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タイトル:Daily Drama Express 2006/02/19 輪舞曲 (6)  2006/03/10


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2006/02/19 (Sun) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.日曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 日曜日の連続ドラマ
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タイトル 輪舞曲−ロンド−
局  名 TBS系
放映日時 日曜21時
キャスト 西嶋ショウ[金山琢己](竹野内豊)
 チェ・ユナ(チェ・ジウ)
 風間龍吾(速水もこみち)
 風間龍一郎(杉浦直樹)
 宗圭煥 (橋爪功)
 風間琴美(市川由衣)
 ヒデ  (佐藤隆太)
 キム・シヨンジェ(シン・ヒョンジュン)
 伊崎吉彦(石橋凌)
 チェ・ユニ(イ・ジョンヒョン)
 松平富士子(岡本麗)
 松平鉄平(塩見三省)
 一ノ瀬あきら(木村佳乃)
 金山恵子(風吹ジュン)
脚  本 渡邉睦月
主題歌  絢香 ayaka 『I believe』

あらすじ  「ずっと言えなかったことを、ちゃんと伝えるよ。俺の名前は金
山琢己。」

 ユナ(チェ・ジゥ)に全てを打ち明ける決意をした、ショウこと、金
山琢己(竹之内豊)は、本名や、自分が警察官であること、警察官にな
るため帰化したが、本当は韓国人であることを明かす。

 「俺も、俺の両親も日本で生まれ育った韓国人だ。父親は神狗(シ
ェンクー)に殺された。」

 琢己はユナの携帯を出させると、西嶋ショウの名前を消し、金山琢
己、と登録する。

 「か・な・や・ま・た・く・み。ナヌン カナヤマタクミ(私は金
山琢己です)。
 もしかしたら、もう会えないかもしれないけど、もしまた会えたら、
そん時は、この名前で呼んでよ。
 まぁ、ちょっとの間だったけど、君に出会えて、楽しかったよ。」

 「待って。」

 立ち去ろうとする琢己を、呼び止めるユナ。

 「ワタシモ、タノシカッタ。コノクニデ、アナタニアエテ、タノシ
カッタ。ダカラ、アイタイ。モウイチド。・・・ヤクソク」

 小指を差し出し、「あなたが、好きだから。」と涙ぐむ。

 歩み寄った2人は指切りをするが、韓国式に親指を合わせようとし
たユナの手を引き寄せ、ぎゅっと抱きしめる琢己。
 しっかりと抱きあう2人。

 やがて身体を離すと、琢己は振り返らずに立ち去って行った。
 ユナはポロポロと涙をこぼしながら見送っている。


 琢己の行方を追っている伊崎警視(石橋凌)。鍵の開いていた彼の部
屋に踏み込むが、琢己の姿はない。
 その時、琢己から電話が入る。

 すぐに出頭しろという伊崎に、琢己は、手がかりが見つかった、と
言い、部屋にあるパソコンを見るよう促す。
 そこにはキム・ヨンジェ(シン・ヒョンジュン)のカジノに運び込ま
れた荷物の写真が数枚映っていた。
 先日、琢己の失態で取り逃がしたトラックの姿もある。このトラッ
クはどの検問にもかからなかったが、そのことから琢己は東京湾に着
目し、偽札工場が船の中だと推理したのだ。
 さらに次のデータを示そうとするが伊崎はそれを遮り、あとは引き
継ぐ、これ以上コミット(関わりあうこと)するな、と言う。
 琢己は、警察組織が動けばモグラ(潜入者)から情報が筒抜けになる
と警戒。(自分達で処理しようと)次のデータを示そうとするが伊崎
は応じない。

 自分の動きに応じて会話を進める琢己を、「近くにいる」と判断し
た伊崎が窓辺に立つ。高速道路を挟んだ向かいのビルの屋上に、琢己
は立っていた。

 「お前は俺を裏切ってくれた。そんなヤツの言うことなんか聞け
ん!」
 「お袋に会いました。」

 立ち去りかけた伊崎がピタッと立ち止まる。

 「24年前のあの日のまま、立ち止まっていたのは俺だけだった。そ
れに、もうこれ以上悲しませたくないヤツがいるんです。
 だからもう馬鹿なマネはしません。印刷工場の証拠掴んで、そして
必ず出頭します。」

 もう一度窓辺に歩み寄り、琢己を見る伊崎。

 「お願いします。」と、頭を下げた琢己を見据えながら、伊崎は電
話を切った。
 もう一度頭を下げて、立ち去る琢己。


 神狗本部。
 組織の御曹司・龍吾(速水もこみち)が、韓国からの客分キム・ヨン
ジェ(シン・ヒョンジュン)の仕事を自分にさせてくれとボスの龍一郎
に談判している。 
 龍吾は自分なりの計画を立て、合法カジノを作るつもりだったが、
説明しようとした矢先、すでに会社は潰した、と龍一郎が書類を投げ
捨てる。
 「お前はわしの人形だ。言われた通りにしろ。これが最後の忠告
だ。」

 そんな龍一郎の言葉に、珍しく龍吾が歯向かった。

 「今時偽札作り?馬鹿じゃないのか。もっと楽して稼ぐ方法なんて
いくらでもある。時代が違うんだよ!!」

 声を荒げる龍吾を宋が諌める。
 龍一郎は立ち上がり、
 「金のためにやってるんじゃない。これは戦いだ。国が作り出す紙
くずとの、な。私はこの国が決めた価値観など何一つ信用しない。認
めない!・・・戦いなんだよ。」
 と、言って出て行く。
 睨みつけるように見送る龍吾。
 そこに秘書らしき女性が入ってきて、宋に何事か耳打ちすると、パ
ソコンのキーを叩き始める。
 横目で覗き見る琢己と、その琢己を見ているキム。

 女性は、誰かとチャットをしている。(相手は髪の長い女性。後姿)
 プログラムの進み具合を尋ねると、
 「6割程です。必ず間に合わせます。」と答えが返ってきた。

 ユニの病室。
 ぼんやりしているユナに、妹は、「ショウさん(琢己)は悪い人じゃ
ないから大丈夫。いつか必ず神狗から抜けてくれる」と声をかける。
 「心配しないで。決めたから。信じる、って。」と、琢己のくれた
ストラップを見せるユナ。

 その時、妹がユナの襟元にネックレスがないことに気づく。

 「ほんとだ。どこでなくしたんだろう。」
 「だめじゃない!大事なお守りなのに。」


 その頃、神狗内部で捜査をしている琢己。パソコンを盗み見し、今
日の取引きの情報を掴むが、キムに後をつけられていて、背後から銃
を突き付けられる。
 振り向きざま、素早く後手にパソコンを消し、ポケットの中で伊崎
にメールを送る琢己。

 銃を構えながら一歩、一歩とキムが琢己を追い詰める。「ここで何
をしていた。韓国語、少しはわかるんだろ。あの女とデキてるなら。」

 後ずさりながらも、メールを打つ琢己。後ろを向かされ、ポケット
から手を出すよう指示される。
 ギリギリ、送信し終えて、琢己は両手を挙げた。キムがポケットを
探ろうとする隙をついて襲い掛かり、銃を向けるが、それは反撃する
キムに弾き飛ばされてしまう。

 床に落ちた銃を拾い上げたのは、琢己でもキムでもなく、静かに入
ってきた宋だった。
 「何があったのか、説明してもらえますか。」

 初めに口を開いたのは、キムの方だった。
 「ヨンジェ氏は、君がモグラだと言っています。」
 「モグラは、コイツです。」

 2人の間に宋が発砲した。背後のガラスを貫通する。

 「どちらかが嘘をついているか。或いは、どちらも相手をモグラだ
と勘違いしているだけの忠誠心の強い人間か。」
 2人の顔を見据えながら、宋は携帯を出し、誰かに電話をかけ始め
る。相手は警察内部に潜入している手下のようだ。

 「今夜、伊崎警視が動くかもしれません。その時は阻止しなさい。
・・・どんな手を使っても。」

 電話を受けた男は、物陰から伊崎の様子を伺っている。その指には
銀色の指輪が見える。

 今夜入港する偽札工場の船を摘発するため、テキパキと指示を出し
ている伊崎。
 背後から何者かが忍び寄る気配を察知し、いち早く銃を抜く。
 銃を構えて振り向くと、今襲いかかろう、という体勢の牛山警部
(光石研)がいた。
 牛山は殺人・強盗を扱う捜査一課から、神狗特別捜査班に任命され
ている。

 「牛山。お前がモグラだったとはな。残念だよ。」

 激しく抵抗する牛山を、刑事たちが一斉に取り押さえる。

 一方、神狗本部では、琢己とキムの取調べが続いていた。二人に交
互に銃を向けていた宋が、琢己に狙いを定めた時、宋の携帯が鳴る。
 船が無事、到着したとの報告だった。

 「何か変わった事は?」
 「特に何も。他に船もなく、静かです。」

 その報告をきいた宋の顔色が変わる。「他に船がない?・・・罠
だ!!」

 報告していた部下の頭上をヘリが飛び、パトカーが一斉に船を取り
囲む。

 「もしもし・・・もしもし!!」
 「残念だったな。神狗はもう終わりだ。」

 呼びかけに応えたのは、伊崎警視だった。

 「待て!手をひかなければ、モグラを殺す。今ここで。」
 「フン。アンタにしては下手な悪あがきだな。こっちのモグラは、
牛山の訊問中だ。
 よく聴いとけ。神狗の断末魔だ!!」

 激しい銃撃戦とともに、船では一斉に摘発が進む。宋は取引を諦め、
龍一郎に電話をかけた。
 命拾いをした琢己はそっと息をつく。

 「船が、摘発されました。」
 「わかった。」

 証拠も次々と発見され、偽札工場の摘発は順調に見えたが、龍一郎
を取り逃がしたと、伊崎に報告が入る。
 空港などにも人員を配備し、何としても捕らえろと声を荒げる伊崎
の前に、龍吾がひとりで現れる。

 「父の居場所を教えに来ました。」
 「捜査のかく乱が狙いか。美しき親子愛だな。」
 「親子愛・・・?父に愛された事なんて、一度もありませんよ。」

 ここに行けばわかる、とカードを差し出す龍吾。半信半疑ながらも
伊崎はそれを受け取った。

 琢己に電話する伊崎。
 「ありがとうございました。これから出頭します。」という琢己に、
龍一郎の居場所を教え、すぐに追えと指示を出す。

 「どうして俺に?」
 「お前を、もう一度信じたいと思うからだ。」

 穏やかだった琢己の表情が引き締まる。

 「これは、命令だ。金山琢己警部補!」
 「・・・はい。」

 キッ、と顔をあげる琢己。


 ホテルの最上階ラウンジで夜景を見ていた龍一郎。気配を察知し、
仕込み杖を構えるが、それより早く銃を構えた琢己が踏み込む。
 「君がモグラかい。たかが公務員のはしくれが仕事に命をかけると
はなぁ。君をそこまでさせる信念とは、一体何なんだ?」

 つかつかと歩み寄り、龍一郎の腕の傷を確かめる琢己。
 「お前が、親父を、殺したんだな?」
 「なるほど。復讐か。実に陳腐な動機だ。」と、龍一郎は笑う。

 龍一郎に突き付けた銃を構えなおす琢己。駆け込んできた伊崎が、
その光景に息を呑む。

 「謝ってほしい、父に。そして・・・父を奪われた母に。」
 「断る。私はもう誰にも頭は下げない。下げれば、自分の人生を否
定することになる。」

 琢己の表情が歪み、腕に力が入るが、彼はそのまま銃を下ろし、
「あとはよろしくお願いします。」と、伊崎に後を託して立ち去って
行く。

 風間龍一郎逮捕のニュースをみていた琢己の母・恵子(風吹ジュン)
とあきら(木村佳乃)は、これで琢己は帰ってくる、と喜び合う。
 連行される龍一郎は、必死でパトカーにすがりつく娘の琴美(市川
由衣)に、穏やかな微笑を投げかけていた。
 チャメ店内では、後片付けをしていたユナもまた、このニュースを
厳しい表情で見ている。

 翌日、いつもの公園でユナがネックレスをさがしていると、明るい
表情の琢己がやってくる。
 「ドジだね〜。」と笑いながら一緒に探そうとする琢己に、「一人
で探せるわよ。」と言いながらも嬉しそうなユナ。

 地面を探していたユナがふと顔をあげると、見つめていた琢己と目
が合う。

 「ただいま。」

 思わず琢己に走り寄ってぎゅっと抱きつくユナ。恐々と手をまわし、
やがてしっかりと抱き返す琢己。
 「ごめん、心配かけて。」
 「タクミ。」

 初めて名前を呼ばれ、表情を変える琢己。

 「ずっと願ってた。あなたに会いたいって。会いたいって。」

 ユナの顔を両手で挟み、じっと見つめていた琢己は、黙ってキスを
する。
 少し離れて座った二人。

 ユナは、「こんな時間が、ずっと続けばいいのに。願いは、幾つ叶
うものだと思う?」と、問い掛ける。

 「どうかしたのか?」
 「何でもない。・・・ほら、早く探してよ」

 楽しそうに笑いあう二人。


 後日、摘発した船の中で会っている琢己と伊崎。

 「琢己。よく殺さなかったな。24年前のあの日、金山先輩の遺体を
見た時、俺だって復讐したいと思った。人間だったら当然の感情だ。
 だけど、それに負けたらだめだ。復讐の連鎖に飲み込まれたらもう
二度と這い上がれん。
 それに、お前を殺人犯なんかにしたら、俺は金山先輩にあわせる顔
がなかったよ。」

 「・・・初めて本音言いましたね。」
 「そうだったっけ」

 照れくさそうに笑う伊崎。

 「いつも厳しいことしか言わないから。」
 「それだけ特別だったってことだよ。さ、いくか。」と、琢己の肩
に手をまわす。
 本当に嬉しそうに笑う琢己。

 「署に戻ったら、龍一郎の調べと、お前を警官に戻す準備を始めな
いとな。もう大忙しだ。」と、甲板に上がりながら伊崎が言う。

 「警官に戻す?」
 うんうん、とうなずく伊崎。

 「頼りにしてるぞ。お前は俺にとって大事な相棒だ。今まで以上に
こき使ってやるから覚悟しとけよな。」と、楽しそうに笑う。

 「ありがとうございました。」と立ち去りかけた琢己は、振り向き、
伊崎に向かって敬礼してみせる。
 一瞬、感慨深げに黙りこんだ伊崎だが、「なんだ、そら。無様だな。
」と、笑って琢己の姿勢を直してやる。そして自分も琢己に向かって
敬礼した。
 いつか琢己の父がそうしてくれたように。

 お互いに敬礼したまま、楽しそうに笑いあう二人。
 突然、銃声とともに伊崎が崩れ落ちた。

 「伊崎さん。」
 駆け寄った琢己を、二発目、三発目の銃声が襲う。
 振り向くと、黒い覆面の人物が銃を構えているのが見えた。
 伊崎を助け起こし、物陰へと避難させるが、腹を撃たれた伊崎の出
血は止まらず、呼吸がどんどん荒くなる。
 苦しい息の下から、琢己を気遣い「逃げろ」と命令する伊崎。
 必死で助けようとする琢己に「また命令違反か。」と笑おうとする
が、笑顔にならず、苦痛に顔をしかめる。

 伊崎を運び出そうとする琢己に首を横にふり、「あの美人か?お前
が悲しませたくない相手。」と尋ねる。
 うなずく琢己。

 「2人で幸せになれ。そして、家族を・・・」

 そこまで言うと、伊崎は息絶えた。
 何度も伊崎の名を叫ぶ琢己。
 もう動かなくなった伊崎の開いたままの目をそっと閉じてやる。
 怒りをぶつけるように、甲板に戻り敵のいた方角に向かって発砲す
るが、その時、足元にユナのネックレスが落ちてるのを見つける。

 その頃ユナは、ある人物からの電話をうけていた。

 「オッパー(お父さん)。」

 ユナの表情は硬い。


寸  評  伊崎がとうとう亡くなってしまいました。
 だいたい人が死ぬ場面と言うのは、言いたい事をちゃんと言い切っ
て、ガクッと目を閉じることが多いですが、伊崎さんの死に際はとて
もリアルに演じられていましたね。
 目を開けたまま死ぬ人は、何かの思いを残したり、苦しんで亡くな
ったといわれます。
 言葉はなくても彼の無念が滲む様な名演技でした。

執 筆 者 斉藤()

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2. 編集後記
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 伊崎の最後の台詞について、ファンの間では、「あの美人が」という説と
「ビィンガ(美人が)」或いは「ビィン(恋人)」という韓国語を使った、とい
う説があります。
 確かにどちらとも聞こえるのですが、一応韓国語のシーンには通常、字幕が
ついているし、他に伊崎が韓国語を話す場面はなかったので、日本語で「美人」
と表記しました。(斉藤)

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発行元:ドラマ研究会
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