、同じ時間に「白夜行」をやっていますが、向こうの方が
年齢が若い分、幼稚に見えてしまって。こちらの大人のドラマの方に
より惹かれますね、個人的には。
 そういえば、久恒も笹垣も一匹狼は結局警察を辞めて、犯罪者であ
る主人公を追うことになりましたね。

執 筆 者 鈴木(drama_sumire@yahoo.co.jp)

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2. 編集後記
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 昨年の秋ドラマでの東京テレビで、『嬢王』という深夜ドラマをやっていま
した。内容を簡単に言ってしまえば、ヒロインが、六本木ナンバーワン・ホス
テスすなわち嬢王になる戦いを描いた、というだけですが。
 先日、地下鉄の車内で、「R−1」と書かれた競い合いのポスターがあって、
ドキッとしました。
 そのドラマで、六本木ナンバーワン、略して「R−1」と呼ばれていました。
 でも、地下鉄のポスターは、お笑いのナンバー・ワンで優勝賞金も、ドラマ
は5,000万円ですが、お笑いは一桁少ない、500万円でした。(鈴木)

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発行元:ドラマ研究会
e-mail:info@j-drama.tv
url   :http://www.j-drama.tv/
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